夏バテとは|原因・症状
夏バテは正式な病名ではなく、夏の高温多湿の環境が原因で起こる体調不良の総称です。
夏バテの原因
夏バテの原因には主に水分・塩分不足による軽い脱水状態や、寒暖差による自律神経の乱れなどがあります。
人間は身体に熱がこもると、体温を外に逃がすために発汗します。大量に汗をかくと体内の水分や塩分等のミネラル成分が失われていき、体液中の電解質のバランスが崩れ、身体のだるさなどの夏バテ症状を引き起こします。
また、気温の高い屋外と冷房の効いた屋内で温度差が激しい状態が繰り返し起こると、自律神経が乱れて身体のさまざまな不調が引き起こされます。
夏バテの症状|吐き気や胃もたれ、だるいなど
夏バテの症状は人によってさまざまですが、主に食欲不振や立ちくらみ、全身のだるさや倦怠感があげられます。
その他にも、以下のような症状がでる可能性があります。
・下痢・便秘・胃痛など胃腸の具合が悪くなる |
夏バテによる各症状に使える市販薬|頭痛や吐き気、だるいなど
夏バテによる症状は、市販薬を使用をすることで緩和することができます。
夏バテによる緊張性頭痛に|痛み止めの飲み薬
夏バテによる頭痛には主に、冷房による体の冷えによって起こる緊張性頭痛と、暑さによる脱水状態によって起こる頭痛があります。
冷房による冷えが原因となって起こる緊張性頭痛の場合は、市販の痛み止めを使うことで痛みが緩和します。
暑さによる脱水状態が原因によって起こる頭痛の場合は、まずは水分補給をおこないましょう。脱水状態に対する適切な対処を行わないと、症状を悪化させてしまうおそれがあります。また、暑さによる脱水状態が原因によって起こる頭痛に対して、市販の痛み止めを自己判断で飲むと、腎臓に負担がかかり腎障害を起こすおそれもあります。
■緊張性頭痛の症状
緊張性頭痛とは、首や肩回りの筋肉が緊張して血流が悪くなり、血管内に発生する痛み物質が神経を刺激して起こる頭痛で、頭全体が締め付けられるような痛みが特徴です。
商品画像 | 特徴 |
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・ロキソプロフェンのみ配合 ・胃への負担が比較的少ないプロドラッグ製剤 ・眠くなる成分無配合 |
ロキソニンS|ロキソプロフェンのみ配合
ロキソニンS 12錠【第一類医薬品】
効能効果 |
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○頭痛、月経痛(生理痛)、歯痛、抜歯後の疼痛、咽喉痛、腰痛、関節痛、神経痛、筋肉痛、肩こり痛、耳痛、打撲痛、骨折痛、ねんざ痛、外傷痛の鎮痛 ○悪寒・発熱時の解熱 |
ロキソニンSは、ロキソプロフェンナトリウム水和物のみが配合された飲み薬です。痛みや熱の原因物質(プロスタグランジン)をおさえることで、鎮痛・解熱効果を発揮します。
胃への負担が比較的少ないプロドラッグ製剤※です。
眠くなる成分(鎮静催眠成分)は配合されていません。
※プロドラッグ製剤とは、成分が体内に吸収されてから活性型に変化し、効果を発揮する仕組みの薬のこと
夏バテによる食欲不振に|胃腸薬
夏バテによる食欲不振には、健胃成分などが配合された胃腸薬を選びましょう。健胃成分には、弱った胃の働きを高める働きがあります。
商品画像 | 特徴 |
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・消化を助ける成分や健胃成分、乳酸菌などを配合 ・胃の不調だけでなく、軟便・便秘の症状が出やすい方にも |
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・胃の働きを促進する成分配合 ・胃の緊張をほぐし痛みを和らげる成分配合 ・夏バテなどで食欲がでない方などに |
第一三共胃腸薬プラス細粒|胃の不調や軟便・便秘の症状が出やすい方にも
第一三共胃腸薬プラス細粒 12包(第2類医薬品)【第二類医薬品】
効能効果 |
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○もたれ、食べ過ぎ、飲み過ぎ、胸つかえ、食欲不振 ○胸やけ、胃痛、胃酸過多、胃重、胃部不快感、げっぷ ○消化不良、消化促進、胃弱、胃部・腹部膨満感 ○はきけ(むかつき、二日酔・悪酔のむかつき、悪心)、嘔吐 ○整腸(便通を整える)、軟便、便秘 |
第一三共胃腸薬プラス細粒は、消化を助ける成分や健胃成分、乳酸菌などが配合された胃腸薬です。
消化を助ける成分が食べ物の消化を助け、健胃成分が弱った胃の働きを高めます。
また植物性乳酸菌が腸内環境を改善し、腸の状態を正常に近づけます。
第一三共胃腸薬プラス細粒は、胃の不調だけでなく、軟便・便秘の症状が出やすい方などにもおすすめです。
大正漢方胃腸薬|夏バテなどで食欲がでない方などに
大正漢方胃腸薬 12包(第2類医薬品)【第二類医薬品】
効能効果 |
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胃のもたれ、胃部不快感、胃炎、胃痛、げっぷ、食欲不振、腹部膨満感、胸つかえ、胸やけ、胃酸過多、腹痛、はきけ(むかつき、悪心) |
大正漢方胃腸薬は、胃の働きを促進する安中散と胃の緊張をほぐし痛みを和らげる芍薬甘草湯が配合された胃腸薬です。
安中散には衰えた胃腸のはたらきを活発にする作用が、芍薬甘草湯には胃腸の筋肉の異常な緊張をやわらげる作用があります。
夏バテなどで胃もたれがある方や、食欲がでない方などの胃腸症状を改善します。
夏バテによるだるさや疲れに|ビタミンB1など配合の飲み薬
夏バテによるだるさや疲れには、ビタミン B1などが配合された市販薬を使用しましょう。
ビタミンB1は、三大栄養素をエネルギーに変える働きをサポートして、だるさや疲れに効果をあらわします。
商品画像 | 特徴 |
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・ビタミンB1誘導体(フルスルチアミン)配合 ・エネルギー産生に重要な働きをするビタミンB群などを配合 ・7歳以上のお子さまから使用可 ・1回1〜3錠、1日1回 |
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・ビタミンB1(チアミン硝化物)配合 ・エネルギー産生に重要な働きをするビタミンB群などを配合 ・滋養強壮生薬配合 ・15歳から使用可 ・1回1錠、1日1〜2回 |
アリナミンA|7歳以上のお子さまから使用可
アリナミンA 60錠【第三類医薬品】
効能効果 |
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1.次の場合のビタミンB1の補給:肉体疲労時、妊娠・授乳期、病中病後の体力低下時 2.次の諸症状の緩和:筋肉痛・関節痛(腰痛、肩こり、五十肩など)、神経痛、手足のしびれ、便秘、眼精疲労 3.脚気 ※ただし、上記2および3の症状について、1か月ほど使用しても改善がみられない場合は、医師または薬剤師に相談しましょう。 |
アリナミンAは、抗疲労成分であるビタミンB1誘導体フルスルチアミンや、エネルギー産生に重要な働きをするビタミンB群などが配合された市販薬です。
肉体疲労時のビタミンB1の補給に使用できます。アリナミンAは、7歳以上のお子さまから使用できます。
キューピーコーワゴールドαプレミアム|15歳から使用可
キューピーコーワゴールドαプレミアム 30錠【第三類医薬品】
効能効果 |
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滋養強壮、虚弱体質、肉体疲労・病後の体力低下・食欲不振・栄養障害・発熱性消耗性疾患・妊娠授乳期などの場合の栄養補給 |
キューピーコーワゴールドαプレミアムは、ビタミンB1を含む5種のビタミンと、5種の滋養強壮生薬などが配合された市販薬で、キューピーコーワゴールド史上最多の生薬数が配合されています。
からだ全体の疲れやだるさ、食欲不振などがある方におすすめです。
キューピーコーワゴールドαプレミアムは、15歳から使用できます。
夏バテからくる下痢に|下痢止め薬
夏バテからくる下痢には、効能効果に下痢と明記されている市販薬を選びましょう。
ピシャット下痢止めOD錠|1回1錠
ピシャット下痢止めOD錠 12錠(指定第2類医薬品)【指定第二類医薬品】
効能効果 |
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食べすぎ・飲みすぎによる下痢、寝冷えによる下痢 |
ピシャット下痢止めOD錠は、有効成分としてロペラミド塩酸塩を配合した下痢止めの薬です。15歳から使用できます。
ロペラミド塩酸塩が腸に直接作用してぜん動運動を抑え、腸管内の水分分泌を抑えることで下痢を改善するお薬です。
水がなくても口で溶かして飲めるので、電車の中など場所を選ばず使用できます。
ピタリット|1回2錠
ピタリット 12錠【指定第二類医薬品】
効能効果 |
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下痢、食べすぎ・飲みすぎによる下痢、寝冷えによる下痢、腹痛を伴う下痢、食あたり、水あたり、軟便 |
ピタリットは、有効成分としてロペラミド塩酸塩、ベルベリン塩化物水和物、消化酵素ビオヂアスターゼ2000、チアミン硝化物(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)を配合した下痢止めの薬です。15歳から使用できます。
ロペラミド塩酸塩が腸に直接作用し、活発になりすぎた腸のぜん動運動をしずめ、腸内の水分量を調節します。
体質改善しながら夏バテの症状を緩和したい方に|漢方薬
体質改善しながら夏バテによる症状(食欲不振やだるさ、頭痛など)を緩和したい方は、漢方薬を選びましょう。
漢方薬である補中益気湯は、体質を改善することで食欲不振や疲労倦怠などの症状を、五苓散料は体質を改善することで下痢、頭痛などの症状を改善します。
ワカゲン錠|食欲不振、疲労倦怠などの症状に
ワカゲン錠 120錠【第二類医薬品】
効能効果 |
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体力虚弱で、元気がなく、胃腸のはたらきが衰えて、疲れやすいものの次の諸症:虚弱体質、疲労倦怠、病後・術後の衰弱、食欲不振、ねあせ、感冒 |
ワカゲン錠は、虚弱体質や疲労倦怠、食欲不振などに用いられる漢方薬で、疲労倦怠感があって食欲がわかない方に適した漢方です。
服用して効果が出るまでの期間は、体質や症状により異なります。1か月位※1使用しても症状がよくならない、または悪化するような場合は、市販薬の使用をやめ、病院を受診するようにしましょう。
※1 感冒に使用する場合には5~6日間
クラシエ漢方五苓散料エキス顆粒 |下痢、頭痛などの症状に
クラシエ漢方五苓散料エキス顆粒 45包【第二類医薬品】
効能効果 |
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体力に関わらず使用でき、のどが渇いて尿量が少ないもので、めまい、はきけ、嘔吐、腹痛、頭痛、むくみなどのいずれかを伴う次の諸症:水様性下痢、急性胃腸炎(しぶり腹※のものには使用しないこと)、暑気あたり、頭痛、むくみ、二日酔 ※しぶり腹とは、残便感があり、くり返し腹痛を伴う便意を催すものを指します |
クラシエ漢方五苓散料エキス顆粒は、のどが渇き、尿量が少ない方の下痢、頭痛、暑気あたりなどの症状に用いられる漢方薬です。
服用して効果が出るまでの期間は、体質や症状により異なります。1か月位※1※2使用しても症状がよくならない、または悪化するような場合は、市販薬の使用をやめ、病院を受診するようにしましょう。
※1 急性胃腸炎、二日酔に使用する場合には5~6回
※2 水様性下痢、暑気あたりに使用する場合には5~6日間
夏バテの予防・対策方法|水分・塩分補給や食事など
水分補給や室内の温度調節、食事など、日常生活に気を付けるだけで夏バテはある程度対策が可能です。ここでは日常生活において注意したい点を解説します。
水分・塩分補給をこまめに行う
夏バテ対策にはまず、こまめな水分・塩分補給が重要です。夏バテの原因の1つに軽い脱水症状があります。
体内の水分や塩分が不足すると血流が悪くなり、身体のすみずみに必要な栄養素が行き届かなくなり、身体がだるくなるなどの夏バテの症状が出ます。
また、脱水状態が進行すると熱中症を発症する恐れがあります。熱中症になってしまったときの対処法や、熱中症の対策方法については以下の記事で詳しく解説します。
■水分補給するときの注意点
水分補給をする場合は、水だけでなく塩分の摂取も重要です。
水分と塩分を摂取できるものには、オーエスワンなど市販の経口補水液やスポーツドリンクなどがあります。ただし、スポーツドリンクには、糖分を多く含むものがあるため、飲みすぎによる糖分の過剰摂取に注意しましょう。
■オーエスワン|脱水対策に
オーエスワンは、軽度から中等度の脱水症における水、電解質の補給、維持に適した経口補水液です。オーエスワンは脱水を伴う熱中症にも使用できます。
オーエスワンの飲み方に決まりはありません。目安量を参考に、状態に合わせて適宜増減しながらお飲みください。
一日当たりの 目安量 |
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学童〜成人 (高齢者を含む) |
500〜1,000mL/日 |
幼児 | 300〜600mL/日 |
乳児 | 体重1kg当たり 30〜50mL/日 |
なお、経口補水液やスポーツドリンクを飲むことに抵抗があるなどで、水での水分補給をしたい方は、塩分摂取ができるアメやタブレットがおすすめです。
塩分チャージタブレッツ 塩レモン
1回に1〜2粒を食べ、100mL程度の水も一緒にとることで、水分と塩分をバランスよく補給することができます。
暑い日に外出する時や暑いところで働く時、スポーツ時などの塩分補給におすすめです。
屋内と屋外の気温差を少なくする
夏バテの原因の一つに自律神経の乱れがあります。自律神経が乱れてしまうリスクを回避するには、屋外と屋内の気温差を少なくすることが大事です。
猛暑日など危険な暑さでない限りは、屋内と屋外の気温差を5度くらいまでとし、扇風機や服装などでも調節するようにしましょう。
■冷房の基本設定は28度で
冷房の基本設定は、28度をおすすめします。ただし屋内が暑くなると熱中症のリスクが高まるため、我慢して冷房を切る、などの行為は避けた方が良いです。
また、熱帯夜に冷房なしで眠りに就くのは困難であるため、眠りにつく際は無理せず冷房を付けることもおすすめです。とは言え、眠っている間ずっと冷房にさらされていると身体への負担が大きくなることもあるため、冷気が苦手な方はタイマー機能を上手に活用するようにしましょう。
夏バテに負けないための食事を
夏バテの予防・対策には、身体のエネルギーの源となるたんぱく質が不足しないように注意しましょう。さらに、たんぱく質などの栄養素を体内でエネルギーに変換するには、ビタミンB1・B2が必要不可欠です。
たんぱく質 | 豚肉やうなぎ、納豆、豆腐、卵、乳製品 など |
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ビタミンB1・B2 | ブロッコリー、ほうれん草、ごま、納豆、鮭、カツオ、豚肉 など |
また、疲労回復に役立つクエン酸を含むお酢などを活用し、上記の食材をさっぱり食べられるよう、工夫してみましょう。
なお、食事から十分な栄養(ビタミンB1など)をとるのが大変な方や、栄養不足が気になる方などは、市販薬やサプリメントなどから補助的に栄養素(ビタミンB1など)を摂取しましょう。
冷たい飲み物の大量摂取は避ける
夏バテによって自律神経が乱れ、胃腸の状態が良くない時に冷たい飲み物が大量に流し込まれると、腹痛や下痢の原因となります。
また、冷えた飲み物で胃腸を冷やすと胃腸のはたらきも鈍り、食べたものをうまく消化できなくなり、食欲不振や胃もたれなどにつながることもあります。水分補給するときは冷たい飲み物の大量摂取を避け、少しずつこまめに水分を補給するようにしましょう。
適度な運動をする
体操やウォーキングなどの適度な運動を定期的に行うと、自律神経の働きを整えることや食欲増進につながります。
運動を行う時は、朝夕の涼しい時間でムリのない範囲で行うようにしましょう。また、運動中は脱水状態を避けるため、こまめな水分・塩分補給をしましょう。