インフルエンザは薬がなくても治る?自然治癒で治す方法と期間

インフルエンザは、基本的に薬がなくても治る病気です。インフルエンザを自然治癒で治す方法や完治に何日かかるという期間の目安を解説します。病院に行かないで自力で治したい人、必見です。

インフルエンザは、毎年世界中で流行する気道感染症です。のどの痛みや鼻づまりといった症状のほか、38℃~40℃の高熱が急に出るといった全身症状がみられるのが特徴となっています。

インフルエンザの症状は風邪と比べると、進行がとても早いです。そのため、「薬が手元にない。でも病院に行く時間もない」というケースに陥ることもあります。それに急に高熱が出ると、体が参ってしまい、病院へ行くのが億劫になったりしますよね。

インフルエンザは薬がなくても治るのでしょうか?病院へ行かず、自力で治すことができるのでしょうか?この記事では、インフルエンザを自然治癒で治す方法や、自然治癒にかかる期間の目安について解説します。

インフルエンザの治療は自然治癒が基本

2000年~2001年にかけて、タミフルやリレンザといった抗インフルエンザ薬が国内で認可・発売されました。そのため、中には「インフルエンザは薬を飲めばすぐに治る」と考える人もいるかもしれません。

しかし、インフルエンザの治療は、今も昔も自然治癒が基本です。体内に侵入したインフルエンザウイルスを撃退するため、しっかり療養して体力をつけることが治療では何よりも大切なのです。比較的健康な大人であれば、薬がなくても、病院に行かなくてもインフルエンザを治すことができます。

インフルエンザが流行する前に予防接種を受けている人は、体内に「抗体」と呼ばれるウイルスと戦うための武器が作られています。そのため、万が一感染しても軽症で済むので、よりスムーズに自然治癒ができるでしょう。

インフルエンザの薬は何のためにあるの?

インフルエンザが自然治癒で治せるのなら、タミフルをはじめとしたインフルエンザの薬は何のためにあるのでしょうか。それは、体内に侵入したインフルエンザウイルスの増殖を防ぐためです。

強い感染力を持つインフルエンザウイルスは、ひとたび体内に侵入すると、16時間で1万倍に増えることがあります。ウイルスが増えると、当然、症状も重くなります。インフルエンザの薬は、こうした重症化を防ぐ働きを持っているのです。

ただし、インフルエンザの薬はウイルスの増殖を防ぐことはできても、ウイルスそのものを消すことはできません。そのため特効薬としての効果は期待できないことを知っておきましょう。そのため、やはりインフルエンザ治療のカギは、自然治癒力が握っているといえます。

インフルエンザを自然治癒で治す方法

インフルエンザの症状は、悪寒をはじめとした「初期症状」から進行し、全身症状が出る「高熱期間」へとつづきます。また、自然治癒の対処を誤ると、インフルエンザが完治せず、ぶり返してしまうことがあります。

ここでは、インフルエンザの症状別に薬がなくても治すための方法をまとめました。インフルエンザを長びかせないためにも、自然治癒の経過をしっかり把握し、症状ごとに適切に対応することが大切です。

インフルエンザ初期に薬を飲まずに対処する場合

インフルエンザは急激な高熱が出るため、寒気やゾクゾクとした悪寒をはっきりと感じられます。寒気や悪寒が強いことを悪寒戦慄(おかんせんりつ)といい、インフルエンザに感染すると多くの人が経験するようです。

悪寒戦慄が出るのは、インフルエンザウイルスと戦うために体内の熱をあげるためです。筋肉がブルブルと震えることにより、熱を作りだしています。

そんなインフルエンザ初期に薬を飲まないで対処する場合は、熱を作りだすためのお手伝いをしてあげることが重要です。体を冷やさないために室内を暖かくし、温かい食事や飲み物で体を芯から温めましょう。可能ならば、布団にくるまって安静にして休むことが一番良い方法です。

このほか、首の後ろの体温調節をおこなっているリンパ節をカイロなどで温めると、悪寒による体のこわばりを緩和する効果も期待できます。初期段階でインフルエンザを完全に撃退することは難しいですが、自然治癒力を高めれば、重症化を防ぐことにつながります。

インフルエンザで高熱が出始めたときに薬を飲まず対処する場合

39℃前後の高熱になると悪寒戦慄は治まります。ここからは、インフルエンザの特徴である高熱による倦怠感や頭痛・関節痛など全身が痛くてだるいという状態が続きます。

高熱が出始めたときの自然治癒で一番大切なのは、水分補給です。熱が出ると汗をたくさんかくので、水分だけでなくミネラルなども失われ、体は脱水に近い状態になります。お茶やジュースではなく、水やスポーツドリンクを飲むようにしましょう。

高熱が出ているのは体がインフルエンザウイルスと戦っている証拠です。免疫力を下げないために、水分補給後は少しずつでも果物やヨーグルトなどで栄養を摂ることも大切です。

インフルエンザで高熱がつづく期間に薬を飲まず対処する場合

インフルエンザは、一般的に高熱が3日間ほど続きます。とくに高熱が出てから3日目がつらいといわれ、発症から1週間ほどで快方へ向かいます。

インフルエンザで高熱がつづいている期間は、水分補給や栄養補給を意識し、とにかく安静にしていることが重要です。

このほか冷たいタオルで脇の下、首回り、太もものつけ根などリンパが集まる場所を冷やすと、高熱によるつらい症状を緩和するのに役立ちます。保冷材を使ってもかまいませんが、その場合は長時間の冷やしすぎに注意してください。

インフルエンザ自然治癒にかかる期間とその後

インフルエンザの自然治癒の目安は何日?

普段から健康な方であれば、抗インフルエンザ薬を飲まなくても1週間ほどで症状は自然治癒します。ただし、症状が治まってもウイルスが体内に存在している間は、他の人にうつす可能性もあるので、しばらくは自宅で安静にすることが理想的です。

インフルエンザ感染後の外出はいつから?

学校保健安全法の出席停止の基準は「発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」と定められています。大人の出勤停止も、この基準に順じていることが多いです。周囲へ感染を広げないため、解熱後も2日間は様子を見る必要があるでしょう。

インフルエンザのぶり返しに注意

高熱が下がり始めた時期に注意したいのが、インフルエンザのぶり返しです。通常は熱が下がると全身症状も治まり、体内からインフルエンザウイルスがなくなったことが確認されて、回復となります。

しかし3日目に37℃程度まで下がったのち、24時間以降にふたたび38℃程度の高熱がぶり返す二峰性(にほうせい)発熱が出るケースがあります。インフルエンザぶり返しの高熱は1~2日程度は続くため、出勤停止や出席停止期間も再度延びることになります。詳しいインフルエンザぶり返しの原因や対処法などは関連記事をご参照ください。

子供のインフルエンザ自然治癒について

子供がインフルエンザに感染した場合も、自然治癒力はとても重要です。しかし、大人と比べると子供は体力が少なく、インフルエンザの症状が悪化すると、インフルエンザ脳症や肺炎といった命にかかわる合併症を併発するおそれがあります。これは乳幼児や2歳・3歳の子供はもちろんのこと、小学生くらいの子供であっても同じことです。

乳幼児の赤ちゃんや子供がインフルエンザに感染した場合は、自然治癒のみに頼らず、病院で適切な抗インフルエンザ薬を処方してもらいましょう。また、重症化を防ぐためにインフルエンザ流行前に予防接種を受けておくことも大切です。

妊婦・授乳婦のインフルエンザ自然治癒について

妊婦のインフルエンザ自然治癒について

おなかの赤ちゃんも守らなければならない妊婦が、インフルエンザを自然治癒だけで治そうとするのは危険です。熱が出たらすぐに病院へ行きましょう。病院へ行く際には、ほかの妊婦へうつさないよう、産婦人科を避けるのが理想的です。

妊婦がインフルエンザに感染した場合も、内科を受診し、どうしてもかかりつけの産婦人科医に相談したい場合は、事前に電話などで連絡をして、インフルエンザにかかっている旨を伝えましょう。医師が適切な指示をしてくれます。

ちなみに妊娠していても抗インフルエンザ薬は使用できます。公益社団法人日本産科婦人科学会では、下記の理由から妊婦の抗インフルエンザ薬の服用を推奨しています。

■予防的服用(発症前の服用)も重症化防止に有効
■発症後早期(48時間以内)の抗インフルエンザ薬服用は妊婦重症化防止に有効
■インフルエンザと診断された場合、あるいはインフルエンザを否定できない場合(感染していても検査陰性とでることがある)抗インフルエンザ薬を服用する

授乳婦のインフルエンザ自然治癒について

授乳中の女性がインフルエンザに感染した場合も、自然治癒に頼らず、ただちに病院へ行きましょう。生後6か月ほどの赤ちゃんであれば、母体にいたころのインフルエンザの抗体が残っていますが、それ以上の時間が経っている赤ちゃんであれば、感染のリスクが高まります。

授乳婦がインフルエンザで病院へ行く場合も、妊婦と同じく内科が最適です。産婦人科へ行くと、病院内にいる妊婦に感染を広げてしまうおそれがあります。

内科で治療を受ける際には、必ず授乳中であることを伝えましょう。薬の成分によっては母乳に移行することがあります。

インフルエンザを自然治癒で治すときの注意点

市販の解熱剤や風邪薬は成分を確認すること

自然治癒だけでインフルエンザを治すのは難しいと感じたとき、病院に行かず、自宅にある薬を使おうと考える人もいることでしょう。しかし、市販の風邪薬や解熱剤を飲むときは注意が必要です。成分によっては、合併症を引きおこすリスクがあるため、インフルエンザの発熱に対して使用できない薬もあります。

インフルエンザにかかったら、自然治癒で市販薬を使わず、病院を受診して医師から解熱剤などを処方してもらうことをおすすめします。

高齢者・ハイリスク群は自然治癒に頼らない

高齢者やハイリスク群と呼ばれる人たちは、インフルエンザが重症化しやすく、自然治癒だけに頼っていると、肺炎などを引き起こしてしまうおそれがあります。こうした人たちがインフルエンザに感染した場合は、必ず早めに病院へ行き、適切な治療を受けましょう。

なお、インフルエンザのハイリスク群とは、合併症を招きやすい下記の持病がある人を主に指します。

・慢性呼吸器疾患
・慢性心疾患
・糖尿病などの代謝性疾患
・腎機能障害
・ステロイド内服などによる免疫機能不全

おわりに

インフルエンザは薬がなくても、多くの場合が自然治癒力で治すことができます。ただし、体力の少ない高齢者や子供、体調管理に細心の注意が必要な妊婦などは、医師に相談することが最適です。

また、インフルエンザが治りやすい体にするよう、普段から体力や免疫力をつけておくことも大切です。

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