インフルエンザB型の特徴とは?A型・C型との違いは?
インフルエンザB型は、感染時期・症状に特徴があります。
A型の流行が終わった直後の2~3月にかけて流行することの多いインフルエンザウイルスです。
毎年流行するA型と異なり、インフルエンザB型はこれまで2年に1度のサイクルで流行を繰り返していましたが、近年は毎年流行する傾向にあります。また、流行時期も早まっている傾向があり、A型と同じ時期に感染が見られ始めています。
特に2017年はインフルエンザA型が早く流行し始めたこともあり、2018年初旬は例年より早くにインフルエンザB型の流行が起こることも予想されます。
また、A型と比較すると症状は軽度になることがあります。インフルエンザでは高熱が代表的な症状ですが、インフルエンザB型では高熱が出ないことがあるとの報告もあります。
また、下痢や吐き気など消化器系の症状がでやすいとしている医師もいます。
インフルエンザB型のウイルスは2種類
インフルエンザB型のウイルスは、2種類に分けることができます。
インフルエンザB型のウイルスのうち、近年は3分の2を「ビクトリア型」と呼ばれるウイルスが占めています。残りの3分の1ほどが「山形型」と呼ばれるウイルスです。
なお、2系統間には治療効果に影響を及ぼすような差異は認められないとされているため、治療にあたっては特に区別されず、一律にB型として扱われます。
インフルエンザウイルスの大きさや構造について、詳しくは関連記事をごらんください。
インフルエンザA型との違い
インフルエンザA型はB型より先の12〜3月に流行のピークを迎えます。
また、症状の特徴にも違いがあり、インフルエンザA型は、38.5℃を超える突然の高熱や全身の筋肉痛・関節痛など、比較的強い症状がでることが特徴です。
インフルエンザB型が人にしか感染しないことに対して、インフルエンザA型はウイルスが変異しやすく、人以外の鳥や馬などにも感染します。
| A型 | B型 | |
| 流行シーズン | 12月〜3月 | 2月〜3月 |
| 症状 | ・強い倦怠感 ・全身の筋肉痛・関節痛 ・激しいせき ・のどの痛み ・つらい頭痛 ・鼻水 など |
・基本的にはA型と同じ ・下痢・嘔吐などが多いと言う医師もいる |
| 発熱 | 38~40℃の急な発熱 | ・基本的にはA型と同じ ・熱が上がらないこともある |
| 対象 | 人、鳥類など | 人のみ |
| 治療薬 | タミフル、リレンザ、イナビル | ・リレンザがやや有効との報告もある ・A型に比べタミフル、イナビルがやや効きにくい |
インフルエンザA型について、詳しくは関連記事をごらんください。
インフルエンザC型との違い
インフルエンザC型は冬期だけではなく一年を通して感染報告がありますが、A型やB型のようにウイルスが変位する事はほとんどなく、大流行につながることはありません。
ほとんどの方は6歳までにインフルエンザC型ウイルスに初感染し、抗体を獲得しています。抗体ができてしまえば、ウイルスの変異もないため感染しても症状は軽度で済むことがほどんどなので、風邪と間違えられて受診に至らないことも多くあります。
インフルエンザC型について、詳しくは関連記事をごらんください。
インフルエンザB型の症状
インフルエンザB型の基本的な症状は、A型とほとんど同じです。初期症状として、発熱や悪寒などの全身症状が突然起こることが特徴です。
ただし、インフルエンザB型はA型ほど高熱がでなかったり、全身症状が軽くなる方もいます。
・38℃以上の高熱(熱が上がらないこともある)
・悪寒・寒気
・筋肉痛、関節痛
・全身倦怠感
・頭痛、めまい
・鼻水、鼻づまり
・喉の痛み
・激しいせき、痰
・胃炎、腹痛
・嘔吐・下痢
高熱にならないことがある
インフルエンザと風邪を見分けるポイントのひとつが急激な高熱です。
ただし、インフルエンザB型は38.5℃以上の高熱がでないケースがあり、インフルエンザだと気づかない場合もあります。特に高齢者では熱が上がりにくいという報告があります。
微熱のためインフルエンザの感染に気付かず、初期治療が遅れてしまうと症状が悪化し治療期間が延びてしまうことにもつながります。
微熱の場合でも、インフルエンザシーズンに熱がでたときは病院を受診しましょう。
下痢・腹痛・吐き気・嘔吐の消化器症状
インフルエンザB型の特徴のひとつに、下痢や嘔吐などの消化器症状が多いことをあげる医師もいます。
しかし、インフルエンザA型でも下痢や嘔吐など消化器症状がでることもあるため、必ずしもインフルエンザB型にしかでない症状というわけではありません。
インフルエンザとノロなどのウイルス性胃腸炎の流行シーズンが同時期のため、インフルエンザB型をノロウイルスなどによる胃腸炎と勘違いすることもあります。
インフルエンザとノロウイルスの違いや関係について、詳しくは関連記事をごらんください。
肺炎や急性脳症の合併症に注意
インフルエンザB型の合併症としてはA型と同じく、肺炎やインフルエンザ脳症があげられます。また、子どもの場合は中耳炎などを起こすことも多くあります。
妊婦や乳幼児、65才以上の高齢者などは合併症を起こしやすいため、注意が必要です。
特に高齢者では高熱がでないこともあり、初期治療が遅れてしまうとインフルエンザが長引いてしまうおそれもあります。
インフルエンザの合併症について、詳しくは関連記事をごらんください。
B型インフルエンザの潜伏期間と感染力
潜伏期間は1~3日
インフルエンザB型は、ウイルスに感染後1~3日の潜伏期間があります。潜伏期間中は特に症状もなく自覚症状もありません。
インフルエンザはB型に限らず、インフルエンザウイルスはすべての型において潜伏期間中でも体からウイルスを排出し他人にうつす感染力を持っています。
インフルエンザ感染者と接触した場合は、症状がでていなくてもウイルスを保持しているおそれがあります。インフルエンザの流行シーズンは無用な外出は避けて、外出時のマスクの着用を徹底しましょう。
潜伏期間について詳しくは関連記事をごらんください。
感染力の強さ・感染経路
インフルエンザB型は、人から人にしか感染しないため、鳥や馬などにも感染するA型ほどの感染の広がりはありません。
しかし、あくまでもインフルエンザA型と比較した場合に流行性や広がり方が弱いといえるだけであり、人から人への感染力はA型と同程度にあると考えられます。
また、インフルエンザB型は高熱などの症状がでにくい場合もあるために、インフルエンザだと気づかないことがあります。インフルエンザだという自覚がないために職場や学校などに行ってしまうと、感染を拡大してしまうおそれがあります。
インフルエンザB型の感染経路はA型と同じで、感染者の咳やくしゃみによる飛沫を吸い込むことによって感染する「飛沫感染」や、飛沫がついた物に触れた手で鼻や口、目に触ってしまうことで感染する「接触感染」があります。
感染予防のために、外出時のマスクや帰宅時の手洗いなどを行ってください。
感染経路について詳しくは関連記事をごらんください。

インフルエンザB型に2回かかることはある?
インフルエンザB型のウイルスには「山形型」と「ビクトリア型」の2種類が存在します。一度感染すればどちらかのウイルスに対する免疫はつきますが、もうひとつのウイルスに対する免疫はついていません。
そのため、1シーズンに2回インフルエンザB型に感染するおそれはゼロではありません。一度インフルエンザB型に感染したからといって油断せず、しっかりと予防対策を行いましょう。
A型とB型同時に感染することはある?
A型のインフルエンザに感染しても、インフルエンザB型のウイルスに対する抗体はできないため、同じシーズン中にインフルエンザA型とB型の両方に感染することは十分に考えられます。
またA型とB型に同時に感染することもごくまれにあります。A型とB型に同時に感染することを重複感染といいます。
しかし通常はA型とB型の流行時期が異なることもあり、同時に感染する例は非常にまれなケースとなっています。
ただし年によってはA型とB型が同時期に流行する「混合流行」を起こす年があります。混合流行の年には重複感染を起こすことも考えられるため注意が必要です。
B型インフルエンザの検査
インフルエンザの検査は、A型・B型共通で「迅速診断法」が行われます。15分程度の検査でインフルエンザウイルスの感染の有無と感染した型の判定が可能です。
ただし、正しい判定結果を得るためには、検査を受けるタイミングがとても重要です。
インフルエンザB型に感染した場合、潜伏期間を経て症状が現れます。症状が現れた直後はインフルエンザウイルスが十分に増殖しておらず、検査をしてもインフルエンザウイルスが検知されないことが多くあります。
再検査を防ぐためにも症状が現れてから12時間が経過してから検査を受けましょう。しかし、症状がでてから48時間が過ぎてしまうと、治療に使う抗インフルエンザ薬の効果が期待できなくなってしまうため、注意が必要です。
インフルエンザと思われる症状が発症したら、12~48時間の間が病院へ行くことを覚えておきましょう。
ただし、発症から12時間が経過していなくても、意識の混濁や呼吸が苦しいなど重い症状がでている場合は速やかに病院を受診してください。
インフルエンザの検査について詳しくは関連記事をごらんください。
B型インフルエンザの治療薬
インフルエンザB型の治療には、インフルエンザウイルスの増殖をおさえる抗インフルエンザ薬が使用されます。薬の効果を最大限に得るためには、症状がでてから48時間以内に服用することが望まれます。
抗インフルエンザ薬の使用が遅れないためにも、発熱の症状がなくても全身の倦怠感や関節痛、筋肉痛などがある場合には、できるだけ早く病院を受診して検査を受けましょう。
抗インフルエンザ薬は市販で購入することはできないため、病院を受診して医師の診断を受ける必要があります。インフルエンザ症状がで始めてからの時間や病状によっても効果が異なるため、どの薬を使用するかは医師の判断によります。
治療薬はタミフル・イナビル・リレンザなど
現在、インフルエンザに有効な抗インフルエンザウイルス薬には、次のようなものがあります。
・飲み薬…タミフル
・吸入薬…リレンザ、イナビル
・点滴…ラピアクタ
抗インフルエンザ薬にはB型・A型ともに効果があります。このほか、咳や鼻水、消化器症状などに対しては、症状に合わせた薬が処方されることがあります。いずれも薬の服用は、医師の指示に従いましょう。
インフルエンザB型にはリレンザがやや有利?
インフルエンザA型にはタミフルやイナビル、リレンザのどれを使用しても基本的には同じように効果があります。
インフルエンザB型においては、タミフルやイナビルはやや有効性が低いのではないかという調査報告もあります。インフルエンザB型には吸入薬のリレンザがやや有利という報告もあります。
しかし、まだまだ調査報告は不足しており、状況や年度によって結果が変化すると考えられます。
また状況や年齢によって使用できる薬は変わるため、治療薬は医師の判断に従い正しく使用してください。
抗インフルエンザ薬が効かない場合は?
【使用が発症後48時間を過ぎていた場合】
抗インフルエンザ薬は、発症後48時間に服用することで最大の効果が得られます。発症後48時間を過ぎてからの使用は、効果が保証されていません。
ただし、発症から48時間を過ぎた後に受診した場合でも、処方された薬はしっかりと飲みましょう。
【薬を飲み忘れた】
薬は継続して飲むことで効果を発揮します。薬の服用を忘れてしまうと、効果が現れにくくなることもあります。
特にタミフルやリレンザは5日間継続して使用する必要があります。症状がなくなったと思われても、医師から指示された用法・用量を守ってだされた薬は飲みきりましょう。
【薬が効かない場合は病院へ】
薬を使用して2~3日経っても発熱や頭痛、下痢、嘔吐などの症状が治らない場合は、二次感染や合併症のおそれがあります。
子どもや高齢者、妊婦などは合併症のリスクが高いため、症状が治らない場合はすぐに病院を受診してください。特に子どもは自分の具合をうまく伝えることができないため、保護者が状態をよく観察してあげることが大切です。
B型インフルエンザは完治までに何日かかる?
発症から3日程度がピーク・完治まではおよそ一週間
インフルエンザB型は1~3日の潜伏期間後に発症し、感染からおよそ一週間ほどで回復に向かいます。
インフルエンザウイルスの増殖のピークは発症後48~72時間であり、発症後3日程度が症状のピークになります。
抗インフルエンザ薬を48時間以内に使用し、合併症を起こさなければ、インフルエンザB型が完治するまでの期間はおおよそ1週間ほどです。
ただし、インフルエンザB型は熱が上がらないことも多いため、初期での抗インフルエンザ薬の使用が遅れたり、無理に体を動かしてしまい完治までの時間が延びることも考えられます。
熱が高くない・症状が軽いからといって、無理をせずに完治すまでは安静にして過ごしてください。
インフルエンザB型の完治までの過ごし方
処方された薬は使い切ること
複数日継続して使用する薬の場合、発熱や下痢などの症状が落ち着くと薬の使用を忘れてしまいがちですが、症状が治まっても体内にはインフルエンザウイルスが残っています。
処方された分の薬を飲みきることで、回復を早め周りへの感染を防ぐことにもつながります。
薬の飲み忘れが心配な方は、一度の服用で済むイナビルの処方を医師に相談するのもひとつの方法です。
水分補給・栄養補給
インフルエンザB型は下痢や嘔吐などの症状がでることもあるため、水分不足や脱水症状を起こしやすいといえます。
食欲がない場合でも、スポーツ飲料や経口補水液など吸収率の良い水分をこまめに補給しましょう。食欲が回復しきた場合は、ゼリー飲料など胃に負担をかけないものからとることをおすすめします。
吐き気がひどい時は、ごく少量ずつの水分を回数を増やして摂取してください。
下痢や嘔吐への対処
インフルエンザB型が原因となり胃腸炎を引き起こすと、下痢や嘔吐、腹痛などの症状が現れます。
下痢や嘔吐はウイルスを体外に排出しようとする防御反応です。薬などで無理に止めると、かえってウイルスが胃腸内に留まることになります。下痢や嘔吐などは無理に止めたりせず、体内のウイルスごと排出しましょう。
下痢や嘔吐がひどく、つらい場合は医師に相談してください。
また、下痢や嘔吐を繰り返すと体の中の水分が不足してしまいます。吐き気がひどい場合は少量ずつでのかまわないので、こまめな水分補給を行いましょう。
入浴は熱が下がってから
インフルエンザを発症した場合、絶対にお風呂に入っていけないというわけではありません。ただし、熱がある時は体がウイルスと闘っていて体力を消耗している状態なので、入浴は控えることが望ましいです。
体温が37.5℃以下を目安として、入浴を再開しましょう。同居している家族がいる場合は、感染予防のためお風呂の順番は最後が望ましいです。
インフルエンザB型の外出禁止期間は?
インフルエンザウイルスは、潜伏期間中や解熱後も感染力があります。個人差もありますが、インフルエンザB型では発症前日から発症後3~7日間は鼻やのどからウイルスを排出するといわれています。
少なくとも次の期間は外出を控え、休暇を取りましょう。
◼︎解熱後2日目まで
◼︎発熱や咳、喉の痛みなどの症状がはじまった日の翌日から7日目まで
学校に通っている場合に休むべき期間や出席停止について、詳しくは関連記事をごらんください。
インフルエンザB型の2017/2018流行状況
2017年11月現在、国立感染症研究所の発表では関東を中心にインフルエンザB型の感染が見られていますが、まだ流行入りの兆しではありません。
また、過去4シーズンのインフルエンザB型の流行開始時期を比較すると、2013/2014と2015/2016シーズンが比較的早い1月から、2014/2015と2016/2017シーズンが2月後半から流行入りが確認されています。
流行入りの時期は一年周期で変化しており、2017/2018年は比較的早い1月から流行入りすることが予想されます。
インフルエンザの流行状況について、詳しくは関連記事をごらんください。
おわりに
ワクチンにもインフルエンザB型を予防するものが含まれていることからもわかるように、インフルエンザB型の流行は決してあなどれないものです。
今やインフルエンザは毎年10人に1人が感染するといわれ、毎年の流行は避けられません。
単なる風邪と間違えないためにも、インフルエンザの症状を知って予防対策を実践しましょう。