とびひは正式名を伝染性膿痂疹(でんせいせいのうかしん)といい、虫刺されやあせもなどを掻きこわしてできてしまった傷に、菌が入り込んで感染して起こる病気です。おもに黄色ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌(溶連菌)を原因菌とし、接触感染によってうつります。

成人よりも乳幼児に多く発症しますが、とくにあせもができている子、体にすり傷を作っている子、アトピー性皮膚炎を持っている子は要注意です。

とびひの治療には、どのような薬を使えばいいのでしょうか。この記事では、とびひ治療に使われる薬と正しい塗り方、自宅でのケアについて解説します。

とびひの治療薬を紹介

とびひには、黄色ブドウ球菌を原因とした水ぶくれのできる水疱性膿痂疹(すいほうせいのうかしん)と、溶連菌を原因としたかさぶたのできる痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん)があります。

とびひの治療は抗菌薬を用いる必要があるので、症状が出たらすぐに医師の診察を受けてください。飲み薬と塗り薬が処方されます。

処方薬は塗り薬と飲み薬がある

■水ぶくれのとびひの薬

フシジン酸ナトリウム、テトラサイクリン系またはニューキノロン系抗菌薬の軟膏を使用します。
フシジンレオ軟膏やアクロマイシン軟膏、ゲンタマイシンは、とびひの原因であるブドウ球菌に効果的です。

薬の成分の詳細はこちらをごらんください。
ミナカラおくすり辞典:フシジンレオ軟膏アクロマイシン軟膏ゲンタマイシン

■かさぶたのできるとびひの薬

内服で抗生物質はペニシリン系またはセフェム系を使用します。症状が重い場合は、点滴注射を行って全身投与をする必要があります。塗り薬はエリスロマイシン軟膏など感受性のある抗菌薬を用います。

ミナカラおくすり辞典:サワシリン錠エリスロマイシン錠

また抗菌薬を内服することで、とびひの症状を早めに抑えることができます。フロモックス錠は、感染症の原因となる細菌を死滅せる作用のある抗生物質です。このほか、とびひは痒みが強いので抗ヒスタミン薬の内服し、掻きむしって悪化させないようにします。

ミナカラおくすり辞典:フロモックス錠

市販薬は抗生物質が含まれたものを

飛び火の治療に市販の薬を使う際は、抗生物質の入った軟膏を選ぶようにしましょう。症状には個人差があるので、どの市販薬を選べばいいか迷ったときは薬剤師に相談してください。

ベトネベートN軟膏AS

ベタメタゾン吉草酸エステル(ステロイド成分)が、しっしん、かぶれといった皮膚の炎症にすぐれた効き目を発揮します。加えてとびひなどのジュクジュクした患部を持つ皮膚の病気に適しています。また、ステロイドだけでなく抗菌作用を有する抗生物質フラジオマイシン硫酸塩を配合しています。

ドルマイシン軟膏

ドルマイシン軟膏は殺菌作用をもつ抗生物質コリスチン硫酸塩を配合し、一般外部疾患の感染予防と治療に効果を発揮する皮膚疾患治療剤です。薬を塗る前にオキシドールなどでしっかり消毒しておくと、早期治癒に繋がります。

ミナカラおくすり辞典:サワシリン錠エリスロマイシン錠

とびひの薬の正しい塗り方

薬を塗る前に必ずしなくてはならないのが、患部を清潔にすることです。患部を水で流すだけではなく、殺菌性の石鹸を使って洗ってください。殺菌性の石鹸がない場合は処方してもらえるので、医師に申し出てみましょう。

石鹸の成分が残らないよう、すすぎはしっかりと流水で行い、患部をしっかりと乾燥させます。

軟膏の塗り方

キレイに洗った患部に軟膏を塗っていきますが、つけすぎて皮膚がベトベトにならないよう気をつけてください。また、包帯でぐるぐる巻きにする必要はありません。とびひは乾燥させた方が治りが早い傾向にあるためです。

患部に薄く伸ばして塗ったら、本来はその状態のままで過ごした方がベストです。しかし子どもや赤ちゃんは我慢できずに掻いてしまうため、ガーゼなどで軽く覆ってあげるといいでしょう。ガーゼは1日に1~2回取り替えます。

水疱は小さなものは潰さず、大きな水疱は滲出(しんしゅつ)液が周りに付いてしまわないように排出させます。

薬はいつまで塗ればいいの?

とびひは抗生物質を飲んで、正しく薬を塗り治療をしていればすぐに治ります。長くても1週間程度で完治に向かうと考えられていますが、症状の程度によって差があります。ただし、抗生物質を内服せず、軟膏を塗っただけでは治りは遅い傾向にあります。

1週間を目安に、それ以上長引くようであれば、医師に相談してください。

薬は処方されたものを正しく使おう

ステロイド軟膏は黄色ブドウ球菌の栄養になってしまうので、場合によっては症状の悪化を招く恐れがあります。自己判断でお手持ちの軟膏を使わないようにしてください。

そして薬を途中でやめたりすると再発することもあるので、医師の指示通りに使い治すようにしましょう。

おわりに:とびひの自宅ケア

とびひを発症した場合、発熱などの全身症状がない限り、湯舟に入らず、シャワーを使って入浴させ、殺菌力のあるせっけんで泡を立て患部をそっと洗い流します。兄弟姉妹がいる場合は、他の子ども達の入浴後、一番最後がよいでしょう。

また、タオルは必ず家族と別にし、入浴後は処方された薬を塗り、浸出液などが周囲に接触しないように、患部に軟膏の外用、ガーゼなどで保護してください。

また爪を短く切り、掻いて皮膚に傷をつけないようにさせます。そして鼻に黄色ブドウ球菌が常在していることが多いので、子どもには鼻に指を突っ込まないように教えてあげましょう

とびひはなるべく掻かずに、薬を適切に塗って早めに完治できるようにしましょう。症状を長引かせ、掻いてしまうと跡に残りやすいので注意してください。