耳の後ろ・耳たぶがただれる原因
シャンプーやヘアカラーの刺激
シャンプーなどのヘアケア製品や、ヘアカラー剤の成分によるかぶれが、頭皮だけではなく耳の後ろや耳たぶにまで及ぶ場合があります。
また、シャンプーで洗髪を行う際に爪を立ててしまうことで皮膚に傷がつき、炎症やただれなどの症状が出ることもあります。
ピアスなどによる金属アレルギー
金属製のピアルを耳につけている人は、金属アレルギーで耳たぶがただれているおそれがあります。
また、アレルギーに限らず、ピアスホールの消毒を怠ることで細菌が入り、炎症を起こしてただれていることも考えられます。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、肌にかゆみや赤み、炎症などの症状が一定期間続く病気です。肌がカサカサと乾燥した状態になったり、ジクジクとただれたりすることがあります。
また、耳周辺の皮膚に症状があわられると、耳の付け根部分がただれて切れてしまう「耳切れ」の症状がみられることがあります。
脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)とは、耳の後ろを含む耳周辺や顔、頭、脇などの皮脂の分泌が多い部位にできる皮膚の炎症をさします。患部に赤みや湿疹、ただれが出たりすることが主な症状です。
脂漏性皮膚炎の原因は、遺伝的要因・環境的要因・精神的ストレスなどが関与していると考えられていますが、明確な原因やその詳細については分かっていない部分があることが実情です。
しかし、近年では人間の皮膚に常に生息している「マラセチア菌」というカビの一種が関わっていることが分かっています。
マラセチア菌は皮脂を栄養素とし、皮膚に刺激を与えて炎症を起こします。そのため、皮脂の分泌が増えるとマラセチア菌の量も増え、結果的に脂漏性皮膚炎を発症および悪化させてしまうのです。
アタマジラミ
最大で全長3mmほどの「シラミ」という昆虫が皮膚に寄生することで、強いかゆみを生じます。頭に寄生するシラミを特に、「アタマジラミ」と呼びます。
アタマジラミによって頭や耳周辺に強いかゆみを感じ、掻きむしってしまうことでただれてしまうことがあります。
赤ちゃんにも多い耳の後ろ・耳たぶのただれ
赤ちゃんや子供の皮膚は、大人に比べるとかなりデリケートな状態です。それに比例して、皮膚疾患にもなりやすい状態であるといえます。
乳児脂漏性皮膚炎
乳児脂漏性皮膚炎(にゅうじしろうせいひふえん)とは、大人の脂漏性皮膚炎と同じように耳の後ろを含む耳周辺や顔、頭、脇などの皮脂の分泌が多い部位にできる皮膚の炎症をさします。乳児はホルモンバランスが不安定なことから、皮脂の分泌が過剰になりやすい状態です。
湿疹にはカサカサしたフケのようなものや厚いカサブタのようなものがともない、症状が悪化していくとジクジクとただれることがあります。
小児アトピー性皮膚炎
小児アトピー性皮膚炎の場合、生後2か月〜1歳頃まででは耳のほか、顔や頭にジクジクとした湿疹が出てただれることがあります。また、大人のアトピー性皮膚炎と同じように、耳の付け根がただれて耳切れの症状がみられることもあります。
耳の後ろ・耳たぶのただれにおすすめの市販薬
耳の後ろや耳たぶのただれに市販薬を使用する場合は、基本的に症状が軽度な場合のみにとどめてください。長期間ただれている場合や症状がひどい場合は自己判断で市販薬を使用せず、すみやかに皮膚科を受診することをおすすめします。
市販薬で対処をする場合はおおむね5〜6日を目安とし、それでも症状が改善しないまたは悪化した場合は、市販薬の使用を中止し皮膚科を受診しましょう。
耳の後ろや耳たぶのただれに使用する市販薬は、皮膚の保護・乾燥作用のある「酸化亜鉛」や殺菌作用のある成分が含まれているものがおすすめです。また、かゆみをともなう場合には「抗ヒスタミン成分」が配合されているものを使用することで、かゆみを鎮めることができます。
赤ちゃんにもおすすめの市販薬
おわりに:症状が緩和されない場合は皮膚科を受診
耳の後ろや耳たぶのただれの治療に市販薬を長期間使用することは避けてください。
市販薬の使用期間はおおむね5〜6日を目安としましょう。市販薬を使用しても症状の改善がみられない・悪化した場合は薬の使用を中止し、すみやかに皮膚科を受診しましょう。また、赤ちゃんの場合は小児科を受診することもいいでしょう。