送料無料キャンペーン中!

インフルエンザ予防接種で手や腕がしびれる?予防接種の副反応について解説

更新日:

薬剤師監修日:

インフルエンザ予防接種で起こる手や腕のしびれは副反応のひとつです。しびれに関係する重大な副反応や、手にしびれを感じたら何科を受診するのか、副反応が後遺症として残った場合の救済制度を解説。

Edit
小寺 瑶 プロフィール画像
監修薬剤師 :ミナカラ薬局 薬剤師 小寺 瑶

手のしびれは予防接種の「副反応」

インフルエンザの予防接種後に手や腕がしびれるのは、予防接種の副反応と考えられます。

副反応は、予防接種の目的である「抗体を得る」以外の皮ふや全身に起こる体の自然な反応のことです。予防接種の主な副反応として、頭痛や発熱・寒気などの風邪のような症状や、注射した部分が腫れるといった症状があります。

手のしびれも副反応に含まれ、このような軽度な副反応は20~40%の人に現れますが、通常2~3日で焼失します。

手や腕のしびれが重大な副反応につながる?

予防接種が原因で起こる手のしびれは、2~3日で治る一過性のものもあれば、重症化して健康に影響するものもあります。

2~3日で治る軽度の副反応はあまり心配する必要はありません。

重大な副反応はめったに起こりませんが、重症化を避けるためにも症状の早期発見と早期治療が大切です。初期症状として手のしびれが現れる、重大な副反応である主な疾患を確認しましょう。

急性散在性脳脊髄炎(きゅうせいさんざいせいのうせきずいえん)

ADEM(Acute disseminated encephalomyelitis)とも呼ばれ、ウイルス感染もしくは予防接種後などに、免疫系が異常に活性化され、脳や脊髄、目の神経への攻撃によって炎症が起こった状態です。

予防接種がきっかけの場合は4週間以内に発症することが多く、手足が動きにくい、手の感覚が鈍い、頭痛、発熱、意識の混濁といった症状をともないます。

日本における15歳以下の発症頻度は年間約60例程度、15歳以下の小児10万人あたり年間0.32人であると推計されています。

インフルエンザ以外にもB型肝炎や日本脳炎のワクチンなどでも急性散在性脳脊髄炎を引き起こすおそれはあります。

急性散在性脳脊髄炎を発症すると重い後遺症を残す場合もあるため、予防接種後に上記の症状が現れた場合には注意する必要があります。

厚生労働省のホームページでは重篤副作用疾患別マニュアルで急性散在性脳脊髄炎の症状や対処について公開しているのでご参照ください。

ギラン・バレー症候群

運動機能をコントロールする運動神経、痛みや物を触る感触など感覚を伝える感覚神経、生命活動を維持している自律神経からなる末しょう神経に障害が起こる疾患です。

体内に侵入してきた異物を排除する働きをする免疫系が、何らかのきっかけで過剰に反応し正常な細胞や組織までをも攻撃している、と考えられています。

初期症状として両手足に力が入らなくなり、しびれが現れます。その後、症状が全身に急速にひろがり、顔の筋肉のまひ、歩行障害など日常生活に支障をきたしてしまうほどに進行し、回復に長期間のリハビリが必要になる重大な疾患です。

日本における発症頻度は人口10万人当たり年間1~2人の発症と推計されています。

インフルエンザの予防接種をきっかけとする場合は接種から2~6週間以内に発症することが多いです。

厚生労働省のホームページでは重篤副作用疾患別マニュアルでギラン・バレー症候群の症状や対処について公開しているのでご参照ください。

けいれん発作

全身または手足の筋肉が硬直しガクガクと震える、意識がなくなる、筋肉が激しく震えたあとに呼吸が弱くなる・口から泡をふく・尿便を失禁するなどの発作症状が起こります。

必ずしも現れるとは限りませんが、手足のしびれ、手足のピクつき、めまい、ふるえ、ふらつき、一時的に意識が遠のくなどの症状はけいれんの初期症状として現れることがあります。

予防接種後にこのような症状が現れたら、早めに医師・薬剤師に連絡して指示をあおぎましょう。

しびれが続く時は何科に行くべき?

インフルエンザの予防接種を受けた後に副反応と疑われる手のしびれが続く場合は、予防接種を受けた医療機関、または整形外科、神経内科を受診しましょう。

手のしびれをともなう疾患は多々あるので、自分で原因を判断することは危険です。予防接種後に手のしびれが現れたら、原因を明らかにするためにも医療機関でしっかりと調べてもらいましょう。

腫れやかゆみ、痛みなど、予防接種後に手や腕に現れるほかの症状については関連記事をごらんください。

医薬品副作用被害救済制度とは

どんなに健康な状態で予防接種を受けても、副反応を防げないことがあります。

予防接種により重大な副反応が起き、重症化して医療費がかさんでしまった場合のことを考えて『医薬品副作用被害救済制度』を知っておくと良いでしょう。

『医薬品副作用被害救済制度』とは、正しく医薬品を使用したにもかかわらず副作用により重症な症状を引き起こし、入院が必要なほどの健康被害が出てしまった人を救済する制度です。

インフルエンザワクチンも医薬品にあたるので、『医薬品副作用被害救済制度』を利用したいと考える人は医薬品副作用被害救済制度について確認しましょう。

また、厚生労働省では予防接種による副反応について相談できる感染症・予防接種相談窓口が設けられてるので、問い合わせてみるのも選択肢のひとつです。

おわりに

予防接種後の手のしびれは、2~3日でおさまる程度の軽度な症状から、放っておくと重症化する症状まであり、さまざまな疾患と関係していることがあります。

もし手のしびれが4日以上続く場合は、医療機関を受診して原因を調べてもらいましょう。

監修薬剤師

ミナカラ薬局薬剤師小寺 瑶

(経歴)
  • 福岡大学薬学部薬学科卒業
  • 福岡大学大学院薬学研究科薬学専攻修士課程修了
  • 株式会社大賀薬局
  • 株式会社ミナカラ / ミナカラ薬局
編集者ページへ
小寺 瑶 プロフィール画像

この記事は参考になりましたか?

  • リンクをコピー
  • Twitterでシェアする Twitter
  • Facebookでシェアする Facebook
  • LINEでシェアする LINE
  • はてなブックマークでブックマークする はてなブックマーク
  • noteで書く noteで書く
ご利用に当たっての注意事項
  • 掲載している情報は、セルフメディケーション・データベースセンターから提供されたものです。
  • 適正に使用したにもかかわらず副作用などの健康被害が発生した場合は(独)医薬品医療機器総合機構(TEL:0120-149-931)にご相談ください。
  • より詳細な情報を望まれる場合は、購入された薬局・薬店の薬剤師におたずねください。
  • 当サービスによって生じた損害について、株式会社ミナカラ及び、セルフメディケーション・データベースセンターではその賠償の責任を一切負わないものとします。
掲載情報について

掲載している各種情報は、株式会社ミナカラが調査した情報をもとにしています。出来るだけ正確な情報掲載に努めておりますが、内容を完全に保証するものではありません。掲載されている医療機関へ受診を希望される場合は、事前に必ず該当の医療機関に直接ご確認ください。当サービスによって生じた損害について、株式会社ミナカラではその賠償の責任を一切負わないものとします。情報に誤りがある場合には、お手数ですが株式会社ミナカラまでご連絡をいただけますようお願いいたします。

使用されている写真はイメージです。実際の内容と異なる場合があります。