花粉などによる目の症状に効く目薬を紹介|コンタクトをしたまま使用していい?【花粉症】
花粉などによる目のアレルギー症状があらわれる理由|コンタクト装着時の注意点
花粉などによる目のアレルギー症状(目のかゆみや充血など)は、空気中に浮遊する異物などが目の粘膜に付着することであらわれます。
空気中に浮遊している花粉などの異物が目の粘膜に付着すると、体の細胞からヒスタミンなどの物質が放出されます。
そして、放出されたヒスタミンなどの物質によって、目のアレルギー症状(目のかゆみや充血など)があらわれます。
花粉症の時期におけるコンタクト装着時の注意点
花粉が飛散している時期や、花粉による目のアレルギー症状があらわれているときにコンタクトを使用すると、コンタクトに花粉や目やにが付着します。
コンタクトに付着した花粉や目やになどの汚れは、花粉などによる目のアレルギー症状を悪化させる原因になります。
花粉症の時期はなるべくコンタクトの使用は避けたほうが良いでしょう。
花粉による目のアレルギー症状に使用される点眼液|コンタクト装着時の使用可否
花粉による目のアレルギー症状(目のかゆみ、充血など)には、抗アレルギー点眼液が使用されます。
なおコンタクト装着中の抗アレルギー点眼液の使用に関しては『花粉性結膜炎患者における花粉飛散期のコンタクトレンズ装用について|日本眼科アレルギー学会』のなかで、花粉による目の症状があるときは、原則としてコンタクトの使用を中止し、抗アレルギー点眼液による治療を推奨すると記載があります。
参照:花粉性結膜炎患者における花粉飛散期のコンタクトレンズ装用について|日本眼科アレルギー学会
コンタクト装着中に抗アレルギー点眼液の使用を推奨しない理由
コンタクト装着中に抗アレルギー点眼液の使用を推奨しない理由は、点眼液に含有される防腐剤のコンタクトへの付着、コンタクト素材と点眼液の相性によって『コンタクトの変形等』が起こる場合があるからです。
また防腐剤であるベンザルコニウムについては、コンタクトに吸着して角膜炎を起こしたという報告もあります。
ただし、1DAYコンタクトの場合は、1日で使い捨てるため影響が少なく、医師によってはコンタクト装着中に点眼してもトラブルが少ないと判断する場合があります。
花粉症の時期でもコンタクトを使用したい方は、眼科医に相談したうえで、適切な使用方法を検討しましょう。
市販の目薬の選び方|コンタクトをしたまま使える目薬はある?
花粉などによる目の症状(目のかゆみや充血など)は、市販されている目薬で症状を軽減することができます。
ただし、市販のアレルギー専用目薬で、コンタクトをしたまま使える目薬はありません。
市販のアレルギー専用目薬を使用するときには、コンタクトを外した状態で使用してください。
また、市販のアレルギー専用目薬を点眼後、5〜10分はコンタクトをしないでください。
■コンタクト装着中の目のかゆみ対策
コンタクト装着中の目のかゆみに対しては、抗ヒスタミン成分が配合された目薬の使用や人工涙液による洗眼がおすすめです。
ただし、抗ヒスタミン成分には、アレルギー反応を引き起こす物質の放出をおさえる効果はありません。
花粉などによる目の症状に効く目薬の選び方
花粉などによる目の症状(目のかゆみや充血など)に使用される目薬には、様々な有効成分が配合されています。
有効成分によって役割が異なるため、ご自身の症状にあわせて薬を選ぶことが大切です。
市販の目薬に配合されている主な有効成分
花粉などの目の症状には、抗アレルギー成分(ケミカルメディエーター遊離抑制成分・抗ヒスタミン成分)が配合された目薬を選びましょう。
ケミカルメディエーター遊離抑制成分は、アレルギー反応を起こす物質の放出を抑えることで、目のかゆみや充血を緩和する効果があります。
また、目薬に配合されている抗ヒスタミン成分は、目のかゆみを直接おさえる効果があり、抗炎症成分は充血の原因のひとつとなる目の炎症をおさえる効果があります。
特に目のかゆみや充血が気になる方は、ケミカルメディエーター遊離抑制成分に加えて抗ヒスタミン成分や抗炎症成分が配合された目薬がおすすめです。
| 有効成分 | 効果 |
|---|---|
|
ケミカルメディエーター |
目のかゆみや充血を緩和する |
|
抗ヒスタミン成分 |
目のかゆみを直接おさえる |
|
抗炎症成分 |
目の炎症を緩和 |
花粉による目の症状には洗眼薬でのセルフケアも
花粉による目の症状に対しては『アレルギー性結膜炎疾患診療ガイドライン|診断と治療のポイント』のなかで、人工涙液による洗眼をセルフケアとして推奨しています。
セルフケアとして洗眼をおこなうと、目の表面の花粉などを洗い流し、アレルギー炎症などに関与する異物を除去できます。
ただし、市販されているカップ式の洗浄器具は、目の周囲についている花粉なども洗浄液の中に浮遊して目の中に入ってしまうため、推奨されていません。
参照:アレルギー性結膜炎疾患診療ガイドライン|診断と治療のポイント
花粉などによる目の症状(かゆみ、充血など)に効く市販の目薬を紹介
■コンタクト装着中の使用不可|抗アレルギー成分配合の目薬
■コンタクト装着中の使用可|抗ヒスタミン成分配合の目薬
■コンタクト装着中の使用可|点眼型洗眼薬
コンタクト装着中の使用不可|抗アレルギー成分配合の目薬
アレジフェンス|抗アレルギー成分のみ配合
| 有効成分 | コンタクト装着中の 使用可否 |
|---|---|
| アシタザノラスト水和物 |
ソフト:☓ ハード:☓ カラー:☓ |
アレジフェンスは、ケミカルメディエーター遊離抑制成分であるアシタザノラスト水和物のみが配合されたシンプルな目薬です。
アシタザノラスト水和物が、アレルギー症状を引き起こす化学伝達物質の放出をおさえることで『目のかゆみ、目の充血、なみだ目』などのアレルギー症状を緩和します。
アレジフェンスは、小ボトルのため、外出の際の持ち歩きにも便利です。
| 効果・効能 |
|---|
| 花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる次のような目のアレルギー症状の緩和:目の充血、目のかゆみ、目のかすみ(目やにの多いときなど)、なみだ目、異物感(コロコロする感じ) |
ロートアルガードクリアマイルドZ|スーッとした使い心地が苦手な方に
| 有効成分 | コンタクト装着中の 使用可否 |
|---|---|
| ・クロモグリク酸ナトリウム ・クロルフェニラミンマレイン酸塩 ・プラノプロフェン ・コンドロイチン硫酸エステルナトリウム |
ソフト:☓ ハード:☓ カラー:☓ |
ロートアルガードクリアマイルドZは、ケミカルメディエーター遊離抑制成分であるクロモグリク酸ナトリウムと、抗ヒスタミン成分であるクロルフェニラミンマレイン酸塩が配合された目薬です。
クロモグリク酸ナトリウムとクロルフェニラミンマレイン酸塩が、アレルギー症状を緩和し、つらい目のかゆみなどの症状に効果を発揮します。
また抗炎症成分のプラノプロフェンが、充血などの症状に効果を発揮します
さらに清涼剤無添加のため、スーっとした使い心地が苦手な方にオススメです。
| 効果・効能 |
|---|
| 花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる次のような目のアレルギー症状の緩和:目の充血、目のかゆみ、目のかすみ(目やにの多いときなど)、なみだ目、異物感(コロコロする感じ) |
コンタクト装着中の使用可|抗ヒスタミン成分配合の目薬
ロートアルガードコンタクトα|コンタクト装着中の目のかゆみ・不快感に効く
| 有効成分 | コンタクト装着中の 使用可否 |
|---|---|
| ・クロルフェニラミンマレイン酸塩 ・コンドロイチン硫酸エステルナトリウム ・ビタミンB6(ピリドキシン塩酸塩) |
ソフト:◯ ハード:◯ カラー:☓ |
ロートアルガードコンタクトαは、ソフトコンタクトレンズ(カラーコンタクトレンズを除く)及びハードコンタクトレンズ(酸素透過性を含む)装用中にも使用できる目薬です。
抗ヒスタミン成分であるクロルフェニラミンマレイン酸塩が配合され、コンタクト装着中の目のかゆみ・不快感に効果を発揮します。
ただし、ロートアルガードコンタクトαには、ケミカルメディエーター遊離抑制成分が配合されていないため、アレルギー反応を引き起こす物質の放出をおさえる効果はありません。
ロートアルガードコンタクトαはコンタクト装用中の一時的な使用にとどめ、コンタクトを外しているときは、ケミカルメディエーター遊離抑制成分が配合された目薬の使用をおすすめします。
| 効果・効能 |
|---|
| 目のかゆみ、目の疲れ、眼病予防(水泳のあと、ほこりや汗が目に入ったときなど)、紫外線その他の光線による眼炎(雪目など)、ソフトコンタクトレンズ又はハードコンタクトレンズを装着しているときの不快感、目のかすみ(目やにの多いときなど) |
アイリスAGコンタクト|花粉などによる目のかゆみに
| 有効成分 | コンタクト装着中の 使用可否 |
|---|---|
| ・クロルフェニラミンマレイン酸塩 ・イプシロン-アミノカプロン酸 ・硫酸亜鉛水和物 ・タウリン ・パンテノール |
ソフト:◯ ハード:◯ カラー:☓ |
アイリスAGコンタクトは、裸眼にもコンタクトレンズ(使い捨て、ソフト、O2、ハード)使用時にも使用できる目薬です。
清涼化剤(メントール)、防腐剤(ベンザルコニウム塩化物、パラベン)が配合されていないため、目にしみにくい設計です。
ただし、アイリスAGコンタクトには、ケミカルメディエーター遊離抑制成分が配合されていないため、アレルギー反応を引き起こす物質の放出をおさえる効果はありません。
アイリスAGコンタクトはコンタクト装用中の一時的な使用にとどめ、コンタクトを外しているときは、ケミカルメディエーター遊離抑制成分が配合された目薬の使用をおすすめします。
| 効果・効能 |
|---|
| 目のかゆみ、紫外線その他の光線による眼炎(雪目など)、眼病予防(水泳のあと、ほこりや汗が目に入ったときなど)、目の疲れ、目のかすみ(目やにの多いときなど)、ソフトコンタクトレンズ又はハードコンタクトレンズを装着しているときの不快感 |
コンタクト装着中の使用可|点眼型洗眼液
ウェルウォッシュアイ|目の洗浄に
| 有効成分 | コンタクト装着中の 使用可否 |
|---|---|
| ホウ酸 |
ソフト:◯ ハード:◯ カラー:☓ |
ウェルウォッシュアイは、裸眼でもコンタクトをしたままでも(カラーコンタクトは除く)目の洗浄ができる点眼型洗眼薬です。
最小用量の4滴点眼することで、コンタクト(ソフト・ハード)装着の有無に関わらず40µm径(スギ花粉相当)の汚れを模したビーズを洗浄できることが確認できています。※ウサギによる非臨床試験の結果
また、ウェルウォッシュアイは、市販されているカップ式の洗浄器具ではなく点眼型洗眼薬のため、目の周囲についている花粉などを目にいれることなく『目の表面だけ』を洗浄することができます。
ウェルウォッシュアイは、コンタクトをしたままでも(カラーコンタクトは除く)使用できますが、少しでも異常を感じた場合は、コンタクトをはずし、速やかに眼科を受診してください。
■注意点
|
・ウェルウォッシュアイは洗眼薬であり、治療を目的とした点眼薬ではありません。 ・ウェルウォッシュアイは、コンタクトレンズ洗浄液ではありません。 |
| 効果・効能 |
|---|
| 目の洗浄(ハードコンタクトレンズまたはソフトコンタクトレンズを装着しているときも含む)、眼病予防(水泳のあと、ほこりや汗が目に入ったときなど) |
市販の目薬を使用するときの注意点
ここでは市販の目薬を使用する際の主な注意点について解説します。
正しい使い方について
■市販の目薬の使い方
目薬の使用は以下の流れで行ってください。正しく使うことで薬の効果を十分に発揮することができます。
1.手を洗う
点眼の際に、目の周りや容器の先に手が触れてしまうことがあるため、手をしっかりと洗い、清潔な状態にしてから使用してください。
2.点眼する
下まぶたを指で下に軽く引っ張り、下まぶたの内側に点眼します。
点眼時に容器がまぶたやまつ毛に触れないようにしましょう。皮膚などに付着しているほこりや雑菌が容器に付着しないように注意してください。
3.拭き取る
溢れた点眼液は清潔なガーゼやティッシュで拭き取りましょう。そのままにしておくと、目の周りの皮膚が、点眼液でかぶれてしまうおそれがあります。
4.目を閉じる
点眼後は1~5分程度目を閉じるか、目頭を軽く押さえ、成分を目全体に行き渡らせましょう。
■ウェルウォッシュアイの使い方
1.あふれた液を吸い取るために、事前に清潔なティッシュなどを準備してください。
2.清潔な手で下まぶたを引っ張り、洗い流すように、1回4〜6滴、1日3〜6回点眼することにより目を洗浄してください。
3.点眼する時は、容器の先がまぶたやまつ毛、目に触れないように注意してください。※まばたきをしても構いません。
アレルギー用目薬とウェルウォッシュアイの併用について
アレルギー用目薬とウェルウォッシュアイを併用する場合には、先にウェルウォッシュアイを使用し、少なくとも5分以上の間隔をあけてからアレルギー用目薬を使用してください。
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昭和大学大学院薬学研究科修了
昭和大学薬学部客員講師
株式会社ミナカラ / ミナカラ薬局
薬局、ドラッグストアで臨床経験を積み、その後昭和大学薬学部の教員、チェーンドラッグストア協会の教育機関でOTCの研修講師を務める。
【著書】
•現場で差がつく! もう迷わない! ユーキャンの登録販売者お仕事マニュアル 症状と成分でわかるOTC薬
•現場で差がつく! ユーキャンの新人登録販売者お仕事マニュアル

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