
頭皮のかゆみに効く市販薬|おすすめの選び方と市販薬10選を紹介

清潔にしているにもかかわらず頭皮のかゆみが起こる場合、乾燥や炎症などの原因が考えられます。
頭皮のかゆみに対して、市販薬を使用することも選択肢の一つです。抗炎症作用の強さを求めて市販薬を選ぶ場合には、ステロイド配合のもの、使いやすさを重視するならローションやスプレータイプのものを検討しましょう。
この記事では、頭皮のかゆみに使える市販薬のおすすめの選び方とステロイドの強さや剤形別の商品を紹介します。
頭皮のかゆみの原因と対処法
頭皮にかゆみが起こる原因として、炎症や乾燥などが挙げられます。かゆみの原因がはっきりとわかっている場合は、頭皮の保湿や市販薬の使用など、原因に合わせた対処法で様子を見ましょう。
原因がはっきりしない場合は、シャンプーの仕方を見直してみてください。
頭皮のかゆみの原因
頭皮のかゆみを引き起こす原因には、以下が考えられます。
| ・頭皮の炎症 ・頭皮の乾燥 ・頭皮の常在菌によるもの ・ストレスや過労 | 
原因がわかるときは、適切に対処することで改善する可能性があるでしょう。
頭皮の炎症
頭皮が炎症を起こす原因はさまざまです。代表的な例として、肌に合わないシャンプーやカラーリング剤などの薬剤の刺激、汗などが挙げられます。
これらが頭皮に付着することで炎症が起きると、かぶれを招くでしょう。頭皮が赤くなっている、発疹ができている場合は、注意が必要です。
頭皮の乾燥
頭皮の乾燥も、かゆみを引き起こす原因の一つです。乾燥した皮膚は角層がはがれやすくなり、小さな刺激にも過敏に反応してしまいます。
乾燥の原因となりやすいのが、シャンプーによる洗いすぎです。頭皮に必要な皮脂まで取り除いてしまうことで乾燥し、かゆみを起こしやすくなります。
頭皮の常在菌
頭皮に棲んでいるマラセチア菌などの常在菌も、かゆみの原因となります。マラセチア菌は本来、バクテリアなどから皮膚を守る大切な役割を担っていますが、汗や過剰な皮脂などによって増えすぎると問題です。
マラセチア菌はリパーゼという酵素によって皮脂を分解して脂肪酸を作っており、異常増殖することで、皮膚に炎症を起こしてしまいます。その結果、脂漏性皮膚炎やフケ症を悪化させる原因になる可能性があるでしょう。
ストレスや過労
過度なストレスが継続すると、自律神経のうち交感神経が優位になり、男性ホルモンの分泌が盛んになります。男性ホルモンの働きの一つにあるのが、皮脂分泌量の増加です。これにより、頭皮の炎症が起こる場合があります。
また、ストレスや過労によって睡眠の質が低下している方は、頭皮の損傷部位の修復が遅くなり、炎症も治りにくくなっているのかもしれません。
頭皮のかゆみへの対処法
頭皮のかゆみの原因がはっきりしている場合は、原因に合わせた対処を行いましょう。
| ・1日1回正しくシャンプーをする ・頭皮専用保湿剤を使う ・市販薬を使う ・医療機関を受診する | 
原因がわからない場合、シャンプーの仕方を見直すことから始めてみてください。それでも頭皮のかゆみが続くときは、頭皮専用保湿剤や市販薬の使用などを検討します。
1日1回正しくシャンプーする
シャンプーは1日1回、夜に行うのが理想的です。自分の髪質に合った使い心地の商品や、頭皮の状態によっては添加物が少ないシャンプーや低刺激のシャンプーを使うのがよいでしょう。
熱すぎる湯は頭皮や髪にダメージを与えかねないため、38~39度程度のシャワーで、しっかりと丁寧にすすぎます。シャンプーやリンスのすすぎ残しは、頭皮トラブルの原因です。「すすぎ時間は洗髪時間より長くすること」がポイントです。
症状が改善しない場合、かゆみの原因菌を殺菌することで症状の緩和が期待できる成分の入ったシャンプーの使用を検討してみましょう。成分の例としては、ミコナゾール硝酸塩やピロクトンオラミンなどが挙げられます。
頭皮専用保湿剤を使う
頭皮の乾燥が気になる方は、保湿を意識しましょう。全身用のホホバオイルやアルガンオイルなども使えますが、べたつきが気になる場合があります。日常的に使用するのであれば、頭皮専用の保湿剤が便利です。
頭皮をマッサージしながら保湿剤をつけることで、血行の促進にもつながります。
市販薬を使う
頭皮のかゆみが原因でかぶれができた場合、塗り薬などの市販薬を使用するのも一つの方法です。市販薬のなかには、頭皮のかゆみや炎症を鎮める成分の入った医薬品もあります。かゆみの程度と範囲に合わせて、適した成分や好みのテクスチャのものを選ぶとよいでしょう。
購入する商品に迷う場合には、薬剤師や登録販売者への相談をおすすめします。
医療機関を受診する
上記の方法を試しても改善しない場合は、なんらかの皮膚疾患によるかゆみかもしれません。悪化を避けるためにも、早めに皮膚科を受診しましょう。
頭皮のかゆみに使用する市販薬の選び方
頭皮のかゆみに使用する市販薬は、症状や使いやすさなどに応じて選びましょう。
ステロイドの配合有無や成分の強さ、剤形などがご自身に合うかどうかをチェックします。かゆみの範囲が広い場合や塗り薬だけでは症状が落ち着かない場合には、抗ヒスタミン成分配合の飲み薬を使用するのも一案です。
抗炎症作用の強さで選ぶなら:ステロイド配合のもの
抗炎症作用の強さで選ぶなら、ステロイド配合のものを検討しましょう。ステロイド配合のものは、非ステロイド成分配合のものより強い抗炎症作用を発揮します。
ステロイドの強さは5つのランクに分けられます。そのうち、市販薬として販売されているものは、「ストロング」「ミディアム」「ウィーク」の下位の3ランクのみです。
皮膚が薄い部位やお子さまに使用する場合、弱いランクのステロイドを選びましょう。首から上のように皮膚が薄い部位や大人に比べて皮膚が薄いお子さまは、ステロイドの吸収率が高くなります。どのステロイドを選ぶべきかという判断に迷う場合は、薬剤師や登録販売者にご相談ください。
使いやすさで選ぶなら:ローションやスプレータイプ
毛髪がある頭皮には軟膏やクリームを塗りにくいため、しっかり塗れず、本来の効果が発揮できないことがあります。頭皮のかゆみや炎症、フケが広範囲にある場合、ローションタイプやスプレータイプの市販薬がおすすめです。
ローションタイプには、頭皮に塗りやすいよう容器が工夫されたものもあります。広範囲に塗りたい、かゆいところだけに塗りたいなど、必要に応じたアイテムを活用しましょう。
優しい使い心地で選ぶなら:非ステロイド性成分やエタノール無配合タイプ
ステロイドの使用が気になる方は、非ステロイド性成分の市販薬を検討してみてください。優しい使い心地を求めるのであれば、ステロイド性でも、エタノール無配合のタイプを選べます。エタノール無配合のものは、炎症部分にしみにくく、痛みを感じにくいのが特徴です。
商品の選択に迷う場合、薬剤師や登録販売者に気になることを話して相談に乗ってもらいましょう。
内側からも働きかけたいなら:補助的に飲み薬も利用
かゆみがつらいときには、飲み薬を補助的に使うという選択肢もあります。飲み薬はかゆみの症状に対して体の内部から働きかけるため、塗り薬とあわせて使用可能です。塗り薬だけではかゆみが落ち着かない場合は、併用を検討してみましょう。
頭皮のかゆみに効く市販薬10選
頭皮にかゆみだけでなくかぶれ、掻きむしりによるかさぶたなどが見られる場合には、市販薬のなかでも優しい使い心地のものから試してみましょう。
また、ローションタイプの外用薬を頭皮に塗る場合は、入浴・洗髪後に適量を手に取って髪の毛をかき分けて塗る、ボトルから直接頭皮に塗る方法などがあります。使用方法についてはそれぞれの薬の説明書をご確認ください。
リンデロンVsローション
ステロイド成分のベタメタゾン吉草酸エステルを配合した市販薬です。ステロイドの強さはストロング(強い)で、市販薬のなかでは強い抗炎症作用がある部類に入ります。
かゆみや赤みなどの炎症症状がある部分に、1日1~数回ほど適量を塗りましょう。
| 効能効果 | 
|---|
| しっしん、皮ふ炎、あせも、かぶれ、かゆみ、しもやけ、虫さされ、じんましん | 
新リビメックスコーワローション
患部で効果を発揮し、体内で分解されておだやかな作用になるアンテドラッグステロイド成分配合の市販薬です。ステロイドの強さはミディアム(普通)で、1日に数回、適量を塗ることでかゆみや赤みなどの炎症症状を改善します。
エタノール、l‐メントールなどスーッとする成分は入っていないため、清涼感のある塗り心地が苦手な方にも使いやすいでしょう。
| 効能効果 | 
|---|
| 湿疹、皮膚炎、かぶれ、かゆみ、あせも、虫さされ、じんましん | 
ラクピオンEXローション
ステロイドの強さはウィーク(弱い)のデキサメタゾン酢酸エステルにより、炎症とかゆみを抑えるスティックタイプの市販薬です 。また、かゆみの原因となるヒスタミンを抑制するジフェンヒドラミン塩酸塩と、局所麻酔作用のあるリドカインも一緒にかゆみへ働きかけます。
ステロイド配合のもののなかでも、おだやかな作用の商品を探している方に適しています。
| 効能効果 | 
|---|
| かゆみ、虫さされ、 | 
メンソレータムメディクイックH(リキッドスプレータイプ)
かゆみや炎症へおだやかに働きかける、アンテドラッグステロイドを配合しています。ステロイドの強さは、ミディアム(普通)で、患部で効果を発揮したあと体内で分解されるのが特徴です。
1日数回、頭皮に向けて噴霧します。透明なリキッドスプレータイプで、髪の毛についても気になりにくいのが特徴です。
| 効能効果 | 
|---|
| 湿疹、皮フ炎、かゆみ、かぶれ、じんましん、あせも、虫さされ | 
メンソレータムメディクイックHゴールド(スポンジヘッド)
アンテドラッグステロイドのプレドニゾロン吉草酸エステルと抗炎症成分を配合しており、頭皮のかゆみや炎症に使用できます。ステロイドの強さはミディアム(普通)に該当し、患部で効果を発揮したあと体内で分解されます。
スポンジヘッドを採用しており、患部にダイレクトで塗ることができるのが特徴です。透明なリキッドタイプのため、髪の毛についても目立ちません。
| 効能効果 | 
|---|
| 湿疹、皮フ炎、かゆみ、かぶれ、じんましん、あせも、虫さされ | 
メンソレータムメディクイックHゴールド(ピンポイント塗り)
アンテドラッグステロイドと抗炎症成分が炎症を抑えかゆみを鎮める、クールな使い心地の市販薬です。患部に直に届くダイレクトノズルを採用しており、ピンポイントで塗りたい部分がある方に適しています。ステロイドの強さはミディアム(普通)です。
頭皮の一部だけにかゆみがあるようなとき、適量を患部に塗布して使用しましょう。
| 効能効果 | 
|---|
| 湿疹、皮フ炎、かゆみ、かぶれ、じんましん、あせも、虫さされ | 
ムヒHDm しみないタイプ
アンテドラッグステロイドのプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルが炎症を抑え、かゆみ止め成分のジフェンヒドラミン塩酸塩がかゆみを鎮めます。ステロイドの強さはミディアム(普通)です。殺菌成分や患部の修復成分を配合している他、エタノール不使用で患部にしみにくいという特徴があります。
1日数回、患部に直接塗布しましょう。
| 効能効果 | 
|---|
| かゆみ、しっしん、皮ふ炎、かぶれ、あせも、じんましん、虫さされ | 
タクトローション
ステロイドが入っていないローションタイプの外用薬です。乳幼児やあせもの症状にも使えます。無色〜微黄色の液体なので、頭部にも塗りやすく目立ちません。
1日数回、患部に軽く塗って使用しましょう。
| 効能効果 | 
|---|
| あせも、かゆみ、皮膚炎、虫さされ、じんましん、湿疹、かぶれ、ただれ、しもやけ | 
メンソレータムADスプレー
非ステロイドのスプレータイプの外用薬です。クロタミトンとリドカイン、ジフェンヒドラミンの3つのかゆみ止め成分が、かゆみを抑えます。
1日数回、患部から20cmほど離した状態で噴霧しましょう。
| 効能効果 | 
|---|
| かゆみ、皮フ炎、かぶれ、じんましん、虫さされ、しっしん、ただれ、あせも、しもやけ | 
アレルギール錠
抗ヒスタミン剤が皮膚のかゆみに体内から作用する内服薬で、外用薬との併用が可能です。皮膚や粘膜の健康をサポートするビタミンB6を配合しており、皮膚のかゆみだけでなく、鼻炎(鼻水や鼻づまり)にも使用できます。
4歳から服用でき、成人であれば1日2~3回、1回3錠で使用します。
| 効能効果 | 
|---|
| ◯皮膚のかゆみ、湿疹、じんましん、皮膚炎、かぶれ ◯鼻炎 | 
頭皮のかゆみに市販薬を使用する際の注意点・補足事項
頭皮のかゆみに市販薬を使用する際は、「予防には使わない」などの注意点があります。
なお市販薬を5~6日間使っても改善しない場合は、なんらかの皮膚疾患の可能性も考えられるため、医療機関を受診してみてください。
頭皮のかゆみにオロナインH軟膏は使える?
頭皮のかゆみに対してオロナインH軟膏を塗ることで症状が悪化してしまう場合があるため、使用は避けましょう。
オロナインH軟膏は、殺菌作用のあるクロルヘキシジングルコン酸塩を含有する消毒用軟膏であり、効果を発揮できるのは軽症のニキビやすりきず、きりきずなどです。
頭皮のかゆみの予防には使わない
かゆみ止め成分などを配合した市販薬を使うのは、かゆみなどの症状が出ているときに限ります。予防目的で長期間使用した場合、副作用が起きたり、症状が悪化したりする可能性があるためです。
頭皮のかゆみを予防したいときは、自分に合ったヘアケア用品を使う、生活習慣を整えるなど、市販薬を活用する以外の方法で行いましょう。
妊娠中・授乳中に使える市販薬もある
頭皮のかゆみに使える市販薬のなかには、ステロイドを配合しておらず、妊娠中・授乳中の女性が使用できるものも多くあります。商品のパッケージや同封されている添付文書に使用できる人についての記載があるため、確認してみましょう。
判断に迷う場合は、医師や薬剤師、登録販売員に相談してみてください。
5~6日間使用しても改善しないときは医療機関を受診する
市販薬を5~6日間使ってもかゆみの症状が改善しない場合は、使用を中止したうえで薬の説明書を持参し、皮膚科などの医療機関を受診しましょう。副作用らしき症状が出た場合も使用を中止し、医療機関を受診のうえ必要に応じて治療を受ける必要があります。
市販薬の副作用が疑われる症状とは、患部が化膿する、白くなる、刺激感が続くなど、使う前と症状が変わるといった状態のことです。
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