インフルエンザの検査について詳しくは関連記事をごらんください。
インフルエンザ検査の感度と特異度
インフルエンザの検査では、「感度」と「特異度」というものが重要になります。
どちらも検査の正確性を示す言葉で、感度は「感染している確率」を示す指標であり、特異度は「感染していない確率」を示す指標です。
実際に感染していて検査でも陽性が出ることを「真陽性」、実際は感染していないのに検査で陽性が出ることを「偽陽性」といいます。
また、実際は感染していないのに検査で陰性が出ることを「真陰性」、実際に感染しているのに検査で陰性が出ることを「偽陰性」といいます。
これらをもとに感度と特異度が算出されます。
実際の状態 | |||
感染している | 感染していない | ||
検 査 結 果 |
陽 性 |
真陽性 | 偽陽性 |
陰 性 |
偽陰性 | 真陰性 | |
感度 | 特異度 |
感度
インフルエンザの検査で使われる「感度」とは、インフルエンザで陽性の結果が正しく出る確率のことをいいます。
感度は、【真陽性÷(真陽性+偽陰性)×100】で算出され、この数字が100%に近いほど除外診断に対する信頼性が高くなります。
除外診断とは、疑われている病気でないことがわかる診断のことをいいます。
特異度
インフルエンザの検査で使われる「特異度」とは、インフルエンザで陰性の結果が正しく出る確率のことをいいます。
特異度は【真陰性÷(真陰性+偽陰性)×100】で算出され、この数字が100%に近いほど確定診断に対する信頼性が高くなります。
確定診断とは、疑われている病気であることがわかる診断のことをいいます。
インフルエンザ検査方法別:信頼性と時間の比較
インフルエンザの検査にはさまざまな方法があります。
検査方法によって感度が高いか特異度が高いかは異なりますが、それぞれの信頼性については比較が可能です。
下記は検査方法別の信頼性と結果までの時間の比較表です。
検査方法 | 信頼性 | 結果までの時間 |
迅速検査 | △ | 10〜15分 |
PCR検査 | ◯ | 数日 |
ウイルス分離検査 | ◯ | 1〜2週間 |
血清抗体検査 | ◯ | 約2週間 |
迅速検査
迅速検査は、「迅速検査キット」という検査キットを使用し、鼻や喉の奥の粘液を採取して検査する方法です。
検査キットに粘液を付着させてから10〜15分で、A型またはB型のインフルエンザウイルスの感染を確認することができます。
迅速検査キットでは特異度が高いため陽性の場合はほとんどの場合が感染しているといえます。しかし感度は低いため陰性が出てもインフルエンザに感染しているおそれがあります。
また結果が出るまでのスピードが早いため、一般の医療機関では主流とされていますが、発症から12時間以上経過していないとウイルスが検知できないなどの問題もあるため信頼性はあまり高くないといえます。
迅速検査キットについて詳しくは関連記事をごらんください。
PCR検査
PCR検査は、鼻の粘液や喉のぬぐい液などからを使用します。採取した粘液にあるインフルエンザウイルスの遺伝子を増幅させて、インフルエンザウイルスを検出します。
PCR検査は感度が高く、インフルエンザA型の中でも、2009年に大流行を起こした「H1N1」なのか、あるいは香港型と呼ばれる「H3N2」なのかといった詳細までわかります。
非常に高度な検査ですが、結果が出るまでに数日かかるほか、一部の医療機関と保健所でしか行われていないことから一般的な検査とはいい難いでしょう。
ウイルス分離検査
発病後3日以内の喉のぬぐい液や鼻のぬぐい液などを使用し、インフルエンザウイルスのみを取り出して検査します。
信頼性の高い検査方法ですが、結果が出るまで約1~2週間ほどかかります。 またウイルス分離検査ができる医療機関も限られているため、一般的な検査とはいい難いでしょう。
血清抗体検査(血液検査)
発症後から7日以内の血液と、回復期の血液を2回採取する必要があります。血清抗体検査の中でもさまざまな検査方法がありますが、インフルエンザの感染は、赤血球凝集抑制(HI)や中和反応(NT)という方法で検査されています。
インフルエンザに対する抗体を持っているかどうか調べることにより、インフルエンザウイルスに感染しているかどうかを知ることができます。
特異性が高く信頼性の高い検査方法ですが、結果が出るまでに約2週間かかります。また高度な検査のため、一般的な検査とはいい難いでしょう。
高感度で早く結果が出る検査法がある?
現在主流となっている迅速検査キットでは、結果までのスピードは早いものの結果の信頼性に欠ける面や、発症から12時間以上経過していないとウイルスが検知されない点が懸念されています。
また、他の検査方法では信頼性は高いものの結果が出るまでに時間がかかることがデメリットとされています。
どちらの課題も解決できる検査方法として「富士ドライケム IMMUNO AG1」を使用した高感度のイムノクロマト法があります。
発症か6時間以内に高感度で検査可能
富士ドライケム IMMUNO AG1を使用した高感度のイムノクロマト法では、発症から6時間以内でも感度が高く、信頼性の高い結果を得ることができます。
そのため、迅速検査のように12時間以上経過してから通院する必要も、再検査のために再び病院に行く必要もありません。
しかし、高感度のイムノクロマト法が導入されている医療機関は現時点ではあまり多くありません。
富士ドライケム IMMUNO AG1を使用した検査を希望する場合は、病院に行く前に電話などで医療機関に確認をとることをお勧めします。
おわりに
インフルエンザの検査は、インフルエンザウイルスへの感染を確認するために重要な検査ですが、症状や問診などからもインフルエンザと判断される場合があります。
検査だけではなく細かい体調の変化などにも注意し、インフルエンザの早期発見・早期治療を目指しましょう。