女性の陰部・デリケートゾーンのかゆみの原因

女性のデリケートゾーン(外陰部周辺)のかゆみの原因は、大きく分けて外部からの刺激によるかぶれと、細菌やウイルスなどの感染によるものの二種類に分かれます。

かぶれは正式には接触皮膚炎と呼ばれており、デリケートゾーンのかゆみの多くはこの接触皮膚炎が原因です。

人間の皮膚は4種類の表皮細胞から構成されていて、最も外側にある角質層が水分の保持や外部刺激から皮膚を守る「皮膚のバリア機能」を果たしています。

外陰部はこの角質層が他の部位に比べて薄いため、かぶれを起こしやすくなっています。

こんな時は病院へいきましょう

デリケートゾーンのかゆみは市販薬でも治療が可能ですが、次の場合は病院を受診する必要があります。

 

・水疱や潰瘍がある場合

・かゆみや炎症の程度が強く、範囲が広い場合

・おりものに変化が見られ、感染症が疑われる場合

 

デリケートゾーンのかゆみはかぶれが原因の場合は市販薬でも治療ができますが、感染症が原因となる場合は病院での治療が必要となります。代表的な病気に性器カンジダ症や膣トリコモナス症がありますが、これらの病気の特徴の1つにおりものの変化があります。おりものの量が増えたり、ヨーグルト状のおりものや悪臭のあるおりものが出ている場合は、感染症を疑いましょう。(感染症によるデリケートゾーンのかゆみについてはこちら

かぶれが原因の場合は市販薬でOK

生理用品や下着によるムレ、石鹸やボディソープによる洗いすぎが原因でデリケートゾーンがかぶれ、かゆみが出ることがあります。かぶれが原因の陰部のかゆみは市販薬で治療が可能です。症状が悪化する前に市販薬で素早く治しましょう。

デリケートゾーンのかゆみに効く市販薬の選び方

デリケートゾーンは他の部位に比べて皮膚が薄いため、使用できる市販薬が限られてきます。

デリケートゾーンにステロイドは使用してもOK?

皮膚のかゆみによく使用されるステロイド外用薬は、薬によって強さのランクが分かれています。ランクによってはデリケートゾーンに使用ができない薬もあり、使用する薬のランクや部位を誤ると、副作用が出る危険性があります。

医師の指導の元であれば安心して使用ができますが、ご自宅でセルフメディケーションとして陰部に市販薬を使用する場合は、ステロイド無配合の薬の方が安心して使用ができるでしょう。

デリケートゾーンのかゆみにおすすめの成分

デリケートゾーンのかゆみに効果を発揮する成分をご紹介します。市販薬を選ぶ際は次の成分が配合された市販薬を選ぶと良いでしょう。

 

【かゆみをおさえる成分】

分類 成分

鎮痒成分

クロタミトン

抗ヒスタミン成分

ジフェンヒドラミン

局所麻酔成分

リドカイン

かゆみ止めの市販薬は大きく分けて局所麻酔成分が入っているものと、入っていないものに分けられます。局所麻酔成分は神経を一時的に麻痺させて、かゆみを感じることを止める成分です。かゆみで夜眠れないなどといった、強いかゆみに悩んでいる方は局所麻酔成分が入っている市販薬を、かゆみがそこまで強くない方は局所麻酔成分無配合のものを選ぶと良いでしょう。

 

【その他おすすめの成分】

デリケートゾーンのかゆみにおすすめできる成分は、かゆみ止め成分以外にも次のものがあります。

分類 成分

抗炎症成分

グリチルレチン酸

殺菌消毒成分

イソプロピルメチルフェノール

皮膚修復作用

トコフェロール酢酸エステル、アラントイン

清涼成分

lメントール

これらの成分には次のような特徴があります。ご自身の症状に合わせて成分から薬を選ぶと良いでしょう。 

  • 抗炎症成分:皮膚の炎症をおさえる
  • 殺菌消毒成分:傷口から細菌が感染することによる化膿・炎症を防ぐ
  • 皮膚修復作用:傷ついた皮膚が修復するのを助ける
  • 清涼成分:爽やかな清涼感をあたえる

デリケートゾーンにおすすめの剤形

デリケートゾーンに使用する市販薬を選ぶ際に、判断基準となるものとして、成分の他に剤形があります。デリケートゾーンの市販薬にはさまざまな剤形の薬が販売されていますが、代表的な剤形を3つご紹介します。

剤形 メリット デメリット
クリーム

・伸びがよく塗りやすい

・ベタつかない

・軟膏に比べて刺激が強い
軟膏

・患部を保護する機能が強い

・刺激が少ない

・ベタつく
ローション・ジェル

・さらっとした使用感

・薬が浸透しやすい

・刺激が強くしみやすい

使用する方の好みもありますが、デリケートゾーンに比較的使用しやすいのはクリーム剤です。デリケートゾーンは下着で蒸れやすいため、使用感の観点で見ると、べたつきやすい軟膏は不向きです。また、ローションやジェルは他の剤形に比べて刺激が強く、炎症が強い部位には適しません。

クリーム剤は軟膏に比べると刺激は強いですが、ローション・ジェルよりは刺激が少なく、ベタつかない伸びの良い剤形となっているので、使い勝手が良いです。

ただし軟膏やローション・ジェルもそれぞれにメリットがあるため、使用する方の症状や好みに合わせて剤形を選択しましょう。

粘膜への使用について

市販のかゆみ止め薬の多くは、膣内や膣の入り口などの粘膜部分への使用ができません。粘膜は他の皮膚に比べて薬の吸収率が高く、効果が強く出てしまう危険性があるからです。市販薬を使用する際は添付文書をよく読み、用法用量を守って使用しましょう。

また、膣内の粘膜にもかゆみの症状を感じる場合は、カンジダ膣炎などの感染症にかかっている可能性も考えられます。感染症によるかゆみは、基本的に病院の診療が必要になるため、自己判断による市販薬の使用はやめましょう。

デリケートゾーンのかゆみにおすすめの市販薬

女性の陰部・デリケートゾーンに使えるおすすめの市販薬をご紹介します。好みの剤形・成分・使用感からご自身に合った商品を選びましょう。

2020年新発売!シンプルなパッケージ

 

デリナースクール

剤形 クリーム
かゆみ
清涼感
アフターフォロー
有効成分

リドカイン

ジフェンヒドラミン塩酸塩

イソプロピルメチルフェノール

トコフェロール酢酸エステル

l-メントール

2020年8月に新しく発売された、デリケートゾーンのかゆみを鎮める非ステロイド性クリームです。

パッケージが非常にシンプルなので、外出先で使用しても気にならないデザインで、持ち運びがしやすいです。

かゆみ止め成分のジフェンヒドラミン塩酸塩に加え、局所麻酔成分のリドカインが配合されているため、陰部の強いかゆみを鎮めます。殺菌成分も配合されており、炎症の原因となる雑菌の繁殖をおさえ、皮膚を清潔に保ちます。

さらに清涼成分であるl-メントールが配合されているため、爽やかな使い心地を好む方におすすめです。

また、商品に添付してあるQRコードを読み込むことで薬剤師へ無料相談することが可能。薬に関する疑問や心配事を薬剤師に相談ができるので、安心して薬を使用することができます。

6種の有効成分配合

デリトリーナ 12g

剤形 クリーム
かゆみ

清涼感

アフターフォロー -
有効成分

ジフェンヒドラミン

リドカイン

グリチルレチン酸

トコフェロール酢酸エステル

イソプロピルメチルフェノール

l−メントール

6種の有効成分を配合したデリケート部位のかゆみ、かぶれ用治療薬です。

2種のかゆみ止め成分と抗炎症成分が、下着や生理用ナプキンなどによる刺激でかぶれた肌のかゆみ・赤みを鎮めます。

他にも荒れた皮膚の修復を助ける成分や細菌感染を防ぐ成分を配合。

クリームタイプで伸びがよくべたつかないため、衣類の下に塗っても気になりにくいでしょう。

さらっとしたジェルタイプ

フェミニーナジェル 15G(第2類医薬品)

剤形 ジェル
かゆみ

清涼感 -
アフターフォロー -
有効成分

リドカイン

ジフェンヒドラミン塩酸塩

イソプロピルメチルフェノール

ムレやすいデリケートゾーンにさらっと使えるジェルタイプです。伸びがよく広い範囲にしっかり塗ることができます。

下着擦れなどによる強いかゆみに、2種類のかゆみ止め成分がダブルで効果を発揮します。

殺菌成分が配合され、かゆみや炎症の原因となる雑菌感染を防ぎます。

シートタイプのかゆみ止め薬

メソッドシート 10枚(第3類医薬品)

剤形 シート
かゆみ
清涼感 -
アフターフォロー -
有効成分

ジフェンヒドラミン塩酸塩

グリチルリチン酸二カリウム

アラントイン

急なかゆみを拭いて鎮めるシートタイプの治療薬です。

かゆみの原因となる汗や汚れなどを拭き取りながら、かゆみ止め成分や抗炎症成分が患部に塗布され、有効成分が浸透します。

また、アラントインが傷ついたデリケートゾーンの皮膚修復に役立ちます。

個包装タイプのため外出時の携帯にも便利です。

デリケートゾーンのかゆみの原因と対策

かぶれによるデリケートゾーンのかゆみには次のような原因があります。薬を使用しても根本的な原因を対策しなければ、症状はなかなか良くなりません。原因に合わせて、対策をしっかり取るようにしましょう。

生理によるムレ

生理中は特に肌が敏感になっており、生理中にデリケートゾーンがかぶれたことがあるという女性は多いでしょう。主な原因としては、ナプキンを長時間つけることによって蒸れた状態が続き、ナプキンに残った経血や汗が皮膚を刺激し、かぶれを起こします。

また、皮膚が乾燥している状態で歩いたり足を組んだりすることによってナプキンと皮膚の間に摩擦が起こり、これもかぶれやかゆみの原因となります。

ナプキンをこまめに取り替える、シャワーなどでデリケートゾーンを清潔に保つといった対策をしましょう。

下着による摩擦・締め付け

化学繊維でできている下着でアレルギー反応を起こしてしまったり、きつい下着をつけていると締め付けが強く摩擦が起きやすいため、かぶれの原因となることがあります。

綿素材などの通気性の良い下着をつける、汗をかいたら下着を替える、タイトなパンツなどの締め付けの強い服を避ける、サイズの合った下着を着用する、などの対策を取りましょう。

石鹸やボディーソープ

デリケートゾーンの皮膚は薄いため、刺激の強い石鹸を使用すると乾燥やかぶれを起こしてしまうことがあります。また、強く洗いすぎてしまうと傷がつき、かゆみを引き起こす原因となります。デリケートゾーンを洗うときは皮膚を傷つけないように、やさしく手で洗いましょう。

感染症によるデリケートゾーンのかゆみについて

デリケートゾーンのかゆみの原因が感染症だった場合は、基本的に病院での受診が必要となります。かゆみを引き起こす感染症は次のものがあります。激しいかゆみなど、当てはまる症状がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。

性器カンジダ症

カンジダという真菌が原因となる感染症です。主に疲労やストレスなどによって体力や抵抗力が落ちたときに、腟内の常在菌のひとつであるカンジダが増殖して、さまざまな症状を引き起こします。

女性の主な症状として、外陰部の腫れや強いかゆみ、チーズや酒かすのような白いおりものが増加します。

初めての症状の場合は、医療機関への受診が必要ですが、2回目以降で症状が軽ければ、専用の市販薬で対応することができます。

膣トリコモナス症

膣トリコモナスという原虫による感染症で、主に性行為によって感染します。そのほかには衣類やタオル、浴槽などを介して感染する場合もあります。

女性の主な症状として、においのきつい泡状のおりものの増加、外陰部の激しいかゆみなどがあります。

性器ヘルペス

単純ヘルペスウイルスというウイルスによる感染症で、性行為によって感染します。一度感染すると神経節にウイルスが潜み、免疫力が低下したときなどに再発することが多いです。

男女共通の主な症状として、外陰部のかゆみや刺激が起こったあと、強い痛みをともなう潰瘍や水疱ができます。

性器クラミジア

クラミジア・トラコマティスという細菌による感染症で、性行為によって感染します。

女性では感染しても無症状の場合が多いですが、外陰部のかゆみやおりものの増加、軽度の生理痛のような痛みがみられる場合があります。

進行すると子宮頸管炎や不妊の原因となることがあります。

淋菌感染症

淋菌という細菌による感染症で、性行為によって感染します。

女性では感染しても無症状の場合が多いですが、外陰部のかゆみやおりものの増加、不正出血

がみられる場合があります。また、淋菌に感染したまま妊娠した場合、母子感染を起こすおそれがあります。

毛ジラミ症

毛ジラミという昆虫による感染症で、主に性行為によって感染します。そのほかには衣類やタオル、浴槽などを介しての感染する場合もあります。

男女共通の主な症状として、外陰部の激しいかゆみがあります。