【抗インフルエンザ薬】アビガンの効果と副作用!エボラ出血熱への効果は?

新しい抗インフルエンザ薬「アビガン」の効果と副作用をわかりやすく解説!エボラ出血熱への効果、アビガンがウイルスの増殖をおさえるメカニズムを薬剤師監修のもとわかりやすく解説します。

アビガンは新しい抗インフルエンザ薬

アビガンはファビピラビルという成分の薬です。富士フイルムの傘下である富山化学工業が開発した薬で、2014年に日本で承認された新しい薬です。

アビガンは新しい抗インフルエンザ薬です。他の抗インフルエンザ薬では効果がない、または効果が不十分と判断された新型または再興型インフルエンザに使用されます。

再興型インフルエンザは、かつて世界的規模で流行し、その後流行することなく長期間が経過しているインフルエンザとして厚生労働大臣が定めているウイルスが再興したものです。新型インフルエンザウイルスとは区別されています。

近年のアビガン製造状況

今までは、厚生労働大臣から要請がでた場合のみ製造・供給を行っていました。最新の情報を随時参照し、処方の可否も国が示す方針のもととりわけ慎重な判断が必要とされていました。

2017年3月、新型インフルエンザによるパンデミックなど緊急時に迅速な出荷を可能とするため、厚生労働大臣の要請がなくても製造することが認められました。

また、厚生労働省では、現在備蓄しているタミフルなどの抗インフルエンザ薬が効かない場合に備えて、アビガンも備蓄薬とする方針を定められています。

アビガンのインフルエンザへの効果

アビガンは、鳥インフルエンザをはじめとした新型または再興型インフルエンザ感染症に効果を発揮する薬です。

これまでの抗インフルエンザ薬に耐性を持ったインフルエンザウイルスにも効果が期待できます。

アビガンのメカニズム

アビガンは、これまでの抗インフルエンザ薬とは異なるメカニズムでウイルスの増殖をおさえます。

インフルエンザウイルスの複製酵素であるRNAポリメラーゼを選択的に阻害してウイルスの増殖を直接阻止します。

従来の抗インフルエンザ薬は、インフルエンザウイルスを細胞内に閉じ込めて外に出さないことに対し、アビガンはウイルス感染した細胞内に入り込みウイルスの増殖を阻止します。

ウイルスの増殖をおさえるメカニズムの違いにより、従来の抗インフルエンザ薬に耐性のあるウイルスが流行した場合に、効果を発揮することが期待されます。

アビガンの用法用量

アビガンの用法用量は、症状に合わせて医師が判断します。

通常15歳以上の成人は、1日目は8錠を1日2回、2日目〜5日目は1回3錠を1日2回使用します。

処方された方以外が服用することは絶対にやめてください。

アビガンはエボラ出血熱への効果も期待されている

アビガンは、2014年に西アフリカで大流行したエボラ出血熱にも効果を発揮する可能性があることで注目を浴びました。

エボラ出血熱の原因となるエボラウイルスは、インフルエンザウイルスと同じRNAウイルスと呼ばれる種類のウイルスです。

エボラウイルスに対するワクチンはいまだ存在せず有効な治療法も確立されていませんが、アビガンにはマウスの実験などでエボラ熱への効果を示唆する報告があります。

世界保健機関(WHO)はエボラ熱に対する未承認薬の使用を容認しており、2014年に欧州の4か国で4人の患者にアビガンが使用されました。

また、2015年のフランス国立保健衛生研究機構による臨床実験の中間発表では、アビガンのエボラ出血熱に対する有効性が示唆されています。

アビガンの副作用

アビガンの主な副作用は、血中尿酸増加、下痢、好中球数減少、AST(GOT)増加、ALT増加が報告されています。

アビガンは抗インフルエンザ薬の一種であるため、他の抗インフルエンザ薬で報告されている以下のような重大な副作用も現れるおそれがあります。

・ショック、アナフィラキシー
・肺炎
・中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis : TEN)
・皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
・劇症肝炎
・黄疸
・肝機能障害
・急性腎不全
・出血性大腸炎 など

以下のような自覚症状が、複数同じ時期にあらわれた場合は、すぐに医師や薬剤師に相談してください。

場所 症状
全身 冷や汗、からだがだるい、ふらつき、悪寒、発熱、関節の痛 み、全身の赤い斑点と破れやすい水ぶくれ(水疱)、高熱、 からだのむくみ、疲れやすい、けいれん
頭部 めまい、意識がうすれる、考えがまとまらない、意識の低下、 意識がなくなる、頭痛
顔面 血の気が引く、ほてり、鼻血
眼と口唇のまわりのはれ、白目が黄色くなる、まぶたや眼の 充血、結膜のただれ、眼がはれぼったい
口や喉 しゃがれ声、眼と口唇のまわりのはれ、咳、痰がでる、吐き 気、嘔吐(おうと)、ひどい口内炎、唇や口内のただれ、のど の痛み、歯ぐきの出血
胸部 息切れ、息苦しい、動悸(どうき)、吐き気
腹部 食欲不振、吐き気、激しい腹痛
手・足 羽ばたくような手のふるえ、関節の痛み
皮膚 じんましん、皮膚が黄色くなる、かゆみ、全身の赤い斑点と 破れやすい水ぶくれ(水疱)、赤い発疹、中央にむくみをと もなった赤い斑点、あおあざができる、皮下出血
便 下痢、血が混ざった便
尿 尿が黄色い、尿が褐色になる、尿がでない、尿量が減る

アビガンの使用上の注意

妊娠中の使用

妊娠中の方はアビガンを使用できません。動物実験において、体内での致死や胎児に奇形が生じた例が報告されているためです。

アビガン使用中に妊娠が疑われた場合は、すぐに医師に相談してください。

妊娠する可能性がある方は、アビガンを使用する前に妊娠検査を行い、妊娠していないことを確認する必要があります。また、アビガンを使用した後の7日間以内に性交渉を行う場合は有効な方法で必ず避妊してください。

授乳中の使用

母乳に成分が移行するため、アビガンを使用中は授乳を中止してください。

子どもの使用

15歳未満の子どもへの使用は推奨されていません。子どもが使用する場合は必ず医師の指示に従ってください。

また、因果関係は明らかにされていませんが、抗インフルエンザ薬の使用後に異常行動などの精神神経症状が現れたケースが報告されています。子どもが使用する場合は、少なくとも2日間は一人きりにならないように周りの大人が気を配りましょう。

高齢者の使用

高齢者の使用は禁止されているわけではありませんが、一般的に高齢者は生理機能が低下していることが多いため、患者の状態を観察しながらの使用が検討されます。

男性の方への注意点

アビガンの成分は精液中に移行します。薬の使用中および使用を終了してから7日間以内に性交渉を行う場合は必ずコンドームを使用し、妊婦との性交渉は行わないでください。

おわりに

アビガンは、今までの抗インフルエンザ薬が十分に効果を発揮できないインフルエンザウイルスが流行した際に活躍が期待できる薬です。

新型インフルエンザの大流行が起こった場合に備え、アビガンという薬を知っておくと安心です。

※アビガン錠 200mg患者向医薬品ガイド 参照

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