二日酔いに効く薬は市販されている?頭痛や吐き気などに効く市販薬を紹介
二日酔いが起こる原因と症状
二日酔いが起こる原因は、はっきりとはわかってはいません。
そのなかでも原因の1つとして考えられているのが、アセトアルデヒドの蓄積や胃腸障害(胃痛や吐き気、胸焼け、下痢など)、脱水症状などです。
二日酔いはこれらの原因が、複雑にからみあうことで起こると考えられています。
胃痛や胃もたれ、吐き気などについて
アルコールを飲みすぎると、胃の粘膜がただれやすくなり、胃痛や胃もたれなどが起こりやすくなります。
下痢について
アルコールを飲みすぎると、水分や電解質を腸から体へ吸収する働きが悪くなるため、下痢が起こりやすくなります。
脱水症状について
アルコールを飲みすぎると、尿量を下げるホルモンの分泌量が下がり尿量が増えるため、脱水症状が起こりやすくなります。
脱水症状は、二日酔いの症状が起こる原因の一つになります。
二日酔いに効く薬の選び方
二日酔いに効く市販薬には、さまざまな有効成分が配合されています。
有効成分によって役割が異なるため、ご自身の症状にあわせて薬を選ぶことが大切です。
二日酔いの症状全般に対して
二日酔いの症状全般に対しては、五苓散(ごれいさん)や茵蔯五苓散(いんちんごれいさん)が含まれている市販薬を選ぶとよいでしょう。
漢方製剤である五苓散や茵蔯五苓散には、体内水分のバランスを調節することで、吐き気や下痢、頭痛などの二日酔いの症状を抑える効果があります。
二日酔いによる胃痛や吐き気、胸焼けなどに対して
二日酔いによる胃痛や吐き気、胸焼けなどの症状に対しては、粘膜修復成分や制酸成分などが含まれている市販薬を選ぶとよいでしょう。
粘膜修復成分には、傷ついた胃粘膜の修復・保護をし、胃酸から胃を守ることで、胃痛や吐き気、胸焼けなどの症状を緩和する働きがあります。
制酸成分には出すぎた胃酸を中和することで、胃痛や吐き気、胸焼けなどの症状を緩和する働きがあります。
| 有効成分 | 効果 |
|---|---|
| 粘膜修復成分 | 胃痛や吐き気、胸焼けなどの症状を緩和 (胃粘膜の修復・保護し胃酸から胃を守る) |
| 制酸成分 | 胃痛や吐き気、胸焼けなどの症状を緩和 (出すぎた胃酸を中和する) |
二日酔いによる下痢に対して
二日酔いによる下痢の症状に対しては、腸運動抑制成分が含まれている市販薬を選ぶとよいでしょう。
腸運動抑制成分には、飲みすぎによる下痢の症状などを緩和する効果があります。
二日酔いによる頭痛に対して
二日酔いによる頭痛の症状に対しては、鎮痛成分と胃粘膜を守る成分が含まれている市販薬を選ぶとよいでしょう。
鎮痛成分には痛みを緩和する働きが、胃粘膜を守る成分には胃の荒れを防ぐ働きがあります。
二日酔いに効く市販薬を紹介
二日酔いに効く市販薬には、さまざまな有効成分が配合されています。
有効成分によって役割が異なるため、ご自身の症状にあわせて薬を選ぶことが大切です。
二日酔い症状全般に効く市販薬
アルピタン|五苓散
| 有効成分 |
|---|
| 五苓散料エキス (タクシャ、チョレイ、ブクリョウ、ビャクジュツ、ケイヒ) |
アルピタンは、五苓散料エキスが配合された市販薬です。
五苓散料エキスが、体内水分のバランスを調節することで、二日酔いの症状(頭痛や吐き気など)をおさえます。
服用回数は1日3回です。
| 効果・効能 |
|---|
|
体力に関わらず使用でき、のどが渇いて尿量が少ないもので、めまい、はきけ、嘔吐、腹痛、頭痛、むくみなどのいずれかを伴う次の諸症:水様性下痢、急性胃腸炎(しぶり腹のものには使用しないこと)、暑気あたり、頭痛、むくみ、二日酔 <効能・効果に関連する注意> |
ツムラ漢方五苓散料エキス顆粒A|五苓散
| 有効成分 |
|---|
| 五苓散エキス(1/2量) (タクシャ・ソウジュツ・チョレイ・ブクリョウ・ケイヒ) |
ツムラ五苓散料エキス顆粒は、五苓散エキスが配合された市販薬です。
五苓散エキスが、体内水分のバランスを調節することで、二日酔いの症状(頭痛や吐き気など)をおさえます。
服用回数は1日2回です。
| 効果・効能 |
|---|
|
体力に関わらず使用でき、のどが渇いて尿量が少ないもので、めまい、はきけ、嘔吐、腹痛、頭痛、むくみなどのいずれかを伴う次の諸症:水様性下痢、急性胃腸炎(しぶり腹 注)のものには使用しないこと)、暑気あたり、頭痛、むくみ、二日酔 注)しぶり腹とは、残便感があり、くり返し腹痛を伴う便意を催すもののことである。 |
アルピタンγ|茵蔯五苓散
| 有効成分 |
|---|
| 茵蔯五苓散料エキス (タクシャ、ブクリョウ、チョレイ、ビャクジュツ、ケイヒ、インチンコウより抽出) |
アルピタンγは、茵蔯五苓散料エキスが配合された市販薬です。
茵蔯五苓散料エキスが、アルコールの分解・代謝を促してだるい酒残りに効果を発揮します。また、体内の水分バランスを調整して体のむくみをおさえます。
服用回数は1日2回です。
| 効果・効能 |
|---|
| 体力中等度以上をめやすとして、のどが渇いて、尿量が少ないものの次の諸症:嘔吐、じんましん、二日酔、むくみ |
胃痛や吐き気、胸焼けなどに効く市販薬
サクロン|胃粘膜の修復・保護をする成分が配合
| 有効成分 |
|---|
|
銅クロロフィリンカリウム |
銅クロロフィリンカリウムが傷ついた胃粘膜の修復・保護をし、無水リン酸水素カルシウム、沈降炭酸カルシウム、水酸化マグネシウムが出すぎた胃酸を中和することで、二日酔いによる胃痛や吐き気、胸焼けなどの症状を緩和、ロートエキスが胃酸の分泌を抑え、胃の痛みを和らげます。
| 効果・効能 |
|---|
|
胸やけ、飲みすぎ、胃痛、胃酸過多、胃もたれ、胃部不快感、胃部膨満感、胃重、胸つかえ、げっぷ、はきけ(むかつき、胃のむかつき、二日酔・悪酔のむかつき、嘔気、悪心)、嘔吐 |
太田胃散|胃の働きを活発にする成分が配合
| 有効成分 |
|---|
| 生薬※ 炭酸水素ナトリウム 沈降炭酸カルシウム 炭酸マグネシウム 合成ケイ酸アルミニウム ビオヂアスターゼ |
※ケイヒ、ウイキョウ、ニクズク、チョウジ、チンピ、ゲンチアナ、ニガキ末
太田胃散は、健胃作用のある生薬や、制酸成分である炭酸水素ナトリウム、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、消化酵素のビオヂアスターゼが配合された市販薬です。
健胃作用のある生薬が胃の働きを活発にし、炭酸水素ナトリウム、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウムが出すぎた胃酸を中和、ビオヂアスターゼが消化を助けることで、二日酔いによる胃痛や吐き気、胸焼け、胃もたれなどの症状を緩和します。
| 効果・効能 |
|---|
|
飲みすぎ、胸やけ、胃部不快感、胃弱、胃もたれ、食べすぎ、胃痛、消化不良、消化促進、食欲不振、胃酸過多、胃部・腹部膨満感、はきけ(胃のむかつき、二日酔・悪酔のむかつき、悪心)、嘔吐、胸つかえ、げっぷ、胃重 |
下痢に効く市販薬
ピタリット
| 有効成分 |
|---|
|
ロペラミド塩酸塩 |
ピタリットは、腸運動抑制成分であるロペラミド塩酸塩が配合された市販薬です。
ロペラミド塩酸塩が活発になりすぎた腸の動きをしずめ、下痢の症状を緩和します。
| 効果・効能 |
|---|
|
下痢、食べすぎ・飲みすぎによる下痢、寝冷えによる下痢、腹痛を伴う下痢、食あたり、水あたり、軟便 |
頭痛に効く市販薬
ロキソニンSプラス
| 有効成分 |
|---|
|
ロキソプロフェンナトリウム水和物 |
ロキソニンSプラスは、鎮痛成分であるロキソプロフェンナトリウム水和物と、胃粘膜を守る成分である酸化マグネシウムが配合された市販薬です。
ロキソプロフェンナトリウム水和物が、二日酔いによる頭痛の症状を緩和します。
また胃粘膜を守る成分である酸化マグネシウムが配合されているため、胃の荒れを防ぐことができます。
| 効果・効能 |
|---|
|
○頭痛・月経痛(生理痛)・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・腰痛・関節痛・神経痛・筋肉痛・肩こり痛・耳痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛 |
市販薬を服用しても二日酔いが治らない時は受診しましょう
市販薬を使用しても二日酔いの症状がおさまらないとき、または症状がひどく市販薬をつかえないときなどは受診するようにしましょう。
また最近ではオンライン診療というサービスがあるため、病院にいかなくても診察や薬の処方をしてもらうこともできます。(医師の判断により、オンライン診療の利用ができない場合や、対面での通院を求められる場合があります。)
二日酔いを予防するため方法
二日酔いを予防するためには、適切な飲酒を心がけることが大事です。
飲酒量について
厚生労働省の『健康日本21』が示す節度ある適度な飲酒量は、1日平均純アルコールで20g程度です。(通常のアルコール代謝能を有する日本人における場合)
ビール(5%)中ビン1本(500mL)、日本酒(15%)1合(180mL)、チューハイ(5%)500mL缶1本、ウィスキー(43%)ダブル1杯(60mL)などが純アルコールでおよそ20gに相当します。
ただし、適度な飲酒量は個人差や年齢などによって異なるため、ご自身にあった適切な量の飲酒を心がけましょう。
女性や65歳以上の高齢者はより少量の飲酒が適当とされています。
■赤型体質の方の飲酒量について
いわゆる赤型体質の方とは、ビールをコップ1杯程度の少量の飲酒でも顔面紅潮、動悸、嘔気、頭痛などのフラッシング反応を起こす人のことを指します。
アルコールの代謝物であるアセトアルデヒドを分解する2型アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)の働きが弱いという特徴があります。
日本や中国、韓国といった東アジアには遺伝子の点突然変異により、酵素の働きが弱い人が少なくありません。
赤型体質の場合、アルコールの分解速度が遅くなるため、飲酒量を控えることが推奨されています。


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