インフルエンザにNSAIDsは禁忌?!インフルエンザとNSAIDsの関係を解説

インフルエンザの解熱にNSAIDs(解熱鎮痛剤)を使用する際には注意が必要です。インフルエンザ脳症の併発の危険性など、インフルエンザとNSAIDsの関係について解説します。

インフルエンザの解熱にNSAIDsは要注意!

NSAIDs(エヌセイズ)は抗炎症作用、鎮痛作用、解熱作用を持つ非ステロイド性抗炎症薬の総称。
一般的には解熱鎮痛剤として、処方薬から市販薬まで、幅広く活用されています。
代表的なNSAIDsには、PL顆粒、ボルタレン、ロキソニン、ポンタールなど、私たちがよく耳にする薬もあります。

インフルエンザは38℃を超える高熱が特徴ですが、高熱が長く続く状態は身体にも影響を与えるため、時には解熱剤を使って熱を抑えることが必要になります。

しかし、インフルエンザの解熱に気をつけたいのは解熱剤の成分。
インフルエンザの解熱に一部のNSAIDsを使うと、インフルエンザ脳症やライ症候群といった重大な病気を引き起こす可能性が指摘されているのです。

インフルエンザの解熱に使用を避けるべき成分

NSAIDsの中でもアスピリンジクロフェナクメフェナム酸といった成分の解熱剤をインフルエンザの時に使うと、ライ症候群や脳症を引き起こす可能性があることが分かっています。

そのため、子どもの使用は原則禁忌ですが、成人であってもインフルエンザ発症時の使用は避けたほうがよいとされています。

避けるべき主な薬は、アスピリン(アセチルサリチル酸)、ボルタレン(ジクロフェナク)、ポンタール(メフェナム酸)などです。
インフルエンザが疑われる発熱などの症状が出ているときに、これらの薬が手元にあっても、安易に使うことは避けましょう。

関連記事:インフルエンザの解熱にアスピリンは使える?解熱剤で脳症に?インフルエンザのアスピリン使用について解説!

NSAIDsが誘発するインフルエンザ脳症

インフルエンザ脳症は、インフルエンザにかかった1~5歳の乳幼児に多くみられる病気で、発症した人の8割が5歳までの子どもといわれています。

けいれん、意識障害、異常行動などの神経症状が急速に進行し、後遺症が残ったり、最悪の場合は多臓器不全を起こすなど、死に至ることもあります。

はっきりとした原因は分かっていませんが、インフルエンザの発熱時にアスピリン、ジクロフェナク、メフェナム酸などのNSAIDsの解熱剤を使用すると、インフルエンザ脳症を引き起こしたり、症状を悪化させるとして、小児の使用は禁忌とされました。

また、成人でのリスクは低いものの、脳症を発症・悪化させる可能性が否定できないため、小児同様、アスピリンなどの解熱剤はほとんど処方されません。

インフルエンザ脳症について、詳しくはこちらをごらんください。
関連記事:インフルエンザ脳症について解説!〜子どもの発症に要注意〜

インフルエンザの解熱にはアセトアミノフェンが適当

インフルエンザの解熱には、NSAIDsではないアセトアミノフェンが成分の解熱鎮痛剤が適しているとされています。
アセトアミノフェンは、NSAIDsに比べて解熱効果がゆるやかで、インフルエンザ脳症を引き起こす可能性が低いといわれているためです。

日本小児科学会も、子どもがインフルエンザの時に解熱剤を使う必要がある場合には、アセトアミノフェンの薬がよいとしています。
また、大人も子どもと同様に、アセトアミノフェンの解熱剤が使われることがほとんどです。

アセトアミノフェンを主成分としたNSAIDsの処方薬にはカロナールやアルピニー坐剤、市販薬ではタイレノールやバファリンルナiなどがありますが、成分が不明な場合は必ず、医師や薬剤師に確認してください。

インフルエンザは、医療機関で処方される抗インフルエンザ薬の服用で、早く治り重症化も防ぐことができます。市販薬は夜間や休日などの緊急時にのみ使い、使用後は必ず医療機関を受診しましょう。

アセトアミノフェンについて、詳しくはこちらをごらんください。
関連記事:インフルエンザの高熱と筋肉痛にはアセトアミノフェンの薬を!副作用が少なく子どもも服用できる市販薬をチェックしよう

インフルエンザの解熱で使用されるNSAIDs

成人の場合は、NSAIDsのひとつであるロキソニンが処方されることもあります。

ロキソニンの主成分であるロキソプロフェンは、アセトアミノフェンに次いで安全な成分といわれています。症状によってはアセトアミノフェンを成分とした薬ではなく、ロキソニンの方が適していると判断される場合もあります。

また、ロキソニンと同様の理由から、イブプロフェンを主成分としたブルフェンが処方されることも。
ただし、ロキソニンやブルフェンは解熱効果が高すぎたり、インフルエンザ脳症との関係がいまだ不明であることなどから、インフルエンザの発熱に自己判断で使うのは大変危険です。
必ず医療機関を受診し、処方された場合だけ使うようにしましょう。

なお、安全性の面からロキソニンが子どもに処方されることはなく、子どもがインフルエンザの時に解熱剤を使う場合、アセトアミノフェンを成分とした薬が処方されます。

おわりに

アスピリンやボルタレンは優れた解熱鎮痛剤なので、処方されることが多い薬です。
しかし、以前に処方された薬であっても、新たにかかった病気に適しているとは限りません。
また、市販の風邪薬や解熱剤などは対症療法であり、インフルエンザのウイルスに直接作用するものではありません。

病気や症状に適した治療を行うためにも、自己判断での使用はなるべく避けてください。

インフルエンザが疑われる高熱などの症状が出たら、6~48時間以内に医療機関を受診し、抗インフルエンザ薬や解熱剤を処方してもらいましょう。

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