目の周りのかゆみやかぶれの原因は?対処法の解説とワセリン活用術を紹介
目の周りに生じるかぶれやかゆみは、ものもらいなどの感染症やアレルギーなどによって生じ、むやみに刺激を与えることで悪化させてしまう場合もあります。
目の周りの皮膚は非常に薄くてデリケートです。セルフケアを行う場合には、高純度のワセリンなど、目元に負担をかけにくい市販薬を選んでみましょう。
この記事では、目の周りのかぶれやかゆみが起こる原因と対処法、刺激・乾燥ケアに使える市販の軟膏剤を紹介します。
目の周りのかぶれやかゆみの原因は?
目の周りにかぶれが起こる原因には、花粉症などのアレルギーの他、感染症、化粧品によるかぶれ、乾燥などが挙げられます。目元の皮膚は体のなかでも特に薄く、少しの刺激にも反応してしまうことから、かぶれやかゆみなどのトラブルが起きやすい部位です。
花粉症などのアレルギー
目の周りに生じるかぶれの原因のひとつが、花粉症をはじめとしたアレルギー反応です。かぶれはアレルギー反応の直接的な症状として生じるだけでなく、目の周りや眼球のかゆみが気になり手でこすってしまったときや、涙などの刺激によっても生じます。
アレルギー症状は、主にアレルゲンと呼ばれる異物に対して免疫反応が引き起こすものです。目のかぶれやかゆみの原因となりうるアレルゲンには、以下のようなものがあります。
| 花粉症 | スギやヒノキ、ブタクサなどの花粉が原因 |
|---|---|
| ハウスダスト アレルギー | 部屋のなかに発生したダニの死骸やカビ、衣服の繊維などが原因 |
| ペットの アレルギー | 犬や猫、小鳥といった動物の毛や唾液、糞尿などが原因 |
ものもらいなどかゆみや痛みが生じる症状がある
麦粒腫(ばくりゅうしゅ)などの感染症や霰粒腫(さんりゅうしゅ)の悪化による炎症も、目のかぶれを引き起こす原因の一つです。特に麦粒腫はものもらいとも呼ばれ、まぶたの脂腺や汗腺、マイボーム腺と呼ばれるところに炎症が生じて小さなしこりができたり、かゆみなどの違和感が起きたりします。
ものもらいが直接かぶれの原因にならない場合でも、違和感があって目の周りをこする、涙による刺激が加わるなどの二次的な症状として、かぶれが起こる可能性もあるでしょう。
化粧かぶれ
化粧品による刺激が原因で、目元にかぶれやかゆみが起こる場合もあります。アルコール、香料、防腐剤など自分の肌に合わない成分を含有した化粧品の使用や、間違った使い方をしたことで目元がかぶれてしまっているのかもしれません。
また、不適切な保管をしていた化粧品は、成分が変わっている可能性もあります。高温多湿な環境や長期間の保存によって変質した成分は、肌への刺激となりうるでしょう。
まぶたの皮膚は薄くデリケートで、バリア機能も繊細なため、少しの刺激でかぶれにつながりやすいといえます。
乾燥
乾燥も、目元のかぶれやかゆみを引き起こす原因です。肌の表面にある角質層は、通常であれば水分を保つことでバリア機能を担っています。しかし、ターンオーバーの乱れや紫外線などの刺激などにより角質層のバリア機能が低下した肌は、乾燥しやすく刺激に対して敏感な状態です。アレルギー物質などにも敏感に反応してしまい、かゆみにつながりやすくなります。
また、バリア機能が低下して肌が乾燥し刺激を受けることで、かゆみを知覚する神経が肌の表面近くまで伸び、さらにかゆくなって、掻いてかぶれが悪化するという悪循環にもおちいりかねません。
目の周りにかぶれやかゆみが生じた際の対処法
目の周りにかぶれやかゆみが生じたときには、極力刺激を与えないようにアイメイクを中止する、花粉症対策をするなどの対処法を試しましょう。乾燥が目立つ場合、肌への負担が少ない方法で保湿ケアを行うよう心がけてみてください。
目や目の周りへの刺激を避ける
目や目の周りにかぶれやかゆみが起きるのは、何かしらの刺激が加わっているためです。かゆみを感じたり違和感などを覚えたりしても、刺激を避けるには極力触らないようにしましょう。
また、肌に合わない化粧品や花粉症によるもの、乾燥など、かぶれを起こしうる要因を解消できるような対策を取り入れることも検討してみてください。
アイメイクを中止する
肌に合わない化粧品がかぶれの原因に考えられる場合、アイメイクを一時中止しましょう。化粧品やメイクが直接の原因でなくても、かぶれの症状が気になるときには、物理的刺激を避ける意味でも目元のメイクをお休みすることをおすすめします。
アイメイクをせず過ごすことで、目周りへの刺激を減らせるだけでなく、アイシャドウやファンデーションなどの異物が目元の器官に入るのを防ぐことも可能です。
人によっては、アイシャドウやファンデーションの成分でアレルギー反応を起こしている可能性もあります。アイメイクを再開するときには、「アレルギーテスト済み」などの記載がある商品を選択することも検討してみてください。
花粉症対策をする
花粉症やアレルギー症状が目元のかぶれを引き起こしている場合、原因を特定したうえで適切な対策をとることが大切です。一般的に日本では、春頃にスギやヒノキといった樹木系の花粉が多くなり、秋頃になるとブタクサ、ヨモギ、カナムグラなどの草本花粉が飛びやすくなります。
これらの花粉に対策するには、帽子やゴーグル、マスクを装着して外出する、目の周りに保湿剤などを塗って抗原侵入を防ぐなどの方法が考えられるでしょう。
乾燥が目立つ場合には保湿ケアを心がける
乾燥が気になる場合には、目元のかぶれやかゆみを悪化させないよう、保湿ケアを行ってみてください。過剰な洗顔や水分・油分補給が足りないスキンケアなどは、角質層の潤い不足につながり、バリア機能を低下させてしまう要因となります。ゴシゴシと強くこすったり熱いお湯を使って洗顔したりするのは避け、優しくケアしましょう。
特に乾燥が気になる季節は、化粧水と乳液だけでなく、クリームや後述するワセリンを使ったケアも取り入れるのがおすすめです。
専門医への受診を検討する
セルフケアで目元のかぶれやかゆみが改善しない場合、医療機関の受診を検討しましょう。早めの受診は、症状を悪化させないためにも視野に入れておきたい選択肢の一つです。特に麦粒腫などの疾患が原因となっている場合は、適切な治療が必要になる可能性もあります。
日に日に症状が悪化している場合や明らかにできものができている場合、目周りにかぶれやかゆみ以外の症状が見られた場合には、眼科などの専門医に相談してみてください。
目の周りへの刺激へ配慮「ワセリン」を活用する
目の周りの保湿には、ワセリンを活用できます。ワセリンは天然成分である石油から作られており、精製段階でほとんどの不純物が取り除かれた刺激性の少ない保湿剤です。肌の表面をコーティングしてくれるため、目の周りなどデリケートな場所の保護にも使えます。
ワセリンの効果
ワセリンを塗布することで、肌表面の水分の蒸発を防ぐと同時に、皮脂膜などが薄くなっている状態の皮膚の保護効果が期待できます。ワセリン自体に、目の周りのかぶれやかゆみに対してアプローチする有効成分が含まれているわけではありません。少ない刺激で肌を保護できるという点で、目の周りに使いやすいことが特徴です。
白色ワセリンは敏感になっている目元の刺激ケアにも使用しやすいでしょう。
目の周りにワセリンを塗る際のポイント
目の周りにワセリンを使用する際は、目のなかに入らないように気をつけましょう。また、花粉症対策として目元に塗ったワセリンが目のなかに入ってしまうと、結果として花粉が侵入する可能性がある点にも要注意です。
また、ワセリンは塗りすぎるとべたつきが気になりやすいため、少量を薄く伸ばすようにしましょう。少なめに塗って、足りないと感じたら追加する塗り方を試してみてください。
なお、ワセリンの効果は皮膚を保護することです。ワセリン自体に保湿効果などはないため、乾燥が気になる前に塗るようにしましょう。
目の周りの刺激ケアに使用できる軟膏製品
デリケートな目の周りのケアには、ワセリンのように刺激性の少ない製品を選ぶことが大切です。
白色ワセリンは精製によってほとんどの不純物が取り除かれており、目元をはじめとして全身のケアに使用が可能です。
白色ワセリンソフト
健栄製薬が製造・販売する第3類医薬品の白色ワセリンです。乾燥による手足のヒビやアカギレ、皮膚のあれなどの症状を和らげる効果が期待できます。乾燥が気になる部分に薄く塗り使用しましょう。
| 効能効果 |
|---|
| 手足のヒビ、アカギレ、皮膚のあれ、その他皮膚の保護 |
ベビーワセリン
無香料・無着色・パラベンフリーで、赤ちゃんの敏感な肌や妊娠中の方でも使用可能です。肌表面をコーティングすることで、刺激から肌を守りながら水分蒸発を防ぐのに役立ちます。
| 効能効果 |
|---|
| ◯皮膚、口唇を保護します ◯皮膚、口唇の乾燥を防ぎます ◯皮膚の水分、油分を保ちます |
目の周りに使用可能なワセリン以外の商品
目の周りには、ワセリン以外の商品も使えます。
保水性のある成分やかゆみを抑える成分など、ワセリンにはない効果が期待できる成分を配合したものなども選択肢になるため、症状に合わせたものを選びましょう。※添加物としてワセリンが配合されている場合もあります。
ル・マイルド乳液
ヘパリン類似物質と抗炎症成分を配合した医薬部外品の乳液クリーム。滑らかなテクスチャーで肌なじみのよい使い心地が魅力です。
| 効能効果 |
|---|
| 肌あれ、あれ性、あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・にきびを防ぐ、肌を整える、皮膚をすこやかに保つ、皮膚にうるおいを与える、皮膚を保護する、皮膚の乾燥を防ぐ |
キュアレアa
第2類医薬品に分類される、非ステロイド性のクリームです。抗炎症成分のウフェナマートと抗ヒスタミン成分のジフェンヒドラミンを含んでおり、化粧かぶれや花粉、乾燥などによるかゆみにアプローチしながら赤みをしずめます。
健康な肌と同じ弱酸性のクリームになっているため、目の周りだけでなく顔全体に使用が可能です。
| 効能効果 |
|---|
| かゆみ、湿疹、皮ふ炎、ただれ、あせも、かぶれ、おむつかぶれ |
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