インフルエンザ予防接種の副反応|熱は出る?副反応の症状と予防法を解説

インフルエンザの予防接種の後に起こる副反応についてわかりやすく解説。腫れや痛みなどの局部症状から発熱や倦怠感などの全身症状、子供に現れやすい副反応まで、詳しく紹介します。副反応をおこしにくくする予防対策もピックアップ!

インフルエンザ予防接種に副作用があると聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?

予防接種などの注射の後に現れる体調の変化は、予防接種の副作用ではなく「副反応」と呼ばれる体の自然な反応です。副反応は、予防接種の目的である「抗体を得る」以外の皮ふや全身に起こる反応なのです。

現在日本で使われているインフルエンザワクチンは、ウイルスから病原性を取りのぞいた「不活化ワクチン」と呼ばれるもので、安全性が非常に高く安心して接種をうけることができます。

この記事では、インフルエンザ予防接種の副反応の症状や予防法について解説します。

インフルエンザ予防接種の効果や受ける時期については関連記事をごらんください。

インフルエンザ予防接種の副反応の症状

インフルエンザ予防接種の後に起こりやすい副反応は、注射をした部位やその周辺の赤み(紅斑)・腫れ・かたくなる・痛み・熱感などがあります。注射をした部位に現れる症状を「局部症状」、全身に現れる症状を「全身症状」と呼び区別しています。

軽度な副反応は2〜3日でおさまることがほとんどで、基本的には通院などの特別な対処は必要なく自然に治るのを待ちます。

副反応のほとんどは、予防接種をした後の24時間以内に発生します。特に接種後の30分程度は重篤な副反応を見逃さないように、体調の変化に十分に注意してください。

また、予防接種の当日や副反応が現れている間は、激しい運動は控えましょう。

注射した部位の腫れ・痛みなど

インフルエンザ予防接種を行った人の10〜20%程度に、接種した部位やその周辺の腫れ、かゆみ、痛みなどの軽度な症状が現れます。

腫れ以外にも、むずむずとしたかゆみ、うずくような痛み、注射跡が硬くなる、熱を持つ、赤くなるなどの局所反応が起こることがあります。

腫れやかゆみ、痛みが気になるときは、濡れタオルや氷・保冷剤をくるんだタオルで冷やしてください。引っ掻く、もむ、直接氷を当てるなど、刺激を与えることはやめましょう。

予防接種による腫れについては関連記事をごらんください。

下痢・吐き気・腹痛など

予防接種の後に下痢や吐き気、嘔吐などの消化器系の症状が現れることがあります。嘔吐や下痢による脱水症状に注意し、水分補給をして安静にしましょう。

通常2~3日程度で治まりますが、嘔吐や下痢による脱水症状には注意しましょう。

関連記事では腹痛がある際の対処法についても触れています。

頭痛・めまいなど

予防接種の後に頭痛やめまいなどの症状が現れることがあります。2〜3日程度で治りますが、長引く場合は医療機関を受診してください。頭痛がひどい場合は一時的に解熱鎮痛剤を使用することも可能です。

なお、子供、鎮痛剤の効果が感じられない方、3日程度で治らない方は医師・薬剤師に相談してください。

全身の寒気・倦怠感(体がだるい)など

予防接種の後に全身の寒気、倦怠感、動悸、リンパ節の腫れなどの全身症状を訴える方もいます。接種した側の脇の下のリンパ節が腫れることも多くみられます。

指先のしびれは副反応?

予防接種が原因と考えられる指先のしびれには、2~3日で治る一過性の軽い副反応のケースと、重症化して健康に影響をおよぼす重篤な副反応のケースがあります。

指先のしびれがでるおそれがある重篤な副反応は、ギラン・バレー症候群と急性散在性脳脊髄炎です。

予防接種後に指先のしびれが現れたとしても、原因を自分で判断することは危険です。しびれを感じたら医療機関を受診しましょう。

予防接種後のしびれについては関連記事をごらんください。

発熱は予防接種の副反応の可能性あり!

インフルエンザワクチンを製造している北里第一三共ワクチン株式会社の研究報告によれば、予防接種を受けた人の1.6%に発熱が現れています。また、13歳未満では5%以上の子供に発熱が現れており、子供は大人と比べて発熱しやすい傾向にあるといえます。

予防接種による発熱の症状は通常2〜3日には治るので、基本的には自然に治るのを待ちましょう。ただし、38.5℃以上の高熱が出ていたり発熱が長引いたりする場合は別の原因が考えられるので、医療機関を受診しましょう。

予防接種の発熱はうつらない

副反応の発熱は抗体を得るために起こる体の生理的な反応なので、周りの人にうつる心配はありません。

ただし、ワクチンとは無関係な風邪などによる発熱の場合は、周りの人にうつることがあります。発熱と一緒に咳や鼻水などの症状が現れている場合は風邪のおそれがあるため、マスクをつけるなど周りの人にうつさない対策をとりましょう。

命に関わる重篤な副反応はある?

重篤な副反応はめったに起こることはありませんが、全く起こらないとは言い切れません。

厚生労働省が発表している平成26年度シーズンの副反応の報告では、重篤な副反応が99件、そのうち死亡に至ったケースが11件でした。特に予防接種の後の30分程度は、アナフィラキシーなどの重篤な症状が起こった場合にすぐに対処できるように院内で安静にするなど注意しましょう。

インフルエンザ予防接種の後に以下のような初期症状が現れたら、すぐに医療機関を受診しましょう。特にけいれんや呼吸困難、意識混濁などが見られた場合は救急車を呼んで迅速に対応してください。

副反応名 初期症状
アナフィラキシー 非常に強いアレルギー反応:声のかすれ、くしゃみ、のどのかゆみ、息苦しさ、動悸、意識の混濁 など
急性散在性脳脊髄炎(ADEM) ワクチン接種から1~4週間後:頭痛、発熱、嘔吐、意識が混濁する、目が見えにくい、手足が動きにくい、歩きにくい、感覚が鈍い など
脳炎・脳症 けいれんが5分以上続く、けいれんが止まったあとに意識がなくぐったりしている、けいれんがなくても言動がいつもと違っている・ぐったりしている など
ギラン・バレー症候群 短時間で末梢神経が麻痺し、手足に力が入らなくなる、指先や腕がしびれる、歩くときにつまずく、物がつかみづらい、呼吸が苦しい など
肝機能障害・黄だん からだのだるさ(倦怠感)、食欲不振、皮ふや白目が黄色くなる(黄だん) など
喘息発作 呼吸時にゼーゼー、ヒューヒューという音がする喘鳴(ぜんめい)や呼吸困難、咳
血小板減少性紫斑病 鼻血、歯ぐきの出血、皮下出血、手足に点状出血、あおあざができやすい、生理や外傷などの出血が止まりにくい など
間質性肺炎 ちょっとしたことで息切れする・息苦しくなる、空咳が出る、発熱するなどの症状が急に現れたり1週間以上続いたりする
皮膚粘膜眼症候群 目の充血、めやに、まぶたの腫れ、目が開けづらい、唇や陰部のただれ、皮ふの広い範囲が赤くなる など
ネフローゼ症候群 足のむくみ、尿量の減少、体がだるい、排尿時の尿の泡立ちが強い、息苦しい、尿が赤い など

高齢者や子供は特に注意を

インフルエンザ予防接種の副反応は、9歳未満の子供と70歳以上の高齢者からの報告が多くなっています。特に重篤な副反応や死亡例はほとんどが子供と高齢者です。

ただし、予防接種後の死亡例とワクチン接種の因果関係は認められていません。死亡例の多くが基礎疾患の悪化や他の原因によるものとされています。

いずれにしても、基本的に基礎免疫力が下がっていると考えられる高齢者や免疫力が低い子供は予防接種後の体調の変化には十分に注意しましょう。

子供に現れやすい副反応は?

北里第一三共ワクチン株式会社の報告では、予防接種を受けた13歳未満の子供のうち20~40%の子供に何らかの副反応が確認されています。

子供は年齢によって起こりやすい副反応が異なりますが、どの年齢でも注射した部位の赤みや腫れが現れやすい報告があります。子供は自分では症状をうまく伝えられず、副反応に気付くのが遅れてしまう場合があるので、予防接種後の子供の様子には気を配りましょう。

特に接種後30分以内は一人きりにしないようにし、院内の待合室などで安静に過ごしてください。

子供に現れやすい局部症状

注射した部位やその周辺での赤み(紅斑)、腫れ、かゆみ、痛み、熱を感じる(熱感)、かたくなる(硬結)が現れやすい症状です。

最も現れやすいのは紅斑と腫れで、副反応が現れた子供のうち20~30%に現れたと報告されています。かゆみや痛み、熱感、硬結の発生頻度は約10%以下ですが、副反応としては比較的現れやすい症状です。

予防接種後、数日中に現れ、2~3日ほどで症状がなくなります。局部症状が長引いたり、悪化したりする場合は医療機関を受診しましょう。

子供に現れやすい全身症状

発熱や頭痛、下痢、じんましん、発疹、鼻水といった風邪のような症状が比較的現れやすくなっています。

全身症状の発生頻度は最も現れやすい発熱でも3%未満です。局部症状に比べるとそこまで高い頻度ではありませんが、予防接種後に風邪のような症状が現れたら、副反応の可能性も疑ってください。

全身症状も局部症状と同様に、2~3日ほどで症状がなくなります。症状が長引いたり悪化したりする場合は別の原因も考えられるので、医師に診断してもらいましょう。

じんましんについては関連記事をごらんください。関連記事ではインフルエンザ予防接種でじんましんが出ることについても触れています。

副反応は予防できる?

インフルエンザの副反応は体の反応なので、予防することは困難です。しかし、予防接種後の過ごし方を知っておくことで、副反応を悪化させないようにしたり迅速な対処が可能です。

インフルエンザ予防接種の副反応は、ほとんどが接種後24時間以内に起こります。ワクチン接種後は次のことを心がけましょう。

・接種した部位は清潔にしこすらない
・接種した当日は激しい運動を控える
・接種後30分は院内の待合室などで安静にする
・高熱やけいれんなどの異常反応や体調の変化があればすぐに医師の診察を受ける

おわりに

インフルエンザの予防接種時に注意したいのが当日の体調です。大人に比べて免疫力や体力がない子供や高齢者に副反応が現れやすいことからも、体調の良し悪しは副反応に関係がないとはいえません。

子供など2回接種を行う場合は、2回目の接種では体への負担を減らすために反対の腕、あるいは同じ腕でも前回とは違う部位に接種を受けるようにしましょう。

2回接種の間隔について詳しくは関連記事をごらんください。

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