歯痛に効く市販薬|成分の違いや選び方も解説
歯痛に効く市販薬の種類と選び方
歯の痛みに効く市販薬には、飲み薬と塗り薬があります。
飲み薬は、歯科でも処方される痛み止め(解熱鎮痛薬)で、同じ成分の薬が市販されています。飲むだけで済むため使いやすいことが特徴です。
塗り薬は、患部に直接作用するため、年齢問わず、妊娠中・授乳中の方にとっても使いやすい薬です。ただし妊娠中・授乳中は体調が変化しやすいため、医師に相談してから使用しましょう。
歯の痛みに使える市販薬は様々な種類がありますが、いずれかご自身の使いやすい薬をお選びいただけます。ただし市販薬はあくまでも一時的に症状を緩和する対症療法のため、症状が悪化する前にできるだけ早く歯科を受診してください。
歯痛に効く市販薬|飲み薬
歯の痛み止め(解熱鎮痛薬)は、含まれる成分ごとにそれぞれ特徴があるため、特徴に合わせて使いやすい方を選びましょう。
痛み止め(解熱鎮痛薬)に含まれる成分
痛み止め(解熱鎮痛薬)に含まれる成分は、歯科でも処方されているロキソプロフェンなどのNSAIDsと呼ばれるグループとアセトアミノフェンの2つに大きく分けられます。
●NSAIDsとは?
NSAIDsは、非ステロイド性抗炎症薬の略称で、炎症や痛みをおさえる作用がある薬の総称です。痛みの元となるプロスタグランジンの生成をおさえます。
ロキソプロフェンの他にも、イブプロフェンなどの解熱鎮痛成分がNSAIDsに分類されます。
ロキソプロフェン・イブプロフェンの特徴
NSAIDsに分類されるロキソプロフェンやイブプロフェンは、アセトアミノフェンよりも解熱鎮痛効果が高いとされています。
ただし、市販薬では15歳未満の方は服用できず、副作用として胃腸障害が生じることがあるため注意しましょう。
15歳未満の方にはアセトアミノフェンがおすすめ
アセトアミノフェンの市販薬には、15歳未満の方が服用できる小児用の薬もあります。
また、NSAIDsの特徴のひとつである胃腸障害が起こりにくく、授乳中の方にも使いやすい薬です。
| 特徴 | |
|---|---|
| ロキソプロフェン ・ イブプロフェン |
・市販薬では15歳未満は服用できる薬がない ・アセトアミノフェンに比べて解熱鎮痛効果が強い ・アセトアミノフェンに比べて胃への副作用が出やすい |
| アセトアミノフェン |
・15歳未満も服用できる小児用の薬がある ・NSAIDsに比べて解熱鎮痛効果がおだやか ・NSAIDsに比べて胃への副作用が出にくい |
ロキソニンSプラス
| 対象年齢 | 有効成分 |
|---|---|
|
15歳以上 |
ロキソプロフェンナトリウム水和物 |
ロキソニンSプラスは、解熱鎮痛成分ロキソプロフェンナトリウム水和物に加え、胃の粘膜を保護する効果のある酸化マグネシウムを配合しています。
眠くなる成分は含まれていません。
リングルアイビー錠α200
| 対象年齢 | 有効成分 |
|---|---|
|
15歳以上 | イブプロフェン |
有効成分が解熱鎮痛成分イブプロフェンのみのシンプルな薬です。イブプロフェン1回の服用量は、市販薬として最大の200mgを1日3回まで服用できます。
眠くなる成分は含まれていません。
タイレノールA
| 対象年齢 | 有効成分 |
|---|---|
|
15歳以上 | アセトアミノフェン |
アセトアミノフェンはロキソプロフェンやイブプロフェンに比べ、痛み止めとしての効果はおだやかですが、胃への副作用が出にくく、空腹時でも服用できます(※)。
眠くなる成分は含まれていません。
(※)歯の痛みに服用する場合は、空腹時でも服用できますが、風邪による悪寒・発熱がある時には、なるべく空腹時を避け服用する必要があります。
小児用バファリンCⅡ
| 対象年齢 | 有効成分 |
|---|---|
|
3~14歳 |
アセトアミノフェン |
3歳から15歳未満のお子さま用の解熱鎮痛薬です。眠くなる成分も含まれていないため、就学中のお子様でも服用できます。
フルーツ味で、お子さまも比較的飲みやすい小粒の錠剤です。
歯痛に効く市販薬|塗り薬
塗り薬は歯痛に直接作用するため、お子様からお年寄り、妊娠中・授乳中の方もお使いいただけます。ただし、妊娠中や授乳中は体調が変化することがあるため、事前に医師にご相談いただくと安心です。
年齢問わず、妊娠中・授乳中も使える
新今治水は、歯科で使われてきた処方を応用してつくられた歯痛の薬です。虫歯や歯の根など歯の痛いところに直接作用し、痛みを鎮めます。
薬剤がしみ込んだ綿球を虫歯の穴や歯の表面に押し込んで使用します。
歯痛をおさえる薬のため、歯茎には使用できません。
歯茎の腫れや出血があり歯痛を感じる場合
歯茎の腫れや出血をともなう痛みがある場合におすすめです。
デントヘルスRは、歯肉炎・歯槽膿漏における歯茎の腫れ・出血・痛みの他、口のねばりや口臭、口内炎にも効きます。唾液に流されにくい製剤設計で、4種の有効成分が患部にしっかりとどまって効果を発揮します。
歯茎や歯と歯茎(歯肉)の間にある溝に指で塗り込むゲルタイプの薬です。
歯痛の原因
歯痛は、虫歯や知覚過敏など歯自体が原因となる場合や、歯周病や親知らずなど歯を支える歯茎や骨が原因となる場合など様々あります。
歯痛の原因のなかでもよくある虫歯の主な症状は以下の通りです。
| 虫歯の主な症状 |
|---|
|
・熱いものや冷たいものを口に含むと歯がしみる ・痛みが持続する ・叩くと響くような鋭い痛み |
歯の痛みが虫歯と疑われる場合は、一時的な痛み止めとして正露丸を使うことができます。
虫歯の一時的な痛み止めに
正露丸は、食あたりや消化不良による下痢などに効く下痢止めとして知られていますが、虫歯による痛みにも使うことができます。
主成分『日局木(もく)クレオソート』が、歯の鎮痛鎮静や根管の消毒に効果を現します。痛みのある歯に直接詰めて使い、詰めたままにしておくと自然に溶けます。ただし、虫歯に対しては一時的な鎮痛作用のみで治療の効果はありません。なるべく早く歯科医師の治療を受けてください。
歯痛の対処法
歯が痛くてなかなか眠れない、病院にすぐ行けないなどの時には、痛み止めを服用する以外に以下のような対処法もあります。
- ●患部を冷やす
- 氷をくるんだタオルや水で濡らしたタオルで頬側から冷やす、もしくは解熱シートを頬に貼ると、血流が鈍くなって痛みをやわらげることができます。ただし、ひどい虫歯などで痛みが強い場合、冷やすとかえって痛みが増すことがあるので様子を見て判断しましょう。
- ●口の中を掃除する
- 歯や歯茎に詰まった食べかすが神経を圧迫していることもあるため、歯ブラシやぬるま湯で口をゆすぐなどして、口の中をきれいにします。
-
気をつけた方がよいこと
歯痛を感じている時に気をつけた方がよいこともいくつかあります。
- ●歯を触る
- 痛んでいる歯を触ってしまうと、刺激を与えることで痛みが増すことがあります。手の雑菌が患部に付き、症状が悪化する可能性もあるため、必要以上に歯をいじるのはやめましょう。
- ●お酒を飲む
- アルコールの摂取は一時的に痛覚が鈍くなることもありますが、血液の循環が盛んになると神経が圧迫され、かえって痛みが増すこともあります。
- ●熱い風呂、激しい運動など
- 血行をよくすることで痛みを増幅させてしまうため、患部を直接温めるのはもちろん、体を温めるような行為はお控えください。
- 強い歯痛がある場合は体温が上がる長時間の入浴を避け、シャワーで汗を流すとよいでしょう。


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