インフルエンザの主な感染経路:飛沫感染・接触感染

インフルエンザウイルスの感染経路は主に飛沫akt感染と接触感染です。

飛沫感染

インフルエンザ感染の多くは飛沫感染によるものと考えられています。

インフルエンザウイルスに感染した人が会話や咳・くしゃみをすると、ウイルスを含んだ飛沫が飛び散ります。ウイルスが含まれた飛沫を口や鼻から吸い込むことで、ウイルスが体内に侵入して感染することを飛沫感染といいます。

インフルエンザ 飛沫感染

飛沫の数は1回のくしゃみで約200万個、咳で約10万個といわれています。

感染者から1〜1.5mの近距離で感染が起こりやすため、2m以上離れていれば感染しないということになります。しかし、絶対に感染しないわけではなく、空気が乾燥している冬場や換気が悪い環境では空気感染に繋がるおそれがあります。

飛沫感染を予防するために、厚生労働省でも推奨している咳エチケットを実施しましょう。

接触感染

インフルエンザウイルスに感染した人が、咳・くしゃみ・鼻水などウイルスが含まれた飛沫がついた手でドアノブやスイッチなどを触ると、触れた部分にインフルエンザウイルスが付着します。ウイルスが付着した場所を他の人が触れて、その手で口や鼻、目を触ることでウイルスに感染します。

インフルエンザ 接触感染

さまざまな場所にウイルスが付着しているおそれがあり、どこにでも感染の危険性が潜んでいます。

接触感染を防ぐには、食事前や帰宅時などこまめな手洗いが大変重要になります。

インフルエンザは空気感染しない?!

インフルエンザは空気感染による感染も成立すると考えられています。

空気感染は飛沫感染と似ていますが、厳密には異なります。

ウイルスを含む飛沫の水分が蒸発すると、さらに小さく軽くなって飛沫核という微粒子になります。飛沫核は空気中に長時間漂い、これを吸い込むことで感染することを空気感染といいます。

飛沫核にウイルスが含まれている場合は、飛沫感染とは異なり2m以上の距離があっても感染します。

特に冬場では空気が乾燥しているため、ウイルスが浮遊しやすく感染の拡大の原因になりやすいのです。また、換気が悪い場所では空気感染する確率が高くなり、インフルエンザウイルスも空気感染する可能性を否定できません。

インフルエンザは経口感染する?

経口感染は接触感染に含まれる感染経路です。

感染者がウイルスの付着した手で調理することで、食べ物などにウイルスが付着します。経口感染ではウイルスに汚染された食べ物を食べることで感染することをさします。

インフルエンザ 経口感染

厚生労働省では、インフルエンザの感染経路として経口感染をあげていませんが、接触感染に含まれることや食べ物にウイルスが付着することを考えると経口感染するおそれがあるといえます。

インフルエンザが感染する期間

インフルエンザは潜伏期間でも感染します。インフルエンザの潜伏期間は個人差がありますが、1〜3日程度です。潜伏期間とはウイルスに感染してから体に症状が出るまでの期間のことをさします。

潜伏期間中はほとんど症状はみられず、この期間にインフルエンザへの感染を疑うことは困難です。

しかし、インフルエンザウイルスは潜伏期間でも感染力を持っているため、知らないうちに自分が感染源になっていることもあるのです。

インフルエンザの感染力のある期間

インフルエンザが感染力をもっている期間は、発症の1日前から発症後7日までの8日間程度です。

解熱後でも感染力があることがわかります。

インフルエンザ 感染力

インフルエンザの潜伏期間や感染力について詳しくは関連記事をごらんください。

接触感染の危険性がある時間は?

インフルエンザウイルスがドアノブやスイッチなどの物に付着し、接触感染により人への感染力がある時間は2〜8時間といわれています。

洗濯する前の衣類など放置する時間がある場合は、時間が経つにつれて自然と感染力を失うことがありますが、ドアノブやスイッチなど生活上よく触れる部分に関しては感染する可能性が高いといえます。

感染を防ぐには予防が大切です。

インフルエンザの予防対策をしよう!

最大の予防はインフルエンザ予防接種

インフルエンザの予防接種は、感染を完全に防ぐわけではありません。予防接種の主な目的は、感染後の発症と重症化を防ぐことです。

インフルエンザの予防接種を行うことで、インフルエンザウイルスに感染しても、発症を最大限に抑え症状を防いでくれます。

また、重症化を防ぐというのは実はとても重要で、特に子どもや高齢の方など免疫力が弱い人にとっては大きな意味があります。インフルエンザの予防接種を行った65歳以上の健常な高齢者に対しては、約45%の発症と約80%の死亡を阻止する効果があったという研究結果もあります。

もちろん、症状が軽ければ軽いほど早期回復につながります。感染を回避することができなくても、予防接種の効果はとても大きなものなのです。

厚生労働省が推奨!咳エチケット

インフルエンザの主な感染経路は飛沫感染です。飛沫感染を防ぐために、厚生労働省が推奨しているのが咳エチケットです。

特に満員電車や学校、職場など、人が多い場所では、咳エチケットを守ることでインフルエンザ感染の拡大防止に効果があります。

《咳エチケット》

・咳やくしゃみをするときはティッシュなどで口と鼻を押さえ、他人から1m以上離れ顔をそむける。
・マスクをつける。咳をしている人にマスクの着用をうながす。
・鼻水や痰がついたティッシュはゴミ箱に捨てる。手で覆って手のひらについたときはすぐに手を洗う。

こまめな手洗い

帰宅時や食事前などこまめに手洗いをしましょう。指の間や指先、爪の間、手首まで洗います。

手指の消毒にはアルコール消毒が有効です。ただし、消毒用アルコールを使えば安心というわけではありません。アルコール消毒を正しい手順で行うことが重要です。

効果を最大限に引き出すためにも、日頃から爪は短く切り、アルコール消毒の前には指輪や時計をはずしてから行ってください。

インフルエンザのときにアルコールを使う手洗い方法について、詳しくは関連記事をごらんください。

湿度を適度に保つ

インフルエンザウイルスは乾燥した環境を好みます。特に冬場は屋内屋外ともに空気が乾燥し、ウイルスが遠くまで飛びやすくなります。

インフルエンザウイルスは口や鼻から侵入し、気道や肺で増殖します。空気が乾燥すると気道粘膜の防御機能が低下してインフルエンザにかかりやすくなります。

インフルエンザウイルスが嫌いな室内環境は温度22℃程度・湿度50%以上です。加湿器などを使用して部屋の環境を整えると効果的です。加湿器がない場合は濡れたタオルを部屋に干しておくなど、乾燥を防ぐ対策をしましょう。

インフルエンザが嫌がる室内環境について、詳しくは関連記事をごらんください。

インフルエンザ流行期は混雑を避ける

インフルエンザの流行期は、クリスマスや年末年始の行事などと重なることも多いものです。感染予防のためにはできる限りウイルスが蔓延している人混みは避けることが望まれます。

しかし、どうしても人ごみに入るような時はマスクを着用し、人ごみに入る時間を極力短くするように心がけましょう。

特に、妊娠中の方・睡眠不足や疲れ気味で免疫力が落ちている場合はウイルスに感染しやすくなるので注意が必要です。

体の免疫力を上げる

免疫力が高い人では、インフルエンザウイルスが体内に入ってもウイルスの増殖を免疫力でおさえるので発症しにくくなっています。

また、発症しても症状が軽かったり回復が早まったり、さまざまな効能があります。もちろんインフルエンザ以外の感染症対策にも役立ちます。

免疫力は短期間ですぐに上がるものではないので、日頃から免疫力を高めるような規則正しい生活習慣・バランスのとれた食生活を心がけましょう。

予防にも使える抗インフルエンザ薬

タミフル、イナビル、リレンザなどの抗インフルエンザ薬は、ウイルスの増殖を防ぐ薬です。通常はインフルエンザの発症後に治療薬として処方されますが、予防目的としても使用することが可能です。

抗インフルエンザ薬は誰でもが予防目的で使用できるわけではありません。原則的にはインフルエンザを発症している同居人がいて、かつ以下の条件に沿う方になります。

・高齢者(65歳以上)
・慢性心疾患の方
・糖尿病などの代謝性疾患の方
・腎機能障害をお持ちの方
・慢性呼吸器疾患の方

上記の条件の方々は体力や免疫力が下がっていて集団感染しやすかったり、発症した後に肺炎などを併発して死にいたるおそれがあるため予防投与の必要性が考えられています。

実際に、日本感染症学会では、病院や高齢者施設において上記のような方を中心に抗インフルエンザ薬を積極的に予防目的で使うことを推奨しています。

上記に該当しない方で、受験生や大事な商談を抱えているなどどうしてもインフルエンザにかかりたくない理由がある場合は、予防目的で処方が可能か医師に相談してみましょう。

ただし、予防効果は10日間前後と局所的なのでご注意ください。また、治療ではないので健康保険の適用にはならず、全額自己負担になります。

インフルエンザ予防グッズ

マスク

マスクはインフルエンザ予防グッズの代表格です。

厚生労働省でも飛沫感染対策としてマスクの着用を推奨しています。特に感染者がマスクをすることは感染拡大を防ぐ効果が高いといわれています。

マスクの効果を最大限に得るためには、正しいマスクの選び方と使用方法を知ることが大切です。

インフルエンザ予防におけるマスクについて詳しくは関連記事をごらんください。

アルコール消毒液

インフルエンザ予防では手洗いは非常に有効です。さらに予防効果を高めるのが、手洗い後のアルコール消毒。

手洗いに加えて使用することで、接触感染の予防効果を高めてくれます。

職場や家に据え置きできるタイプから携帯できるタイプまで、さまざまな商品が販売されています。使用場所に合わせて選択しましょう。

番外編:効果は期待できない?!空間除菌グッズについて

インフルエンザの予防グッズとして、「ウイルス除去」や「空間除去」など、空気清浄できるとうたっている商品も販売されています。種類も豊富で、首からさげるタイプであったり、据え置きタイプなどさまざまなものがあります。

しかし結論から言うと、これらの商品はインフルエンザ予防に効果があるとはいい切れません。

これらの商品に使用されている二酸化塩素には、除菌効果はあるけれど空間を除菌する根拠は明確ではないとして、2014年に消費者庁から表示変更の措置命令を受けています。

インフルエンザの予防と空気清浄機については関連記事をごらんください。

おわりに

インフルエンザの感染を防ぐためには、感染経路を知って、しっかり予防対策をとることです。

予防対策は全て身近でできる簡単なことですが、習慣づけるのは難しいもの。全部を完璧にやろうとして長続きしないよりは、身近でできることから少しずつ、流行のピークを迎える前に継続して行うことです。

正しい知識を身につけてインフルエンザシーズンを乗り切りましょう!