主婦湿疹とは?

家事・仕事で水や洗剤を日常的に扱っていると、皮膚の機能が弱まり肌が炎症を起こしてしまうことがあります。

このような手荒れの状態を手湿疹、または主婦湿疹と呼びます。

「主婦」という表現が使われているように家事をする主婦や、理容師・美容師など水にふれる機会の多い方にでやすい症状です。

 

本来私たちの皮膚には、乾燥から皮膚を守るためのバリア機能が備わっており、外部から異物の侵入をブロックしたり、水分が蒸発するのを防いでいます。

外部からの刺激物質などによって皮膚のバリア機能が低下すると、肌がカサカサしたり、かゆみがでたりするなどの症状が現れます。

 

主婦湿疹をそのまま放置しておくと、ひび割れなどによる痛みをともない、日常動作に支障をきたすことにもつながるので、症状が悪化する前のケアが大切になります。

主婦湿疹の症状

主婦湿疹は「乾燥型」と「湿潤型」の2つのタイプに大きくわけられます。

「乾燥型」では、皮膚が乾燥し、ひび割れ・皮膚が硬くなるなどの症状が現れます。「湿潤型」では、小さな水ぶくれ・発疹ができることが大きな特徴です。

 

症状によっては、乾燥型と湿潤型の両方の症状がでる場合もあります。

症状のタイプ 症状の特徴
乾燥型

皮膚が乾燥し、ひび割れが生じる

湿潤型

水ぶくれ・発疹ができる

主婦湿疹が起こる原因

手の皮膚は、皮脂の分泌によってできる皮脂膜という薄い膜で保護されています。

水仕事などをしていると、皮脂膜がはがれ皮膚のバリア機能が弱まり、徐々に乾燥・炎症が広まって刺激物質も皮膚から侵入しやすくなります。

 

主婦湿疹の原因となる刺激物質には、洗剤・石鹸・水・紙など日常生活にありふれたものが多くあります。

主婦湿疹の治療

主婦湿疹を治すためには、症状に合わせて二通りの対処法があります。予防も兼ねた日常で行うケアと、薬を活用した積極的な治療です。

特に普段から家事や仕事で水仕事をしている方は、軽度の症状であっても慢性化したり徐々に悪化したりするので、日常的なケアを意識的に習慣化しましょう。

症状がすすみ、あかみがひどい場合や発信ができている場合は、保湿剤に加えてステロイド成分を含んだ市販薬を使用するなど、積極的な治療をおすすめします。

 

主婦湿疹に使える薬はさまざま商品が販売されているので、自分の症状にあった市販薬を選択してください。

主婦湿疹のセルフケア

手袋の着用

普段から水仕事をしている方は皮膚のバリア機能が弱まりやすい状態です。水仕事をする際は、ゴム手袋を着用しましょう。

ゴムも肌を刺激するので、ゴム手袋の下に木綿の手袋をするとよいでしょう。

水温の調節

水仕事をする際に、水温を調節することは皮膚の機能を保つ上で大切です。冷たすぎたり、熱すぎたりすると皮膚にダメージを与えることにつながります。

冷たい水に長時間触れていた場合、血行が悪くなり、皮膚組織にうまく血液が流れていきません。血液がうまく行き届かなくなると、皮膚の機能は徐々に落ち、乾燥にもつながります。

反対に水の温度が熱すぎても、組織の熱傷につながるので避けましょう。

 

水を使用するときは、体温よりやや低めのぬるい温度に調節してください。

こまめに保湿剤を塗る

水仕事の後、手洗いの後、入浴後には保湿剤を塗ることで乾燥を防ぐことができます。

保湿剤にはさまざまな商品が市販されており、含まれている成分も異なります。また、それぞれの成分にメリット・デメリットがあります。

自分の症状に合わせて、含まれている成分を確認し保湿剤を選択しましょう。

【市販薬の保湿剤の成分】

成分 メリット デメリット

ワセリン

皮膚への刺激が弱く、皮膚からの水分の蒸発を防ぐ

皮膚の角質層に水分を付与する作用はない

ヘパリン類似物質

水分を保持する作用と血行促進・抗炎症作用がある

 

血行促進作用があるため、赤みがつよくなることがある

尿素

水分を保持する作用と皮膚を柔らかくする作用がある

傷ができたり皮膚が荒れたりしている場合は、刺激を感じることがあるので注意

主婦湿疹に使用する市販薬

市販薬の選び方

「乾燥型」と「湿潤型」で使用するべき市販薬は異なります。自分の症状に合った市販薬を選びましょう。

「乾燥型」は乾燥が進んだ状態なので、皮膚を保護し乾燥を防止する「ワセリン」や、保湿成分である「ヘパリン類似物質」を使用します。

「湿潤型」は水ぶくれ・発疹ができ、皮膚の炎症が顕著に現れている状態であり、ステロイド成分が含まれている市販薬がおすすめです。

乾燥型の主婦湿疹に使用する市販薬

【第3類医薬品】白色ワセリン ソフト 60g

白色ワセリンは、油分の膜で水分が蒸発するのを防ぎ、皮膚の保護の役割をする成分です

白色ワセリンソフトは日本薬局方に準じたワセリンを含有しています。

入浴後の肌が潤っているうちに塗ると水分の蒸発を防ぐことができます。

 

ヘパリン類似物質乳状液「JM」

ヘパリン類似物質は、水と結びつきやすい構造をしており、皮膚の角質層に水分を与えることで保湿効果を発揮します。乳状液のタイプは伸びがよく、しっとりとした使用感なので、広い範囲の乾燥部位をカバーすることができます。

 

ヒフメイド油性クリーム

ヒフメイドは、ヘパリン類似物質を配合した市販薬では初めてのW/O(ダブリューオー)型といわれるクリームタイプです。

W/O型クリームは、油分に水分を混ぜて作られており、水に溶けにくいという性質があります。水仕事をする方でも、薬が流されにくく皮膚をしっかり保護することができます。

湿潤型の主婦湿疹に使用する市販薬

 

ベトネベートクリームS

ベトネベートクリームSは、炎症による皮膚の腫れ・赤みをおさえるストロングクラスのステロイド成分を配合しています。

 

日本皮膚科学会が発表している「2018年手湿疹診療ガイドライン」では、手湿疹の治療方針として、皮膚のただれ・炎症が強い場合は初期から強めの効果があるステロイド成分を使用することで早期の改善を目指すとしています。

 

ベトネベートクリームSはストロングクラスのステロイドを含み、化膿していない湿疹に効果がある市販薬です。湿潤型の主婦湿疹には、はじめにベトネベートクリームSを使用し、効果がみられるか確認してください。症状の改善がみられない場合や悪化した場合は、皮膚科を受信しましょう。

市販薬で治らない場合

市販薬を使用しても皮膚の赤みや痛みがとれなかったり、発疹が残るおそれもあります。

市販薬を5〜6日継続して使用しても改善がみられない場合や、市販薬の使用後に症状の悪化や違和感を感じた場合は、皮膚科を受診しましょう。病院では、症状の種類や程度に合わせて処方される薬が異なります。

主婦湿疹は慢性化しやすい症状です。ただの手荒れだからと、自己判断で市販薬を使い続けずに、早めの受診で早期改善につなげましょう。