どうして血圧の薬が必要なの?かんたんにわかる測り方と治療のキホン
高血圧とは?
高血圧の定義
日本高血圧学会が発表している高血圧管理・治療ガイドライン2025では、診察室における血圧の値によって次のように分類されています。

診察室における測定で最高血圧140mmHg以上、最低血圧90mmHg以上だと「高血圧」と診断され、治療の対象となります。一方、家庭で測定した場合は、135/85mmHg以上が「高血圧」とされるため注意しましょう。
以前は患者さんの年齢や持病によって降圧目標が異なりました。しかし、新しいガイドラインでは、年齢や合併症に関わらず、すべての成人高血圧患者さんにおける主要な降圧目標が、以下のようにシンプルで明確なものになりました。
| 降圧目標 | |
| 診察室血圧 | 130/80 mmHg未満 |
| 家庭血圧 | 125/75 mmHg未満 |
高血圧は自覚症状なく進行
高血圧は「サイレントキラー」とも呼ばれ、自覚症状なく進行していく病気です。放置していると動脈硬化が進み、心筋梗塞、脳梗塞、脳出血、腎機能低下などを引き起こすおそれがあります。健康診断などで「血圧が高め」と指摘されたら、早めに受診して対応しましょう。
▼ 高血圧の診療予約はこちら ▼
※お薬は配送、または、お近くの薬局での受け取りを選ぶことが可能
※診察の結果、医師の判断により希望のお薬が処方されないこともあります。
※オンライン診療についてのお問い合わせはこちら:https://minacolor.com/contact?myprescription=true
高血圧の種類
高血圧には大きく分けて「本態性高血圧」と「二次性高血圧」があります。それぞれの特徴について解説します。
本態性高血圧とは
本態性高血圧とは、原因が特定できない高血圧を指します。日本人の高血圧患者の80~90%は本態性高血圧です。本態性高血圧の主な原因は、遺伝的体質に加えて生活習慣によるところが大きいとされています。
| 高血圧につながる主な生活習慣 | ・味付けの濃い食事が好き ・麺類は汁まで残さず食べる ・太っている ・お酒をよく飲む ・運動習慣がない ・ストレスが多い など |
|---|
なかでも塩分の過剰摂取は、日本人の高血圧発症の大きな要因です。厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、成人の1日塩分摂取目標量を男性で7.5g以下、女性で6.5g以下と定めています。高血圧対策のためには、塩分控えめな食生活をすることが大切です。
二次性高血圧とは
二次性高血圧は、腎疾患、内分泌疾患、睡眠時無呼吸症候群などに起因する高血圧です。高血圧の治療だけでなく、元となっている病気の治療が重要となります。
なぜ薬を毎日飲む必要があるのか

血圧が高い状態が続くと、血管の内壁に負担がかかり続けて、血管が硬くもろい状態(動脈硬化)に。血圧の薬を飲むことで血管への負担を減らし、動脈硬化の予防につながります。
しかし、血圧の薬をやめると再び血圧が高い状態に戻るおそれがあります。血圧の薬を減量・中止する場合は、自己判断ではなく必ず医師の指示に従いましょう。
高血圧は自覚症状がほとんどないため、薬を飲んでいても、あまり体調変化を感じられないかもしれません。しかし、「健康な未来のため、血管を守る目的で続けている」という考え方にマインドチェンジしましょう。
高血圧治療で使われる薬
高血圧治療で使われる薬にはさまざまな種類があり、それぞれ効き方が異なります。患者さん一人ひとりの症状に合わせて、どの薬が適切か医師が判断し処方します。
薬を飲んでもなかなか血圧が下がらない場合は、薬を増量したり、他の種類の薬に変更したり、複数の薬を組み合わせたりして治療を続けます。
薬を飲んでいて困ったことがある場合は、次回受診時に医師に相談しましょう。
Ca(カルシウム)拮抗薬
Ca拮抗薬は、カルシウムイオンが細胞内に流れ込んで血管を収縮させるのを抑え、血圧を下げる薬です。アムロジン(アムロジピン)、アダラート(ニフェジピン)、ヘルベッサー(ジルチアゼム)などがあります。
ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)
ARBは、アンジオテンシンⅡという物質が受容体にくっついて血管を収縮させるのを妨げることで、血圧を下げる薬です。ミカルディス(テルミサルタン)、ディオバン(バルサルタン)、ブロプレス(カンデサルタン)などが発売されています。
ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)
ACE阻害薬は、アンジオテンシンⅡという血管を収縮させる物質が作られるのを防ぐことで、血管を拡げて血圧を下げます。主な処方薬はレニベース(エナラプリル)、タナトリル(イミダプリル)、ゼストリル(リシノプリル)などです。
利尿薬
利尿薬は、体内にある余分な塩分・水分を尿として体の外に出すことで、血圧を下げる薬です。アルダクトン(スピロノラクトン)、フルイトラン(トリクロルメチアジド)、ラシックス(フロセミド)などがあります。
α遮断薬
α遮断薬は、交感神経の働きを抑え、血管を拡げて血圧を下げる薬です。カルデナリン(ドキサゾシン)、エブランチル(ウラピジル)などが処方されます。
β遮断薬
β遮断薬は、交感神経の働きを抑え、心臓から押し出される血液の量を抑えたり、血管の収縮を弱めたりして、血圧を下げる薬です。テノーミン(アテノロール)、メインテート(ビソプロロール)、インデラル(プロプラノロール)などが販売されています。
血圧の正しい測り方
血圧測定する際に誤った手順や姿勢で行うと、正しい血圧が分からず、適切な治療を行うことができません。自宅で血圧を測るときに注意すべきポイントをお伝えします。
測定の手順
① 血圧は毎日同じくらいの時間に測りましょう。朝は起床後1時間以内、朝食・服薬前に測定しましょう。夜は寝る前を目安とします。
② 測定前にトイレを済ませておきましょう。
③ 椅子に腰かけて1~2分安静にします。
④ カフを心臓と同じ高さの上腕に巻きます。
⑤ 2回測定し、平均値を血圧手帳に記録します。
正しい姿勢
椅子に腰かけ、血圧計をテーブルに置いた状態で測定しましょう。
・背もたれに寄りかかってリラックスします
・足を組まないでください
・腕に巻いたカフは心臓の高さにしてください
・手のひらを上にしてテーブルに置いてください
なぜ毎日測る必要があるの?
「血圧は病院でプロに測ってもらえれば大丈夫」と思われがちです。もちろん病院で血圧測定し、経過を把握してもらうことは大切です。しかし、自宅で測定する血圧も、治療方針を決めるのに重要な役割を担っていることをご存じでしょうか。自宅での血圧測定の重要性と、「病院で測る血圧が正しくないケース」を紹介します。
家庭血圧は診断にとても重要
病院で測定した血圧と同様に、家庭血圧の経過も適切な治療を行ううえで重要です。また、白衣高血圧や仮面高血圧など、「病院で測った血圧が本当の血圧ではない」ケースも。自分の「本当の血圧」を知るためにも、家庭血圧の測定を習慣化しましょう。
白衣高血圧とは
白衣高血圧とは、家庭では低いが病院で測ると血圧が高くなる現象を指します。病院という慣れない場所で緊張して血圧が高くなる、と考えられています。病院にいる医師や看護師の服装から「白衣高血圧」と名付けられました。
白衣高血圧では、必要以上の強さの降圧薬を飲むことで、めまいやふらつきなどの副作用を引き起こすおそれがあります。過剰診断を避けるためにも家庭血圧の測定が大切です。
仮面高血圧とは
仮面高血圧とは、家庭では高いが病院で測ると低くなる現象を指します。治療のスタートが遅れたり、適切な治療ができないおそれがあります。病院で測る血圧が落ち着いていても、高血圧リスクが高い方は、家庭血圧を測定して「本当の血圧」をしっかり把握しておきましょう。
| 高血圧リスクが高い方 | ・高血圧治療中の方 ・タバコを吸う方 ・運動不足の方 ・お酒をよく飲む方 ・ストレスが溜まっている方 ・肥満、メタボリックシンドローム、糖尿病の方 ・心血管疾患がある方 |
|---|
通院が負担…そんな方にオンライン診療という選択肢

高血圧は自覚症状がないため、「なぜ毎月受診して、薬を飲み続けなければいけないのか」と疑問に思い、途中で治療を中断してしまう方もいます。しかし、血管への負担を減らし、将来の心筋梗塞・脳梗塞・脳出血などのリスクを下げるには、毎日の服薬がとても大切です。定期的に通院し、体調の経過を医師にしっかり確認してもらいましょう。
定期的な通院に負担を感じている人は、オンライン診療を利用するのも一つの手です。
オンライン診療は、こんな悩みの方がある方におすすめです。
・忙しくて毎月病院に行く時間がとれない
・診療時間内に受診できない
・せっかくの休みの日に通院したくない
・まだ「高血圧」ではないし、相談するのは早い気がする
| 【ミナカラ オンライン診療なら】 |
|---|
| ・通院時間ゼロ ・完全予約制で待ち時間もほとんどなし ・薬は配送もしくは薬局で受け取りOK ・まずは気軽に血圧の相談でも大丈夫 ・再診予約もスムーズ |
高血圧は、長期的に治療に取り組む必要がある病気です。通院ストレスがないオンライン診療を活用して、自分のペースで健康管理に向き合いましょう。
▼ 高血圧の診療予約はこちら ▼
※お薬は配送、または、お近くの薬局での受け取りを選ぶことが可能
※診察の結果、医師の判断により希望のお薬が処方されないこともあります。
※オンライン診療についてのお問い合わせはこちら:https://minacolor.com/contact?myprescription=true


この記事は参考になりましたか?
新着記事
ご利用に当たっての注意事項
- 掲載している情報は、セルフメディケーション・データベースセンターから提供されたものです。
- 適正に使用したにもかかわらず副作用などの健康被害が発生した場合は(独)医薬品医療機器総合機構(TEL:0120-149-931)にご相談ください。
- より詳細な情報を望まれる場合は、購入された薬局・薬店の薬剤師におたずねください。
- 当サービスによって生じた損害について、株式会社ミナカラ及び、セルフメディケーション・データベースセンターではその賠償の責任を一切負わないものとします。
掲載情報について
掲載している各種情報は、株式会社ミナカラが調査した情報をもとにしています。出来るだけ正確な情報掲載に努めておりますが、内容を完全に保証するものではありません。 掲載されている医療機関へ受診を希望される場合は、事前に必ず該当の医療機関に直接ご確認ください。 当サービスによって生じた損害について、株式会社ミナカラではその賠償の責任を一切負わないものとします。情報に誤りがある場合には、お手数ですが株式会社ミナカラまでご連絡をいただけますようお願いいたします。 使用されている写真はイメージです。実際の内容と異なる場合があります。


