虫刺されで病院を受診する目安
虫刺されは自然治癒したり、市販薬を使用して治療したりできることもありますが、ときに病院での治療が必要になることもあります。
次のような場合は、病院を受診してください。
・ハチ、マダニまたはムカデに刺された場合(マダニは取り除かないこと)
・患部が広範囲の場合
・水ぶくれや灼熱感、強い痛みがある場合
・腫れがひどい場合
・蕁麻疹や息苦しさ、発熱、気分の不快感がある場合
・搔き壊しによって化膿している場合
・市販薬を5〜6日間使用しても症状が改善しない場合
虫刺され薬の成分は主に2種類
虫刺されといっても、かゆみがおこる虫刺されや腫れて痛みがおこる虫刺されなど症状もさまざまです。
虫刺されの薬の成分は主に、かゆみをおさえる「抗ヒスタミン成分」「局所麻酔成分」と、腫れなどの皮膚の炎症をおさえる「ステロイド成分」があります。
症状にあわせて抗ヒスタミン成分・局所麻酔成分・ステロイド成分を組み合わせましょう。
特徴 | 向いている症状 | |
抗ヒスタミン | かゆみの原因物質の働きをおさえる | 強いかゆみ |
局所麻酔 | すばやくかゆみを感じにくくする | 強いかゆみ |
ステロイド |
過剰な免疫を下げ、炎症をおさえる |
腫れや赤みなどの炎症 |
腫れや炎症が強い場合はステロイド薬
赤みや腫れなどの炎症が軽く、かゆみをおさえたい場合は抗ヒスタミン成分・局所麻酔成分配合の虫刺され薬でおさえることができます。
しかし、皮膚が炎症をおこしている虫刺されには、抗炎症作用のあるステロイド薬を使うことで、炎症を早く鎮めることが期待できます。
虫刺されでは赤みや腫れがある場合、かゆみをともなうことが多いため、消炎作用に優れたステロイドに加え、かゆみをおさえる抗ヒスタミン成分や局所麻酔成分が配合されたものが適しています。
ステロイドと聞くと副作用が気になる方もいるかもしれませんが、ステロイドの塗り薬は用法・用量・使用期間を守って使用すれば、副作用が出にくい傾向があります。
ステロイドは用法・用量・使用期間を守って正しく使用すれば危ない薬ではないので、付属の説明書をよく読み使用しましょう。
虫刺されによる腫れに使えるステロイド薬
虫刺されの市販薬には、だいたいウィーク(弱め)〜ミディアム(中間)のステロイドが配合されているものがあります。
ステロイドには多くの種類がありますが、皮膚表面では高い消炎効果を発揮し、体内に吸収されると活性が低下する、効果・安全性の両方の面で優れた「アンテドラッグ」というタイプのステロイドも存在します。
また、赤みや腫れがある虫刺されではかゆみも出ることが多く、かゆみの原因物質の働きをおさえる抗ヒスタミン成分や、すばやくかゆみを感じにくくする局所麻酔成分が配合されているものが多くあります。
抗ヒスタミン成分としては「ジフェンヒドラミン」や「クロルフェニラミン」などがあり、すばやくかゆみを感じにくくさせる局所麻酔成分として「リドカイン」や「ジブカイン」があります。
ミナカラ薬局のポイント また、かゆみに対しての成分を配合し、なおかつ塗った後にベタつかず、サラッとした使い心地のものを紹介しています。 |
ミナハダ ラシュリアPEクリーム
ミナハダ ラシュリアPEクリームは、炎症による皮膚の腫れ・赤みをおさえるミディアムクラスのステロイド成分「プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(PVA)」を配合しています。
PVAは、皮膚表面の患部では高い消炎効果を発揮しますが、体内に吸収されると活性が低下して、副作用を起こしにくいアンテドラッグという種類のステロイドです。
そのほか、かゆみをすばやく感じにくくする局所麻酔成分「リドカイン」、患部を殺菌することで悪化を防ぐ消毒成分「イソプロピルメチルフェノール」、皮膚の回復を助ける「トコフェロール酢酸エステル」が配合されています。
l-メントールやカンフルを含んでいないため、スーッとする成分が苦手な方にも使いやすくなっています。
ミナカラ薬局のポイント また、ポーチに入るサイズで持ち運びやすく、パッケージ・チューブのデザインもシンプルです。 |
ムヒアルファEX
消炎作用に優れたアンテドラッグ型のステロイド「プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル」と、かゆみの原因物質の働きをおさえる「ジフェンヒドラミン塩酸塩」が配合されています。
そのほか、皮膚に清涼感を与える「l-メントール」「dl-カンフル」が配合されているため、スーッとした使い心地です。
また、殺菌成分の「イソプロピルメチルフェノール」が雑菌の繁殖をおさえます。
ミナカラ薬局のポイント アンテドラッグのステロイドの虫刺されの市販薬の中では非常に知名度が高く、どこのドラッグストアでも置いていることが多い商品です。 |
ステロイド薬を使用する上での注意点
ステロイド薬は効果が強いため、使用する際には注意が必要です。
市販のステロイド薬を使用する際は次のことに注意してください。
■目や目の周り、粘膜には使用しない
■顔に使用する際は薬の添付文書をよく読み、使用できるか確認してから使用する
■市販薬を5〜6日使用しても症状が改善しない場合は、使用を中止して医師または薬剤師に相談する
■ラップやパットなど通気性の悪いもので覆わない
■使用して化膿したり、感染症が疑われる場合は、使用を中止して医師または薬剤師に相談する
おわりに
虫刺されで皮膚が腫れるなどの炎症が現れた場合は、ステロイド薬を使用することもひとつの手です。
薬の選び方がわからない場合は、薬剤師に無料でオンライン相談ができるサービス『薬剤師QA』を使用してみてください。