はじめに|乾燥肌にできるセルフケアとは
乾燥肌への3つの対策
乾燥肌とは、皮膚のバリア機能が低下して皮膚の水分が蒸発しやすくなった状態のことを指します。
一般的な対策としては次のようなものがあります。
・日頃のスキンケアをしっかりする
・入浴時にぬるめのお湯を使うなど、皮脂を洗い流し過ぎない
・保湿剤をつかう
市販の保湿剤を使ったセルフケア
保湿剤は、乾燥肌の治療として皮膚科でも処方される機会が多い薬です。
また、乾燥した肌に保湿剤を塗ることは、セルフケアとしても取り入れやすいのではないでしょうか。
しかし、皮膚科へ行く時間がなかなか取れなかったり、皮膚科を受診するほどでもない乾燥肌の場合は、皮膚科でも乾燥肌に処方される成分を配合した市販薬を選んで、セルフケアするという手もあります。
ただし、市販の保湿剤を5〜6日間使用しても症状が改善しない場合や、乾燥の症状がひどい場合は医療機関を受診しましょう。
乾燥肌向け処方薬によく配合される保湿成分
保湿の効果が国から認められている市販薬の成分というのは、種類が多いわけではありません。
一般的に、皮膚科などで乾燥肌への保湿剤として処方される機会が多いのは「ヘパリン類似物質」と「尿素」が配合された保湿剤です。この、2大保湿成分ともいえる成分について解説します。
ヘパリン類似物質と尿素、それぞれの特徴を知った上で市販薬を選び、自分の症状に合った成分が配合された保湿剤を使い分けると良いでしょう。
ヘパリン類似物質の保湿効果
ヘパリン類似物質は「保湿」「抗炎症」「血行促進」の作用をあわせ持ち、乾燥肌に使いやすいのが特徴です。
ヘパリン類似物質は水分を抱え込む性質があり、皮膚のバリア機能の働きをする角層に水分を与え、保湿効果を持続させます。
また、ヘパリン類似物質の血行促進作用は、血流をよくして皮膚の再生をうながします。
【ヘパリン類似物質の特徴と注意点】
・くりかえす乾燥肌を改善
・赤ちゃんでも使える
・粘膜(目の周り、口や鼻の中、陰部など)以外の全身に使える
・血行促進作用があるので、出血している部位や出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑病など)の方には使えない
尿素の保湿効果
尿素は、皮膚のバリア機能の働きをする角層に水分を与え、さらに角質を滑らかにする作用があります。バリア機能が低下している皮膚に使うと、刺激を感じることもあります。
かかとなど、乾燥により硬くなった皮膚には、尿素配合の保湿剤を使うのが良いでしょう。
ただし、しみたり悪化したりする場合があるため、皮膚がぱっくり割れている部位や顔への使用は避けてください。
【特徴】
・ガサガサ、ガチガチした皮膚をやわらかくする
・刺激を感じることがあるため、ぱっくり割れ、顔への使用は不向き
保湿クリームと保湿ローションの使い分け方
市販の保湿剤には大きく分けて、クリームタイプとローションタイプがあります。
保湿クリームと保湿ローションそれぞれの特徴を次にまとめました。
市販の保湿剤を選ぶ際にも、部位や使用感の好みに合わせて使い分けるとよいでしょう。
保湿クリームの特徴
クリームは皮膚を保護する力がローションより強く、しっとりとした使い心地です。
皮膚がより乾燥しやすくなる冬場の使用や、患部の保護効果を期待する場合の使用に向いています。
保湿ローションの特徴
ローションタイプの保湿剤はより広範囲に伸ばしやすく、使用感がベタつかないのが特徴で、体毛や髪の毛などがある部位にも使いやすくなっています。
夏場の使用やさっぱりとしたした使用感を好む場合に向いています。
処方薬と同じ成分を配合している市販の保湿剤
処方薬にも配合されることが多い成分である、ヘパリン類似物質、尿素それぞれの成分を配合している、市販の保湿剤を紹介します。
ヘパリン類似物質が配合された市販薬
ヘパリン類似物質が配合された市販の保湿剤には、クリームタイプとローションタイプがあります。
■クリームタイプ
■ローションタイプ
尿素が配合された市販薬
おわりに
保湿剤を使用しても乾燥肌があまり改善されない場合や、市販の保湿剤でどれを選ぶか悩んだときには、成分や使用感を参考にして選んでみましょう。
また、保湿剤は少なくとも5〜6日間は使い続けてみることをおすすめしますが、乾燥肌が悪化したり、なかなか改善しなかったりする場合は医療機関で相談しましょう。