めまいに効く市販薬|適切な選び方や症状・原因に合った薬を紹介
めまいを感じた際には、頭痛や吐き気といったさまざまな症状が同時に起こることもあります。そのため、市販薬を選ぶ際にも、目的や症状、原因にあわせて適切な薬を選ぶことが大切です。この記事では、めまいに効く市販薬の選び方や症状に合った市販薬を紹介します。副作用や注意点なども解説しているので、ぜひ参考にしてください。
めまいに効く市販薬の選び方
めまいに効く市販薬は、症状や原因によって選ぶ薬が異なります。
ここではめまいに効く市販薬の選び方のポイントを目的・症状別、原因別に紹介します。
目的・症状別に選ぶ
めまいには、くらくらするといった症状以外にも、頭痛や吐き気など随伴する症状が出ることもあります。
以下の目的・症状ごとの選び方を紹介します。
- 頭痛や吐き気などの症状を緩和したい
- 乗り物酔いによるめまいを予防したい
頭痛や吐き気などの症状を緩和したい
めまいに合併する頭痛や吐き気などの症状を緩和したい場合は、随伴する症状の改善が期待できる成分が含まれているものを選びましょう。
めまいには、主症状の他に「頭が痛い」「気持ちが悪くて吐きそう」「真っ直ぐ歩けない」などの症状が同時にあらわれることもあります。
乗り物酔いによるめまいを予防したい
乗り物酔いによるめまいの予防には、酔い止めが利用できます。ただし、乗り物酔い以外のめまいには、市販薬で適応をもつものはありません。
原因別に選ぶ
めまいにはさまざまな原因が考えられ、その原因ごとに使用する薬が異なります。
一般薬は気軽に服用できる反面、原因に合わない薬を服用して効果が実感できなかったり、飲み合わせによって副作用を起こしたりする可能性があるため、慎重に選びましょう。
めまいの原因の一例として、以下のようなものがあります。
疲労やストレス
疲労やストレスが蓄積されると、めまいを起こすことがあります。
自律神経の乱れが主な原因であり、ビタミンBを多く含む薬や和漢洋薬がバランス良く配合されている薬などで疲労の症状改善が期待できます。
更年期障害
更年期障害が原因でめまいを発症することもあります。
冷え症で疲れやすく更年期障害やめまいに悩む方は、血の巡りや水分バランスを整える漢方薬や自律神経を整える薬を選ぶとよいでしょう。
天候や気圧の変化
天候や気圧の変化に伴うめまいに対しては、血流の乱れや滞りを整え、冷えを改善する漢方薬などがおすすめです。
次の章から原因別の市販薬を紹介します。
ただし、使用前や服用中に違和感がある場合には、必ず医師や薬剤師に相談してください。
めまいの市販薬10選
目的や原因に合った市販薬を紹介します。
以下を参考に、自分の症状を改善できる薬を選びましょう。
トラベルミンR
| 有効成分 |
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| ジフェニドール塩酸塩、スコポラミン臭化水素酸塩水和物、無水カフェイン、ピリドキシン塩酸塩 |
乗り物酔いによるめまい・吐き気・頭痛に対する予防や緩和に有効です。
症状が出てからも効果を発揮し、「トラベルミン」と比較して、眠くなりにくい特徴があります。
11歳以上は1回1錠を内服し、追加服用したい場合は1回量を4時間以上空けて服用してください。
| 効果・効能 |
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| 乗物酔いによるめまい・吐き気・頭痛の予防及び緩和 |
アネロン「ニスキャップ」
| 有効成分 |
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マレイン酸フェニラミン、アミノ安息香酸エチル、スコポラミン臭化水素酸塩水和物、無水カフェイン、ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6) |
アネロン「ニスキャップ」も乗り物酔いによるめまい・吐き気・頭痛を予防するための薬です。
効果に持続性があるため、15歳以上の成人は1日1回1カプセルを乗り物に乗る前に服用します。
乗り物酔いになってからも、すぐに服用すれば症状を緩和できるので、不安な人は常備しておくのがおすすめです。
| 効果・効能 |
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乗物酔いによるはきけ・めまい・頭痛の予防および緩和 |
ツムラ漢方苓桂朮甘湯エキス顆粒
| 有効成分 |
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苓桂朮甘湯エキス |
体力が低下している立ちくらみやめまい、頭痛、ふらつきなどの症状に有効です。
これらの症状は、体内に溜まっている「水(すい)」によって起こると考えられており、苓桂朮甘湯は尿量を増やす作用があるといわれています。
成人(15歳以上)は1回1包を食前に、1日2回服用します。
| 効果・効能 |
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体力中等度以下で、めまい、ふらつきがあり、ときにのぼせや動悸があるものの次の諸症: |
ツムラの女性薬 ラムールQ
| 有効成分 |
|---|
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日局エンゴサク、日局カノコソウ、日局シャクヤク、日局トウキ、日局ケイヒ、日局センキュウ、日局ボタンピ、日局ブクリョウ、日局ソウジュツ、日局ジオウ、日局チンピ、日局カンゾウ、日局コウブシ、日局トウニン、日局オウレン、日局ショウキョウ、日局チョウジ、日局ニンジン、センナエキス、日局トコフェロールコハク酸エステルカルシウム、日局ニコチン酸アミド、日局パントテン酸カルシウム、日局葉酸、日局チアミン硝化物(V.B1)、日局ピリドキシン塩酸塩(V.B6)、日局リボフラビン(V.B2)、日局シアノコバラミン(V.B12) |
更年期障害や冷え性からくる疲労感や肩こり、気分の乱れや頭痛などに有効です。
女性特有の症状の緩和に効果のある中将湯処方に、鎮痛効果のあるエンゴサクや鎮静効果のあるカノコソウが配合されています。
15歳以上の成人の場合は、1回2錠を1日2回服用します。
15歳未満の方は服用できません。
| 効果・効能 |
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更年期障害、血の道症、月経不順、冷え症およびそれらに随伴する次の諸症:月経痛、腰痛、頭痛、頭重、のぼせ、肩こり、耳鳴り、めまい、動悸、息切れ、不眠、ヒステリー、疲労感、血色不良 <血の道症とは..> |
ルビーナ
| 有効成分 |
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連珠飲エキス散 |
ルビーナは漢方薬「連珠飲」にもとづく製品で、更年期症状に効果を発揮します。
血や水分のめぐりを良くして身体を温め、自律神経の働きを改善する効果があります。
めまい以外にも、ほてりやのぼせ、立ちくらみ、貧血に悩んでいる人にもおすすめです。
15歳以上の場合は、1回3錠を1日3回服用します。
15歳未満は服用できません。
| 効果・効能 |
|---|
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体力中等度又はやや虚弱で、ときにのぼせ、ふらつきがあるものの次の諸症:更年期障害、めまい、立ちくらみ、動悸、息切れ、貧血 |
ナリピタン 当帰芍薬散錠
| 有効成分 |
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当帰芍薬散エキス |
ナリピタンは、耳鳴りの緩和や、ストレス性の自律神経の乱れから来る耳の中の血行不良、むくみなどを改善し、めまいや頭重などにも効果を示します。
また、更年期障害や月経異常、貧血などにも効果がある市販薬です。
15歳以上は、1回4錠を1日3回服用します。
7歳以上15歳未満では1回3錠、5歳以上7歳未満では1回2錠です。
5歳未満は、服用できません。
| 効果・効能 |
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体力虚弱で、冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすく、ときに下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などを訴えるものの次の諸症:月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、産前産後あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、めまい・立ちくらみ、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え症、しもやけ、むくみ、しみ、耳鳴り |
テイラック
| 有効成分 |
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五苓散エキス |
テイラックは気圧の変化による不調やめまいに効果があります。
低気圧時の血管拡張によって神経を圧迫する頭痛や自律神経の乱れで起こるめまいに作用します。
15歳以上の場合は、1回4錠を1日3回食前または食間に服用します。
5歳以上15歳未満の場合は、1回2錠であり注意が必要です。
5歳未満は、服用できません。
| 効果・効能 |
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体力に関わらず使用でき、のどが渇いて尿量が少ないもので、めまい、吐き気、嘔吐、腹痛、頭痛、むくみなどのいずれかを伴う次の諸症:水様性下痢、急性胃腸炎(しぶり腹のものには使用しないこと)、暑気あたり、頭痛、むくみ、二日酔 |
キアガード
| 有効成分 |
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五苓散エキス |
キアガードは、気圧の変化によるめまいや頭痛に効果を示す薬です。
気圧が変化すると脳の血管が拡張したり、むくみが生じたりして神経を圧迫するために頭痛を発症します。
五苓散は痛みの原因となる、むくみの改善や血行を促すことで、症状を改善します。
気圧の変化によるめまいや頭痛に悩まされている人は、常備しておくとよいでしょう。
15歳以上の場合は1回4錠を1日3回食前または食間に服用します。5歳以上15歳未満の場合は1回2錠、5歳未満は、服用できません。
| 効果・効能 |
|---|
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体力に関わらず使用でき、のどが渇いて尿量が少ないもので、めまい、吐き気、嘔吐、腹痛、頭痛、むくみなどのいずれかを伴う次の諸症:水様性下痢、急性胃腸炎(しぶり腹のものには使用しないこと)、暑気あたり、頭痛、むくみ、二日酔 |
ツムラ漢方五苓散料エキス顆粒A
| 有効成分 |
|---|
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日局タクシャ、日局ソウジュツ、日局チョレイ、日局ブクリョウ、日局ケイヒ |
「五苓散」はめまいやむくみ、頭痛、下痢等に効果がある漢方薬です。
眠くなりにくいため、仕事をしている人にもおすすめです。
食前に1回1包を1日2回服用します。
ただし、15歳未満は年齢に合わせて服用量の調節が必要です。
| 効果・効能 |
|---|
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体力に関わらず使用でき、のどが渇いて尿量が少ないもので、めまい、はきけ、嘔吐、腹痛、頭痛、むくみなどのいずれかを伴う次の諸症: 注)しぶり腹とは、残便感があり、くり返し腹痛を伴う便意を催すもののことである。 |
「クラシエ」漢方桂枝茯苓丸料エキス錠
| 有効成分 |
|---|
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桂枝茯苓丸エキス |
クラシエの「桂枝茯苓丸」は、めまいに随伴する症状に効果を発揮します。
のぼせや足の冷え、月経の痛みなどの症状改善が期待できます。
15歳以上は1回2錠を1日3回、7歳以上15歳未満は1回1錠を1日3回、食前または食間に水か白湯で服用します。
7歳未満は、服用できません。
| 効果・効能 |
|---|
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比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどを訴えるものの次の諸症:月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、血の道症、肩こり、めまい、頭重、打ち身(打撲症)、しもやけ、しみ、湿疹・皮膚炎、にきび (注)「血の道症」とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状を指します。 |
めまいに効く漢方薬に関する詳しい解説は、下記記事も参考にしてください。
めまいに効く市販薬に関するよくある質問
最後にめまいに効く市販薬に関するよくある質問と、その回答を紹介します。
Q.副作用はあるの?
副作用は薬の種類によってさまざまありますが、抗ヒスタミン薬が含まれているものの代表は眠気です。
車の運転や危険な作業の際には命に関わることもあるので、添付文書をきちんと読み、問題ないかを確認したうえで服用しましょう。
また一部の薬には、緑内障や前立腺肥大を悪化させる可能性もあるので服用する前に医師や薬剤師への相談が必要です。
Q.服用する際の注意点・ポイントは?
めまいの薬は症状が起きてから使用するのが基本ですが、「乗り物酔いをしやすい体質なので、搭乗前に飲む」など、めまいが起きやすい場面が経験上わかっている場合は、事前に服用しておくのもよいでしょう。
漢方薬の場合は作用が穏やかなため、効果を発揮するまでに時間が必要なこともあります。
Q.市販薬と処方薬の違いは?
市販薬と処方薬はどちらも医薬品であり、成分そのものにかわりはありませんが、主成分の量に違いがあるものもあります。
処方薬は、患者さんの症状に合わせて医師が処方するものです。
一方、市販薬は薬局やドラッグストアなどで購入できます。また、主成分と合わせて吐き気止めやビタミンが一緒に配合されているケースもあるので、随伴する症状への効果も期待できるでしょう。
ただし、市販薬で改善が見込めない場合は病院を受診することをおすすめします。

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