蕁麻疹に効く漢方薬の選び方|抗ヒスタミン薬との違いは?
蕁麻疹に効く漢方薬の選び方
蕁麻疹に効く漢方薬には、十味敗毒湯や消風散、茵蔯五苓散があり、それぞれ適した症状が異なります。
蕁麻疹に効く漢方薬を選ぶときは、ご自身の症状や体質に適したものを選びましょう。
| 十味敗毒湯 | 皮膚の赤みやかゆみ、痛み、化膿を伴う蕁麻疹に |
|---|---|
| 消風散 | 強いかゆみや、多くの分泌物が伴う蕁麻疹に |
| 茵蔯五苓散 | むくみやかゆみを伴う蕁麻疹に |
■十味敗毒湯がおすすめな方
十味敗毒湯は、皮膚の赤みやかゆみ、痛み、化膿を伴う蕁麻疹があらわれている方におすすめの漢方薬です。
皮膚の赤みや、かゆみのあらわれはじめに適しています。
十味敗毒湯には、かゆみを抑える働きや化膿を鎮める働き、皮膚の腫れ・赤みをとる働きがあります。
■消風散がおすすめの方
消風散は、強いかゆみや、多くの分泌物が伴う蕁麻疹があらわれている方におすすめの漢方薬です。
夏場の高温多湿な時期に、皮膚のかゆみや炎症が悪化する方に適しています。
消風散には、かゆみを鎮める働きや、炎症や熱感などを抑える働きがあります。
■茵蔯五苓散がおすすめの方
茵蔯五苓散は、むくみやかゆみを伴う蕁麻疹があらわれている方におすすめの漢方薬です。
口の渇きがある、尿量が減った、むくみがある方に適しています。
茵蔯五苓散には、肝臓を保護する働きや、体の水分バランスを調整する働きがあります。
はじめに使用する薬は抗ヒスタミン薬
蕁麻疹があらわれた場合、漢方薬ではなく、第2世代の抗ヒスタミン薬がはじめに使用する薬としておすすめです。
抗ヒスタミン薬の使用については、「蕁麻疹診療ガイドライン2018」のなかでも、第2世代の抗ヒスタミン薬が、蕁麻疹にまずはじめに使用される薬として推奨されています。
一方で、漢方薬については、抗ヒスタミン薬を使用しても蕁麻疹の症状が緩和されない場合や、他に治療法がない場合の選択肢の一つとして、使用が推奨されています。
蕁麻疹に効く漢方薬
ツムラ漢方十味敗毒湯エキス顆粒
| 効能効果 |
|---|
| 体力中等度なものの皮膚疾患で、発赤があり、ときに化膿するものの次の諸症:化膿性皮膚疾患・急性皮膚疾患の初期、じんましん、湿疹・皮膚炎、水虫 |
ツムラ漢方十味敗毒湯エキス顆粒は、赤みがあり、膿を伴う蕁麻疹に効果をあらわす顆粒タイプの漢方薬です。
錠剤は苦手という方におすすめです。2歳から服用できます。
十味敗毒湯エキス錠クラシエ
| 効能効果 |
|---|
| 体力中等度なものの皮膚疾患で、発赤があり、ときに化膿するものの次の諸症:化膿性皮膚疾患・急性皮膚疾患の初期、じんましん、湿疹・皮膚炎、水虫 |
十味敗毒湯エキス錠クラシエは、赤みがあり、膿を伴う蕁麻疹に効果をあらわす錠剤タイプの漢方薬です。
漢方薬特有の味やにおいが苦手な方におすすめです。5歳から服用できます。
ツムラ漢方消風散エキス顆粒
| 効能効果 |
|---|
| 体力中等度以上の人の皮膚疾患で、かゆみが強くて分泌物が多く、ときに局所の熱感があるものの次の諸症:湿疹・皮膚炎、じんましん、水虫、あせも |
ツムラ漢方消風散エキス顆粒は、炎症やかゆみが強く、分泌液が多い蕁麻疹に効果をあらわす顆粒タイプの漢方薬です。
錠剤は苦手という方におすすめです。2歳から服用できます。
アルピタンγ
| 効能効果 |
|---|
| 体力中等度以上をめやすとして、のどが渇いて、尿量が少ないものの次の諸症:嘔吐、じんましん、二日酔、むくみ |
アルピタンγは、口が渇き尿量が減るタイプの方の蕁麻疹に効果をあらわす錠剤タイプの漢方薬です。
漢方薬特有の味やにおいが苦手な方におすすめです。15歳から服用できます。
蕁麻疹の症状・種類
蕁麻疹の大きな特徴は、皮膚の一部が盛り上がり、赤くなることです。かゆみの症状もあらわれ、チクチクとした痛みがあらわれる場合もあります。
蕁麻疹は、全身にあらわれる場合もあれば、腕や足などの体の一部だけにあらわれることもあります。
蕁麻疹の種類
蕁麻疹のなかでも、原因や症状などが比較的はっきりとしている蕁麻疹には、以下のようなものがあります。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 急性蕁麻疹 |
・毎日のように症状があらわれ、1か月以内におさまる ・細菌、ウイルス感染などが原因となっていることが多い |
| 慢性蕁麻疹 |
・毎日のように症状が繰り返され、1か月以上続く ・原因が特定できないことが多い |
| 物理性蕁麻疹 | ・摩擦、寒冷、温熱、日光、圧迫などといった物理的刺激により起こる |
| コリン性蕁麻疹 |
・お風呂上がりや運動後などに汗をかくとあらわれる ・一つ一つの膨らみが比較的小さく、子どもから若い成人に多い |
| アレルギー性蕁麻疹 | ・食べ物や薬剤、昆虫などに含まれる特定物質に反応して起こる |
| イントレランス | ・アスピリンなどの非ステロイド系消炎鎮痛薬、色素、造影剤、食品に含まれるサリチル酸により起こる |
| ストレス性蕁麻疹 |
・ストレスが原因となって蕁麻疹が起こりやすくなる ・毎日のように蕁麻疹があらわれたり、おさまっていた蕁麻疹が再びあらわれたり悪化したりする |
漢方薬と抗ヒスタミン薬の違い
漢方薬は抗ヒスタミン薬に比べ、かゆみに対して素早い効果が期待できませんが、眠くなる成分が入っていないという特徴があります。
一方で、抗ヒスタミン薬は漢方薬に比べ、かゆみに対して素早い効果を期待できますが、眠気などの副作用がでやすいという特徴があります。
以下の記事では、蕁麻疹に効果をあらわす抗ヒスタミン薬を紹介しています。


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