インフルエンザにはアセトアミノフェン!市販の解熱剤の成分を解説

アセトアミノフェンはインフルエンザのときにも使用できる解熱剤です。アセトアミノフェン(処方薬名:カロナールなど)の効果や市販薬について解説。インフルエンザのときに注意が必要な解熱成分もあわせて確認しましょう。

インフルエンザで起こる発熱は、体がウイルスや菌と闘っている結果におこる防御反応です。そのため、​薬で無理に熱を下げるのは好ましくありません。

しかし、あまりにも高熱や筋肉痛がひどい場合は、体の衰弱を防ぐために解熱剤を使用することがあります。

解熱剤を使用するときに注意しなければいけないのが、解熱剤の成分です。インフルエンザの高熱には、使用できる成分と使用を避けるべき成分があるため、しっかり確認しましょう。

アセトアミノフェンとは?

アセトアミノフェンは、インフルエンザのときにも使用できる解熱成分です。

体温調整中枢や中枢神経に作用して、解熱・鎮痛効果を発揮する成分です。血管を拡張して体から熱を逃がし、痛みの感じ方を鈍くする作用があります。

発熱のほか、頭痛・歯痛・生理痛などにも効果があります。

【アセトアミノフェンの特徴】

●解熱と鎮痛、両方に効果がある
●効き目がおだやかで副作用が少ない
●子どもにも使用できる
●タミフルやイナビルなどの抗インフルエンザ薬とも併用できる

子どもにも安心の成分

アセトアミノフェンは、穏やかに効いて副作用も少ないことから大人だけでなく子どもにも使用できます。

インフルエンザで解熱剤を使う際に、気をつけなければならないのが副作用の問題です。特に乳幼児や小児の場合は、インフルエンザ脳症の予後の悪化やライ症候群など重篤な合併症の発現を避けるためにも、解熱剤の成分に意識して選択する必要があります。

アセトアミノフェンの解熱剤は、病院で処方される抗インフルエンザ薬との併用もでき、副作用が少ないことからも子どもにも使いやすい薬です。

妊娠中は医師に相談しましょう

アセトアミノフェンは解熱剤の中では安全性が高いので、妊娠中にも処方されることがあります。

ただし、妊娠後期(8か月以降)に使うと動脈管収縮の影響が起きるおそれがあるため、使用を避けることが推奨されています。

アセトアミノフェンを使用する際の注意点

アセトアミノフェンは、大量に使うと肝障害を生じたり、まれに発疹・かゆみ・嘔吐・アナフィラキシー・喘息発作などを起こす場合があります。

何種類か薬を飲み合わせると知らないうちに成分を多く摂取してしまい、肝障害などの副作用につながる危険性もあるため注意が必要です。また、15歳未満の方は、市販薬では使用できない製品もあるため、必ず添付文書の対象年齢を確認してから薬を使用しましょう。

薬の使用後に少しでも体調の変化を感じたら、使用した薬の名前がわかるものを持参してすぐに医療機関を受診してください。

インフルエンザのときに注意すべき解熱剤は?

インフルエンザのときは、サリチル酸系(アスピリン、エテンザミド、サリチルアミド)やジクロフェナク、メフェナム酸の成分は、ほかの解熱成分と比べて合併症に関係するリスクが高いため使用しないでください。

因果関係はまだわかっていませんが、インフルエンザ脳症の予後の悪化やライ症候群を引き起こすという疫学調査の報告もあり、医療機関ではインフルエンザのときにサリチル酸系、ジクロフェナク、メフェナム酸の成分は控えることとなっています。

市販されている解熱剤にも、これらの解熱成分が含まれ、インフルエンザの際に使用すると重篤な副作用を引き起こす危険性のある製品があります。市販薬を選ぶときには必ず成分名を確認し、不明な点は購入時に薬剤師に確認しましょう。

次の成分が配合されている薬はインフルエンザの発熱には基本的に使用しないでください。

成分名 代表的な製品
アスピリン
(アセチルサリチル酸)
【処方薬】
バイエルアスピリン
バファリン配合錠 など

【市販薬】
バファリンA
ケロリンS錠 など
サリチルアミド 【処方薬】
PL配合顆粒
幼児用PL配合顆粒
ピーエイ配合錠 など

【市販薬】
サンプンラク
ノースチンA など
エテンザミド 【市販薬】
新セデス錠
ナロンエース
ノーシン など
ジクロフェナクナトリウム 【処方薬】
ボルタレン
ナボール など
メフェナム酸 【処方薬】
ポンタール など

ACE処方の薬

ACE処方とは「A:アセトアミノフェン」、「C:(無水)カフェイン」、「E:エテンザミド」という3種類の成分が含まれる薬のことを指します。

アセトアミノフェン単体では効き目が比較的弱いため、効果を高めるために解熱鎮痛作用のあるエテンザミドと鎮痛作用を助けるカフェインが混合されています。

しかし、エテンザミドはインフルエンザのときには使用できないサリチル酸系の成分のため注意が必要です。

ACE処方の代表的な市販薬
ノーシン、新セデス錠、ナロン錠 など

AAC処方の薬

AAC処方とは「A:アセトアミノフェン」、「A:アスピリン」、「C:(無水)カフェイン」の3種類の成分が含まれる薬のことを指します。

ACE処方の薬との違いは、エテンザミドの代わりにアスピリンが配合されていることです。基本的に効果は似ていますが、アスピリンが入っているAAC処方の薬の方が胃腸障害が出やすいといわれているため、最近ではACE処方の薬が主流になっています。

しかし、頭痛などの痛み止めの作用はAAC処方の薬の方が比較的強いため、症状によってはAAC処方の薬が適しているケースもあります。

ただし、AAC処方にはアスピリンが含まれているため、インフルエンザの解熱には使用しないでください。

AACの代表的な市販薬
バファリンプラスS、エキセドリン など

アセトアミノフェン単一成分の市販薬3選

土日祝日・夜間などで病院に行けず、どうしても苦しい場合には、応急処置としてアセトアミノフェンの解熱剤を使用しましょう。

インフルエンザの発熱には、なるべく次のようなアセトアミノフェン単一成分の薬を使用しましょう。

なお、インフルエンザのときに使える風邪薬については関連記事をごらんください。

タイレノールA

解熱効果と鎮痛効果があります。高熱が出ているときや頭痛をおさるのに使用できます。

ラックル

インフルエンザで腰痛が出ることがありますが、この薬はその症状を和らげます。アセトアミノフェンの量は300mgです。

小児用バファリンチュアブル

一時的に熱を下げるために使用することが可能です。ただし、子どものインフルエンザの解熱には注意が必要なため、あくまで緊急時の使用にとどめ、原則的には医療機関を受診しましょう。

おわりに

発熱直後の病院の受診が難しい場合や、突然の高熱でなんとか自宅で対処しなければならない場合にアセトアミノフェンの解熱剤を活用しましょう。

このとき、安静にして充分に睡眠をとることと、高熱により脱水症状を起こさないよう水分補給を心がけることも忘れないでくださいね。

なお、インフルエンザの時に使用する解熱薬は、あくまでも熱や痛みに対する対症療法で、インフルエンザウイルスに効果があるものではありません。

インフルエンザの治療は、発症初期の段階で病院で診てもらうことが基本であることを覚えておきましょう。

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