目を守るために知っておきたい、点眼薬の基本と上手な使い方
点眼薬とは
点眼薬とは、目に直接使用することで局所的に作用する薬剤です。内服薬と比べて全身への影響が少なく、必要な部位に直接作用させられる点が特徴です。
処方薬だけでなく、市販薬としても多くの種類がありますが、いずれも正しい知識をもって使用することが大切です。
点眼液と眼軟膏はどう違うの?
点眼薬には主に「点眼液」と「眼軟膏」があります。
点眼液は液体で、さっぱりとした使用感が特徴です。
一方、眼軟膏は目や周辺の炎症(結膜炎、ものもらい、角膜炎など)を治療するため、油性基剤に薬効成分(抗炎症剤、抗菌剤など)を混ぜたもので、下まぶたの内側に塗布し、体温で溶かして使用します。
目のトラブルにはオンライン診療が利用できることも
ドライアイや結膜炎など、軽度な目のトラブルにはオンライン診療も利用できます。
ミナカラオンライン診療では、スマホなどを使用して自宅で受診できます。
ご希望の薬がある場合には、その旨を医師に相談してみましょう。
(医師の判断により、オンライン診療の利用ができない場合や、対面での通院を求められる場合があります)
【オンライン診療の流れ】
1 診療科目を選択し予約する
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点眼薬の使い方:基本の手順
まずは準備をしよう
点眼薬を使用する前には必ず手を洗い、清潔な状態を保ちましょう。手指に付着した細菌が目に入ると、感染の原因となることもあります。また、使用前に用法・用量を確認し、医師の指示通りであるかを再確認することも重要です。
正しい点眼の手順とは?
下まぶたを軽く引き、そのくぼみに1滴だけ点眼します。このとき、容器の先端がまつ毛や目、まぶたに触れないよう注意してください。触れてしまうと、雑菌が薬液に混入して汚染を生じる原因となるため、触れないように注意しながら1滴ずつ正確に点眼しましょう。
点眼後のケアも大切
点眼後は、まぶたを軽く閉じ、薬液を行き渡らせましょう。その際、目をパチパチさせないようにします。
さらに、目頭(鼻側)を1~2分ほど軽く押さえると、薬が鼻へ流れ出るのを防ぎ、効果的とされています。あふれた薬液は、清潔なティッシュなどでやさしく拭き取りましょう。
目薬は1滴で十分
多くの点眼薬の1滴の薬液量は約50μLに調整されています。それに対して、目の容積は30μL程度とされており、1回1滴で十分な効果が得られるよう設計されています。
何滴も点眼すると効果が高まると思われがちですが、実際には効果が増すわけではなく、薬液が鼻腔内へ流れ込み、鼻粘膜や喉から吸収されて、副作用のリスクが高まることもあります。
複数の種類の点眼薬を使うときのポイント
点眼間隔は最低5分
複数の点眼薬を使う場合は、少なくとも5分以上の間隔をあけてください。間隔が短いと、後にさした薬が先の薬を洗い流してしまい、十分な効果が得られないことがあります。
点眼薬を使う順番は?
複数の点眼薬を使用する際には、薬の性質によって点眼の順番が決まっている場合があります。一般的には、水性の点眼液 → 懸濁性点眼液 → 油性点眼液や眼軟膏の順が目安となります。具体的な順番については、医師の指示に従いましょう。
点眼薬の保管と取扱いの注意点
保管温度・環境
多くの点眼薬は室温保存が基本ですが、直射日光や高温多湿は避ける必要があります。遮光袋に入れて保管するよう指示されている薬もあるため、説明書をよく確認しましょう。
また、防虫剤及び湿布薬等の近くに置かないようにしましょう。防虫剤や湿布薬などに含まれる揮発成分は、容器を透過して薬液に溶け込み、点眼時に刺激を感じることがあります。
容器の先端が汚れると、薬液が汚染され、混濁や変質の原因になります。使用後はすぐにキャップを閉め、先端には触れないよう注意してください。
開封後の使用期限・注意点
点眼薬の容器に記載されている使用期限は、未開封の状態におけるものであり、容器が開封されてから長期間を経過した製品は、使用を避けましょう。
開封後は多くの場合、1ヶ月を目安に使い切ることが目安となります。開封日を忘れないために、点眼剤の袋に開封日を記載しておくことをおすすめします。
こんなことにも注意
小児の手の届かない場所に保管し、誤飲や誤使用を防ぎましょう。また、他の薬と一緒に置くと取り違えの原因になるため、分けて保管するのがおすすめです。
安全に使うために知っておきたいこと
点眼薬は「自分専用」
点眼薬は他人と共用してはいけません。家族であっても、細菌感染のリスクが高まります。
異常があったときの対応
薬液が濁っている、変色している場合には使用せず、医師や薬剤師に相談してください。
また、点眼後に強い痛みや異物感など、いつもと違った症状がある場合にも相談するようにしましょう。
用法・用量を守ることの重要性
自己判断で回数や量を増減することは避けましょう。症状が改善しない場合でも、まずは医師に相談することが大切です。
まとめ
正しい使い方と保管で「効果」を守る
点眼薬は、正しく使い、適切に保管することで本来の効果を発揮します。基本を守ることが、目の健康を守る第一歩となります。
不安や疑問があれば、医師・薬剤師に相談を
使い方や保管方法に不安がある場合は、自己判断せず、医師や薬剤師に相談しましょう。正しい知識が、あなたの大切な目を守ります。

昭和大学大学院薬学研究科修了
昭和大学薬学部客員講師
株式会社ミナカラ / ミナカラ薬局
薬局、ドラッグストアで臨床経験を積み、その後昭和大学薬学部の教員、チェーンドラッグストア協会の教育機関でOTCの研修講師を務める。
【著書】
•現場で差がつく! もう迷わない! ユーキャンの登録販売者お仕事マニュアル 症状と成分でわかるOTC薬
•現場で差がつく! ユーキャンの新人登録販売者お仕事マニュアル

昭和大学大学院薬学研究科修了
昭和大学薬学部客員講師
株式会社ミナカラ / ミナカラ薬局
薬局、ドラッグストアで臨床経験を積み、その後昭和大学薬学部の教員、チェーンドラッグストア協会の教育機関でOTCの研修講師を務める。
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•現場で差がつく! もう迷わない! ユーキャンの登録販売者お仕事マニュアル 症状と成分でわかるOTC薬
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