角化症とは
なんらかの原因で角質層が厚くなり、かかとや手のひらなどが硬くなる症状を角化症といいます。
角化症にはさまざまな種類があり、病院での治療が必要なものもあれば、市販薬で治せるものもあります。
角化症の種類
角化症は、大きく分類すると「遺伝性角化症」と「後天性角化症」にわけることができます。
遺伝性角化症は先天的な遺伝子の異常、後天性角化症は乾燥や外からの皮膚の刺激などが原因となっていることが多くあります。
遺伝性角化症 |
魚鱗癬(ぎょりんせん)、掌蹠角化症(しょうせきかくかしょう) など |
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後天性角化症 |
乾癬(かんせん)、扁平苔癬(へんぺいたいせん) 、毛孔性角化症、乾燥による皮膚の角化 など |
角化症の中でも、市販薬で治療できる角化症は、乾燥などが原因となる一部の後天性角化症となります。
自分の角化症の種類がわからない場合は、一度病院を受診することをおすすめします。
乾燥による角化症になりやすい条件
乾燥による角化症は、空気が乾燥しやすい秋から冬にかけて症状がでやすく、真冬に悪化することもあります。
また、季節だけではなく、年齢やアトピー性皮膚炎など、もともとの肌の状態も症状のでやすさに影響を与えます。
【乾燥しやすくなる条件】
◯高齢者:加齢により皮脂の分泌量の低下
◯秋から冬にかけての季節:空気の乾燥や気温の低下
◯体の洗い過ぎ:保湿に必要な皮脂がとれやすい
◯アトピー性皮膚炎:皮膚のバリア機能が低下しやすい
乾燥による角化症の市販薬の選び方
乾燥が原因となっている角化症の場合には、保湿による治療が大切です。
市販薬で使用される保湿成分として、ワセリン・ヘパリン類似物質・尿素があげられます。
保湿・皮膚保護に使用される市販薬成分
成分 | メリット | デメリット |
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ワセリン |
皮膚への刺激が弱く、皮膚からの水分の蒸発を防ぐ |
皮膚の角質層に水分を付与する作用はない |
ヘパリン類似物質 |
水分を保持する作用と血行促進・抗炎症作用がある
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血行促進作用があるため、赤みがつよくなることがある |
尿素 |
水分を保持する作用と皮膚を柔らかくする作用がある |
傷ができたり皮膚が荒れたりしている場合は、刺激を感じることがあるので注意 |
白色ワセリンソフト
白色ワセリンは、油分の膜で水分が蒸発するのを防ぎ、皮膚の保護の役割をします。
白色ワセリンソフトは日本薬局方に準じたワセリンを含有しています。
入浴後の肌が潤っているうちに塗ると水分の蒸発を防ぐことができるためおすすめです。
ヘパリン類似物質乳状液「JM」
ヘパリン類似物質は、水と結びつきやすい構造をしており、皮膚の角質層に水分を与えることで保湿効果を発揮します。乳状液のタイプは伸びがよく、しっとりとした使用感なので、広い範囲の乾燥部位をカバーすることができます。
また、血行促進作用もあるため、しもやけなどにも使用できる保湿剤です。
ケラチナミンコーワ20%尿素配合クリーム
皮膚の角化が進んでいる場合には、保湿だけでなく皮膚を柔らかくする作用のある尿素が配合されたクリームを選ぶことで、角化と乾燥両方に対応することができます。
なかでも、ケラチナミンコーワ20%尿素配合クリームは市販薬の中でこの尿素20%を初めて取り入れた商品です。角質層が厚くなりやすい高齢者の乾皮症に適しているといえます。
ただし、傷ができている部分や荒れている部分など、皮膚のバリア機能が低下している場合は刺激を感じることがあるので注意してください。