おしりニキビに使える市販薬7選|選び方や受診のタイミングも解説
おしりニキビは、毛穴が詰まり炎症を起こすことで発生します。おしりは下着によるムレや擦れ、長時間座ることで圧迫されるなど刺激を受ける場面が多く、ニキビをはじめとした肌トラブルに悩まされやすい場所です。
軽症のおしりニキビであれば、市販薬を使えます。化膿している、赤く腫れて痛むなど、おしりニキビの症状に合わせて外用薬を選ぶようにしましょう。
この記事では、おしりニキビに使える市販薬をお探しの方に向けて、市販薬の選び方や症状ごとに適した成分を解説します。
おしりニキビに市販薬は使える?
おしりニキビの原因は、顔にできるニキビとは原因が異なるケースが一般的です。おしりニキビの症状が軽ければ、市販薬を使ってもよいでしょう。ただし、症状に合わせて市販薬を使い分ける必要があります。
おしりニキビとは?顔のニキビとは別物
おしりニキビは「おでき」「せつ(癤)」などと呼ばれることもある、細菌感染症の一種です。毛穴とその周辺部が炎症を起こして赤く腫れ、膿が溜まって痛みます。
おしりニキビの原因菌は、黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌、アクネ菌などの細菌です。
軽症のおしりニキビに市販薬は使える
おしりニキビが重症化しておらず、軽度なものであれば、市販薬を使えます。ただし、症状によって市販薬を使い分けることが大切です。
おしりにあるニキビのような症状や湿疹に使用できる成分は?
おしりにあるニキビのような症状や湿疹に使用できる成分は、症状によって異なります。化膿している場合には抗菌薬や抗真菌薬、赤く腫れて痛む場合にはステロイド性抗炎症薬を選んでみてください。
化膿している湿疹に:抗菌薬や抗真菌薬
赤く、膿を持っている場合には、抗菌薬や抗真菌薬が含まれる市販薬を検討しましょう。抗菌薬や抗真菌薬は、毛穴に侵入した細菌・真菌が増えるのを抑えて、膿を排出させるのに役立ちます。
湿疹の原因となる細菌は、黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌、緑膿菌、真菌で挙げられるのはマラセチア菌です。使える抗菌薬には、テトラサイクリンやバシトラミン、フラジオマイシン硫酸塩などの他、抗真菌成分としてナイスタチンなどがあります。
赤く腫れて痛む湿疹に:ステロイド性抗炎症薬
赤く腫れて痛い場合には、ステロイド性抗炎症薬が使えます。ステロイドは、体内の副腎(ふくじん)で作られているホルモンです。ステロイド外用薬には抗炎症作用などがあることから、湿疹・皮膚炎などの皮膚疾患の治療に使えます。「副作用が怖い」というイメージを持つ方もいますが、正しく使えば必要以上に怖がる必要はありません。
ステロイド外用薬には、以下の5つのランクがあります。
| 1.最も強い:ストロンゲスト 2.とても強い:ベリーストロング 3.強い:ストロング 4.普通:ミディアム 5.弱い:ウィーク |
市販薬として販売されているのは、3~5ランクのみです。湿疹に使用する場合は、重症化しているときにはストロング、軽いときにはミディアムなど、症状に応じて使い分けるようにしましょう。
市販薬に配合されているステロイド外用薬としては、ベタメタゾン吉草酸エステルやヒドロコルチゾン酢酸エステルなどが代表的です。また、化膿を抑える成分として、フラジオマイシン硫酸塩やバシトラシンなどの抗生物質を配合している製品もあります。
軽く腫れている湿疹に:非ステロイド性抗炎症薬
患部が小さく、わずかな赤みや腫れがある場合には、非ステロイド性抗炎症薬が使えます。ステロイドほど強力な成分ではないぶん、おしりだけでなく顔、デリケートゾーンといった皮膚が薄い場所にも使用しやすい点がメリットです。
また、子どもやどうしてもステロイドに抵抗のある人にとっても手に取りやすいでしょう。
おしりにあるニキビのような症状や湿疹に使用したい塗り薬の選び方
おしりニキビや湿疹の多くは、皮膚に入り込んだ細菌に感染することで起きます。感染した患部を清潔にすると同時に、抗菌薬を含有した塗り薬を使うとよいでしょう。
抗菌薬のみ配合の外用薬から選ぶ
湿疹の数が少なく、狭い範囲にしかできていない段階であれば、有効成分として抗菌薬だけを配合した軟膏を選んでみてください。ただし、湿疹の原因菌は複数あります。黄色ブドウ球菌・表皮ブドウ球菌などのグラム陽性菌、緑膿菌などのグラム陰性菌の両方にアプローチできるよう、2つ以上の抗菌薬を配合したものがおすすめです。
入浴時に石けんの泡で患部を優しく洗い、清潔にしてから軟膏を使用しましょう。症状が軽ければ、通常は1週間くらいで改善します。
抗菌薬+非ステロイド性抗炎症薬配合の外用薬から選ぶ
湿疹の数は少なくても、膿んでいて痛みを伴ったりかゆみがあったりする場合は、抗菌薬に非ステロイド性抗炎症薬も配合された外用薬を選びましょう。非ステロイドのため、おしり以外にも顔やデリケートゾーン、子どもにも使えるものがあります。
ステロイド性抗炎症薬と比較するとマイルドな成分になっていることから、痛み・腫れが強い場合は、ステロイド性抗炎症剤の使用も検討してみてください。
抗菌薬+ステロイド性抗炎症薬配合の外用薬から選ぶ
痛みや赤みが強く、化膿している場合には、抗菌薬とステロイド性抗炎症剤の両方が配合されている外用薬が適しています。ステロイド性抗炎症薬は、症状に合わせた使い分けが必要です。たとえば、最初に強めのステロイドを数日使用して、炎症が静まってきたら少しずつ弱いステロイドに切り替えていく「ステップダウン療法」という使い方があります。
患部の症状が重いにも関わらず、最初から弱いステロイドを使っていると、治療期間が長引きかねません。長期間ステロイドを使うことで副作用が出てしまうリスクもあるため、症状に適したものを選びましょう。
おしりにあるニキビのような症状や湿疹に使える塗り薬7選
配合成分によってアプローチできる原因菌・症状が異なります。湿疹の数が少ないのであれば抗菌薬のみを配合したもの、少しの痛みやかゆみを伴う場合には、さらに非ステロイド性抗炎症薬も含んだものを検討しましょう。
強い痛みや赤み、化膿があるときには、抗菌薬だけでなくステロイド性抗炎症剤も配合した外用薬を活用してみてください。
抗菌薬のみ配合の外用薬2選
上述したとおり、おしりにできる湿疹の原因菌は一つだけではありません。グラム陽性菌とグラム陰性菌の両方にアプローチできるよう、2種類以上の抗菌薬を配合したものを選ぶことがポイントです。
ドルマイシン軟膏
抗菌成分としてコリスチン硫酸塩とバシトラシンを配合した、グラム陽性・陰性菌による感染症の治療や予防に使える皮膚疾患治療剤です。コリスチン硫酸塩はグラム陰性菌や緑膿菌に対して、バシトラシンは大部分のグラム陽性菌と陰性菌の一部に作用します。
やけどでできた化膿や傷、化膿予防にも使用可能です。
| 効能効果 |
|---|
| 外傷・火傷等の化膿予防及び治療,膿痂疹(とびひ),セツ(せつ),癰(よう),疔(ちょう),毛ノウ炎,湿疹,グラム陽性・陰性菌の単独及び混合感染による皮膚疾患,化膿症,伝染性皮膚炎,皮膚潰瘍 |
クロマイ-N軟膏
抗生物質としてフラジオマイシン硫酸塩とクロラムフェニコール、さらに抗真菌剤としてナイスタチンを配合している外用薬です。吹き出物やとびひなど化膿性皮膚疾患のいろいろな原因菌にアプローチできます。
伸びのよい軟膏タイプで、ジュクジュクとした患部から乾燥している患部まで幅広く使うことが可能です。首やデコルテ、背中などにも使用できます。
| 効能効果 |
|---|
| 化膿性皮膚疾患(とびひ、めんちょう、毛のう炎) |
抗菌薬+ステロイド性抗炎症薬配合の外用薬3選
痛みや赤みがある場合には、ステロイド性抗炎症薬と抗菌薬を配合した外用薬を選びましょう。
フルコートf
外用ステロイドのなかでもストロングランクに分類されるフルオシノロンアセトニドと、抗生物質のフラジオマイシン硫酸塩が配合された軟膏です。抗炎症作用と化膿部位の細菌増殖防止作用を示します。
適量(人差し指の先から第一関節までの長さ)を手に取り、患部に優しく塗布しましょう。
| 効能効果 |
|---|
| ◯化膿を伴う次の諸症:湿疹、皮膚炎、あせも、かぶれ、しもやけ、虫さされ、じんましん ◯化膿性皮膚疾患(とびひ、めんちょう、毛のう炎) |
ベトネベートN軟膏AS
ステロイド成分のベタメタゾン吉草酸エステルが皮膚の炎症を抑え、抗生物質フラジオマイシン硫酸塩が抗菌作用を示します。患部を保護する油性基剤を使った軟膏で、化膿してしまっている患部やジュクジュクとした患部にも使用可能です。
| 効能効果 |
|---|
| ◯化膿を伴う次の諸症:湿疹、皮膚炎、あせも、かぶれ、しもやけ、虫さされ、じんましん ◯化膿性皮膚疾患(とびひ、めんちょう、毛のう炎) |
ドルマイコーチ軟膏
バシトラシンとフラジオマイシン硫酸塩の2種類の抗生物質に、マイルドタイプのステロイドであるヒドロコルチゾンを配合した薬です。化膿を伴う湿疹や皮膚炎、毛のう炎などに使用でき、かゆみと炎症を抑えながら化膿の悪化を防ぎます。
| 効能効果 |
|---|
| ◯化膿を伴う次の諸症:湿疹,皮膚炎,あせも,かぶれ,しもやけ,虫さされ,じんましん ◯化膿性皮膚疾患(とびひ,めんちょう,毛のう炎) |
抗菌薬+非ステロイド性抗炎症薬配合の外用薬2選
非ステロイド性抗炎症剤は、ステロイド抗炎症剤よりも作用がマイルドで、デリケートゾーンに近い位置にできたニキビなどにも使いやすいのが特徴です。ステロイドに抵抗がある場合には、こちらを選びましょう。
オデキュアEX
化膿を抑える抗菌薬のスルファジアジンと、腫れを落ち着かせるジフェンヒドラミンサリチル酸塩を配合したクリームタイプの市販薬です。使用後に膿の排出が起きる場合もあります。下着や衣服の汚れが気になる方は、塗布後にガーゼなどで患部を覆うようにしましょう。
また、再感染による悪化を防ぐため、膿や腫れ、痛みが緩和しても赤みが治まるまでは使い続けてください。
| 効能効果 |
|---|
| 化膿性皮膚疾患(とびひ,めんちょう,毛のう炎) |
オノフェF
殺菌作用のあるスルファジアジンと抗炎症成分である酸化亜鉛、皮膚を修復するアラントインによって、治りを早めてくれる軟膏タイプの市販薬です。
| 効能効果 |
|---|
| 化膿性皮膚疾患(とびひ、めんちょう、毛のう炎) |
おしりのニキビが気になる際に病院を受診するタイミング
おしりにできたブツブツの原因は必ずしもおしりニキビとは限らず、他の皮膚疾患を発症している可能性も考えられます。市販薬を5〜6日ほど使っても症状が改善しない場合は、薬の使用を中止し、皮膚科などを受診するようにしましょう。
尖圭コンジローマや性器ヘルペス、帯状疱疹、粉瘤などが原因の場合、市販薬での対応は困難です。おしりニキビとは異なる様子のイボや強い痛み、水ぶくれなどがあるときには、自己判断で市販薬を使用する前に医療機関の受診を優先してください。尖圭コンジローマはニキビと区別がつきにくいケースもあるため、不安な方はまず医師に相談することをおすすめします。
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