汗疱(かんぽう)とは?手のひらのブツブツの正体と市販薬・病院受診の目安
その手のひらのブツブツは汗疱?それとも水虫?まず疑うべき病気
汗疱(異汗性湿疹)とは、手のひらや足のうら、指の側面などに突然、小さな水ぶくれ(水疱)ができる皮膚の病気です。
初期には強いかゆみを伴うことが多く、水ぶくれが乾燥すると、皮膚がむけてくるのが特徴です。名前に「汗」という文字が入っていますが、汗腺そのものが詰まる病気ではなく、汗が出にくくなることで周囲の組織に炎症が起きるのではないかと考えられています。
手のひらの小さなブツブツやかゆみは「汗疱(かんぽう)」でよくみられる症状ですが、よく似た見た目の別の病気(手水虫・かぶれなど)の可能性もあります。それぞれどんな症状なのか、ここで確認しておきましょう。
汗疱にみられる主な症状の特徴
汗疱の一般的な症状の現れ方は以下の通りです。
● 初期の症状
手のひらや指の側面に、直径1〜2ミリ程度の小さな、少し硬い水ぶくれが多発します。この時期に強いかゆみや、人によっては軽い痛みを伴うことがあります。
● 後期の症状
水ぶくれが徐々に乾燥し、カサカサとした状態になって皮膚がむけていきます。この時期にはかゆみは落ち着く傾向があります。
水虫(白癬)など他の病気との違い|使用する薬が異なるので注意
中には、汗疱だと思っていたら、違う疾患だったということもあります。
手のひらのブツブツやかゆみは、汗疱のほかにも、カビ(白癬菌)が原因で起こる「手水虫(てみずむし)」や、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)など、他の病気の可能性もあります。これらは見た目だけでは区別がつきにくいため、自己判断で間違った対策をしないよう、症状を慎重に見極めることが大切です。
例えば、水虫であるのにステロイド外用薬を使用すると、症状が変化したり悪化したりする原因になります。
汗疱が起こる主な原因
汗疱が発症する明確なメカニズムは完全には解明されていませんが、複数の要因が関係していると考えられています。
主な要因として考えられているものは以下の通りです。
発汗や季節の変化による影響
汗疱は、春から夏にかけての温かい季節や、汗をかきやすい時期に現れる傾向があります。多汗症の方に比較的多くみられる傾向もありますが、体質や季節の変わり目の環境変化が引き金の一つになっているのではないかと推測されています。
金属アレルギーやストレスとの関係
食べ物や歯科治療で使われる金属(ニッケル、クロム、コバルトなど)が体内に吸収され、汗となって排出される時にアレルギー反応を起こして、水ぶくれが起こるという考え方もあります。
また、精神的なストレス、寝不足などの生活習慣の乱れが自律神経に影響し、症状を誘発・悪化させる原因になっているともいわれています。
自宅でできるセルフケアと日常生活の工夫
軽度の症状であれば、日常生活の工夫や市販薬を活用したセルフケアで様子を見ることも一つの選択肢です。肌への刺激を減らし、患部の状態を整えるための具体的な方法を整理しました。
日常生活で肌への刺激を減らす工夫
汗疱のセルフケアは、汗をそのままにしないこと、患部への刺激を避けることが大切です。
● 手洗いは優しく行う
洗浄力の強すぎる石鹸は避け、泡で包み込むように洗います。洗った後は柔らかいタオルで水分をしっかり拭き取ります。
● 汗をこまめに拭き取る
手に汗をかいたときは、そのままにせず清潔なハンカチなどでこまめに拭き取ります。
● 洗剤を使うときは手袋をする
毎日の食器洗いなどで洗剤に触れるときは、直接触れないように綿の手袋の上からゴム手袋を着用するなどして、刺激から手を守りましょう。
市販薬を選ぶ際の有効成分の目安
手の赤みやかゆみを一時的に抑えたい場合、症状に合わせて薬局やドラッグストアで市販されている薬を使用することもできます。
|
期待される作用 |
有効成分の例と成分の目的 |
|
炎症を抑える(塗り薬) |
・ステロイド成分(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルなど) ・ブツブツの赤みや、炎症を鎮めます。 |
|
かゆみを鎮める(塗り薬・飲み薬) |
・抗ヒスタミン成分(ジフェンヒドラミンなど) ・不快なかゆみの原因物質の働きをブロックし、かゆみをおさえます。 |
|
乾燥を防ぎバリア機能を補う(塗り薬) |
・ワセリン、ヘパリン類似物質 ・カサカサした肌を保護し、外部の刺激から守ります。 |
注意が必要なケース
汗疱のセルフケアを行う上で、避けるべき行動や、注意深く経過を見るべき状態があります。
かゆみが強いからといって、水ぶくれを自分で潰すことは避けましょう。 水ぶくれを破ってしまうと、そこから細菌が入って二次感染を起こし、ジュクジュクと化膿して症状がさらに長引いてしまうことがあります。
また、皮がむけている時期に無理に引っ張って剥がそうとすると、健康な皮膚まで傷つけてしまうため注意が必要です。
皮膚科などの医師に相談する目安
手のブツブツや湿疹の状態によっては、医療機関(皮膚科)を受診し、適切な診断と治療を受けることが望ましい場合もあります。
以下のような状況がみられる場合は、無理にセルフケアだけで解決しようとせず、医師に相談してください。
● 市販薬を数日間使用しても、かゆみやブツブツの状態に変化がみられない
● 水ぶくれが手のひら全体や足の裏など、広い範囲に広がっている
● かきむしってしまい、患部がジュクジュクしたり、赤く腫れて痛みを伴っている
● 水虫など、他の皮膚疾患の可能性が否定できない
皮膚科の受診では、炎症の程度に合わせた強さのステロイド外用薬や、かゆみを抑える抗ヒスタミン薬の内服薬などが、個々の状態に合わせて処方されます。
※診察の結果、医師の判断により希望のお薬が処方されないこともあります。
忙しい方のための「オンライン診療」という選択肢
社会人の方は、平日の日中に病院へ行く時間を確保するのが難しいことも多いでしょう。そのような場合の手段として、オンライン診療という選択肢があります。
移動時間や待ち時間を抑えるメリット
オンライン診療は、スマートフォンやPCを使って自宅や職場から受診できるため、通院にかかる移動時間を削減できます。仕事の合間や帰宅後の時間を有効に活用できる点が、忙しい時期には大きなメリットとなります。
▼ 診療予約はこちら ▼
●お薬は配送、または、お近くの薬局での受け取りを選ぶことが可能
●診察の結果、医師の判断により希望のお薬が処方されないこともあります。
●オンライン診療についてのお問い合わせはこちら:https://e-clinic.minacolor.com/pages/contact
まとめ
手のひらや指の側面にできるかゆみを伴うブツブツは、汗疱という皮膚のトラブルである可能性があります。
他人に移るものではありませんが、無理に潰すと悪化の原因になるため、正しい手洗いや保湿を心がけ、患部を優しく保護することが大切です。
症状が長引く場合や、日々の生活に支障が出るほどかゆみが強い場合は、無理をせず医師への相談を検討しましょう。仕事や家事が忙しくて平日の通院が難しいときは、スマホで自宅から受診できるオンライン診療も選択肢の一つとしてご活用ください。

昭和大学大学院薬学研究科修了
昭和大学薬学部客員講師
株式会社ミナカラ / ミナカラ薬局
薬局、ドラッグストアで臨床経験を積み、その後昭和大学薬学部の教員、チェーンドラッグストア協会の教育機関でOTCの研修講師を務める。
【著書】
•現場で差がつく! もう迷わない! ユーキャンの登録販売者お仕事マニュアル 症状と成分でわかるOTC薬
•現場で差がつく! ユーキャンの新人登録販売者お仕事マニュアル

昭和大学大学院薬学研究科修了
昭和大学薬学部客員講師
株式会社ミナカラ / ミナカラ薬局
薬局、ドラッグストアで臨床経験を積み、その後昭和大学薬学部の教員、チェーンドラッグストア協会の教育機関でOTCの研修講師を務める。
【著書】
•現場で差がつく! もう迷わない! ユーキャンの登録販売者お仕事マニュアル 症状と成分でわかるOTC薬
•現場で差がつく! ユーキャンの新人登録販売者お仕事マニュアル
この記事は参考になりましたか?
新着記事
ご利用に当たっての注意事項
- 掲載している情報は、セルフメディケーション・データベースセンターから提供されたものです。
- 適正に使用したにもかかわらず副作用などの健康被害が発生した場合は(独)医薬品医療機器総合機構(TEL:0120-149-931)にご相談ください。
- より詳細な情報を望まれる場合は、購入された薬局・薬店の薬剤師におたずねください。
- 当サービスによって生じた損害について、株式会社ミナカラ及び、セルフメディケーション・データベースセンターではその賠償の責任を一切負わないものとします。
掲載情報について
掲載している各種情報は、株式会社ミナカラが調査した情報をもとにしています。出来るだけ正確な情報掲載に努めておりますが、内容を完全に保証するものではありません。 掲載されている医療機関へ受診を希望される場合は、事前に必ず該当の医療機関に直接ご確認ください。 当サービスによって生じた損害について、株式会社ミナカラではその賠償の責任を一切負わないものとします。情報に誤りがある場合には、お手数ですが株式会社ミナカラまでご連絡をいただけますようお願いいたします。 使用されている写真はイメージです。実際の内容と異なる場合があります。


