下腿浮腫ってなに?いやな足のむくみについて

「足がむくむ」という症状は、多くの人が経験していることですが、特に女性や高齢者に多いといわれる症状です。
足がパンパンに腫れ上がりダルさを感じて…このうえなく不快ですよね。

女性の「夕方になるとブーツが入らない~」というセリフは、足のむくみがもたらすもの。
しかし、高齢者は日常的に発症しているのだとか。

このような足のむくみを、医学的には「浮腫(ふしゅ)」と呼びます。
また、浮腫には下腿(かたい)…ひざから足首までの部分がむくむ「下腿の浮腫」と、足背(そくはい)…足の甲部分がむくむ「足背の浮腫」があります。
 

むくみ…浮腫(ふしゅ)とは

むくみ(浮腫)とは、皮下組織に、細胞体液(間質液)が異常に増加した状態のことです。
むくみが発症しているときは、体重の5~10%以上の水分がたまっている状態です。
また、まだ目に見えて”むくみ”が発症していなくても、皮下組織に水分がたまり始めることにより、体重はしっかりと増加しています。

 

むくみ(下腿の浮腫/足背の浮腫)の原因とは?

むくみ(浮腫)は、細胞体液(間質液)が毛細血管壁を通して、血管内から皮下組織に移動することで発症します。
普通に考えれば、重力のある地球上で、人間が2本足歩行している限りは足がむくんでしまうのは当然ですよね。
しかし、本来ならば体内の水分バランスが良好に保たれているので、むくみは起こりません。
それが起こってしまうのは、何らかの理由で、体内の水分バランスが崩れてしいまったということです。

血液や細胞体液(間質液)は、全身の細胞に栄養を届ける役割を担っています。
また、細胞体液(間質液)は栄養を届ける際に、老廃物を細胞外に運び去ります。
その細胞体液(間質液)が増えすぎてしまう原因は以下が考えられます。

 

病気によるむくみ(浮腫)

  • 腎臓病(腎不全・ネフローゼ症候群)
    腎臓の機能が低下して水やナトリウムの排泄障害(尿があまり出ない)が起きるために老廃物がたまり、むくみ(浮腫)が起きる。
    また、
    腎臓の機能が低下すると、尿の中に大量のタンパクが出て尿蛋白(にょうたんぱく)となる。
    すると血液中のタンパクが減るために、濃度の調節が必要となる。
    結果、カラダが血液中の水分を外に出そうと働くことで、
    むくみ(浮腫)が起きる。

  • 心臓病(うっ血性心不全)
    心拍出量の減少で全身にうまく血液を運べなくなる。
    それにより動悸や息切れ、むくみ(浮腫)が起こる。

  • 肝臓病(肝硬変)
    肝臓の機能が低下すると、血液中のタンパク質の濃度が低くなり、タンパク質による水分を引き付ける力が弱まり皮下組織に水分がたまる。
    もしくは、周囲の組織にあるタンパク質に引き付けられて、血管から水分がもれ出す。

  • 甲状腺の病気(甲状腺機能障害)
    甲状腺の機能が低下すると粘液水腫(アルブミンとムコ多糖体の結合物が沈着して間質にたまる状態)が起きて、むくみ(浮腫)が発症する。

 

タンパク質不足によるむくみ(浮腫)

タンパク質の一種「アルブミン」が不足するとむくみ(浮腫)が起こる場合があります。
この「アルブミン」はアミノ酸が600個連なったもので、これが血液中(血漿中)に存在することにより血管の外側と内側の水分量が調節されています。
しかし、不足することにより、水分が血管の外に流れ出てむくみ(浮腫)を起こします。
アルブミンが不足する原因は、下記の通り。

  • タンパク質(肉・魚・乳製品・豆類など)の摂取が不足している。
  • 肝臓の障害が起きてアルブミンが作られていない
  • 腎臓の障害が起きてタンパク質が大量に排泄されてしまう。
  • 腸の障害が起きて、タンパク質の吸収ができない

 

薬によるもの

薬の副作用で、むくみ(浮腫)を起こすことがあります。
その理由は、薬により血液中の成分バランスが変わるために、むくみ(浮腫)に深く関係する肝臓や腎臓に影響を及ぼしてしまうから。
痛み止めや、糖尿病の薬、ほか、ホルモン製剤などが挙げられていますが、まずは主治医に相談してみましょう。

 

長年の立ち仕事・妊娠

長年の立ち仕事妊娠により、足の静脈の流れが圧迫されることがあります。
すると、静脈の弁の働きが悪くなって血管が”こぶ”のように浮き上がります。
これは、いわゆる足のむくみを伴う血管の病気で「足の静脈瘤(下肢静脈瘤)」と呼ばれています。

 

むくみが女性に多い理由は、女性特有の原因?

女性にむくみが多い理由としては以下のことが考えられます。
また、女性特有の原因で起こるむくみの症状は一過性である場合が多いとのこと。

  • 女性は出産に関わる臓器があるので血液が心臓に戻りにくいカラダの構造。
    そのため、心臓に戻れない血液が間質液となって皮下組織にたまってしまう。
  • 女性は月経などのせいでホルモンバランスの変化が起こりやすい。
    その際に、体内の水分調節も乱れやすくなる。
  • ダイエットによりタンパク質が不足してしまう。
    それにより、血管の外側と内側の水分調節がうまくいかなくなる。
  • 女性は足の太さを気にしやすいので、必要以上に足のむくみに敏感である。
    つまり、女性に足のむくみが多いというよりは、男性よりも足のむくみを気にしやすいという見解。

 

おしまいに~

むくみ(浮腫)は、一過性(一晩寝て起きると症状が回復している)である場合は大きな心配は要らないようです。
しかし、以下のような変化があらわれたり、なかなか回復しないようであれば病気が隠れている可能性があります。
早めに内科か、もしくは泌尿器科を受診しましょう!

  • あきらかに尿の量が減った
  • 急激に体重が増えた
  • むくみ(浮腫)が回復する兆しがない
     

image by Photo AC

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