インフルエンザ菌とインフルエンザはどう違う?

インフルエンザ菌とは、だれの体にも存在する常在菌のひとつです。

主に呼吸器系の鼻や喉に存在する菌で、通常の生活の中では無害な菌ですが、なんらかの原因で体と菌のバランスが崩れるとさまざまな病気を引き起こすことがあります。

インフルエンザ菌によってなんらかの症状が引き起こされる人の大半が子どもで、特に0~4歳の乳幼児に多くみられます。

しかし、成人や高齢者でもインフルエンザ菌が原因となり感染症を起こし、命に関わるケースもあります。

インフルエンザウイルスとは全く別のもの

インフルエンザ菌は19世紀末、肺炎を併発したインフルエンザ患者から発見されたためインフルエンザの病原だと考えられ、「インフルエンザ菌」と名付けられました。

しかしその後の研究により、インフルエンザの原因ではなく呼吸器系などの感染症の原因菌であることがわかりました。

「インフルエンザ」という名前がついているので「インフルエンザウイルス」と間違えやすいですが、まったく別のものなのです。

インフルエンザウイルスについては関連記事をごらんください。

最も多いのはインフルエンザb型(Hib)

インフルエンザ菌は大きくわけて2種類あります。

インフルエンザ菌の構造の違いでわけられ、菌の外側に膜があるものを「莢膜型(きょうまくがた)」、膜がないものを「無莢膜型(むきょうまくがた)」といいます。

莢膜型にはa〜f型の6種類があり、特にインフルエンザb型はヒブ(Hib)と呼ばれ発症するインフルエンザ菌の9割以上を占めます。

そのほかのほとんどがf型によるものであると研究により証明されています。

インフルエンザ菌による感染症

インフルエンザ菌によって引き起こす感染症は、莢膜型と無莢膜型でそれぞれ違いがあります。

感染症のなかには、難聴やてんかんなどの後遺症をのこすものや、最悪のケースでは死に至ることもあります。

治療には主に抗生物質が使われますが、インフルエンザ菌のなかには薬に対する耐性のあるものも存在します。

■莢膜型による感染症

細菌性髄膜炎(さいきんせいずいまくえん)
喉頭蓋炎(こうとうがいえん)
関節炎
肺炎
膿胸 など

■無莢膜型による感染症

中耳炎
副鼻腔炎
気管支炎
敗血症 など

子どものインフルエンザ菌

インフルエンザ菌によって引き起こされる症状のなかには、小さな子どもにとって命にかかわるものもあります。

2歳未満の子どもでは細菌性髄膜炎の発症が多く、4〜5歳では喉頭蓋炎の発症が多いことがわかっています。

喉頭蓋炎は、突然呼吸困難になり、窒息して死亡にいたることも少なくないため注意が必要です。

細菌性髄膜炎は早期発見が難しく、血液検査をしても風邪と区別ができないことも多いため診断が遅くなりやすい傾向があります。

重症になると、発達・知能・運動障害などの後遺症が残ることもあります。

インフルエンザ菌の潜伏期間は?

インフルエンザ菌の潜伏期間は明確には解明されていません。

症状は突発的に現れることが多く、鼻や喉の炎症や中耳炎をともなって発症することがあります。

初期症状の例としては、頭痛・発熱・けいれん・首が動かしにくくなる・意識障害などがあります。

インフルエンザ菌の主な予防は予防接種

インフルエンザ菌の予防法はヒブワクチンの接種です。

ヒブワクチンは2013年から子どもの定期接種となりました。基本的には無料で受けられることがほとんどですが、自治体によって異なる場合もあるため、事前に住んでいる自治体に問い合わせることをお勧めします。

ヒブワクチン接種の標準スケジュールは、生後2〜7か月までに計3回接種をし、1歳になったら追加接種を1回受けます。

また、生後7か月までに受けれなかった場合でも、年齢に応じた予防接種を行っているので、5歳未満の子どもがいる場合は自治体に相談してください。

なお、日本では成人はヒブワクチン定期接種の対象になっていません。

インフルエンザ菌のおもな感染経路は飛沫感染と接触感染であるため、手洗いうがいなどの基本的な予防法が効果的だといえます。

ヒブワクチンの副反応は?

ヒブワクチン接種による副反応は、発熱・食欲不振・嘔吐・下痢・注射部分の腫れなどがあります。

しかし副反応の発生率は2〜3割ほどにとどまり、症状も一過性であるため大きな副反応はないといえます。

まとめ

「インフルエンザ菌」と「インフルエンザウイルス」はまったく別の物なので注意しましょう。

症状によっては後遺症がのこるもの、命にかかわるものまであります。

子どもにはワクチンの接種を、成人は手洗いうがいなどの基礎予防を心がけて感染を防ぎましょう!