ステロイド内服時のインフルエンザ対策は?ステロイドと予防接種・抗インフルエンザ薬の関係

インフルエンザの流行シーズンにステロイドを使用している場合、予防接種や抗インフルエンザ薬との併用など心配なことも多いのではないでしょうか。インフルエンザシーズンにおけるステロイド使用のポイントと注意点を解説します。

ステロイドはもともと体内で作られる大切なホルモン

皮膚疾患や喘息などの治療薬で知られているステロイド。

炎症を鎮めたり、異常な免疫反応を抑える作用があり、様々な病気の治療薬として使われています。

 

ステロイドは、もともと体内で作られるもので、腎臓の上にある副腎皮質でつくられ分泌されています。

 

いざ、やけどや感染症、アレルギー反応やストレスなど、体に強い炎症が起きるとステロイドが多量に分泌され、炎症を鎮めるなどの働きをします。

ステロイドは人の身体には不可欠なホルモンですが、分泌量は一定ではなく不足することもあります。

 

そこで抗炎症作用と免疫抑制作用のために、人工的に作られたものがステロイド薬

ステロイド薬は、副腎皮質ホルモンの中の「糖質コルチコイド」をもとに作られたもので、注射、内服薬、塗り薬、吸入薬、点鼻薬、点眼薬などたくさんの種類があります。

 

ステロイド薬は、効果が高く安価でもあるため広く使われていますが、正しい使用方法が重要。

 

特にステロイドを大量投与することで起こる副作用の1つには、感染症にかかりやすいことがあげられています。

 

そのため、特にインフルエンザのシーズン中は、ワクチン接種や他の薬との併用など、どのような注意点があるのか知っておくことが必要です。

インフルエンザとステロイドの関係

ステロイドは、異常な免疫反応を抑える作用があることから、膠原病、腎臓病(ネフローゼ)、関節リウマチなど、免疫系の炎症性疾患の改善に使われています。

 

その際、免疫抑制状態により感染症にかかりやすくなります。

 

インフルエンザにおいては、妊婦、乳幼児、高齢者は重症化しやすいということは知られていますが、その他、ハイリスク群として、次の基礎疾患があげられています。

 

● 慢性呼吸器疾患(喘息など)

● 慢性心疾患

● 糖尿病などの代謝性疾患

● 腎機能障害

● ステロイド内服などによる免疫機能不全

 

ステロイドの内服においては、内服期間にもよりますが、薬の量が多くなるほど感染症が起こりやすく、重症化しやすくなります。

 

そのため、ハイリスク群とされる人は、日頃の感染予防が非常に重要なのです。

ステロイド内服時のインフルエンザ予防接種に注意!

インフルエンザワクチンを接種しても、ウイルスの感染やインフルエンザの発症そのものを完全に防ぐことはできませんが、重症化や合併症の発生を予防する効果は証明されています。

 

ただしステロイドを内服している場合、インフルエンザの予防接種の際には注意が必要です。

 

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生ワクチンの接種はできない

ステロイドを内服している場合、生ワクチンの接種はできません。

 

生ワクチンは、生きた細菌やウイルスの毒性を弱めたものを接種することによって、疑似的にその病気にかかった場合と同じように免疫をつける方法です。

 

生ワクチンの場合、ステロイドを服用していると免疫が抑制されているため、免疫ができなかったり、ワクチンでその病気になってしまったりするため、一般的にはステロイドの内服が終了した後に実施します。

インフルエンザ予防接種は可能

インフルエンザワクチンは不活性ワクチンのため、内服量によって接種は可能です。

 

不活化ワクチンは、細菌やウイルスの毒性をなくし免疫をつけるために必要な成分を取り出したもののため、ワクチンによってその病気にかかることはありませんが、複数回接種が必要になります。

 

ステロイドを内服している場合でもインフルエンザワクチンの接種は可能ですが、ステロイド薬を長期間、大量に内服している場合は、ワクチンの免疫反応に影響することが考えられます。

塗り薬の場合は、効果に影響はないとされています。

 

多少ワクチンの効果に影響があるとしても、基礎疾患を持っている場合、インフルエンザと両方の重症化を防ぐためにも、シーズン前の予防接種は大切です。

 

ステロイドを内服している場合、インフルエンザの予防接種については自己判断せず主治医と相談しましょう。

ステロイドと抗インフルエンザ薬の併用は可能

インフルエンザの治療には、体内でのウイルスの増殖を抑える抗インフルエンザ薬があり、症状が出始めてから48時間以内に投与することが最も効果的とされています。

 

抗インフルエンザ薬には、主にタミフル(飲み薬)と、リレンザ・イナビル(吸入薬)が使われていますが、ステロイド薬と抗インフルエンザ薬の併用は基本的には可能です。

 

ただし、ステロイドの吸入薬を使用している場合、リレンザ・イナビルの吸入薬との併用については、気管支拡張薬を使ってから吸入するようにしましょう。

 

いずれもステロイド内服中の場合、他の薬との併用は、必ず医師と相談のうえ行いましょう。

 

ステロイド薬は勝手に中止しない

喘息などの呼吸器疾患のある場合、インフルエンザの症状が進むとともに、悪化することが多く見られます。

特にインフルエンザを発症した時に、ステロイドを止めると喘息症状が悪化しやすくなります。

 

ステロイドの内服により、インフルエンザなどに感染しやすくなるという副作用はありますが、吸入ステロイドにはその心配はありません。

よって、勝手にステロイドを減らしたり止めないことが大切です。

 

重症化を防ぐためには、かかりつけ医を定期的に受診しながら喘息のコントロールをしっかり行い、発作を起こさない状態を保ことが重要です。

 

さいごに

ステロイドは効果が高い治療薬ですが、使用方法をあやまると副作用や悪化につながるため、日頃から注意点を知っておくことが大切です。

ステロイドの内服中は免疫力が低下しているため、特にインフルエンザのシーズン中は、過労やストレスにも注意し、十分な睡眠と栄養を心がけ、うがい・手洗い・マスクの着用など、日頃の感染予防対策が重要ですね。

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