帯状疱疹はウイルスによる病気
帯状疱疹は、体の片側に水ぶくれや赤い発疹が帯状に発生する病気です。発熱やリンパ節の腫れ、頭痛などの全身症状がみられることもあります。帯状疱疹は、水ぼうそうのウイルスが原因で起こります。水ぼうそうの症状がおさまったあとも、ウイルスは神経に身をひそめています。
過労やストレスなどで免疫力が低下すると、水ぼうそうを引き起こすウイルスが再び活性化し、帯状疱疹が起こります。
帯状疱疹が治るまでにかかる期間・症状の経過
帯状疱疹が起こった場合、市販薬での対処はできませんので、医師による治療が必要になります。
帯状疱疹の痛みは、個人差はありますが、約3週間〜1ヶ月続くとされています。帯状疱疹の発生から治るまでには大きく分けて4段階あります。
段階 | 症状 |
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初期段階 | カラダの片側がチクチク・ピリピリする |
第二段階 | 痛みを感じた場所にブツブツと赤い発疹ができる |
症状のピーク | 小さな水ぶくれが胸から背中、腹部などまで帯状に広がる。顔や手、足にも現れる場合も。 |
治癒へ | 水ぶくれから、かさぶたになる。基本的には皮膚症状がおさまると痛みも消える。 |
■初期段階:帯状疱疹の前兆
一般的に、水ぶくれや発疹などの症状が現れる数日〜1週間ほど前に、ピリピリ・チクチクとした皮膚の痛みや違和感が感じられます。
■第二段階:赤い発疹の発生
違和感を感じてから1週間ほどすると、痛みをともなう赤い発疹が帯状に現れます。
■症状のピーク:水ぶくれの発生・ただれ
赤い発疹が帯状に現れると間もなく、その発疹がある部分に水ぶくれが発生します。水ぶくれの発生は1週間ほど続き、水ぶくれが破れると皮膚がただれていきます。
■治癒へ:水ぶくれから、かさぶたへ
水ぶくれはやがてかさぶたとなります。皮膚の違和感から水ぶくれがかさぶたになり、かさぶたが治るまでで3週間〜1ヶ月ほどと言われています。
帯状疱疹後神経痛
帯状疱疹の合併症のひとつに「帯状疱疹後神経痛(PHN)」があります。
これは神経が損傷することで、皮膚症状がおさまった後もズキンズキンとした痛みが継続する現象です。
一般的には皮膚症状(赤い斑点、水ぶくれ等)がおさまるにつれて帯状疱疹の痛みもおさまるのに対し、帯状疱疹発症後3~6ヵ月以上、場合によっては年単位で痛みが持続する方もいます。
PHNに対しては薬による治療がメインとなりますが、それに加えて神経ブロック注射やレーザー治療が行われることもあります。
50歳以上の患者さんの約2割がPHNになるとといわれており、高齢者の方は特に早期発見、早期治療が重要です。
帯状疱疹の注意点
早期治療
帯状疱疹は発見が早ければ早いほど重篤化しにくくなります。
病院では、原因となっているウイルスを抑える抗ウイルス薬と、痛みに対する痛み止めによる治療が中心となります。ウイルスはどんどん増えてしまうため、できるだけ早く抗ウイルス薬を服用することが望ましいとされています。
「帯状疱疹かも…」と思ったら早めの受診がおすすめです。
十分な休息をとる
帯状疱疹が起こる原因ははっきりしていないものの、免疫力が低下していると症状が現れやすくなります。そのため、帯状疱疹が起こったときはできるだけ休息をとり、体に疲れを残さないようにしましょう。睡眠や休養をしっかりとり、心も体も回復させていきましょう。
ワクチンで予防する
50歳以上の方であれば帯状疱疹予防ワクチンを接種することができます。
ワクチンを接種することで発症率が抑えられるだけでなく、もし発症してしまっても重症化しにくくなることなどが期待できます。
ただし、持病をお持ちの方や体質によってはワクチンを接種できないこともありますので、まずは医師に相談してみましょう。
おわりに
帯状疱疹の症状には段階があり、症状の変化がわかります。帯状疱疹が起こった場合は、なるべく早い段階で病院を受診し早めの対処をおこないましょう。