インフルエンザ予防接種はなぜ痛い?注射後の痛みを軽くする方法

インフルエンザの予防接種にともなう痛みの原因を解説。皮下注射と筋肉注射の違い、注射後の痛みを和らげる方法を薬剤師監修のもと徹底解説します!2017/2018シーズンの予防接種のまとめも掲載!

インフルエンザの予防接種による痛みは、注射を打つ場所やワクチンの刺激が原因であることが大きく、痛みの感じ方にも個人差があります。

この記事ではインフルエンザの予防接種はなぜ痛いのか、痛みに対する対処法などについて詳しく解説します。

インフルエンザ予防接種が痛い理由

インフルエンザ予防接種による痛みの理由として、皮下注射によるものと薬の刺激によるものの2つが考えられます。

皮下注射による痛み

インフルエンザの予防接種に使われるワクチンは、日本では基本的に皮下注射での接種になります。

注射の種類は4種類あり、針が深く刺さる順に「静脈注射 > 筋肉注射 > 皮下注射 > 皮内注射」となっています。

一般的に筋肉注射と皮下注射では、奥に刺さるイメージから筋肉注射の方が痛いのではと思われがちですが、筋肉注射より皮下注射の方が痛いといわれています。

なお、海外ではインフルエンザワクチンは筋肉注射により接種されることが大半です。

静脈注射 ・静脈へ注射する
・一般的に点滴の用途で使用
・最も効き目が速い
筋肉注射 ・筋肉へ注射する
・皮下注射より吸収が速く、静脈注射の次に効き目が速い
皮下注射 ・皮膚と筋肉の間に注射する
・ワクチンやインスリンなどで用いられる方法
・一般に吸収が穏やかで効果が長い。ただし、インスリンの中には速く吸収されるものもある
皮内注射 ・皮膚の表面とすぐ下の真皮の間に注射する
・主に治療ではなくツベルクリン反応やアレルギー反応などの検査に行う

薬の刺激による痛み

インフルエンザ予防接種の痛みの原因は、注射されたワクチンが浸透していく刺激によるものであるため、皮下注射であっても筋肉注射であっても同じような痛みを感じるといえます。

筋肉注射が用いられる部位には、肩付近の三角筋、お尻の中殿筋、太ももの前面などがあります。

筋肉へ注射するため皮下注射よりは太い針が使われるので皮下注射より痛みを感じるようにおもいますが、筋肉注射の痛みには注射される薬の種類が影響しています。

もともと、筋肉注射は刺激の強い薬を注射するために用いられており、筋肉注射が痛いのではなく、痛い薬を使うために筋肉注射になるとも考えられます。

皮下注射が筋肉注射より痛いのはなぜ?

日本人が慣れているのは皮下注射

1970年代までは日本でも風邪症状に対して筋肉注射が使用されるほど、筋肉注射は日常的に使われる接種方法でした。しかしこの筋肉注射が原因で、膝が伸びずに歩けなくなる「筋拘縮症(きんこうしゅくしょう)」が幼児の間で流行し社会問題となり、日本のワクチン接種は皮下注射でおこなうものとなりました。

皮下注射に慣れていると筋肉への圧迫感など体験したことのない感覚が独特の痛みとして強烈に印象に残るため、筋肉注射は痛いという印象だけが強く残りやすくなります。

インフルエンザワクチンの筋肉注射をすることもある

1970年代以降、国内のインフルエンザワクチン接種は皮下注射のみとなっていました。しかし、近年では筋肉注射の方が副反応が出づらいという認識も広まっています。

そのため、医師の判断によりインフルエンザの予防接種も筋肉注射でワクチン接種を行うケースもあります。

筋肉注射と皮下注射のどちらで予防接種をおこなうか気になる方は、事前に予防接種を受ける予定の病院に確認してみましょう。

予防接種注射の痛みを軽くする方法

注射が苦手だと伝える

注射の痛みそのものよりも、注射に対する恐怖心が痛みを増幅させていることもあります。注射に限らず「こわいな、いやだな」と思う気持ちをひとりで抱え込んでいると、その気持ちに意識が集中してしまいます。

恥ずかしいと考える方もいるかもしれませんが、「注射が苦手なんですよね」と吐き出すことで、気持ちはぐっと楽になるでしょう。

状況によっては、そのまま医師や看護師が雑談を続けてくれると、気がまぎれて痛みが軽減される可能性もあります。

深呼吸をする

深呼吸にはリラックスする効果と同時に筋肉を緩める効果があります。

皮膚に針を刺す瞬間に筋肉がこわばると針が進みにくくなり、痛みが増してしまいます。刺す瞬間に息を吐き出して筋肉を緩めることを意識してみましょう。

注射中は別の部位を刺激する

人体は複数の場所の痛みを同時には感じにくいという特徴があります。そのため、針が刺さったら太ももなどをつねってみましょう。痛みの感覚が太ももへ向き、注射の痛みを感じにくくする効果があります。

予防接種後の痛みは「副反応」かも

インフルエンザワクチンを接種すると、注射後に痛みを生じる場合があります。

これは「副反応」という症状のひとつであり、注射した部分が腫れたり痛んだりする以外にも発熱や頭痛、体がだるくなるなどの風邪のような症状が見られることも多くあります。

副反応による痛みは、個人の体質や体調によってはリンパが集まる脇や脇の下部分、肩に現れることもあります。

副反応は通常2~3日で落ち着きますが、それ以上痛みが続いたり、注射をした腕側以外に痛みが広がっている場合は早めに医療機関を受診しましょう。

痛みを和らげるには?

副反応の腫れ・発熱・かゆみをともなう痛みに対しては、冷たいタオルや保冷材で冷やすという方法が有効です。温めると症状が悪化しやすいため、長めの入浴や激しい運動、飲酒なども控えましょう。

また、市販の解熱鎮痛剤を使用することも可能です。

予防接種後はどのような薬を使用しても問題ありませんが、市販薬を購入する際は薬剤師や登録販売者に相談しながら選ぶことをおすすめします。

インフルエンザ予防接種の効果や副反応については関連記事をごらんください。

2017/2018インフルエンザ予防接種のまとめ

毎年流行するインフルエンザですが、今年も12月頃から翌年3月頃までの流行が予想されています。

インフルエンザワクチンの料金・効果・種類などについて簡単にまとめました。関連記事と合わせて予防接種を受ける前の参考に目を通してみてください。

インフルエンザ予防接種の料金

インフルエンザ予防接種は保険が適用されないため、10割の自己負担になります。予防接種を受ける回数や各医療機関によって違いがありますが、多くの病院では1回の接種につき3,000円〜5,000円程度に設定されています。

インフルエンザ予防接種の料金については関連記事をごらんください。

インフルエンザワクチンの種類

さまざまな病気の予防接種で使用されるワクチンは、大きく3種類に分けられます。インフルエンザワクチンは「不活化ワクチン」に分類されます。

  特徴 主なワクチン
不活化ワクチン ・毒性を無くしたウイルスや細菌を体内へ注射する
・すでに死んでいるウイルスを注射するため症状がでることはない
・抗体を獲得するための細胞性免疫の誘導能が低い
・インフルエンザ
・日本脳症 など
生ワクチン ・毒性を弱めたウイルスや細菌を体内へ注射する
・体内でウイルスを増殖させ、軽く発症させることで免疫を獲得する
・免疫の有効期間が長い
・MR(はしか・風疹混合)
・おたふくかぜ
・結核 など
トキソイド ・細菌の毒素のみを取り出して不活化した不活化ワクチンの一種 ・ジフテリア
​・破傷風 など

インフルエンザワクチンは製造の過程で鶏卵を使用しているため、卵アレルギーの人は接種の際に注意が必要です。

近年のインフルエンザワクチンではごく微量の鶏卵成分しか含まれておらず、アレルギー反応がでるおそれは低いとされていますが、過度な卵アレルギーを持っている場合は必ず医師に申告しましょう。

インフルエンザ予防接種の卵アレルギーについては関連記事をごらんください。

インフルエンザ予防接種の効果

インフルエンザワクチンには、感染そのものを防ぐ効果はありません。しかし感染後の発症をおさえる効果や重症化を防ぐ効果があるため、インフルエンザを予防するためには非常に重要だといえます。

また、インフルエンザワクチンを接種してから約5か月間効果が持続するといわれているため、流行シーズンに間に合うように予防接種のスケジュールを立てることをおすすめします。

インフルエンザ予防接種の効果については関連記事をごらんください。

おわりに

体には痛点と呼ばれる痛みを感じる場所が無数にあります。体内にも網目のように張り巡らされていて、針が痛点に当たれば痛く、うまく痛点を外れると痛みはほとんど感じません。

痛点は目に見えるものではないため、筋肉注射と皮下注射に関係なく最終的には運も大きく影響します。憂うつな注射に少しでも気持ちが楽になるよう「痛いかどうかは運試し!」くらいの心持ちでいることもリラックスできて良いでしょう。

【インフルエンザ特集】症状・予防接種・潜伏期間・薬など徹底解説!

インフルエンザに関するお役立ち情報

インフルエンザに関連するQA

ピックアップ特集