処方薬と同成分の乾燥肌の市販薬は?
肌の乾燥に処方される主な成分は、「ヘパリン類似物質」と「尿素」です。
ヘパリン類似物質と尿素はどちらも角質層における水分を保持することで、保湿効果をあらわします。
ヘパリン類似物質と尿素はどちらも保湿効果に優れた成分ですが、保湿以外にもっている作用が異なります。
自分の症状に合わせて適した成分を選択することが大切です。
成分の特徴
ヘパリン類似物質 |
血行促進作用・抗炎症作用 |
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尿素 |
角質を柔らかくする角質軟化作用 |
ヘパリン類似物質には、血行促進作用と抗炎症作用があるため、しもやけや筋肉痛・打ち身にも使用することができます。
一方で、尿素は角質を柔らかくする作用があるため、ひじやひざ、かかとなどの皮膚が硬くなりやすい部分や、角質層が厚くなりやすい高齢者に適した成分といえます。
処方薬の名称
成分 | 処方薬名 |
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ヘパリン類似物質 |
ヒルドイドローション、ヒルドイドソフト軟膏、ヒルドイドクリーム、ビーソフテンローション、ビーソフテンクリーム、ヘパリン類似物質油性クリームなど |
尿素 |
ケラチナミンコーワクリーム、ウレパールクリーム、ウレパールローション、パスタロンソフト軟膏 パスタロンローションなど |
ヘパリン類似物質の処方薬には、ヘパリン類似物質が0.3%配合されています。また、尿素は10%配合されているものと20%配合されているものがあります。
ローションやクリームなど剤形によって使用感や保湿力に差があるので、過去に処方されたことがある処方薬に近い市販薬を使用したい場合は、剤形もしっかりと選ぶ必要があります。
ヒルドイドローションと同じ乳液タイプの市販薬
市販薬で販売されているローションには、さらさらした溶液タイプとしっとりした乳液タイプの2種類が存在します。
そのうちヘパリン類似物質乳状液「JM」は処方薬のヒルドイドローションと同じ乳液タイプの市販薬となります。
しっとりとした使用感のローションを使用したい場合には乳液タイプを選ぶとよいでしょう。
ビーソフテンローションに最も近い市販薬
HPローションはビーソフテンローションと同じ添加物の構成で、ビーソフテンローションの使用感と最も似た市販薬といえます。
HPローションはさらさらした溶液タイプのローションのため、べたつきが気になる方は、乳液タイプよりも溶液タイプを選ぶとよいでしょう。
ヒルドイドソフト軟膏と同じW/O型の市販薬
クリームタイプには、水の中に油が溶けているタイプ(O/W型)と油の中に水が溶けているタイプ(W/O型)があります。
ヒフメイド油性クリームはW/O型で、O/W型と比較して油分が多いため、しっとりとした使用感となります。
水仕事で荒れやすい手指や、より乾燥した部位の保湿に適しているといえます。
ビーソフテンクリームに最も近い市販薬
ピアソンHPクリームはビーソフテンクリームと同じ添加物の構成で、最もビーソフテンクリームの使用感と似た市販薬といえます。
ピアソンHPクリームはO/W型のクリームのため、ローションタイプよりも保湿力はありますが、W/O型ほど油分が多くないため、さっぱりとした使用感です。
保湿もしたいが、ベトつき感が気になる場合には、O/W型のクリームを選びましょう。
尿素配合の市販薬
処方薬のケラチナミンコーワクリーム20%と同じ成分のクリームです。販売会社も同じ興和株式会社で処方薬と添加物も同じ構成です。
乾燥して皮膚が硬くなっている場合には、尿素を配合したケラチナミンが適しているといえます。
かゆみ止め成分配合の尿素配合市販薬
処方薬のローションタイプは10%尿素配合のものですが、市販薬では尿素が20%配合された乳液が販売されています。
かゆみ止め成分のジフェンヒドラミンや炎症をおさえるグリチルレチン酸が配合されているため、かゆみをともなう乾燥肌に使用できます。