鮫肌とは角化症という皮膚疾患のひとつ

鮫肌とは、俗に二の腕や背中の毛穴に沿って現れるブツブツした発疹や、皮膚がザラザラとする症状が現れることをいいます。

実は、医学用語に「鮫肌」という言葉は存在しないため、鮫肌の定義は曖昧なところがあります。

しかし、多くの場合、鮫肌とは「角化症」という皮膚疾患によって起こる皮膚の異常を指します。

角化症とは、皮膚表面が固くなってしまう皮膚疾患の総称です。

角化症の中でも鮫肌の原因になるおそれがあるのは、下記2つの皮膚疾患とされています。

・魚鱗癬(ぎょりんせん)
・毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)

いずれも皮膚科での診断と治療が必要とされる病気です。

まずは、鮫肌の原因のひとつとされる魚鱗癬について詳しく解説しましょう。

鮫肌の原因①:魚鱗癬の症状と治療について

魚鱗癬(ぎょりんせん)とは、皮膚表面の細胞が異常に固くなったり、乾燥したりする病気です。

遺伝が関係している場合は遺伝性魚鱗癬といい、全身性疾患(ハンセン病など)によって起こる場合は後天性魚鱗癬といいます。

魚鱗癬の中では、遺伝性魚鱗癬が最も多く、出生時にみられることもあれば、乳児や小児が発症することもあります。

後天性魚鱗癬は、甲状腺機能低下症・リンパ腫・エイズなどの体内の病気、または薬剤が原因で生じることがある、比較的まれな病気です。

遺伝性・後天性のいずれも、皮膚がうろこ状になりポロポロと剥がれ落ちるのが特徴です。

遺伝性魚鱗癬の種類と症状

遺伝性魚鱗癬(いでんせいぎょりんせん)にはいくつかの種類があります。中でも特に多いのが、尋常性魚鱗癬です。

名前 症状

尋常性魚鱗癬(じんじょうせいぎょりんせん)

・魚鱗癬の中では軽症
・皮膚の乾燥、ざらつきなど
・腕、太もも、すねに出やすい
・まれにかゆみが出る

伴性劣性魚鱗癬(ばんせいれっせいぎょりんせん)

・男子のみにみられる
・皮膚の乾燥、ざらつきなど
・尋常性より症状が重い

水疱型魚鱗癬様紅皮症(すいほうがたぎょりんせん)

・出生時より発症することも
・全身の皮膚が赤くなる
・角化のほか水ぶくれも現れる
・尋常性より症状が重い

尋常性魚鱗癬は軽症ですが、アトピーや喘息、毛孔性角化症も併発するおそれがあります。

魚鱗癬の治療について

魚鱗癬(ぎょりんせん)の疑いがある場合は、まず皮膚科で検査を行います。

また、剥がれ落ちる皮膚も診断を行う上での大事な情報源となります。

遺伝性魚鱗癬と診断された場合は、保湿剤やビタミンA、尿素を含む塗り薬が処方されるのが基本です。

後天性魚鱗癬と診断された場合は、原因となる疾患などを確認する検査をする必要があります。

鮫肌の原因②:毛孔性苔癬の症状や治療について

毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)とは、毛穴奥にある毛包が角化することによって起こる皮膚疾患です。

角化のスピードが早いために毛穴の奥に角栓がたまり、さらに皮膚表面が毛包の出口を塞いでしまうことで皮膚がブツブツとした鮫肌状になります。

毛孔性苔癬の症状とできやすい部位

毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)にかかると、毛穴に沿って小さな固いブツブツができます。

場合によっては、色素沈着で皮膚が茶色くなったり発疹で皮膚が赤くなったりします。

一方で、痛みやかゆみといった症状は現れません。

症状の多くは、二の腕・肩・背中・太もも・お尻といった部位に現れやすい傾向があります。

子供は毛孔性苔癬を発症しやすい

毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)は、子供に起こりやすい皮膚疾患です。

5~6歳ごろから発症し始め、思春期を迎えるころには最も症状が目立つようになります。

その後、加齢とともに症状は落ち着くことが多いです。

また、年齢を問わず、下記に該当する人は毛孔性苔癬を発症しやすい傾向にあります。

・アトピー肌の人
・尋常性魚鱗癬にかかっている人
・家族に毛孔性苔癬の既往歴がある人
・肥満体型の人

毛孔性苔癬の治療について

毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)の診断と治療は皮膚科で行います。患者が見た目に悩んでいなければ、治療をしないという選択も行われます。

毛孔性苔癬であるかどうかは、皮膚の見た目と触ったときの感触で診断されるのが一般的です。

主な治療としては、ビタミンAや尿素、サリチル酸などを含む保湿剤が処方されます。

毛孔性苔癬による鮫肌に使える市販薬

魚鱗癬(ぎょりんせん)による鮫肌の場合は、遺伝性と後天性を見分ける必要があるため、市販薬を使用せずにまずは皮膚科を受診してください。

毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)の場合は、市販薬を使用できることもあります。

毛孔性苔癬にかかったことがあり、自分の鮫肌の原因が分かっている場合は、市販薬を活用するのもひとつの手です。

ただし、自分の鮫肌の原因が分からない場合は皮膚科医に診てもらいましょう。

メンソレータムザラプロA

鮫肌のブツブツやザラザラに効果を発揮する市販薬です。角化症によるひざ、かかとなどのガサガサや手指の荒れにも使用できます。
有効成分には濃度20%の「尿素」のほか、肌の新陳代謝をうながす「ビタミンA油」、抗炎症成分「グリチルリチン酸一アンモニウム」、肌の保湿と修復を助ける「トコフェロール酢酸エステル」配合です。
フローラルの香りで使用感を高めています。

フェルゼアHA20クリーム

鮫肌のほか、くるぶしやひざ、かかとなどの角化症にも効果を発揮する塗り薬です。手指の荒れにも使用できます。
有効成分として、「尿素」が医薬品最大配合濃度(20%)含まれています。また、高い保湿効果を持つ「トコフェロール酢酸エステル」や皮膚の新陳代謝を助ける「ビタミンE」も配合しています。

薬の使用上の注意点

鮫肌に使用する市販薬は、傷口・亀裂・かさぶたのように皮膚が剥がれている所には使用しないでください。

また、2週間使用しても症状が改善されない場合は、使用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。

おわりに

鮫肌にもさまざまな原因があります。まずは皮膚科で原因を特定することが、治療の第一歩です。

肌のブツブツやザラザラなどが気になる人は、まずは医師に相談してみましょう。