インフルエンザにNSAIDsは禁忌?ブルフェン・アセトアミノフェンは使える?

インフルエンザの解熱にはNSAIDs(解熱鎮痛剤)の使用に注意が必要です。インフルエンザ脳症やライ症候群との関係、アセトアミノフェン、ブルフェン、ロキソニンの使用などインフルエンザとNSAIDsの関係について解説。

NSAIDs(エヌセイズ)ってなに?

NSAIDs(Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugsとは、抗炎症作用、鎮痛作用、解熱作用を持つ非ステロイド性抗炎症薬の総称です。

炎症を起こしている部分に作用して炎症や痛みの原因となる物質をおさえたり、脳から分泌される体温を上昇させるように働きかける物質をおさえたりする働きがあります。

代表的なNSAIDs

NSAIDsは解熱鎮痛剤として幅広く使用されています。処方薬ではPL顆粒、ボルタレン、ロキソニン、ポンタールなど、私たちがよく耳にする薬もあります。市販薬でもアスピリンを使用したバファリンA、イブプロフェンを使用したイブなど、多くの薬がNSAIDsに分類されます。

インフルエンザの解熱にNSAIDsは要注意!

インフルエンザの高熱のときに、体への悪影響を防ぐために解熱剤を使う場合は成分に注意が必要です。

一部のNSAIDsはインフルエンザの解熱に使うと、インフルエンザ脳症の予後の悪化やライ症候群といった重大な病気を引き起こす危険性があると指摘されています。

NSAIDsの中でもインフルエンザの解熱には、サリチル酸系(アスピリン/アセチルサリチル酸など)、ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸といった成分の薬の使用は避けましょう。

インフルエンザ脳症やライ症候群は子どもに多いため、子どもへの使用は原則禁忌ですが、成人であってもインフルエンザ発症時の使用は避けたほうがよい成分だとされています。

インフルエンザが疑われる発熱などの症状が出ているときには、手元にある薬を安易に使わないように注意してください。

成分名 代表的な製品
アスピリン(アセチルサリチル酸/サリチル酸系) アスピリン、バイアスピリン、バファリン配合錠 など
サリチルアミド(サリチル酸系) PL配合顆粒、幼児用PL配合顆粒、ピーエイ配合錠 など
エテンザミド(サリチル酸系) エテンザミド など
(市販薬にも使われる成分なので要注意!)
ジクロフェナクナトリウム ボルタレン、ナボール など
メフェナム酸 ポンタール など

NSAIDsが悪化させるインフルエンザ脳症

インフルエンザ脳症とは、けいれん、意識障害、異常行動などの神経症状が急速に進行して後遺症が残ったり、最悪の場合は多臓器不全を起こすなど死に至るケースもあります。

インフルエンザにかかった1~5歳の乳幼児に多くみられますが、大人でも発症することがあります。

はっきりとした原因は分かっていませんが、インフルエンザの発熱時にジクロフェナク、メフェナム酸など作用の強いNSAIDsを使用すると、インフルエンザ脳症の予後を悪化させるとして、小児への使用は避けられるようになりました。

また、成人でのリスクは低いものの、インフルエンザ脳症の予後を悪化させる可能性が否定できないため小児と同様、ジクロフェナクなどの解熱剤はインフルエンザ患者に対してほとんど処方されません。

インフルエンザ脳症の詳細については関連記事をごらんください。

インフルエンザの解熱にはアセトアミノフェン

インフルエンザの解熱には、アセトアミノフェンという成分の解熱鎮痛剤が推奨されます。

アセトアミノフェンは解熱効果がおだやかで、ゆっくりと解熱することからインフルエンザ脳症を引き起こす可能性が低いと考えられています。

厚生労働省や日本小児科学会などでも、子どもがインフルエンザのときに使う解熱剤はアセトアミノフェンが良いとしています。また、大人でもインフルエンザ脳症やライ症候群のリスクが否定できないため、基本的にはアセトアミノフェンが使用されます。

アセトアミノフェンを主成分とした処方薬にはカロナールやアルピニー坐剤、市販薬ではタイレノールやバファリンルナiなどがありますが、成分が不明な場合は必ず、医師や薬剤師に確認してください。

なお、インフルエンザの治療は医療機関を受診し、抗インフルエンザ薬を使用することが基本です。市販薬は夜間や休日などの緊急時にのみ使い、使用後は必ず医療機関を受診しましょう。

アセトアミノフェンの市販薬については関連記事をごらんください。

インフルエンザの解熱に使用できるNSAIDs:イブプロフェン(プルフェン)

NSAIDsの中では、イブプロフェン(製品名:ブルフェン錠など)を成分とした解熱鎮痛薬は比較的安全に使用できると考えられています。

イブプロフェンは作用が比較的おだやかで副作用も少なく、欧米では子どものインフルエンザの解熱にイブプロフェンが広く使われていることから、アセトアミノフェンの次に安全性が高い成分だと考えられています。

インフルエンザへのイブプロフェンの使用や市販薬については関連記事をごらんください。

成人にはロキソニンが処方されることも

また、20歳以上の成人には、ロキソプロフェン(製品名:ロキソニン錠など)が処方されることがあります。

ロキソニンの主成分であるロキソプロフェンは、インフルエンザ脳症などとの関連性を示す報告や資料がないことから、症状によってはロキソプロフェンの方が適していると判断されます。

ただし、ロキソプロフェンは解熱効果が高くインフルエンザ脳症との関係がいまだに不明であることなどから、インフルエンザの発熱に自己判断で使うことは危険です。必ず医療機関を受診し、処方された場合にのみ使用してください。

インフルエンザのときのロキソニンの使用については関連記事をごらんください。

おわりに

アスピリンやボルタレンは優れた解熱鎮痛剤なので処方される機会も多い薬ですが、インフルエンザの解熱には適していません。

インフルエンザが流行する時期に発熱した場合は、安易に使わないようご注意ください。

また、市販の風邪薬や解熱剤などは対症療法であり、インフルエンザのウイルスに直接作用するものではありません。

インフルエンザウイルスに効果がある抗インフルエンザ薬は医師の処方が必要な薬です。インフルエンザが疑われる高熱が出たら、医療機関を受診してインフルエンザの治療に必要な薬を処方してもらいましょう。

市販の風邪薬については関連記事をごらんください。

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