17歳で死去したプロボクサー服部海斗(はっとりかいと)。白血病とはどんな病気なのか?

先月、2月24日にプロボクサーの服部海斗が17歳という若さで慢性骨髄性白血病により死去しました。

海斗さんはU-15全国大会で優勝するなどの輝かしい成績を収めていたボクサー。
国内のリングには17歳以上しか立つことが出来ないため、16歳の時に海外でプロデビュー。
いよいよ国内でプロボクサーとして活躍できる17歳となり、プロ2戦目の直前の昨年3月に病気が発覚しました。

辛い抗がん剤治療にも耐え、再びリングに戻ることを信じて闘病していた海斗さん。
昨年の夏には父親の兼司さんの骨髄を移植し、一時的には回復傾向にあったものの、年明けから容体が急変し意識不明に。

海人さんの兄である力斗さんも現在プロボクサーとして活躍しており、海斗さんの容体が安定すれば力斗さんの骨髄を移植する手術が行われる予定でしたが、残念ながら手術を行うことなく、海斗さんは帰らぬ人となってしまいました。

力斗さんが海斗さんと最後に会話をしたのが2月15日。
1週間ぶりに意識を取り戻した海斗さんは、力斗さんの手を握りながら「きつかった」と号泣したそうです。
リングに戻ることだけを信じ続け、辛い治療にも懸命に取り組んでいた海斗さんですが、死の直前に今まで抑え込んできた様々な気持ちがあふれ出てしまったのでしょう。

力斗さんは6月7日に行われる「服部海斗追悼興行」にWBAアジアミニマム級王者・加納陸とともに出場する予定。

芸能界でも歌手の本田美奈子さんや、お笑いコンビ「カンニング」の中島忠幸さんなど、白血病を発症し、かなりの若さで亡くなっていった人がいるため、白血病=不治の病というイメージが強いかと思いますが、俳優の渡辺謙さんなど、白血病を克服し仕事復帰されている方もいらっしゃいます。

白血病とはどの様な病気なのか、原因と症状についてご説明します。
 

白血病はどのように発症するのか?

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人間は血液にのった酸素や栄養を体の隅々まで供給することによって生命を維持していますが、白血病とはこの血液の細胞に発生する“がん”です。

血液内には大きく分けて、赤血球、白血球、血小板という血液細胞があり、白血球はリンパ球、顆粒球、単球の総称となります。
これらは骨の内側にある骨髄で作られるのですが、血液細胞の元となる造血幹細胞からそれぞれの血液細胞へと分化・成熟していき、血液中に放出されていきます。

成熟する血液細胞によってこの過程は2種類に分類され、赤血球、血小板、単球、顆粒球に成熟する場合を骨髄系、リンパ球に成熟する場合をリンパ系と呼びます。

これらの血液細胞の分化・成熟は通常はコントロールされていますが、白血病を発症すると、血液細胞の成熟途中で遺伝子が突然変異してしまい、正常な機能を果たさない造血細胞(白血病細胞)が血液中に溢れ出してしまうため、身体の各器官に様々な障害を引き起こします。

 

白血病には急性と慢性の2種類がある

白血病は大きく分けて2つの種類に分類されます。

前述のとおり、白血病とは血液細胞の成熟過程で突然変異を起こしてた白血病細胞が原因となりますが、血液細胞が分化・成熟せず、未熟な状態のまま血液に放出されてしまう場合を急性白血病、分化・成熟はしているものの、増殖のコントロールが効かなくなってしまう場合を慢性白血病と呼びます。

急性白血病の場合は、本来の機能を果たさない白血病細胞が増殖し、骨髄を占拠してしまうため、正常な血液細胞の生成ができなくなり、病状の進行が早いのが特徴です。

一方、慢性白血病の場合は、血液細胞の増殖コントロールが効かない状態ではあるものの、血液細胞の分化・成熟はある程度正常に行われているため、病状の進行はゆっくりで、初期症状が殆どありません。

しかし、病状が進行すると急性転化という時期になり、急性白血病と同じような症状が現れます。
慢性白血病が急性転化すると、抗がん剤等の効果が悪くなるため、一般的に患者の余命は数か月と言われています。

今回海斗さんが発症したのは後者の慢性白血病。
病気が発覚してから約1年という早さで亡くなっているため、白血病と分かった時には既に急性転化の時期に差し掛かっていた可能性が高いでしょう。

さらに、急性白血病、慢性白血病の中でも血液の分化・成熟の、どの過程で遺伝子の突然変異が起こっているかによって2分され、骨髄系の場合は骨髄性白血病、リンパ系の場合はリンパ性白血病と呼ばれます。

 

白血病はどのような症状が出るのか?

image by pixabay

血液細胞にはそれぞれ役割があります。

赤血球:肺で受け取った酸素を身体の隅々まで運搬し、二酸化酸素を肺へ運ぶ。
白血球:侵入してきたウイルスなどの外敵から身体を守る。
血小板:血液の止血の働き。

白血病を発症すると、上記のような血液細胞の正常な働きができなくなるため、以下のような症状が現れます。

・発熱
・貧血
・動機、めまい
・吐き気、嘔吐
・全身倦怠感
・体重減少
・血が止まらない
・アザができやすい
・骨や関節の痛み

白血病が進行すると、免疫力が低下してしまうため、健康状態であれば死に至ることはない程の病でも脅威となります。
実際に白血病による免疫力の低下によって、肺炎や敗血症などの合併症を引き起こし、死に至るケースが多いようです。

 

さいごに~白血病は不治の病ではない~

白血病は不治の病であるというイメージが強いかと思いますが、現在は化学療法の進歩と支持療法の確立により、この病気を克服し社会復帰を果たしている患者さんが沢山いらっしゃいます。

しかし、適切な治療を受けないと死に至る恐ろしい病気であるということに、変わりはありません。
まずは白血病に関する正しい知識を身につける所から初めてみましょう。