子ども用の咳止め薬の選び方|ドロップやトローチ、シロップなど
子ども用の咳止め薬の選び方
市販の咳止め薬は、症状によって適した成分が異なります。市販の咳止め薬を購入する際は、ご自身の症状に合わせて適切な成分が配合されたものを選びましょう。
| 症状 | 成分 |
|---|---|
| 乾いた咳がでる |
・鎮咳成分 ・気管支拡張成分 など |
| 痰が絡む咳 |
・鎮咳成分 ・去痰成分 ・気管支拡張成分 など |
| 喉のイガイガをともなう咳 |
・鎮咳成分 ・抗炎症成分 など |
鎮咳成分
脳の咳中枢に働くことで咳を鎮める鎮咳成分は、麻薬性のものと非麻薬性のものに分かれ、それぞれ特徴が異なります。
麻薬性鎮咳成分は、咳を鎮める効果は高いのですが、喘息の疑われる咳や12歳未満の方は使用できません。非麻薬性鎮咳成分は、便秘気味の方でも使用しやすく、お子さまでも使用できる薬があります。
また一般的に非麻薬性鎮咳成分は、麻薬性鎮咳成分に比べ効果が穏やかといわれますが、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物は、麻薬性のコデインリン酸塩とほぼ同等の鎮咳効果を持つことが確認されています。
| 効果 | 特徴 | |
|---|---|---|
| 麻薬性 | 強い |
・12歳未満の方や喘息の疑われる咳には使用できない ・便秘や眠気などの副作用がでやすい |
| 非麻薬性 | 穏やか |
・お子さまでも使用できる薬がある ・便秘がある方でも使用しやすい ・眠気がでにくい成分もある |
気管支拡張成分
気管支を広げて呼吸を楽にすることで咳を鎮める成分です。
発作性の激しい咳が繰り返し出る、息苦しい、呼吸をする度にゼーゼー、ヒューヒューと音がする場合、なるべく早く病院を受診することをおすすめしますが、症状によっては気管支拡張成分が含まれた市販薬で一時的に症状をおさえることができます。
去痰成分
去痰成分には、気道の粘液の分泌を促進する作用や、痰の粘り気を少なくして体外への排出を促進する作用があります。痰を出すことによって、痰で誘発される咳も鎮めます。
乾いた咳が出る場合に
アネトンせき止め錠
麻薬性鎮咳成分であるコデインリン酸塩水和物や、気管支を拡張する成分であるdl-メチルエフェドリン塩酸塩、痰を出しやすくする成分であるセネガ乾燥エキスなどが配合された薬です。
12歳から服用できます。
浅田飴せきどめ
気管支を拡張する成分であるdl-メチルエフェドリン塩酸塩、痰を出しやすくする成分であるクレゾールスルホン酸カリウムなどが配合された薬です。
ドロップ剤のため水なしで服用できます。5歳から服用できます。
痰が絡む咳が出る場合に
ベンザブロックせき止め錠
麻薬性鎮咳成分であるジヒドロコデインリン酸塩や非麻薬性鎮咳成分であるノスカピン、気管支を拡張する成分であるdl-メチルエフェドリン塩酸塩、痰を出しやすくする成分であるブロムヘキシン塩酸塩、のどの痛みを抑えるトラネキサム酸が配合された薬です。
12歳から服用できます。
エスエスブロン液L
非麻薬性鎮咳成分であるデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物や、痰を出しやすくする成分であるグアイフェネシンなどが配合された薬です。
シロップ剤のため水なしで服用できます。8歳から服用できます。
宇津こどもせきどめシロップA
非麻薬性鎮咳成分であるデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物や、気管支を拡張する成分であるdl-メチルエフェドリン塩酸塩、痰を出しやすくする成分であるグアイフェネシンなどが配合された薬です。
シロップ剤のため水なしで服用できます。3か月から10歳までのお子さまが服用できます。
喉のイガイガをともなう咳がでる場合に
ベンザブロックせき止め錠
麻薬性鎮咳成分であるジヒドロコデインリン酸塩や非麻薬性鎮咳成分であるノスカピン、気管支を拡張する成分であるdl-メチルエフェドリン塩酸塩、痰を出しやすくする成分であるブロムヘキシン塩酸塩、炎症をおさえる成分であるトラネキサム酸が配合された薬です。
12歳から服用できます。
ベンザブロックトローチ
麻薬性鎮咳成分であるデキストロメトルファンフェノールフタリン塩や、痰を出しやすくする成分であるグアヤコールスルホン酸カリウム、喉の粘膜での細菌の増殖をおさえる成分であるセチルピリジニウム塩化物水和物が配合された薬です。
トローチのため水なしで服用できます。5歳から服用できます。
龍角散ダイレクトスティックピーチ
生薬成分※が配合されたピーチ味の薬です。痰や咳、のどの炎症による声がれ・のどのあれや不快感に効果をあらわします。
水なしで服用できます。3歳から服用できます。
※キキョウ末、セネガ末、カンゾウ末、キョウニン、ニンジン末、アセンヤク末

昭和大学大学院薬学研究科修了
昭和大学薬学部客員講師
株式会社ミナカラ / ミナカラ薬局
薬局、ドラッグストアで臨床経験を積み、その後昭和大学薬学部の教員、チェーンドラッグストア協会の教育機関でOTCの研修講師を務める。
【著書】
•現場で差がつく! もう迷わない! ユーキャンの登録販売者お仕事マニュアル 症状と成分でわかるOTC薬
•現場で差がつく! ユーキャンの新人登録販売者お仕事マニュアル

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