かゆみが起こるメカニズム
かゆみは、虫刺されやあせも、アレルギーなど、さまざまな原因で起こるとても身近な症状です。
かゆみが起こる原因には、ヒスタミンという物質が関わっています。皮膚の中にある「肥満細胞」という細胞がなんらかの刺激を受けることで、ヒスタミンという物質が分泌されます。分泌されたヒスタミンが痛みやかゆみを知覚する神経に作用し脳へ伝達することで、痛みやかゆみを感じています。
かゆみが起こると我慢できずにかきむしってしまうことが多くあります。
かきむしってしまう→かきむしった患部が化膿・悪化する→さらにかゆくなる、というサイクルに陥ることで、症状が長引き悪化したり、かきむしり跡ができてしまったりするおそれがあります。
症状や原因に合わせて市販薬を選択し、かゆみのサイクルを止めることが大切になります。
かゆみ止めの市販薬はどれが良い?
yahooショッピングの売れ筋ランキングを参考に、ステロイド成分配合の代表的なかゆみ止め商品の価格を比較します。
商品名 | サイズ | メーカー希望小売価格(税込) | 1gあたりの価格 |
---|---|---|---|
オイラックスPZリペア軟膏 | 10g | 1,944円 | 194.4円 |
ラシュリアPEクリーム | 14g | 1,480円 | 105.7円 |
ムヒアルファEX | 15g | 1,296円 | 86.4円 |
プレバリンαクリーム | 15g | 1,467円 | 97.8円 |
※価格は2019年8月現在
他商品と比較すると、ラシュリアPEクリームはコストパフォーマンスの良い薬といえます。
ステロイド配合のラシュリアPEクリームとは?
ラシュリアPEクリームの特徴は、炎症をおさえる「ステロイド成分」とかゆみをすばやく感じにくくさせる「局所麻酔成分」の両方が配合されていることです。
かゆくて眠れないときなど、すばやく効いてほしいときに向いています。
ラシュリアPEクリームに配合されているステロイド成分は、「プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(PVA)」というアンテドラッグタイプに分類されるステロイドです。
「アンテドラッグ」タイプのステロイドは、体内に吸収されるとすばやく代謝されるよう設計されているため、効果はそのままでありながら、副作用が起こりにくく比較的安全性が高いといえます。
そのほか、患部を殺菌し悪化を防ぐ消毒成分「イソプロピルメチルフェノール」、皮膚の回復を助ける「トコフェロール酢酸エステル」が配合されています。
ラシュリアPEクリームの添付文書
効果・効能
湿疹、皮ふ炎、あせも、かぶれ、かゆみ、虫刺され、じんましん
ラシュリアPEクリームの添付文書
使用上の注意
・次の部位には使用しないでください。
(1)水痘(水ぼうそう)、みずむし・たむし等又は化膿している患部
(2)目の周囲、粘膜等
・顔面には広範囲に使用しないでください。
・長期連用しないでください。
・以下のような人は医師、薬剤師などに相談してください。
(1)医師の治療を受けている人
(2)妊娠又は妊娠していると思われる人
(3)薬などによりアレルギー症状を起こしたことがある人
(4)患部が広範囲の人
(5)湿潤やただれのひどい人
副作用があらわれたら?
薬を使った後に、以下の症状があらわれた場合は副作用のおそれがあります。
該当する症状があらわれた場合は使用を中止し、薬剤師や登録販売者に相談してください。
[関係部位:症状]
皮ふ:発疹、発赤、かゆみ
皮ふ(患部):みずむし、たむし等の白癬、にきび、化膿症状、持続的な刺激感
飲み薬と塗り薬のかゆみ止めセット
かゆみで寝付けないなどの場合は、飲み薬と塗り薬を併用することも可能です。
かゆみに内側から効く飲み薬と患部で素早く効果を発揮する塗り薬で、かゆみに内側と外側からアプローチします。
飲み薬「ムヒAZ錠」と塗り薬「ラシュリアPEクリーム」のセット商品です。
ステロイド成分の使い分け
ステロイドの塗り薬は、体内への吸収度の違いにより、以下の5段階にわけられています。
Strongest(ストロンゲスト) | もっとも強い |
Very Strong(ベリーストロング) | 非常に強い |
Strong(ストロング) | 強い |
Medium(ミディアム) | おだやか |
Weak(ウィーク) | 弱い |
その中でも、市販薬で販売されている分類は、Strong(ストロング)・Medium(ミディアム)・Weak(ウィーク)の三種類です。
ステロイドと聞くと副作用を心配する人もいるかもしれませんが、適切に使用すれば高い効果を得ることができる優れた薬です。
ステロイド成分の配合されている市販薬を使用する場合は、添付文書をよく読み、使用回数や使用範囲を正しく守って使用してください。
ステロイドの使用量の目安は?
チューブに入っている薬の場合、人差し指の先端から第一関節まで絞り出した量が、だいたい手のひら2枚分の範囲を塗る量の目安となります。
手のひら1枚分の範囲に塗る場合は、人先し指の先端から第一関節の半分までの量で十分でしょう。
手のひら半分の範囲に塗る場合は、さらにその半分量になります。