クラゲに刺されたらステロイドやかゆみ止め配合の市販薬を使いましょう
夏のレジャーといえば海水浴ですが、夏場の海で注意したいのがクラゲです。
クラゲはお盆明けの海水の温度が高くなる時期に大量発生し、10月頃まで活発に活動し続けます。夏の海に出かける際はクラゲに刺されたときの対処法を理解し、効果のある薬を準備しておくと良いでしょう。
毒性の強いクラゲに刺されてしまった場合は、早急に病院を受診する必要がありますが、毒性の弱いクラゲであれば市販薬での対処が可能です。
赤み、腫れの症状が強く出た方はステロイド配合の塗り薬を
クラゲは蚊などの虫刺されに比べて皮膚の炎症が強く出やすいです。クラゲに刺されたことによって赤み、腫れの症状が強くでた方は、ステロイド配合の塗り薬がおすすめです。
赤み、腫れの症状に加えて、かゆみの症状がある場合は、ステロイドにくわえてかゆみ止め成分が配合された塗り薬を選びましょう。
海へ行く際はクラゲに刺された時の対策としてステロイド薬を準備しておくと良いでしょう。
市販の塗り薬で販売されているステロイドの強さは3ランク
ステロイドは薬の強さで5段階にランク分けされています。
市販のステロイドに配合される成分の強さは、ストロング・ミディアム・ウィークの3ランクで、ストロングが一番強くウィークが一番弱いです。
大人の場合はストロング・ミディアムランクを、子どもの場合はミディアム・ウィークランクのステロイドを使うとよいでしょう。
クラゲ以外の虫刺されに使える市販薬の選び方
クラゲ以外の虫刺されに使える市販薬に関しては、以下の記事で解説しています。
クラゲに刺されたときに使える市販薬|ステロイド配合の塗り薬
クラゲは蚊などの虫刺されに比べて皮膚の炎症が強く出やすいです。クラゲに刺されたことによって赤み、腫れの症状が強くでた方は、ステロイド配合の塗り薬がおすすめです。
市販薬の添付文書に記載された日数を過ぎて使用しても症状がよくならない、または悪化するような場合は、市販薬の使用をやめ、病院を受診するようにしましょう。
商品画像 | 特徴 |
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・ステロイド配合(ミディアム) ・アンテドラッグ(副作用が出にくいステロイド)の市販薬 ・2種類のかゆみ止め成分配合 ・清涼感のある使い心地のクリームタイプ |
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・有効成分がステロイドのみ配合(ミディアム) ・刺激の少ない軟膏タイプ |
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・有効成分がステロイドのみ配合(ストロング) ・皮膚の保護作用が高い軟膏タイプ |
ムヒアルファEX|ミディアムランクのクリームタイプ
ムヒアルファEX 15g【指定第二類医薬品】
有効成分 | 剤形 |
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プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル ジフェンヒドラミン塩酸塩 l−メントール dl−カンフル クロタミトン イソプロピルメチルフェノール |
クリーム |
ムヒアルファEXは、ステロイドに加え2種のかゆみ止め成分を配合しているため、強いかゆみがある場合におすすめです。
また、殺菌・消毒成分のイソプロピルメチルフェノールが刺された場所の化膿を予防します。清涼成分であるl-メントール、dl-カンフルを含んでいるため、清涼感を好む方にもおすすめです。
ロコイダン軟膏|ミディアムランクの軟膏タイプ
ロコイダン軟膏 16g【指定第二類医薬品】
有効成分 | 剤形 |
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ヒドロコルチゾン酪酸エステル | 軟膏 |
ロコイダン軟膏は、有効成分がステロイド成分のみ配合のシンプルな薬です。
軟膏タイプはべたつくことがありますが、刺激が少なく患部を保護し、クラゲに刺された場所をしっかりカバーします。スーっとする成分は入っていません。
リンデロンVs軟膏|ストロングランクの軟膏タイプ
リンデロンVs軟膏 5g【指定第二類医薬品】
有効成分 | 剤形 |
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ベタメタゾン吉草酸エステル | 軟膏 |
リンデロンVs軟膏は、有効成分にステロイドのみが配合された市販薬です。
ステロイドがクラゲに刺されたことによって生じる腫れ・赤みの症状をおさえます。
クリームタイプに比べて刺激が少なく、皮膚の保護作用が高い軟膏タイプで、カサカサした患部にも、ジュクジュクした患部にも適してます。
リンデロンVs軟膏に配合されているステロイドは、市販のステロイドの中でも最も作用が強いストロングランクに分類されているステロイドです。
クラゲに刺されたらどうなる?|かゆみや水ぶくれなどの症状が
クラゲに刺されたときの症状は毒性の強弱により違いがあります。
毒性の強いクラゲは、毒性の弱いクラゲであらわれる症状に加えて、さらに激しい全身症状があらわれます。
毒性の弱い クラゲ |
・チクチク、ピリピリとした痛み ・かゆみ ・みみず腫れ ・水ぶくれ ・熱を持ち軽い火傷のような症状 など |
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毒性の強い クラゲ |
・電気が走るような激痛 ・吐き気 ・頭痛 ・倦怠感 ・呼吸困難 など |
クラゲの症状の出方は個人によって差がありますが、毒性の強いクラゲで出る全身症状があらわれた場合はすぐに病院を受診しましょう。
また、過去にクラゲに刺されたことがあると、2回目に刺されたときに重い反応があらわれることがあります。これをアナフィラキシーショックといいます。
■アナフィラキシーショック
最初に刺されたときに身体の中で抗体が作られ、その抗体がアレルギー反応をおこします。症状は個人によって違いますが、ショック状態となり意識を失う、呼吸困難が起こるなどの重い症状が起こる可能性があります。この場合もすぐに病院の受診が必要となるため、救急要請をしてください。
毒性の弱いクラゲであれば市販薬での対処が可能
毒性の強いクラゲに刺されてしまった場合は、早急に病院を受診する必要がありますが、毒性の弱いクラゲであれば市販薬での対処が可能です。
クラゲは蚊などの虫刺されに比べて炎症が強く出やすいです。クラゲに刺されたことによって赤み、腫れの症状が強くでた方は、ステロイド配合の塗り薬がおすすめです。
海へ行く際はクラゲに刺された時の対策としてステロイド薬を準備しておくと良いでしょう。
クラゲに刺されたときの対処法
クラゲに刺されたときは、触手を取り除く、傷口は海水で洗うなど早急に正しい対処をおこなうことが重要です。
触手を取り除く
クラゲの触手が刺さったままになっているときはすぐに取り除きましょう。その際、素手で取り除くことは絶対に避けてください。取り除く方の指や手に刺さる危険があります。
ゴム手袋やビニール袋を手に巻きつけるなどした上で、ピンセットや毛抜きで取り除いてください。
傷口は海水で洗う
患部を清潔にしようと水道水で洗い流すのは避けましょう。傷口を真水で洗うと浸透圧の関係で毒素が体内に回る危険性があります。
傷口は海水で洗うことが正しい対処法になります。
経過観察と病院の受診
毒性の弱いクラゲに刺されて症状が軽い場合は応急処置をし、効果のある薬を塗ればひとまず大丈夫です。ただし時間が経ってから症状のあらわれる毒性を持つクラゲもいますので、細かく体調の経過観察をし、全身症状があらわれるようであれば病院を受診してください。
クラゲに刺されたときに酢は効果あり?
クラゲに刺されたときに酢を使うという対処法が紹介されることがありますが、酢によって毒性が緩和できる効果は確実なものではありません。またクラゲ全般に刺されたときに酢が有効なわけではなく、酢で対処が可能だといわれているのはアンドンクラゲなど一部のクラゲです。クラゲの種類によっては、酢を使うとかえって体内に毒が入りやすくなる場合もあるため注意が必要です
瞬時に刺されたクラゲの種類が分からないことも多いため、酢を用いるより事前に薬を用意しておくことをおすすめします。
クラゲの種類と毒性の強さ
クラゲには、ミズクラゲやアンドンクラゲ、カギノテクラゲ、ハブクラゲなどのさまざまな種類があり、種類によって毒性の強さが異なります。
以下にクラゲの種類と毒性の強さを表にしましたので、参考にしてください。
クラゲの種類 | 毒性の強さ・特徴 |
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ミズクラゲ | ・毒性は弱い ・皮膚が弱い方や子どもはかゆみの症状がおこりやすい ・砂浜に打ち上げられていることもある一般的なクラゲ |
アンドンクラゲ | ・症状は軽いが刺されたときの痛みが強い ・別名デンキクラゲ ・行灯を想像する傘から長い触手が伸びていることが特徴 |
カギノテクラゲ | ・毒性が強い ・刺されたときの痛みは弱いが、時間をおいて痛みや痺れが現れる ・呼吸障害や痙攣にも注意 ・触手の先が鉤のように折れていることが特徴 |
アカクラゲ | ・毒性が強い ・刺されると非常に鋭い痛みがある ・赤色い縞模様で死骸にも毒性が残ることが特徴 |
カツオノエボシ |
・毒性が非常に強い |
ハブクラゲ | ・毒性が非常に強い ・日本では沖縄や奄美に生息 ・刺されると痛みが強く、みみず腫れや水疱になり、壊死を引き起こすこともある ・意識障害や呼吸困難、心停止のおそれがある ・傘の直径10cmに対し1.5m以上の長い触手が特徴 |