妊娠中のあせもは病院を受診するべき?
あせもは軽い症状であれば、家庭でできるケアや市販薬の使用で改善することがあります。
しかし、妊娠中に市販薬を使用する場合は、事前にかかりつけの医師に相談することをおすすめします。
あくまでも目安となりますが、以下にあてはまる場合は医療機関を受診しましょう。
・発熱やだるさなどがある
・掻きむしって化膿している
・水疱ができている
・チクチク、ピリピリする
・かゆみ、痛みが強い
・範囲が広い、または広がっている
・腫れがある、患部が熱をもっている など
妊娠中でも市販薬は使用できる?
妊娠中に不調が起きた場合は、基本的にはかかりつけの医師に相談し、症状に合った薬を処方してもらうことをおすすめします。
軽度のあせもなどであれば、市販の外用薬を使用することも可能ですが、夜間や休日などすぐに病院に行けない場合の対処として考えておきましょう。
あせもかどうか判断がつかない場合は、医療機関を受診することを優先しましょう。
かゆみをおさえたいときの市販薬
ここで紹介する市販薬は妊娠中でも使用できますが、妊娠の経過やあせもの症状によって使用可能な薬は異なります。使用前に、かかりつけの医師に相談することを心がけましょう。
あせものかゆみをおさえたい時は、かゆみをおさえる作用のある「抗ヒスタミン成分」配合の薬を選ぶとよいでしょう。
アセモアパウダースプレー 40G(第2類医薬品)【第二類医薬品】
アセモアパウダースプレーは、2種類のかゆみ止め成分と殺菌成分、皮膚を保護し炎症をおさえる成分が配合された市販薬です。
2種類のかゆみ止め成分が、あせもなどによるかゆみをおさえます。殺菌成分が赤みや炎症の原因となっている雑菌の繁殖をおさえます。
パウダースプレータイプのため手を汚さずに使用できます。また、サラサラとした使い心地も特徴の一つです。
タクトホワイトL 32g【第二類医薬品】
有効成分のリドカインは、かゆみをすばやく感じにくくさせます。
特にかゆみが気になる方に向いています。
レスタミンコーワパウダークリーム【第三類医薬品】
ジフェンヒドラミン塩酸塩がかゆみを抑え、グリチルレチン酸が皮膚の炎症を鎮めます。クリーム状で塗り拡げやすいことも特徴です。
ステロイドが入っている薬は妊娠中に使える?
赤みや腫れがでている場合は、ステロイドを配合した薬を使用してもよいでしょう。
塗り薬などの外用薬は、内服薬よりも血液中への成分の移行が少なく、添付文書(説明書)に記載されている期間内であれば妊娠中でも使用できます。
ただし、妊娠中の方は必ず主治医に使用していいか確認を取るようにしてください。
あせもができる原因
あせも(汗疹)は、汗の出口が詰まり、汗が皮膚に閉じ込められることで起こる、かゆみを伴う発疹です。
夏場などの汗をかきやすい季節や、汗をかいた後にすぐに拭き取らずにいる場合も、あせもができやすい状態です。
太ももの内側、わきの下など皮膚同士が接触する部分に発生しやすい症状です。
あせもの症状
あせもには種類がありますが、最も発症しやすい一般的なあせもは「紅色汗疹(こうしょくかんしん)」というタイプです。
1〜3ミリ程度の湿疹や水疱ができ、赤くかゆみをともないます。自覚症状があるため発症に気づくことが比較的簡単です。汗をかきやすい時期に多くみられます。
炎症がひどくなったり、あせもが発生した部位によってはじゅくじゅくした湿疹になります。患部を掻いて肌が傷ついてしまうと、傷から細菌に感染し、とびひなどに悪化する危険性があるため、早めの対策が必要です。
ただしあせもは他の皮膚疾患と見分けがつきにくいため、一度医師に相談しましょう。
家庭でできる身近なあせもケア
あせもは痛みやかゆみ・炎症がひどくなければ、家庭でもケアが可能です。
軽い症状のあせもであれば、肌の清潔と汗を小まめに拭き取ること、冷房などを利用しなるべく汗をかかないように心がけることで、多くは改善することができます。
シャワーで汗を洗い流す
あせもができてしまった場合、まずは皮膚を清潔な状態にすることが重要です。
汗をかきっぱなしにしてしまうと、あせもはなかなか治らず、悪化してしまうおそれもあります。
汗をかいたらシャワーなどを浴び、肌を清潔に保ちましょう。
ただし、石鹸でごしごしと強く皮膚をこすると、肌のバリア機能が失われて炎症を引き起こしやすくなります。たっぷりの泡で優しく洗いましょう。
汗は小まめに拭く
汗をかいたらすぐにシャワーを浴びることができれば良いですが、妊娠中は何度もシャワーを浴びることが大変なときもあります。
その場合は、タオルなどで小まめに汗を拭き取ってください。
ただし、タオルでこするとかゆみや炎症が悪化するおそれがあるため、優しく拭き取りましょう。
おわりに
妊娠中は汗がたまりやすいところも増えるため、小まめに汗を拭くなどのケアをかかさず、清潔を保ちましょう。
症状が軽い場合は、家庭でのケアと合わせて市販薬を使用するのもひとつの手です。
何より掻きむしらず、悪化させないことが大切です。掻きむしるなどで悪化した場合は、産婦人科の医師に電話して指示を受けましょう。