アズノール軟膏の効果・用法用量
アズノール軟膏は湿疹、熱傷・そのほか皮膚疾患によるびらんや潰瘍によく処方される薬です。
成分のジ メチルイソプロピルアズレンは副作用が非常に少なく、赤ちゃんや高齢者の方でも使用できます。
アズノール軟膏の効果
アズノール軟膏には以下のような効果があります。
1. 抗炎症作用
2. ヒスタミン遊離抑制作用
3. 創傷治癒促進作用
4.抗アレルギー作用
皮膚の炎症をおさえる効果があり、また添加物で使用されているワセリンやラノリンの油分が皮膚を保護します。
皮膚の炎症によく処方されるステロイド薬に比べると効果は非常に穏やかです。
しかし、ステロイド薬が副作用の面から長期・広範囲の使用ができないのに対し、アズノール軟膏にはそのような心配がありません。
炎症が軽く、広範囲に薬を添付したり、長期使用の可能性が高い場合に処方されることが多いでしょう。
アズノールの用法用量
成分名 | ジメチルイソプロピルアズレン |
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用法用量 | 通常1日数回、適量を患部に塗布する |
小児の使用上の注意 | 特別な注意喚起はなし |
妊婦の使用上の注意 | 特別な注意喚起はないが、妊娠中・授乳中であることは医師に伝え確認をとること |
症状によって塗布回数等が異なるため、医師の指示を受け正しく使用をしましょう。
薬を塗る際は手をきれいに洗ってから使用するようにしてください。
アズノール軟膏は赤ちゃんや妊婦でも使える?
アズノールは副作用も少ないため、皮膚が弱い赤ちゃんにも処方されることのある薬です。
実際に赤ちゃんのおむつかぶれにアズノールはよく処方されます。
妊婦さんや授乳中の方でも使用はできますが、念のため医師に妊娠中・授乳中であることを伝えて確認をとるようにしましょう。
アズノール軟膏はあせもやニキビに使える?
よく見られる皮膚の炎症症状に、あせもやニキビがありますが、アズノールはこれらの皮膚疾患にも使用はできるのでしょうか。
あせもには使用可能
アズノール軟膏はあせもによく処方される薬の1つです。
あせもの症状が強い場合はステロイド薬が処方されますが、炎症が軽度の場合や、ステロイド薬をどうしても使用したくない場合にアズノール軟膏が処方されることがあります。
ただし、アズノール軟膏はステロイド薬に比べて炎症をおさえる効果は劣ります。場合によってはステロイド薬を使用して早急に炎症をおさえることが優先されるケースもあります。
正しく使用すればステロイド薬は怖い薬でありません。
医師の説明を受けて、症状に合った薬を理解し、正しく使用することが重要となります。
あせもの処方薬については以下の記事で詳しく解説しています。ごらんください。
また、あせもは症状が軽度であれば、市販薬での治療が可能です。あせもの市販薬に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
ニキビへの使用には適さない
ニキビも皮膚の炎症の1つであるため、アズノール軟膏が使用できるのでは?と考える方も多いでしょう。
しかし、アズノール軟膏がニキビに処方されることはあまりありません。
一般的にニキビと呼ばれるものは、アクネ菌やマラセチア菌が原因で発生するため、ニキビにはアクネ菌やマラセチア菌に効果のある薬を使用します。
医師から特別な指示がない限り、ニキビにはアズノール軟膏を使用しない方が良いでしょう。
ニキビに効果的な市販薬に関しては、以下の記事をごらんください。
アズノール軟膏は陰部や顔に使える?
アズノール軟膏は、顔や陰部等の皮膚が薄い部位でも使用が可能です。
しかし、その炎症の原因が何なのかをキチンと理解して使用をしないと、アズノール軟膏を使用しても症状が進行してしまうおそれがあります。
細菌や真菌には効果がない
陰部のトラブルで多く見られるカンジダは、真菌というカビの一種が原因となり炎症を起こします。
アズノール軟膏には真菌を殺菌する効果はないため、カンジダにアズノール軟膏を塗布しても何の意味もありません。むしろ症状に合った薬を使用しないと、症状が進行し炎症が悪化するおそれがあります。
アズノール軟膏を使用する際は、皮膚のトラブルの原因が何かを医師の診察できちんと理解し、用法用量を守って正しく使用しましょう。
アズノールが余っているからといって、医師の指示なく自己判断で使用することはやめましょう。
アズノールの副作用と注意点
アズノールの副作用
アズノール軟膏の大きなメリットは、副作用が少ないことです。
赤ちゃんからお年寄りまで使用できる薬ですが、副作用が全く無いわけではありません。
ごく稀とはなりますが、以下の症状が副作用として出る場合があります。
皮膚刺激感等の過敏症状 | 皮膚のかゆみ・熱感・ヒリヒリ感等の刺激感 |
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接触性皮膚炎 | 水ぶくれ・発疹・かぶれ・かゆみなど |
副作用の少ない薬ではありますが、万が一上記のような症状が出た場合は、直ぐに使用を中止し、医師の診察を受けるようにしてください。
アズノール軟膏は目には使用できない
アズノール軟膏は全身の皮膚に使用できる薬ですが、目には使用することができません。
薬が誤って目に入ってしまったらすぐに洗い流し、異変を感じる場合はすぐに医師の診察を受けるようにしてください。
アズノール軟膏の市販薬はある?
残念ながらアズノール軟膏は市販されておらず、薬局やドラッグストアで購入することはできません。
アズノールのうがい液や胃薬、座薬などは市販薬が販売されていますが、軟膏に関しては処方薬のみとなります。
アズノール軟膏を使用したい場合は、病院へ行って医師に処方してもらうようにしましょう。