
ED(勃起不全)治療薬は市販で買える?バイアグラ®︎と市販薬の違いも解説


ED(勃起不全)に効く市販薬はある?
ED治療薬とは一般的に、病院で処方されるバイアグラ*1錠・レビトラ*2錠・シアリス*3錠といった医療用医薬品のことを指します。
これらと同じ有効成分が配合された市販薬はありませんが、男子更年期及び更年期以後における勃起力減退などの改善が期待できる薬は市販されています。
■市販薬に配合されている主な成分
市販薬には主に、男性ホルモン(メチルテストステロン・テストステロン)などの成分が配合されています。
バイアグラ*1(ED治療薬)と市販薬の違い
バイアグラ*1などのED治療薬(医療用医薬品)と市販薬では、認められた効能効果などが異なります。
バイアグラ*1は、効能効果として「勃起不全」が認められており、市販されている精力剤(男性ホルモン配合薬)では、男子更年期及び更年期以後における「勃起力減退」や「精力減退」などの効果が認められています。
バイアグラ*1の効果・効能
勃起不全(満足な性行為を行うに十分な勃起とその維持が出来ない患者)
金蛇精(糖衣錠)の効果・効能
1. 男子更年期障害及びその随伴症状
精力減退、視力減退、記憶力減退、全身倦怠、頭重、五十肩
2. 男子更年期以降に於ける男性ホルモン分泌不足による諸症
性欲欠乏、性感減退、勃起力減退、陰萎、遺精
市販の精力剤(男性ホルモン配合)を紹介
市販の精力剤には、飲み薬である金蛇精や、塗り薬であるグローミン、トノスなどがあるため、ご自身にあった薬をお選びください。
金蛇精|飲み薬
| 有効成分 | ||
|---|---|---|
| メチルテストステロン | DL-メチオニン | ルチン水和物 | 
| チアミン硝化物 | リボフラビン | ニコチン酸アミド | 
| アスコルビン酸 | タウリン | ニンジン | 
| オウレン | ハンピ末 | カシュウ末 | 
| インヨウカク末 | サンヤク末 | ビャクシ末 | 
金蛇精は、男性ホルモン(メチルテストステロン)や動物性・植物性生薬などが配合された市販の飲み薬です。
男子更年期障害及びその随伴症状(精力減退、視力減退、記憶力減退、全身倦怠、頭重、五十肩)と男子更年期以降における、男性ホルモン分泌不足による性欲欠乏や性感減退、勃起力減退などの改善に効果が期待できます。
グローミン|塗り薬
| 有効成分 | 
|---|
| テストステロン(男性ホルモン) | 
グローミンは、男性ホルモン(テストステロン)のみが配合された市販の塗り薬で、男性ホルモン分泌不足による性器の神経衰弱の症状(勃起力減退や性欲欠乏など)の改善に効果が期待できます。
トノス|塗り薬
| 有効成分 | 
|---|
| テストステロン(男性ホルモン) アミノ安息香酸エチル プロカイン塩酸塩 ジブカイン塩酸塩 ジフェンヒドラミン塩酸塩 | 
トノスは、男性ホルモン(テストステロン)や局所麻痺成分(アミノ安息香酸エチル、プロカイン塩酸塩、ジブカイン塩酸塩)などが配合された市販の塗り薬です。
男子更年期障害や男性性器神経衰弱症による早漏、勃起力減退などの改善に効果が期待できます。
プリズマホルモン軟膏|塗り薬
| 有効成分 | 
|---|
| テストステロン | 
プリズマホルモン軟膏は、男性ホルモン(テストステロン)を配合した塗り薬です。
男性ホルモン分泌不足による神経衰弱諸症(早漏、勃起力減退、精力減退、イライラ等の症状)、男性更年期の諸症状に効果があります。
市販薬を使用するときの注意点
ここでは金蛇精、グローミン、トノスの使用方法・注意点について解説します。
詳しい使用方法・注意点については、使用前に添付文書を確認してください。
使用方法
市販薬を使用するときは、用法用量を守ってください。
■金蛇精の使用方法
下記の量のを水またはお湯で服用してください。
| 年齢 | 1回量 | 1日服用回数 | 
|---|---|---|
| 成人(15歳以上) | 3錠 | 2〜3回 | 
*15歳未満の方は服用しないでください。
■グローミンの使用方法
適当量を局所に塗擦してください。推奨されている使用方法としては、1回2cm程度を1日2回(朝・晩)、陰のう、あご下または腹部等によくすり込んでください。(症状改善後は1日1回)*男性の場合
■トノスの使用方法
男子更年期障害には、患部又は皮膚の柔らかい部分に毎日1回、約0.1g(小豆大)ずつよくすりこむように塗り、症状が良くなったら1日おき又は週2回にします。
男性性器神経衰弱症(早漏、勃起力減退等)には、直接性器に塗ってください。
推奨されている使用方法としては以下になります。
| 早漏等射精時間の 遅延化 | 1回5mmを行為20〜30分前に、亀頭部に塗ってください | 
|---|---|
| 勃起力、精力減退等の 症状の改善 | 1回5mmを1日1回、陰のう部(睾丸)に塗ってください | 
使用してはいけない方
下記の方は金蛇精、グローミン、トノスを使用しないでください。
■金蛇精を使用してはいけない方
| ・アンドロゲン依存性腫瘍(例えば前立腺癌)及びその疑いのある方 ・肝機能障害がある方 ・女性 ・15歳未満の小児 ・ワルファリンカリウム等の抗凝血薬、男性ホルモンを含んだ医薬品、他の勃起不全治療薬を使用中の方 | 
■グローミンを使用してはいけない方
| ・グローミンの成分にアレルギー症状を起こしたことが有る方 | 
■トノスを使用してはいけない方
| ・トノスの成分にアレルギー症状を起こしたことが有る方 ・使用前にトノスをチューブから5mm程度出し、内股などの皮膚のうすい所にすり込んで、翌日中に薬疹、発赤、かゆみ、かぶれ、はれなどの症状が現れた方 ・アンドロゲン依存性腫瘍(例えば前立腺癌、乳腫瘍(悪性))及びその疑いのある方 ・女性 ・小児(15歳未満) ・排尿困難を伴う前立腺肥大のある方 ・前立腺検査※の結果、前立腺特異抗原(PSA)の値が2.0ng/ml以上の方(医師の判断に従ってください) ※本剤の有効成分(テストステロン)は前立腺腫瘍を進行させるおそれがあります。 a)特に50歳以上の男性は前立腺腫瘍の罹患率が高まるため、トノスのご使用前に前立腺検査を受ける必要があります。 b)継続的にご使用の人は定期的な検査を受ける必要があります。 c)検査の結果、異常があった場合にはただちにトノスのご使用を中止して、医師または薬剤師に相談してください。 ・睡眠時無呼吸症候群である方 | 
ED(勃起不全)とは
EDとは、満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない状態が持続または再発することをさします。
EDが起こる原因
EDが起こる原因には、主に器質性ED・心因性ED・混合性EDの3つのタイプがあります。
■器質性ED
動脈硬化や神経が障害される病気(糖尿病など)、陰茎海綿体※の血管や神経を損傷するような手術・外傷などが原因でおこるEDのことを、器質性EDといいます
※海綿体:スポンジ状の構造で、陰茎(ペニス)の形状などをつかさどる組織のこと
■心因性ED
仕事や家庭内のストレスや性交がうまくいかなかったトラウマなど、精神的なストレスなどが原因でおこるEDのことを、心因性EDといいます。
■混合性ED
器質性EDと心因性EDの原因が合わさることで起こるEDのことを、混合性EDといいます。
ED(勃起不全)の治療薬|医療用医薬品
通常、勃起はcGMP(環状グアノシン一リン酸)の働きによって、陰茎海綿体※に大量の血液が流れ込むことでおこります。
※海綿体:スポンジ状の構造で、陰茎(ペニス)の形状などをつかさどる組織のこと
陰茎海綿体には、cGMPを分解する酵素であるPDE5(ホスホジエステラーゼ5)があり、PDE5が機能すると勃起がしずまります。
ED治療薬は、PDE5を阻害し、cGMPの量を増やすことで勃起不全に効果をあらわします。
日本で認可されているED治療薬
日本で認可されているED治療薬(医療用医薬品)は、バイアグラ*1錠・レビトラ*2錠・シアリス*3錠の3つと、そのジェネリック医薬品だけです。(2024年7月時点)
■バイアグラ*1錠
バイアグラ*1錠は、シルデナフィルクエン酸塩が配合されたED治療薬です。
バイアグラ*1錠については、以下の記事で詳しく解説しています。
■レビトラ*2錠
レビトラ*2錠は、バルデナフィル塩酸塩水和物が配合されたED治療薬です。
なおレビトラ*2錠5・10・20mgについては、生産及び入荷のめどがたたないという理由により、2021年10月より販売中止となっています。
■シアリス*3錠
シアリス*3錠は、タダラフィルが配合されたED治療薬です。
シアリス*3錠については、以下の記事で詳しく解説しています。
ED治療薬の入手方法
ED治療薬(医療用医薬品)を処方してらもらうためには、医療機関の受診が必要です。
なお最近では、オンライン診療というサービスがあるため、病院にいかなくても診察や薬の処方をしてもらうこともできます。(医師の判断により、オンライン診療の利用ができない場合や、対面での通院を求められる場合があります)
ED治療薬が保険適用される場合
2022年4月より勃起不全による男性不妊の治療を目的とする場合に限り、バイアグラ*1錠、バイアグラ*1ODフィルム、シアリス*3錠が保険適用されるようになりました。
ED治療薬のネット通販や個人輸入代行業者などの利用に注意
ED治療薬(医療用医薬品)を、ネット通販(個人輸入など)や個人輸入代行業者などから購入する場合は、下記のリスクがあるため注意が必要です。
| ・個人輸入で入手した医薬品で発生する問題はすべて自己責任となる | 
医師から処方された医療用医薬品で重大な副作用が起きた場合は、医薬品副作用被害救済制度などで補償されることがあります。
しかし、ネット通販(個人輸入など)や個人輸入代行業者などから購入する医療用医薬品の場合は、すべて補償の対象外になります。
ネット通販(個人輸入など)や個人輸入代行業者にはさまざまな危険がともなうおそれがあるため、ご自身の安全のためにも、病院を受診し適切な薬を処方してもらいましょう。
※1 バイアグラはヴィアトリス・スペシャルティ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニーの登録商標です。
※2 レビトラはバイエル・インテレクチュアル・プロパティ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツングの登録商標です。
※3 シアリスはイーライ リリー アンド カンパニーの登録商標です。


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