子供や赤ちゃんの虫刺されにはどんな薬を使うべき?
子供や赤ちゃんの虫刺されの症状は、大人に現れる症状と若干異なります。また、同じように子供に使用できる虫刺されの市販薬も大人とは異なるため、大人が使用するものをそのまま使用しないように気をつけましょう。
子供・赤ちゃんの虫刺されの特徴
虫刺されの症状の現れ方には、すぐに現れる「即時型タイプ」と時間が経ってから現れる「遅延型タイプ」があります。
子供の虫刺されの場合遅延型が多い傾向があり、そのため虫に刺されてから半日以上たって患部が真っ赤に腫れることもあります。
刺されてすぐは軽症だからと安心せず、念のため数日間は様子を見ることが重要です。
悪化する前にステロイド薬で素早く治す
子供や赤ちゃんは虫刺されによるかゆみを我慢できず、無意識に皮膚を掻きむしって化膿してしまったり、とびひになってしまうケースが多いです。悪化する前に素早く治すことが重要となるため、炎症をおさえることに優れているステロイド薬を使用することをおすすめします。
ただし、ステロイドは薬の強さによって使用できる年齢と部位が異なるため注意が必要です。
軽症の場合はステロイド無配合の薬でもOK
かゆみや炎症の症状が比較的軽い場合は、ステロイド無配合の薬でも対処が可能です。抗ヒスタミン成分などのかゆみをおさえる成分が配合されている薬を選びましょう。
子供や赤ちゃんの虫刺され薬の選び方|かゆみや腫れに効く成分
市販の虫刺され薬は、商品によってさまざまな成分が配合されています。
虫刺されによる炎症を根本から治療する成分がステロイドです。皮膚の炎症をおさえる効果に優れているため、症状が悪化する前に素早く治療することができます。
子供・赤ちゃんも使用できるステロイド薬
ステロイド外用剤の強さは、体内への吸収度の違いにより、5段階にランク分けされていますが、市販のステロイド薬に配合される成分はストロング・ミディアム・ウィークの3つです。
成分名 | |
---|---|
ストロング (強い) |
・ベタメタゾン吉草酸エステル酢酸エステル ・フルオシノロンアセトニド |
ミディアム (普通) |
・ヒドロコルチゾン酪酸エステル |
ウィーク (弱い) |
・デキサメタゾン酢酸エステル ・ヒドロコルチゾン酢酸エステル ・ヒドロコルチゾン |
また、ステロイドはランクによって使用できる年齢や部位が異なります。
大人 (身体) |
大人 (顔・首) |
子供※ (身体) |
子供※ (顔・首) |
|
---|---|---|---|---|
ストロング |
◯ |
× | × |
× |
ミディアム | ◯ | ◯ | ◯ |
× |
ウィーク | ◯ | ◯ | ◯ |
◯ |
※2才未満の子供
2才未満の子供が使用できるステロイド薬はミディアムとウィークです。ミディアムは身体のみ、ウィークは顔を含む全身に使用することができます。子供や赤ちゃんの虫刺されにステロイド薬を使用する際はミディアムかウィークの成分が配合されているものを選びましょう。
かゆみや炎症に効く成分
ステロイド以外にかゆみや炎症をおさえる成分が次の成分です。
分類 | 成分 | 効果 |
---|---|---|
かゆみ止め成分 |
<抗ヒスタミン成分> ・クロルフェニラミン |
・かゆみをおさえる ・腫れをおさえる |
<鎮痒薬> ・クロタミトン |
・かゆみをおさえる | |
<局所麻酔薬> ・リドカイン |
・かゆみをおさえる |
|
抗炎症成分 | ・グリチルレチン酸類 |
・炎症をおさえる |
それぞれ虫刺されによって起こるかゆみや炎症をおさえる成分ですが、ステロイドと比較すると効果は弱いです。軽症の場合は上記の成分のみの薬でも事足りますが、症状が強い場合はステロイド成分と合わせてかゆみ止めや抗炎症成分が配合された薬を選びましょう。
搔き壊し・化膿予防に効く成分
子供の虫刺されは患部を掻きむしって悪化するケースが多いです。殺菌成分は患部に細菌が感染することを予防する効果があるため、搔き壊しによる症状の悪化を予防するのにおすすめの成分です。
分類 | 成分 | 効果 |
---|---|---|
殺菌成分 |
・ベンゼトニウム |
・細菌感染を予防する |
抗菌成分 |
・オキシテトラサイクリン塩酸塩 ・フラジオマイシン硫酸塩 |
・化膿した患部を殺菌する |
また、抗菌成分には化膿した患部を殺菌する効果があります。すでに患部が化膿してしまっている場合には抗菌成分が配合された虫刺され薬を選びましょう。
【薬剤師おすすめ】赤ちゃんや子供の虫刺されに効く市販薬
赤ちゃんや子供の虫刺されに使えるステロイド・ノンステロイド薬をご紹介します。
素早く炎症を抑えたい方はステロイド薬を、虫刺され症状が比較的軽傷の場合はノンステロイド薬を選びましょう。
また、子供はかゆみを我慢できず患部を掻きむしって悪化するケースが多いため、化膿予防の効果がある殺菌成分が配合された薬がおすすめです。
ミディアム:赤ちゃん・子供の身体に使えるステロイド薬
ストロングよりも副作用のリスクが低く、ウィークよりも効果が強い点で、とても使いやすいランクのステロイド薬です。大人の方はもちろん、お子様の身体が虫に刺された場合に使用でき、強い炎症を鎮めます。
有効成分 | 特徴 |
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル リドカイン イソプロピルメチルフェノール トコフェロール酢酸エステル |
・日本初!※薬剤師に無料相談ができるシステム ・かゆみに効く ・細菌感染を防ぐ ・皮膚の修復を助ける |
ミディアムランクのステロイド配合市販薬ラシュリアPEクリームは、かゆみ止め成分により虫に刺された時の強いかゆみを鎮めたり、殺菌成分により細菌が傷口から感染するのをブロックします。
また、ビタミン成分であるトコフェロール酢酸エステルによって皮膚の修復を助け、ただれた虫刺され跡の改善に効果を発揮するなど、さまざまな虫刺されの症状に対応しています。
クリームタイプなので液体タイプと比べると比較的刺激も少なく伸びが良いため、広い範囲の虫刺されに適しています。
ステロイドを使用する上で「副作用は大丈夫?」「どれくらい使い続ければいい?」といった点にお困りの方も多いでしょう。ラシュリアは薬剤師に無料相談ができるのもポイント。商品に添付してあるQRコードを読み取り、チャットで薬剤師に相談ができます。
※当社調べ
有効成分 | 特徴 |
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル ジフェンヒドラミン塩酸塩 l−メントール dl−カンフル クロタミトン イソプロピルメチルフェノール |
・強いかゆみに効く ・細菌感染を防ぐ ・清涼感ある使い心地 |
ステロイドに加えて2種のかゆみ止め成分や殺菌成分のイソプロピルメチルフェノールを配合し、強いかゆみを鎮め、搔き壊しによる化膿を予防します。清涼成分であるl-メントール、dl-カンフルを含んでいるため、強い清涼感を好む方におすすめです。
ウィーク:赤ちゃん・子供の顔や身体に使えるステロイド薬
最も弱いランクのステロイド薬で、赤ちゃんや子供の顔・首にも使用することができます。
ただし、ダニやアブ、ブヨなどの炎症の強い虫刺されには効果が足りない場合もあるため、軽症の虫刺されに使用するようにしましょう。
有効成分 | 特徴 |
ヒドロコルチゾン オキシテトラサイクリン塩酸塩 |
・掻き壊して化膿した患部を殺菌する |
ステロイドに加えて抗菌成分であるオキシテトラサイクリン塩酸塩を配合。虫刺されは掻きこわして膿んだり、グジュグジュになると目につきやすく心配です。抗菌成分はすでに掻き壊してしまった患部を殺菌し、化膿をおさえます。抗菌成分が入っている虫刺され市販薬は少ないので大人の方にもおすすめです。
有効成分 | 特徴 |
ヒドロコルチゾン酢酸エステル クロタミトン ジフェンヒドラミン塩酸塩 グリチルレチン酸 アラントイン イソプロピルメチルフェノール トコフェロール酢酸エステル |
・強いかゆみに効く ・皮膚の修復を助ける ・細菌感染を防ぐ |
2種のかゆみ止め成分や抗炎症成分を配合し、痛みやかゆみをともなう虫刺されに対応しています。小さいお子様だと汚れた手で掻いてしまうことが多いので、殺菌成分により細菌感染を予防しておくことも重要です。また、アラントインやトコフェロール酢酸エステルにより皮膚の修復を助け、荒れた皮膚にダブルで効果を発揮します。
軽症の虫刺されに使える市販薬:ノンステロイド薬
肌が弱かったり、軽症の場合はステロイドが配合されていない市販薬も選択肢のひとつです。
主にかゆみ止め成分が含まれているので、一時的にかゆみをおさえることが可能です。
有効成分 | 特徴 |
リドカイン ジフェンヒドラミン塩酸塩 イソプロピルメチルフェノール トコフェロール酢酸エステル l-メントール |
・強いかゆみに効く ・皮膚の修復を助ける ・細菌感染を防ぐ ・清涼感ある使い心地 |
2020年8月に新しく発売された、かゆみを鎮める非ステロイド性クリームです。
パッケージが非常にシンプルなので、外出先で使用しても気にならないデザインで、持ち運びがしやすいです。
かゆみ止め成分のジフェンヒドラミン塩酸塩に加え、局所麻酔成分のリドカインが配合されているため、あせもの強いかゆみを鎮めます。殺菌成分も配合されており、炎症の原因となる雑菌の繁殖をおさえ、皮膚を清潔に保ちます。
さらに清涼成分であるl-メントールが配合されているため、爽やかな使い心地を好む方におすすめです。
また、商品に添付してあるQRコードを読み込むことで薬剤師へ無料相談することが可能。薬に関する疑問や心配事を薬剤師に相談ができるので、安心して薬を使用することができます。
有効成分 | 特徴 |
ジフェンヒドラミン塩酸塩 |
・かゆみ止め単一成分 ・貼るタイプでかきむしり防止 |
抗ヒスタミン成分配合の貼るタイプの市販薬です。小さいお子様はかゆみがあるとすぐに掻いてしまうので悪化しやすいですが、ムヒパッチは患部に貼って保護することができるため、搔き壊しを防止できるよう作られています。
有効成分 | 特徴 |
クロタミトン ジフェンヒドラミン塩酸塩 グリチルレチン酸 アラントイン イソプロピルメチルフェノール トコフェロール酢酸エステル |
・強いかゆみ、炎症に効く ・細菌感染を防ぐ ・皮膚の修復を助ける |
2種のかゆみ止め成分や殺菌成分、抗炎症成分、皮膚の修復成分といった成分が配合されているため、ひとつの薬でさまざまなアプローチができる商品です。
病院を受診するべきケース
虫刺されは基本的に市販薬での治療が可能ですが、虫に刺された時に次の症状が出た場合はすぐに病院を受診してください。
◆ショック症状(体温の低下、血圧の低下、顔面蒼白など)が現れたとき
◆刺されてから15分以内にめまい、吐き気、呼吸困難などの症状が現れたとき
◆全身に蕁麻疹症状が現れたとき
その他、症状に違和感があったり、不安が残る場合も皮膚科を受診し、虫に刺されたときの状況や詳しい症状などを医師に伝えましょう。
子供・赤ちゃんの顔の虫刺されについて
子供の顔への虫刺されで使用できるステロイド薬はウィークタイプのみとなります。しかし、以下の炎症が強くでる虫刺されはウィークタイプでは効果が足りないため対処ができません。
・蜂、アブ、ブヨ、ダニ、毛虫、ムカデ、クラゲ
これらの虫刺されはミディアム以上のステロイドでないと対処ができません。子供の顔に使用できるステロイド薬はウィークのみなので、万が一子供の顔が上記の虫に刺されてしまった場合は、病院の受診が必要となります。
ステロイドの副作用について
副作用の観点からステロイドを使用することを避けたい、という方もいらっしゃいます。
ステロイドには主に次の副作用があります。
・皮膚刺激感、潮紅、皮膚炎、発疹、接触性皮膚炎、皮膚の感染症など
確かに皮膚外用薬の中でステロイドは副作用が出やすい薬に分類されますが、用法用量を正しく守れば、ステロイドは皮膚の炎症をおさえる効果が高い優れた薬です。
特に子供や赤ちゃんはかゆみの症状を我慢できないことが多く、なるべく早く炎症をおさえることが重要です。正しく薬を使用することによって、虫刺され症状の悪化を防ぎましょう。