目に腫れ・かゆみがある…ものもらい?結膜炎?症状の違いと治療法
ものもらいとは?
ものもらいは俗称で、医学的には「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」が正しい病名です。地域によっては「めいぼ」、「めばちこ」などと呼ばれることもあります。
まぶたが赤く腫れ、まばたきしたり、まぶたを抑えたりすると痛みや違和感、しこりを感じます。また、かゆみ、目ヤニなどの症状が現れることもあります。
ものもらいの原因
ものもらいは、次のような部位に細菌が感染・増殖して引き起こされる、急性の化膿性炎症です。
・まぶたのふちにあるマイボーム腺(目を乾燥から守るための脂質が出る分泌腺)
・まつ毛の毛根
細菌がついた手指で目に触れることで感染します。おもな原因菌は黄色ブドウ球菌です。黄色ブドウ球菌は健康な人の皮膚やのど、鼻、腸内などにもいる常在菌です。
ものもらいは細菌による感染症ですが、感染性は低く、基本的には人にうつることはありません。
ものもらいの治療法
細菌増殖を抑える抗菌点眼薬・眼軟膏を用いて治療します。症状が強い場合は、飲み薬の抗菌薬を服用することもあります。通常、改善までにかかる期間は1~2週間ほどです。
結膜炎とは?
結膜炎とは、上下のまぶたの裏側から白目の表面を覆っている「結膜」に炎症が起こる病気です。結膜は異物が外から侵入するのを防いだり、目が乾燥するのを防ぐ役割を持ちます。
結膜炎の原因
結膜炎は①ウイルス性 ②細菌性 ③アレルギー性の3種類に分けられます。原因によって治療法が異なるため、受診時は自覚症状を医師にしっかり伝えましょう。
① ウイルス性結膜炎
ウイルスが結膜に感染することで起こる結膜炎です。感染力が高いため、周りに発症している人がいる場合は注意しましょう。
■ はやり目(流行性角結膜炎)
目の充血、痛み、かゆみ、大量の目ヤニ、涙目、目の異物感、耳の前にあるリンパ節の腫れなどが現れます。角膜(黒目)や結膜にアデノウイルス8型、19型、 37型が感染することで引き起こされます。
ウイルスで汚染された物品などを介して感染するため、家族とはタオルを共有しないなどの対策が必要です。
2~3週間ほどでよくなります。
■ プール熱(咽頭結膜熱)
目の充血、目ヤニ、涙目、まぶたの腫れ、目の異物感などの目の症状に加えて、喉の痛み、38~39℃の発熱、頭痛、だるさなどの全身症状が現れます。アデノウイルス3型、4型、7型に感染することで引き起こされます。
主な感染経路は患者の咳やくしゃみなどを吸い込む飛沫感染、タオルやドアノブなどを介して感染する接触感染です。ウイルスに汚染されたプールの水を介して感染することから「プール熱」とも呼ばれます。
1~2週間ほどでよくなりますが、数週間は便中にウイルスが排出されるため、治ってもすぐにはプール使用は許可されません。
■ 急性出血性結膜炎(AHC)
突然の目の痛み、ゴロゴロとした異物感、まぶしく感じるなどの症状に加えて、出血によって生じる赤や紫の斑点が白目部分に現れます。発熱などの全身症状が現れることもあります。エンテロウイルス70型やコクサッキーウイルスA24変異株によって引き起こされる急性の結膜炎です。
主な感染経路は、ウイルスが付着した手で目に触ったり、ウイルスに汚染されたタオルや洗面器などを介することで感染する接触感染です。
通常、1週間ほどでよくなります。
② 細菌性結膜炎
細菌が結膜に感染することで起こる結膜炎です。
■ 一般的な細菌性結膜炎
目の充血、痛み、違和感、黄色・緑・灰色のクリーム状の目ヤニが現れます。黄色ブドウ球菌、インフルエンザ菌、肺炎球菌などが原因菌です。
感染力はそこまで強くはありませんが、目にケガをしていたり、疲労や病気などで免疫力が低下していると感染することがあります。
適切な治療で、数日~1週間ほどで改善します。
■ 淋菌性結膜炎/クラミジア結膜炎
淋菌やクラミジアが結膜に感染することで発症する性感染症(STD)です。
淋菌性結膜炎は、強い充血と黄色で大量の目ヤニが現れます。重症化すると角膜に穴があき、最悪の場合失明することがあります。
クラミジア結膜炎は充血と目ヤニ、耳の前のリンパ節の腫れや痛みが現れます。
成人では、感染者の精液が目に入ったり、感染者の性器に触れた手で目に触れることで発症します。また、母親が感染者の場合、出産時に産道を通過するときに新生児に感染することもあります。このほか、浴室やプールなどで手指やタオルを介して他人から感染するケースもあります。
治療が遅れると失明にいたるおそれがあり、早急な対策が重要です。通常の細菌性結膜炎とは治療法が異なるため、淋菌やクラミジア感染に心当たりがある場合は、恥ずかしがらずに医師にお伝えください。
性感染症のため、眼科だけでなく泌尿器科の受診もすすめられます。
※ミナカラ オンライン診療(眼科)では、すでに診断がついている場合は、淋菌・クラミジアなどによる細菌性結膜炎の診察が可能です。診断がついていない場合は、市販の性感染症の検査キットでの事前検査を行ってください。
③ アレルギー性結膜炎
アレルギー性結膜炎は異物によるアレルギー反応によって、結膜が炎症を起こす病気です。主な原因は花粉やハウスダストなどで、結膜にアレルギーの原因物質(アレルゲン)が付着することで目のかゆみ、異物感、充血、涙目などが起こります。
アレルギー症状のため、人にうつることはありません。
アレルゲンと接触する機会がなくなれば、症状は改善します。
結膜炎の治療法
結膜炎の治療法は原因によって異なります。
ウイルス性結膜炎の治療の基本は自然治癒です。かゆみや炎症などが強い場合は、それぞれの症状を抑える対症療法を行います。また、細菌への二次感染を防ぐ目的で抗菌点眼薬が処方されることもあります。
細菌性結膜炎は、細菌増殖を抑える抗菌点眼薬や抗菌眼軟膏を用いて治療します。
アレルギー性結膜炎は、抗アレルギー成分やステロイド成分が配合された点眼薬を用いて治療します。
ものもらいと結膜炎の違いを比較
ものもらいと結膜炎の違いを一覧表にまとめました。
ただし、ウイルス性結膜炎や細菌性結膜炎では、感染したウイルス・細菌によって現れる症状は異なるため、あくまでも目安としてご確認ください。

予防と悪化防止のポイント
ものもらいや結膜炎の予防や悪化防止のポイントをお伝えします。これらの対策を行っていても目の不調を感じたら、悪化する前に早めに医療機関へ相談しましょう。
ものもらい、ウイルス性結膜炎、細菌性結膜炎
これらの眼病を予防するためには、目への感染を防ぐことが大切です。
・不潔な手で目に触らない
・メイク落としや洗顔を丁寧に行う
・コンタクトレンズは適切に使用する
・タオルの共有を避ける(特に結膜炎のとき) など
アレルギー性結膜炎
花粉やハウスダストなどアレルギーの原因物質を避けましょう。
・外から帰宅したら洗顔や人工涙液で洗眼し、皮膚や結膜に付着したアレルゲンを洗い流す(花粉症の場合)
・こまめに掃除、換気、洗濯を行ってアレルゲンを生活環境から取り除く など
目のかゆみや腫れはミナカラ オンライン診療で相談
目の腫れやかゆみ、痛みの原因はさまざまで、原因によって対処法も変わります。判断に迷う場合は、病院を受診して医師に相談しましょう。
・目が腫れていて化粧もできず、外出するのが恥ずかしい
・仕事や家事が忙しく診療時間内に受診できない
・休日・夜間に症状が出て、眼科が閉まっている
・家や会社の近くに眼科がないので、通院に時間がかかる
・いつも行っている病院は予約ができず不便
このような悩みがある場合は、自宅からすきま時間に診察を受けられるオンライン診療を利用してみてはいかがでしょうか?
ミナカラ オンライン診療では、問診表への記入と患部の写真を送ることで、スムーズに医師の診察を受けることができます。
※患部の写真の送信は予約完了後のマイページから可能です。
充血の様子などから病状が分かることも多いため、写真を取るときは結膜(白目)部分も含めて目のアップ写真を撮ってください。

目に痛みやかゆみがあると、日常生活にも支障が現れます。病院で医師の診察を受けたいけれど、なかなか行けないという方は、オンライン診療という新しい受診スタイルを検討してみてはいかがでしょうか。
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