ミナカラ
気になる「漢方」基礎からしっかりと教えます
更新日
2025.02.20
薬剤師監修日
2025.02.14

気になる「漢方」基礎からしっかりと教えます

「気軽に始めてみたい」 「西洋薬に少し抵抗がある」 「そもそも漢方ってどういうものなの?」 そんなよく聞く声にお応えして、漢方について基礎から解説します! 漢方と西洋医学、偏ることなくどちらもバランスよく取り入れて、上手に活用しましょう。
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編集
小寺 瑶
監修薬剤師
ミナカラ薬局薬剤師小寺 瑶
小寺 瑶
編集者
株式会社ミナカラ薬剤師小寺 瑶

そもそも「漢方」って何ですか?

漢方とは、中国から伝わり、日本で発展してきた日本の伝統医学です。そして、漢方医学の考えに基づいて処方される薬を漢方薬と呼びます。
漢方では、不調が生じている部位だけに注目するのではなく、体全体のバランスを整えて不調の改善に導きます。患者さんひとりひとりに合った漢方薬を処方し、体質から改善していくのが特徴です。

漢方の理論において、人の体は「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の3つの要素で構成されています。
「気」 / 人の体を支えるすべての原動力のようなもの
「血」 / 体中の組織に栄養を与えるもの
「水」 / 体をうるおすもの
のことです。ここの3つはお互いに影響しあってバランスを取っています。大切なのは、気血水のどれかが多すぎず少なすぎず、バランス良くめぐっていることです。

どんなとき、「漢方」が向いてる?

漢方は体が本来持っている働きを高め、自分自身の力で徐々に正しい状態に戻そうとする治療方法です。基礎となる気血水のバランスを整えることで、体にあらわれる複数の不調を改善します。
ということは、病院で検査をしても明らかな異常や原因がみられないにも関わらず、不調が続いているようなケースにも対応できます。
一方で、症状にピンポイントでアプローチできる西洋医学は、病気の原因がはっきりしていたり、緊急を要する病気に向いています。

漢方と西洋医学のどちらかが優れているというわけではありません。それぞれの得意分野を組み合わせながら活用するとよいでしょう。

これらの症状に「漢方」がおすすめです

  • 体質そのものの改善によって複数の症状を緩和したい場合
  • 西洋薬特有の副作用が気になる場合

などは、漢方で治療するのがおすすめです。
どの薬が自分に合っているか判断が難しい場合は医師や薬剤師に相談しましょう。

更年期にあらわれる不調に

更年期にあらわれるイライラ感やほてり、不眠などの症状は、漢方薬でやわらげることができます。更年期障害であらわれる症状は人によって異なるため、自分の体質や症状にあった漢方薬を選ぶことが大切です。

■ 加味逍遙散(かみしょうようさん)
体力中等度以下で、のぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちなどの精神神経症状、ときに便秘の傾向のあるものの次の諸症:
冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症、不眠症

■ 柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)
体力中等度以下で、冷え症、貧血気味、神経過敏で、動悸、息切れ、ときにねあせ、頭部の発汗、口の乾きがあるものの次の諸症:
更年期障害、血の道症、不眠症、神経症、動悸、息切れ、かぜの後期の症状、気管支炎

■ 抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)
体力中等度をめやすとして、やや消化器が弱く、神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどがあるものの次の諸症:
神経症、不眠症、小児夜泣き、小児疳症(神経過敏)、更年期障害、血の道症、歯ぎしり

■ 抑肝散(よくかんさん)
体力中等度をめやすとして、神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどがあるものの次の諸症:
神経症、不眠症、小児夜泣き、小児疳症(神経過敏)、歯ぎしり、更年期障害、血の道症

※ 血の道症とは月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状を指します。

生理痛・生理不順など女性特有の悩みに

月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動にともなってあらわれる精神的・肉体的な症状には、漢方薬が効果を発揮します。それぞれの体質に合った漢方薬を選ぶことが大切です。

■ 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
体力虚弱で、冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすく、ときに下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などを訴えるものの次の諸症:
月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、産前産後あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、めまい・立ちくらみ、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え症、しもやけ、むくみ、しみ、耳鳴り

■ 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどを訴えるものの次の諸症:
月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、血の道症、肩こり、めまい、頭重、打ち身(打撲症)、しもやけ、しみ、湿疹・皮膚炎、にきび

■ 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
体力中等度以上で、のぼせて便秘しがちなものの次の諸症:
月経不順、月経困難症、月経痛、月経時や産後の精神不安、腰痛、便秘、高血圧の随伴症状(頭痛、めまい、肩こり)、痔疾、打撲症

※ 血の道症とは月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状を指します。

鼻炎や蓄膿症など鼻の症状に

通常、風邪やアレルギーによる鼻水や鼻づまりには、西洋薬の抗ヒスタミン薬が速く効きはじめるためおすすめです。しかし、抗ヒスタミン薬のなかには眠気の副作用が出るものがあります。日常的に車の運転をする方など、眠くなると困るという方は小青竜湯を検討するとよいでしょう。また、黄色や緑色の鼻水が出る鼻づまりや蓄膿症には、辛夷清肺湯や荊芥連翹湯が適しています。

■ 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
体力中等度又はやや虚弱で、うすい水様のたんを伴うせきや鼻水が出るものの次の諸症:
気管支炎、気管支ぜんそく、鼻炎、アレルギー性鼻炎、むくみ、感冒、花粉症

■ 辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)
体力中等度以上で、濃い鼻汁が出て、ときに熱感を伴うものの次の諸症:
鼻づまり、慢性鼻炎、蓄膿症(副鼻腔炎)

■ 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
体力中等度以上で、皮膚の色が浅黒く、ときに手足の裏に脂汗をかきやすく腹壁が緊張しているものの次の諸症:
蓄膿症(副鼻腔炎)、慢性鼻炎、慢性扁桃炎、にきび

排尿痛や頻尿などの尿トラブルに

尿トラブルは人には相談しにくく、悩みながらも対処に困っている方も少なくありません。膀胱の炎症が引き起こす排尿痛や残尿感などには、尿量を増やして雑菌を洗い流してくれる猪苓湯や竜胆瀉肝湯がおすすめです。また、加齢にともなう頻尿や排尿困難などには八味地黄丸や牛車腎気丸を選ぶとよいでしょう。

■ 猪苓湯(ちょれいとう)
体力に関わらず使用でき、排尿異常があり、ときに口が渇くものの次の諸症:
排尿困難、排尿痛、残尿感、頻尿、むくみ

■ 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)
体力中等度以上で、下腹部に熱感や痛みがあるものの次の諸症:
排尿痛、残尿感、尿のにごり、こしけ(おりもの)、頻尿

■ 八味地黄丸(はちみじおうがん)
体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少又は多尿で、ときに口渇があるものの次の諸症:
下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、かゆみ、排尿困難、残尿感、夜間尿、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)、軽い尿漏れ

■ 牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく尿量減少し、むくみがあり、ときに口渇があるものの次の諸症:
下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、かゆみ、排尿困難、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)

「漢方」も実はオンライン診療があるんです

「検査をして異常はないと言われたが、なんだか調子が悪い」
「体質改善することで症状を改善したい」
と考える方は、ぜひ医師に漢方について相談してみましょう。
忙しくてなかなか漢方の専門病院を受診できない方は、オンライン診療がおすすめです。

「でも、自分の症状で病院を受診していいのかどうか分からない」
と悩む方は、まずは自己検査をしてみるのも1つの方法です。検査機関に行く必要がないので、誰にも知られずにチェックできます。
ミナカラでは、自宅で簡単にできる更年期の検査キットを取り扱っています。
指先からの採血や、小さなスポンジを口に含んで唾液を採取することで、女性ホルモン(エストラジオール、FSH)や男性ホルモン(テストステロン)を測定します。

【ミナカラオンライン検査のメリット】

  • 検査から結果の確認まで、すべてを自宅で手軽にできる
  • プライバシーに配慮した発送で、誰にも知られずにこっそり検査できる
  • 結果に不安を感じたら、オンラインで医師への相談が可能

 

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「漢方」の相談はオンライン診療で

漢方で重要なことは、それぞれの体質や症状に合わせて適切なものを選ぶことです。
ミナカラオンライン診療では、医師が現在お困りの症状を伺った上で、症状や体質を総合的に診断し、最適な漢方薬をご提案いたします。医師が診断した疾患に対して、漢方薬が有効であると判断される場合、医療保険の対象となりますので、漢方治療を費用面で躊躇されていた方にもおすすめです。
スマホなどを使用して簡単に受診でき、薬もご自宅へ配送されるため、病院や薬局での待ち時間が不要です。


【こんな方におすすめ】

  • なんとなく身体の調子が悪い  
  • 体質の改善がしたい 
  • 気軽に漢方薬の相談をしてみたい  
  • 自分の症状に漢方薬が使えるか聞いてみたい  
  • 忙しくて病院に行けない  
  • 通院していることを知られたくない  
  • スキマ時間に診察を受けたい  
  • 通院に時間をかけたくない

なお、漢方薬の処方が適切でないと判断されるケースもあります。症状や保険適用条件との兼ね合いから、ご希望の漢方薬を処方できないケースもございますので予めご了承ください。

 

▼ 診療予約はこちら ▼

 

かかりつけ医をオンラインで。医師によるオンライン診療で薬を処方。ミナカラ e-クリニック。
監修薬剤師
小寺 瑶
ミナカラ薬局薬剤師
小寺 瑶
【経歴】

福岡大学薬学部薬学科卒業
福岡大学大学院薬学研究科薬学専攻修士課程修了
株式会社大賀薬局
株式会社ミナカラ / ミナカラ薬局
編集者
小寺 瑶
株式会社ミナカラ薬剤師
小寺 瑶
【経歴】

福岡大学薬学部薬学科卒業
福岡大学大学院薬学研究科薬学専攻修士課程修了
株式会社大賀薬局
株式会社ミナカラ / ミナカラ薬局

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