乾燥肌とは?
乾燥肌は、ドライスキンともいい、肌の表面にある「角質層」という細胞の層の水分が少なくなったり、皮脂の分泌が低下したりした状態のことです。
肌が乾燥するとうるおいがなくなり、カサカサして粉をふいたり、肌が厚くなってゴワゴワしたりすることがあります。
中でも特に症状が出やすいのが「手」「かかと」「すね」です。
乾燥肌はなぜ起こる?
角質層はわずか0.02mmの厚さで、水分を保つ「保湿機能」と外的刺激から肌を守る「バリア機能」と肌にとって重要な働きをしています。
健康な角質層では、セラミドなどの角質細胞間脂質の保湿成分によって角質層の水分を保つことができます。そのため保湿成分がしっかりと機能していると乾燥した環境でも肌が乾燥することはありません。
しかし、さまざまな要因で保湿成分が減少したり、正常に働かなくなったりすると、皮膚のバリア機能が低下して肌に水分をとどめることができなくなり、皮膚の表面が乾燥してしまいます。
乾燥肌に良い栄養素と食べ物
乾燥しない肌のために必要な栄養素は、毎日の食事から摂取するのが理想です。
ここでは乾燥肌に良い栄養素と、それらが多く含まれている食品を紹介します。
たんぱく質
たんぱく質は皮膚の原料であるため、肌の新陳代謝には欠かせない栄養素です。
角質細胞内に存在する水分保持力のある親水性の天然保湿因子は、アミノ酸が原料であるため、ダイエットなどでアミノ酸が不足すると乾燥肌になりやすくなります。
また、たんぱく質はコラーゲンのもとにもなるので、不足するとうるおいやハリツヤが低下します。
たんぱく質を多く含む食べ物 | 肉類、魚類、卵、大豆製品、乳製品など |
ビタミンA
ビタミンAは、皮膚や粘膜を正常に保って免疫力を整える働きをします。
皮脂膜や天然保湿因子を生成し、ターンオーバーを活性化させることでバリア機能を高めうるおいをキープします。
ビタミンAが不足すると、皮膚や粘膜が乾燥しやすくなります。
ビタミンAを多く含む食べ物 | 緑黄色野菜、レバー、うなぎ、アナゴ、卵、チーズ、バターなど |
ビタミンB群
ビタミンB群の中でも、特にビタミンB2とビタミンB6は、肌の健康維持や新陳代謝に必要な栄養素です。
ビタミンB2は糖質と脂質の代謝を促進して、水々しい健康な肌の成長を助けます。
ビタミンB6はアミノ酸がたんぱく質に再合成されることを助け、ターンオーバーを活性化しバリア機能を高めて、うるおいをキープします。
ビタミンB2を多く含む食べ物 | レバー、魚類、納豆、乳製品、卵など |
ビタミンB6を多く含む食べ物 | 魚類、牛肉、鶏肉、バナナ、とうがらし、にんにくなど |
ビタミンC
ビタミンCは水溶性ビタミンで、コラーゲンの生成に必要な栄養素です。
また、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸などを生成する線維芽細胞の活性化にも役立ちます。
ビタミンCを多く含む食べ物 | オレンジ、キウイ、イチゴ、菜の花、アセロラ、ゆずなど |
ビタミンE
ビタミンEは肌の血行促進や抗酸化作用のある栄養素です。
ビタミンEの血行促進作用によって、肌の新陳代謝が活性化し、乾燥をおさえてハリやツヤを出します。
また、皮脂の酸化を防ぎ、肌を保護するバリア機能を高めることで、紫外線などの外部刺激からの肌を守ります。
ビタミンEを多く含む食べ物 | アーモンド、かぼちゃ、アボカド、ごま、大豆製品など |
セラミド
セラミドは、肌のうるおいに欠かせない成分のひとつです。
肌の角質層の水分を保持するとともに、体内からの水分の蒸散や体外からの異物の侵入を防ぐバリア機能の役割を果たしています。
若くて健康な肌には、セラミドが豊富に含まれていますが、加齢とともに減少して乾燥肌の原因になります。
セラミドを多く含む食べ物 | こんにゃく、大豆、ひじき、ほうれん草、ごぼうなど |
必須脂肪酸
必須脂肪酸は、細胞膜やセラミドをつくる原料にもなる、肌の新陳代謝に必要な成分です。
主にリノール酸、α-リノレン酸、アラキドン酸などがあります。
必須脂肪酸は体内で生成することができないため、食品などから摂取する必要があります。
必須脂肪酸を多く含む食べ物 | 魚介類、魚油、植物油、えごま油など |
乾燥肌に良い栄養を含むサプリメント
栄養素を食事から摂取するのが難しい場合は、サプリメントを使うことも効率よくバランスの良い栄養を補給する一つの手です。
しかし、サプリメントで摂取する場合は、過剰摂取に注意が必要な成分もあります。必ずサプリメントに記載されている摂取目安量を確認してから飲むように心がけてください。
乾燥肌の人に良いサプリメントについて、詳しくはこちらの関連記事をごらんください。
おわりに
乾燥肌を防ぐためには、毎日バランスの良い食事を意識することをおすすめします。
また、水分が足りていないことも乾燥肌の要因になるので、こまめに水分を摂取することも心がけましょう。