ミナカラ
熱中症による頭痛にロキソニン®︎は使用できる?原因や対処法を紹介
更新日
2025.01.30
薬剤師監修日
2024.07.05

熱中症による頭痛にロキソニン®︎は使用できる?原因や対処法を紹介

熱中症による頭痛に対して、ロキソニン*などの痛み止めを使用することは避けましょう。脱水時に自己判断で痛み止めを飲むと、腎臓に負担がかかり腎障害を起こすおそれがあります。 この記事では、熱中症による頭痛の症状があらわれたときの対処法や、熱中症の予防方法について紹介しています。
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編集
高橋 伊津美
監修薬剤師
ミナカラ薬局薬剤師高橋 伊津美
朝比奈 裕介
編集者
株式会社ミナカラライター朝比奈 裕介

熱中症による頭痛にロキソニン*を使用してもいい?

熱中症による頭痛は、体温の上昇による脱水状態や血圧の低下により、脳への血流が減少することで起こります。ズキズキとする痛みがあるのが特徴です。

熱中症による頭痛に対して、ロキソニン*などの痛み止めを使用することは避けましょう。脱水時に自己判断で痛み止めを飲むと、腎臓に負担がかかり腎障害を起こすおそれがあります。

熱中症による頭痛の症状があらわれたときの対処法

熱中症による頭痛が疑われる場合は、まずは涼しい場所に移動する、体を冷やす、水分・塩分補給するという対処をおこないましょう。体を冷やす場所として効果的なのは、首の付け根、両側の脇の下、太ももの付け根の前側など、太い血管(静脈)がある部分です。

応急処置をしても症状の改善がみられない場合、もしくは意識がおかしいなど症状が悪化した場合は、救急車を呼ぶなどしてすぐに病院に搬送しましょう。救急車が到着するまでの間も、体を冷やし続けることが大切です。

水分補給するときの注意点

水分補給をする場合は、水だけでなく塩分の摂取も重要です。厚生労働省は、水分と塩分の補給の目安として0.1~0.2%の食塩水を推奨しています。

水分と塩分を摂取できるものには、オーエスワンなど市販の経口補水液やスポーツドリンクなどがあります。ただ、スポーツドリンクには塩分量が少なく、糖分を多く含むものがあるため、飲みすぎによる糖分の過剰摂取に注意しましょう。

 

熱中症による頭痛は長期間続く場合がある

重篤な熱中症の場合、頭痛やめまい、倦怠感などの症状が数週間から半年、もしくは数年間つづく場合があります。また、稀ではありますが、軽症の熱中症の場合でもそれらの症状が長期間続く場合があります。

頭痛などの症状が続く場合は、他の原因によって頭痛の症状があらわれている可能性も考えられるため、医療機関を受診することをおすすめします。

熱中症を予防する方法

熱中症を予防する方法には、以下のようなものがあります。

・暑さを避ける

・こまめな水分補給をおこなう

・暑さに慣れる

・暑さに備えた体づくりをする

・体力や体調を考慮する など

暑さを避ける

熱中症にならないためには、暑さを避けることが重要です。

暑さを避けるための方法には、熱中症リスクの高い場所や活動を避ける、室内で涼しく過ごすための工夫をする、暑さを防いだり汗を逃したりできる衣服を着るなどがあります。

こまめに水分補給をする

人間は軽い脱水状態のときにはのどの渇きを感じません。そのため、のどが渇く前、暑い場所に行く前などこまめな水分補給を行いましょう。

また暑い日で、とくに湿気が高い日や風が弱い日などは、汗をかいても蒸発しにくくなり、汗をかく量が多くなるため、十分な水分補給が重要です。

熱中症診療ガイドライン2015では、1日あたりの水分摂取量の目安を、以下のとおりとしています。

高齢者を含む学童から成人500〜1,000mL/日
幼児300〜600mL/日
乳児体重1kg当たり30〜50mL/日

暑さになれる

人間が上手に汗をかけるようになるためには、暑さへの慣れが必要です。そのため、急に暑くなった日に屋外で過ごしたり、久しぶりに暑い環境で活動したり、涼しい地域から暑い地域へ旅行したりすると、熱中症になりやすくなります。

とくに暑くなり始めや、急に暑くなった日、厳しい暑さが続く場合は、ムリをせず徐々に暑さに慣れることが大切です。

暑さに備えた体づくりをする

体が暑さに慣れ、体が暑さに強くなることを暑熱順化といいます。暑熱順化すると同じ体温でも汗をかく量が増え、効果的な体温調節ができるため、熱中症になる危険性が少なくなります。

暑熱順化は、やや暑い環境において、ややきついと感じる強度で、毎日30分程度の運動(ウォーキング等)を継続することで獲得できます。ただし、運動量はあくまでも目安です。体力には個人差があるため、無理をしないようにしましょう。

体力や体調を考慮する

脱水状態や十分な食事をとっていないなど、万全な体調でないまま暑い環境にいくと、熱中症を起こしやすくなります。

とくに、風邪等で発熱したり、下痢になったりしている場合や、深酒をして二日酔いになっている場合は、脱水状態であるため非常に危険です。

体調が悪く、体力が万全ではない場合は、暑いところでの活動は避けましょう。

※ロキソニンは第一三共株式会社の登録商標です。

 

かかりつけ医をオンラインで。医師によるオンライン診療で薬を処方。ミナカラ e-クリニック。
監修薬剤師
高橋 伊津美
ミナカラ薬局薬剤師
高橋 伊津美
【経歴】

昭和大学大学院薬学研究科修了
昭和大学薬学部客員講師
株式会社ミナカラ / ミナカラ薬局
薬局、ドラッグストアで臨床経験を積み、その後昭和大学薬学部の教員、チェーンドラッグストア協会の教育機関でOTCの研修講師を務める。
【著書】
•現場で差がつく! もう迷わない! ユーキャンの登録販売者お仕事マニュアル 症状と成分でわかるOTC薬
•現場で差がつく! ユーキャンの新人登録販売者お仕事マニュアル
編集者
朝比奈 裕介
株式会社ミナカラライター
朝比奈 裕介
看護師歴10年の経験をいかして、『正確でわかりやすい』医療情報の発信をおこないます。ミナカラのライターとして、ヘルスケアがもっと身近で感動的になる世界をつくっていきます。

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