インフルエンザの大きな特徴は38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛等全身の症状が突然現れることです。

インフルエンザに感染してしまうと、つらい症状や予定の変更など日常生活に大きな支障があります。インフルエンザにかかる前にできる限りの予防や対策をしたいですよね。

近年アレルギー対策などでグッと身近になっている空気洗浄機。一部屋に一台設置している家庭も少なくありません。空気清浄機を使って空気中を漂うインフルエンザウイルスの感染予防をすることはできるのでしょうか?

この記事では、インフルエンザウイルス感染の仕組みや空気清浄機によるインフルエンザ対策に効果はあるのか解説します!

インフルエンザウイルスの感染経路:空気感染する?

インフルエンザウイルスの主な感染経路は飛沫感染と接触感染と考えられています。

飛沫感染

感染者のくしゃみや咳でウイルスが飛沫し、目・鼻・口などの粘膜から感染する経路です。飛沫の大きさは通常直径5マイクロメートル以上とされ、1~2メートル範囲に飛び散ります。勢いのある咳やくしゃみの場合、3~5メートル飛び散ることもあります。

水分を含んでいるため重さがあり、あまり空気中を漂うことなく落下し机や床など周囲の物へ付着します。そのウイルスを手で触ることにより、さらに接触感染へとつながります。

接触感染

接触感染には2種類あります。

■直接接触感染
くしゃみや咳を手で覆い、そのウイルスがついた状態の手で非感染者に触れることで感染が広がります。

■間接接触感染
ウイルスが付着した家具やドア、食器やタオルなどを手で触れ、そのウイルスがついた状態の手で自分の目・鼻・口など粘膜を触ると感染します。

空気感染することはある?

空気感染は飛沫核感染ともよばれ、飛沫感染とは区別されています。飛沫核とは、飛沫の水分が蒸発し乾燥した状態で、大きさも通常直径5マイクロメートル未満とされる小さな粒子です。

乾燥して軽く小さな飛沫核は、飛沫感染の飛沫に比べると長い時間空気中を漂うことができます。そのため感染者のくしゃみや咳からは離れた場所にいても、ウイルスが含まれた飛沫核を吸い込むことにより感染する可能性があります。

ただし、インフルエンザが空気感染するという科学的根拠はなく、インフルエンザ予防には空気感染への対策はあまり必要ないといえます。

インフルエンザの感染経路については関連記事をごらんください。

空気清浄機のウイルス抑制効果

空気清浄機の基本的な働きは空気をきれいにすることです。しかし、最近では空気中に存在するウイルス対策ができる機能を持った機種が多く販売されています。

ウイルス対策空気清浄機の共通点

空気清浄機のウイルス対策をする技術には、各家電メーカーごとに独自の名称がついています。たとえばシャープの「プラズマクラスターイオン」、パナソニックの「ナノイー」、ダイキンの「ストリーマ」などがあります。

ウイルス対策ができる空気清浄機の共通点は、ウイルスを抑制する技術にイオンを使っている点です。

イオンとは原子が電気をおびた物です。空気清浄機からイオンを発生させ空中に飛ばし、イオンがウイルスに結びつき、ウイルスを無力化させます。

また、イオン単体では弱くすぐに消えてしまうため、水分で覆い空気中で長持ちさせ、気流に乗せてイオンを遠くまで飛ばす技術を使用している場合もあります。

ウイルス対策空気清浄機の違い

ウイルス対策ができる空気清浄機の大きな違いは、主にイオンを発生させる技術の違いです。

イオンを発生させ水分で覆って空気中に飛ばす方法は、機種によって2通りあります。

多くの機種は空気中の水分や水道水を利用します。空気中の水分を利用する機種は乾燥がひどく空気中に水分が少ない場合、イオンが発生しないことがあります。また、水道水を利用する機種はタンクに水を入れるという作業が発生します。

ダイキンの機種は独自の技術を使用し、イオンを空気中に飛ばすのではなく、空気清浄機に吸い込んだ空気に直接放電しイオンを発生させ、ウイルスを無力化した空気を外に吐き出すという仕組みで動いています。

空気清浄機の選び方

空気清浄機を選ぶときは、空気中のウイルスをイオンでどう対策するかという点に考えが向きがちですが、空気清浄機のフィルターを意識することも重要です。

フィルターのろ過作用によって、空気中に漂うウイルスの量は減少します。HEPAフィルターは医療用マスクにも使われているフィルターであり、小さなウイルスをつかまえることができます。空気清浄機を選ぶときはフィルターの種類も確認することをお勧めします。

空気清浄機にインフルエンザを予防する効果はある?

インフルエンザの主な感染経路は飛沫感染・接触感染です。

インフルエンザウイルスを含んだ飛沫は水分の重さですぐに落下してしまい、周囲の物や人の身体へ付着し接触感染にも広がります。また、人の出入りがある部屋では、空気清浄機のイオンが空気中のすべてのウイルスを無力化するということは困難です。

そのため飛沫感染・接触感染に対し、空気清浄機から発したイオンによるインフルエンザウイルスの予防・対策効果は残念ながらあまり無いといえます。付着ウイルスにも多少の効果があると説明している機種もあるようですが、感染予防の効果があるとはいい切れません。

空気感染に対しては予防を期待できますが、インフルエンザの感染経路で最も多いのは飛沫感染です。インフルエンザ対策として空気清浄機のイオン効果に頼るというのは、感染予防として万全ではありません。

加湿機能はインフルエンザウイルスに効果的?

インフルエンザの感染予防として効果が大きいものは、手洗い・マスク、そして湿度の調整です。

空気が乾燥しているとウイルスが空気中を漂いやすく活発に動き回ることができます。そしてウイルスが付着しやすい人間の喉や気管支、鼻の粘膜は乾燥により傷つきやすくなります。空気が乾燥した結果、増えたインフルエンザウイルスが傷ついた粘膜に付着しやすくなり感染するおそれが高まるということです。

この流れを予防するためには乾燥させない=湿度を調節する必要があります。

インフルエンザウイルス対策に適切だといわれる湿度は「40~60%」です。湿度が50%をこえるとウイルスの活動が弱まり、生存率も下がるといわれているため、空気清浄機の加湿機能を使うインフルエンザ対策は大いに期待できます。

室内の温度は20~23℃、湿度は40~60%という環境を保つことがインフルエンザ対策につながるのです。

空気清浄機の効果的な置き方

空気清浄機の効果的な置き方を紹介します。

良い設置場所

・換気扇と反対の方向
・部屋の入口付近

空気中に漂うウイルスを減らすためにはスムーズな空気循環が大切です。換気扇が近くにあると空気清浄機が排出したきれいな空気が外に出やすくなってしまいます。

また、部屋の入口など人の出入りが多い場所に設置することで、空気清浄機がウイルスの含まれた空気を吸い込みやすく、空気循環が効果的におこなわれます。

効果が薄れる設置場所

・壁や家具から30cm以内の場所
・エアコンの真下

噴き出し口の近くに壁や家具があると空気循環が悪くなります。またエアコンの暖房を使用すると、足下を狙い暖かい空気を下へ向かって吹き出しています。

エアコンの真下に空気清浄機を設置すると、エアコンの温風と空気清浄機から吹き出した空気がぶつかり合い効果的に空気が巡回しません。エアコンと反対の方向に空気清浄機を設置することにより、スムーズな空気循環がおこなわれより効果的になります。

おわりに

この空気清浄機を稼働させればインフルエンザウイルスが100%除去できます!というような効果のある機種は今のところありません。インフルエンザ感染予防のためには、空気清浄機のウイルス抑制機能だけでなく、フィルターや加湿などの機能も重要です。

一番簡単で確実な手洗い・マスクを徹底しながら、空気清浄機を適切に使用してより効果のあるインフルエンザ感染予防を実践しましょう。