毎年12月〜3月にかけて流行するインフルエンザは、高熱や寒気、関節痛などのつらい症状が特徴です。
そんなインフルエンザの発症や重症化を防いでくれるものとして真っ先に思い浮かぶものといえばワクチンによる予防接種ですが、一方で心配なのが卵アレルギーの場合の予防接種です。
卵アレルギーの場合にインフルエンザ予防接種に注意が必要な理由、卵アレルギーの場合に予防接種を受けられるのかについて解説していきます。
インフルエンザ予防接種の値段や時期については、関連記事をごらんください。
卵アレルギーとインフルエンザワクチンの関係
卵アレルギーの方は、インフルエンザ予防接種に注意が必要です。
インフルエンザワクチンは、製造の過程で鶏卵にインフルエンザウイルスを接種して培養・増殖させているため、インフルエンザワクチンに卵の成分が含まれることがあります。
ただし、近年ではインフルエンザワクチンは高度に精製されているため、ごく微量の卵の成分しか残りません。
インフルエンザワクチンについては関連記事をごらんください。
卵アレルギーでもインフルエンザ予防接種できる?
インフルエンザワクチンに含まれている卵の成分はごく微量のため、ほとんどの場合は予防接種をしても問題ありません。
対応は医療機関により異なるため、医師に卵アレルギーであることを申告し相談した上で予防接種を受けましょう。
インフルエンザ予防接種の際にテストは必要?
厚生労働省の予防接種ガイドラインでは、卵に対する軽度または局所的なアレルギー反応のみの場合は、皮膚テストは必ずしも必要ではないとされています。
重度の卵アレルギーのある子どもの場合は、事前に接種するワクチンによる皮膚テストを行うことが推奨されています。
この場合の重度の卵アレルギーとは、卵を接種後にアナフィラキシーを起こす場合や、RAST法のスコアが5〜6の場合を指します。
RAST法とは、即時型アレルギー反応をおこすIgE抗体の有無と量を知る検査法のことで、反応の強さを0~6段階に分けてスコア化します。
RASTスコアが高いとそのアレルゲンがアレルギー症状の原因になっている確率が高くなりますが、必ずしも症状の原因であるとはいえません。スコアが低いアレルゲンに対しても激しい症状が出ることもあります。
赤ちゃんが卵アレルギーの場合は?
インフルエンザワクチンは、生後6か月から接種可能です。
ただし、1歳未満の赤ちゃんへのインフルエンザ予防接種の効果は医学的に証明されておらず、周りの家族が予防接種を受けることが推奨されています。
担当の医師とよく話し合い、ワクチンを接種することの有益性が卵アレルギーの症状がおこるリスクより高いと判断した場合は接種しましょう。
授乳中に予防接種してもいい?
赤ちゃんが卵アレルギーの場合でも、授乳中にインフルエンザ予防接種を受けることは可能です。
母乳に移行する卵の成分の量は少なく、母乳から赤ちゃんが吸収する成分量はさらに微量となります。
過度に心配する必要はありませんが、赤ちゃんが重度の卵アレルギーの場合は医師に相談してください。
赤ちゃんのインフルエンザ予防接種については、関連記事をごらんください。
インフルエンザ予防接種後は急な副反応に注意
予防接種では、接種後30分間にアナフィラキシーなどの急性のアレルギー反応が起こりやすいといわれています。
特に卵アレルギーの場合は、予防接種後に慎重に経過を観察することが重要です。
アナフィラキシーが起きた場合すぐに対応できるよう、少なくとも接種後30分間は病院内で待機しておきましょう。待機するのが難しい場合でも、すぐに医師と連絡が取れるようにしておいてください。
インフルエンザ予防接種の副作用については、関連記事をごらんください。
おわりに
卵アレルギーの方はインフルエンザ予防接種を受けるか受けないか、どちらの方が有益性があるかを医師としっかり話し合った上で判断しましょう。
インフルエンザ予防接種以外にも、マスクの着用や手洗いを徹底するなど、インフルエンザの予防法を日頃から意識してみましょう。