手のしびれは予防接種の「副反応」

インフルエンザの予防接種後に手や腕がしびれるのは、予防接種の副反応と考えられます。

副反応は、予防接種の目的である「抗体を得る」以外の皮ふや全身に起こる体の自然な反応のことです。予防接種の主な副反応として、頭痛や発熱・寒気などの風邪のような症状や、注射した部分が腫れるなどの症状があります。

手のしびれも副反応に含まれ、このような軽度な副反応は20~40%の人に現れます。

予防接種の副反応について、詳しくは関連記事をごらんください。

手や腕のしびれが重大な副反応につながる?

予防接種が原因で起こる手のしびれは、2~3日で治る一過性のものもあれば、重症化して健康に影響するものもあります。

2~3日で治る軽度の副反応はあまり心配する必要はありません。

重大な副反応はめったに起こりませんが、重症化を避けるためにも症状の早期発見と早期治療が大切です。初期症状として手のしびれが現れる、重大な副反応である主な疾患を確認しましょう。

急性散在性脳脊髄炎(きゅうせいさんざいせいのうせきずいえん)

めったに起こらない重大な副反応の中では比較的起こりやすい疾患です。

予防接種がきっかけの場合は4週間以内に発症することが多く、手足が動きにくい、手の感覚が鈍い、頭痛、発熱、意識の混濁といった症状をともないます。

B型肝炎や日本脳炎のワクチンも急性散在性脳脊髄炎を引き起こすおそれはありますが、発症が一過性の症状である場合を含めても、10万回の予防接種で1回以下の発症率が推定されているほど発症頻度は少ない疾患です。

急性散在性脳脊髄炎を発症すると重い後遺症を残す場合もあり、死亡率も高いので予防接種後に重い副反応が現れた場合には、注意する必要があります。

厚生労働省のホームページでは重篤副作用疾患別マニュアルで急性散在性脳脊髄炎の症状や対処について公開しているのでご参照ください。

ギラン・バレー症候群

運動機能をコントロールする運動神経、痛みや物を触る感触など感覚を伝える感覚神経、生命活動を維持している自律神経からなる末しょう神経に障害が起こる疾患です。

体内に侵入してきた異物を排除する働きをする免疫系が、何らかのきっかけで過剰に反応し正常な細胞や組織までをも攻撃している、と考えられています。

初期症状として両手足に力が入らなくなり、しびれが現れます。その後、症状が全身に急速にひろがり、顔の筋肉のまひ、歩行障害など日常生活に支障をきたしてしまうほどに進行し、回復に長期間のリハビリが必要になる重大な疾患です。

予防接種をきっかけとする場合はワクチン接種から6週間以内に発症しますが、発症率は1000万回の接種で1人程度ととても低いので、過度に心配する必要はありません。

ギラン・バレー症候群については関連記事をごらんください。

けいれん発作

全身または手足の筋肉が硬直しガクガクと震える、意識がなくなる、筋肉が激しく震えたあとに呼吸が弱くなる・口から泡をふく・尿便を失禁するなどの発作症状が起こります。

必ずしも現れるとは限りませんが、手足のしびれ、手足のピクつき、めまい、ふるえ、ふらつき、一時的に意識が遠のくなどの症状はけいれんの初期症状として現れることがあります。

予防接種後にこのような症状が現れたら、早めに医師・薬剤師に連絡して指示をあおぎましょう。

しびれが続く時は何科に行くべき?

インフルエンザの予防接種を受けた後に副反応と疑われるに手のしびれが続く場合は、予防接種を受けた医療機関、または整形外科、神経内科を受診しましょう。

手のしびれをともなう疾患は多々あるので、自分で原因を判断することは危険です。予防接種後に手のしびれが現れたら、原因を明らかにするためにも医療機関でしっかりと調べてもらいましょう。

腫れやかゆみ、痛みなど、予防接種後に手や腕に現れるほかの症状については関連記事をごらんください。

医薬品副作用被害救済制度とは

どんなに健康な状態で予防接種を受けても、副反応を防げないことがあります。

予防接種により重大な副反応が起き、重症化して医療費がかさんでしまった場合のことを考えて『医薬品副作用被害救済制度』を知っておくと良いでしょう。

『医薬品副作用被害救済制度』とは、正しく医薬品を使用したにもかかわらず副作用により重症な症状を引き起こし、入院が必要なほどの健康被害が出てしまった人を救済する制度です。

インフルエンザワクチンも医薬品にあたるので、『医薬品副作用被害救済制度』を利用したいと考える人は医薬品副作用被害救済制度について確認しましょう。

また、厚生労働省では予防接種による副反応について相談できる感染症・予防接種相談窓口が設けられてるので、問い合わせてみるのも選択肢のひとつです。

おわりに

予防接種後の手のしびれは、2~3日でおさまる程度の軽度な症状から、放っておくと重症化する症状まであり、さまざまな疾患と関係していることがあります。

もし手のしびれが4日以上続く場合は、医療機関を受診して原因を調べてもらいましょう。