風邪に抗生物質は効かない？風邪の症状に効く市販薬を紹介

風邪に抗生物質は効く？

風邪は、鼻や喉の粘膜に起こるウイルス感染症によって引き起こされます。

そのため、細菌の増殖を抑えたり、細菌を殺したりする働きがある抗生物質は、風邪には効きません。

風邪に対する抗生物質の使用については、厚生労働省が作成した『抗微生物薬適正使用の手引き第二版』においても、以下のように記載されています。

感冒に対しては、抗菌薬投与を行わないことを推奨する

引用：厚生労働省健局​​​​​​結核感染症課｜微生物薬適性使用の手引第二版

風邪に抗生物質が処方されなくなった背景

以前は、風邪に対して抗生物質が処方されていました。

しかし、現在は薬剤耐性（AMR）をもつ菌が増加している背景もあり、抗生物質が効かない風邪への抗生物質の処方はおこなわれなくなっています。

■薬剤耐性（AMR）とは

薬剤耐性（AMR）とは、感染症の原因となる細菌に抗生物質が効かなくなることをいいます。

薬剤耐性（AMR）が広がると、感染症の流行リスクが高まったり、重症化のリスクが高まったりするなどの問題がおこります。

風邪などのウイルス感染症に、不必要に抗生物質を使用すると、薬剤耐性（AMR）をもつ菌が増える原因となります。

風邪で抗生物質が処方される場合

一度症状がおさまってから再度悪化したなど、二次的な細菌感染症が疑われる場合や、二次的な細菌感染を防ぐ目的がある場合、医師から抗生物質を処方されることがあります。

抗生物質が必要となる病気には、中耳炎や肺炎、副鼻腔炎などがあります。

風邪の症状があらわれたときの対処法

風邪と、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザの症状は非常に似ています。

そのため、発熱などの風邪の症状があらわれこれらの病気が疑われる場合、まずは抗原定性検査キットでセルフチェックをしましょう。

抗原定性検査キットは、国が承認した医薬品の抗原定性検査キットを使用してください。

国が承認した医薬品の抗原定性検査キットには、「体外診断用医薬品」もしくは「第1類医薬品」と明記されています。

■新型コロナウイルスの抗原定性検査キット｜第1類医薬品

ミナカラでは、以下の医薬品の抗原定性検査キット（第1類医薬品）を取り扱っています。

 

 

風邪をひいたときは悪化の予防に努める

風邪をひいた場合は、以下のことを心がけ、風邪の悪化の予防に努めましょう。

・十分な休息をとる ・消化のよいバランスのとれた食事をとる ・脱水を防ぐためにしっかりと水分をとる ・しっかりと保温をして体を冷やさないようにする　など

ただし、風邪の症状によって睡眠がとれなかったり、食事や水分が思うようにとれなかったりするなど、体力の消耗につながる症状がある場合は、市販薬によって症状をおさえることも選択肢の一つです。

風邪の症状に効く市販薬の選び方

発熱と鼻水、咳と頭痛など複数の症状がある場合は、風邪の症状に効くさまざまな有効成分が配合された総合感冒薬を選ぶと良いでしょう。

ただし​​​​​​総合感冒薬には、有効成分の数が増えることによって、眠気などの副作用が起こる可能性が高くなるという特徴があります。

そのため、発熱だけ、のどの痛みだけなど、症状が限られている場合は総合感冒薬ではなく、症状に合った成分だけを配合した薬を選ぶことをおすすめします。

なお、抗生物質が配合された市販の飲み薬は、販売されていないため、ドラッグストアなどで購入することはできません。

発熱を緩和したい	解熱鎮痛薬
喉の痛みを緩和したい	抗炎症成分配合の薬
複数の症状を緩和したい	総合感冒薬

発熱に効く市販薬

発熱を緩和したい場合は、アセトアミノフェンやNSAIDs（イブプロフェン、ロキソプロフェンなど）が配合された解熱鎮痛薬がおすすめです。

■アセトアミノフェンとNSAIDsの違い

アセトアミノフェンは、NSAIDsに比べて効果がおだやかですが、胃腸障害が比較的起こりにくいという特徴があります。

一方、NSAIDsは、アセトアミノフェンよりも解熱鎮痛効果が高いとされていますが、副作用として胃腸障害があらわれることがあります。

ロキソニンS

解熱鎮痛効果をもつロキソプロフェンナトリウム水和物のみが配合された錠剤タイプの飲み薬です。眠くなる成分は配合されていません。

1～2回使用しても症状がよくならない場合は、市販薬の使用をやめ、病院を受診するようにしましょう。

リングルアイビーα200

解熱鎮痛効果をもつイブプロフェンのみが配合されたカプセルタイプの飲み薬です。眠くなる成分は配合されていません。

3〜4回使用しても症状がよくならない場合は、市販薬の使用をやめ、病院を受診するようにしましょう。

ノーシン散剤

解熱鎮痛効果をもつアセトアミノフェンとエテンザミド、痛みをおさえる働きを助けるカフェイン水和物が配合された散剤タイプの飲み薬です。眠くなる成分は配合されていません。

5〜6回服用しても症状がよくならない場合は、市販薬の服用をやめ、病院を受診するようにしましょう。

タイレノールA

解熱鎮痛効果をもつアセトアミノフェンのみが配合された錠剤タイプの飲み薬です。眠くなる成分は配合されていません。

5～6回使用しても症状がよくならない場合は、市販薬の使用をやめ、病院を受診するようにしましょう。

喉の痛みに効く市販薬

喉の痛みを緩和したい場合は、抗炎症成分が配合された市販薬がおすすめです。

抗炎症成分が配合された市販薬には、トラネキサム酸が配合された飲み薬があり、のどの炎症によるのどの痛み・はれなどに効果をあらわします。

トラフル錠

トラネキサム酸とカンゾウ乾燥エキスが配合された錠剤タイプの飲み薬です。

痛くて食べるのもつらいような、のどの痛み・腫れに効果を発揮します。7歳から服用できます。

5〜6日服用しても症状がよくならない場合は、市販薬の服用をやめ、病院を受診するようにしましょう。

ハレナース

トラネキサム酸とカンゾウエキスが配合された顆粒タイプの飲み薬です。

痛くて食べるのもつらいような、のどの痛み・腫れに効果を発揮します。7歳から服用できます。

水なしでも飲めて、患部に気持ちいい冷感がとどきます。

5〜6日服用しても症状がよくならない場合は、市販薬の服用をやめ、病院を受診するようにしましょう。

鎮痛カプセルａ

トラネキサム酸と解熱鎮痛成分イブプロフェンが配合されたカプセルタイプの飲み薬です。

痛くて食べるのもつらいような、のどの痛み・腫れに効果を発揮します。また、発熱にも効果を発揮します。

15歳から服用できます。

5〜6回服用しても症状がよくならない場合は、市販薬の服用をやめ、病院を受診するようにしましょう。

複数の症状に効く市販薬

発熱と鼻水、咳と頭痛など複数の症状がある場合は、風邪の症状に効くさまざまな有効成分が配合された総合感冒薬がおすすめです。

ベンザブロックLプレミアム錠

解熱鎮痛成分や喉の痛みを和らげる成分、鼻づまりを和らげる成分、鼻水・くしゃみを和らげる成分、咳を和らげる成分、痰を和らげる成分が配合された錠剤タイプの総合感冒薬です。

風邪の諸症状に効果をあらわします。15歳から服用できます。

5〜6回服用しても症状がよくならない場合（特に熱が3日以上続いたり、また熱が反復したりするとき）は、市販薬の服用をやめ、病院を受診するようにしましょう。

パブロンSゴールドW微粒

解熱鎮痛成分や痰を和らげる成分、咳を和らげる成分、鼻水・くしゃみを和らげる成分が配合された微粒タイプの総合感冒薬です。

風邪の諸症状に効果をあらわします。12歳から服用できます。

5〜6回服用しても症状がよくならない場合は、市販薬の服用をやめ、病院を受診するようにしましょう。

新コンタックかぜＥＸ持続性

解熱鎮痛成分や咳止め成分、気管支を広げる成分、鼻水をとめる成分が配合されたカプセルタイプの総合感冒薬です。

風邪の諸症状に効果をあらわします。15歳から服用できます。

3〜4回服用しても症状がよくならない場合は、市販薬の服用をやめ、病院を受診するようにしましょう。

ベンザブロックYASUMO

解熱鎮痛成分や喉の痛みを和らげる成分、鼻水を緩和する成分、咳を緩和する成分が配合された錠剤タイプの総合感冒薬です。

風邪の諸症状に効果をあらわします。15歳から服用できます。

5〜6回服用しても症状がよくならない場合は、市販薬の服用をやめ、病院を受診するようにしましょう。